アニメ「僕の心のヤバイやつ」OP・ED主題歌一覧

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アニメ「僕の心のヤバイやつ」OP・ED主題歌一覧

重度の中二病で陰キャ男子・市川京太郎と、スクールカーストの最上位にいる陽キャで、クラスの人気者・山田杏奈。一見すると対照的な2人の淡い恋模様をコミカルに、そして時にはちょっぴりシリアスに描いたアニメ「僕の心のヤバイやつ」の魅力を、作品に優しく寄り添う主題歌とともに解説していきます。

アニメ「僕の心のヤバイやつ」とは？

作品概要

「僕の心のヤバイやつ」はもともと、桜井のりおによる少年漫画で、出版社や作者のXなどで公式に用いられている略称は「僕ヤバ」です。10巻まで刊行されている単行本の累計発行部数は、2024年9月時点で550万部を突破しています。

本作の掲載誌の変遷は、少し複雑です。

本作の連載は秋田書店の「週刊少年チャンピオン」で始まりましたが、2018年15号から18号まで掲載された後、同年4月から、同社の運営するWebコミック配信サイト「チャンピオンクロス」に移籍しています。

さらに2018年7月、秋田書店が「チャンピオンクロス」と「Champion タップ！」を統合して「マンガクロス」をオープンすると、本作もそれに伴って「マンガクロス」に移籍します。そして、2024年4月に「マンガクロス」がリニューアルされて名称が変わり、「チャンピオンクロス」として再スタートを切りました。

そのため、2024年10月現在、「僕の心のヤバイやつ」の掲載誌は、秋田書店が運営するWebコミック配信サイト「チャンピオンクロス」になります。

本編のほか、桜井のりおが自身のXで公開しているショート漫画や小ネタが、「僕の心のヤバイやつ ツイヤバまとめ」というスピンオフ作品としてAmazon Kindleのほか複数の電子書籍ストアより、2024年10月現在で計2冊販売されています。（自費出版の形式で公開）

クラスの中でも目立たず、心の中で殺人衝動を持て余すほどに中二病をこじらせた市川京太郎と、読者モデルとして活躍するクラスの人気者・山田杏奈の関係を軸に、彼らを取り巻く愉快なクラスメイトたちとの日々をコミカルに描いた作品は、本編・スピンオフともに多くの読者の心に刺さり、深い共感を得ています。

ファンの期待に応える形で、満を持して2023年4月から6月にかけてアニメ第1期が放送。さらに、2024年1月から3月にわたってアニメ第2期が放送されました。


そして、アニメ放送終了後から約半年後の2024年9月、ファンの興奮も覚めやらぬ中で、劇場アニメ「僕の心のヤバイやつ」の公開が発表されました。

あらすじ・登場人物

本作の主役は、重度の中二病で陰キャ男子・市川京太郎と、スクールカーストの最上位に君臨する陽キャの美少女・山田杏奈の2人。

胸の内に殺人衝動を秘めている市川は、山田を殺害すれば彼女の遺体はどれほど美しいだろうかという、やや物騒な妄想を繰り広げていました。

物語の開始時点で、ほぼ対極に位置する市川と山田の2人にはほとんど接点がありませんでしたが、ある日市川は、彼が聖域としている図書室で、大口を開けておにぎりを頬張り、上機嫌に鼻歌を歌う山田の姿を目撃します。

図書室には誰もいないと思い込み、美しい外見からは想像しにくい振る舞いを見せる山田。そんな彼女に戸惑いつつも目が離せなくなり、少しずつ意識し始める市川。

コミカルな出会いから、2人の淡い恋が無自覚なままで始まります。

重度の中二病を患う陰キャ男子・市川京太郎を演じるのは、ラクーンドッグに所属している声優の堀江瞬。

これまで、「彼女、お借りします」の木ノ下和也や「蜘蛛ですが、なにか？」のシュンなど様々なキャラクターを演じてきました。

今作では役者としての経験とセンスを活かして、クラスの中であまり目立たない陰キャ男子という難しい役柄を見事に演じ、視聴者が感情移入しやすいキャラクター像を完成させています。

主人公の市川京太郎とは対照的に、雑誌モデルとして活躍し、校内でも愛されている美少女・山田杏奈を演じるのは、青二プロダクションに所属する声優の羊宮妃那。

山田はスクールカーストの最上位に君臨しているため、市川にとっては近寄りづらい一方で、マイペースで個性的な性格の持ち主です。

美人なのにどこか言動がおかしく、思わずくすっと笑ってしまう山田のパーソナリティーは、演じる上でも非常に神経を使いそうですが、羊宮妃那は任された役柄を全うしています。

アニメ「僕の心のヤバイやつ」の魅力

自身の胸に芽生えた、名前がはっきりとはわからない「ヤバイ」感情を持て余す中学生の2人をコミカルに温かく描いた点に、アニメ「僕の心のヤバイやつ」の魅力があります。

また、市川と山田の2人にとってはなんだかよくわからない感情であっても、漫画の読者やアニメの視聴者からすれば、2人が心の中で持て余している感情の正体がよくわかり、物語が進むにつれてどんどんと感情移入してしまうというのも大きなポイントです。

市川と山田の関係性を時にコミカルに、そして時にシリアスに描く作風は、原作、アニメともに共通していますが、アニメ化に際して作品に音や動きが加わったことで、2人の間にある繊細な感情がよりリアルに、確かな温度を伴って視聴者に伝わるようになった印象を受けます。

五感を通して伝わってくる優しい感情は、性別も世代も問わず多くの人を虜にしています。

アニメ「僕の心のヤバイやつ」OP・ED主題歌

アニメ「僕の心のヤバイやつ」の世界を彩る主題歌は、第1期のOPに使用されたヨルシカの斜陽から、第2期のEDに使用されたこはならむの「恋してる自分すら愛せるんだ」まで全4曲。

いずれの主題歌も、物語の進行に従って少しずつ変化していく市川と山田の心境を、直接的な言葉をあまり使わず、詩的に表現している点は特に脱帽です。

斜陽 / ヨルシカ


ボーカルを担当するsuisとコンポーザーのn-bunaの2人で形成される人気音楽ユニット・ヨルシカが歌う「斜陽」は、第1期OP主題歌および第25話ED主題歌として使用されました。作詞・作曲・編曲はn-bunaが担当。

甘さと苦さが混ざり合って響くセンチメンタルなギターサウンドと、「お日様に手が触れた とろとろと燃えるみたいに 指先ばかり焦げた」などどこか文学的な歌詞が、キャラクターの心理描写を大切にしている「僕の心のヤバイやつ」の世界にマッチし、聴いた瞬間に作中の名場面が頭に浮かんでくる、センチメンタルな曲に仕上がっています。

数センチメンタル / こはならむ

第1期ED主題歌として使用されたのは、こはならむが歌う「数センチメンタル」。


もともと、2019年9月からYouTuberとして活動を開始し、目一杯の感情を込めて、時には泣きながら歌うカバー曲の動画が人気を獲得してきたこはならむの歌声は「僕の心のヤバイやつ」の世界観にぴったりです。

タイトルにもある、ほんの数センチのメンタルのゆらめきを優しくて繊細な声で歌い上げ、リスナーをぐっと惹きつける力量はさすがの一言。

思春期に、自分との向き合い方や他人との距離の取り方に悩んだ経験を持つ若い世代のリスナーに向けられた、繊細なハートを優しく包み込むメロディーと歌詞は必聴です。

僕は… / あたらよ

第2期OP主題歌として採用されたのは、「悲しみをたべて育つバンド。」というキャッチコピーを掲げているあたらよの「僕は…」。

作詞と作曲はボーカル・ギターを担当するひとみ、編曲はギターのまーしーと音楽プロデューサーのSoma Gendaが共同で行っています。

全体を通して、市川京太郎の視点から綴られた歌詞には、言葉にしにくい彼の感情がにじんでおり、視聴者は自らの青春時代を思い出してつい感情移入させられます。物語が進むにつれて市川と山田の関係が変化するため、いっそう歌詞の重みが増してくる点も聴きどころです。

また、OPアニメーションは、「進撃の巨人」などの監督として知られる荒木哲郎が絵コンテと演出を担当しました。

制作にあたって荒木哲郎は、アニメ「僕の心のヤバイやつ」の監督を務めた赤城博昭から様々なアドバイスを受けつつ、「求めうる最大までエモく」感じられる演出を心掛けたという趣旨のコメントをしています。

なおこの曲には、素敵なカバーが制作されています。

「迷子でもいい、前へ進め。」というキャッチコピーを掲げ、とあるガールズバンドの挫折と希望をリアルに描いた人気アニメ「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」とアニメ「僕の心のヤバイやつ」がコラボレーションを果たす形で、作中に登場するガールズバンド・MyGO!!!!!が「僕は…」を熱唱したバージョンです。

アニメ「僕の心のヤバイやつ」でヒロインの山田杏奈を演じる羊宮妃那が、「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」では⾼松燈の役を担っているというつながりもあり、両作品のファンにとっては嬉しいカバーが誕生。気になる人はぜひ聴いてみてください。

恋してる自分すら愛せるんだ / こはならむ

第2期ED主題歌、および第25話挿入歌として、こはならむが歌う「恋してる自分すら愛せるんだ」が採用されました。こはならむが、アニメ「僕の心のヤバイやつ」の主題歌を担当するのは、第1期ED主題歌として採用された「数センチメンタル」以来、2回目のこと。


「数センチメンタル」は、胸に芽生えた感情の正体がつかみきれずに戸惑い、ドキドキする心境を見事に描写していましたが、「恋してる自分すら愛せるんだ」では、まさしくタイトルの通りに、自らの恋心を自覚しはじめ、新しい感情を知った自分を少しずつ受け入れていくという心の成長が描かれています。

「隠れてる 心のドアをこじ開けた 溢れてくる 立ち止まらずに駆け出した」結果、どのような結末が待っているか、ぜひ、アニメの本編を観て確かめてください。

第1期と第2期の主題歌を続けて聴いてみると、新しい発見があるかもしれません。

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この記事を書いた人

T.H

サブカルを幅広く愛するライター。 皆様の「好き」な気持ちに刺さるような情報をお届けできるように頑張ります。

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