日本を代表するシンガーソングライターである米津玄師。
彼の生み出す楽曲は、日本のみならず世界中のファンを熱狂させています。
今回は米津玄師を代表する人気曲でもある、「感電」について詳しく解説します。
この記事では、米津玄師に関する情報や、「感電」に隠された魅力、さらに最新の楽曲についても紹介。
米津玄師のアーティストとしての魅力を深掘りした記事になりますので、ぜひ最後までお読みください!
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目次
米津玄師(よねづけんし)とは?
音録り楽しかった。おたのしみに。 pic.twitter.com/03fWQHgJtp
— 米津玄師 ハチ (@hachi_08) June 21, 2018
ここでは、米津玄師の経歴や代表曲について紹介します。
数々の名曲を生み出し続ける彼のルーツや代表曲について詳しく見ていきましょう。
米津玄師(よねづけんし)の経歴
米津玄師は1991年3月10日、徳島県に生まれました。
音楽好きが高じて、2009年からは「ハチ」名義でニコニコ動画に「マトリョーシカ」などの有名曲を公開します。
この頃から、米津玄師本人でしか表現できない音楽センスが光ります。
中毒性のあるサウンドは聴く人を魅了し、「ハチ」名義で公開された楽曲は今もなお人気です。
米津玄師は音楽だけでなく、自身のCDジャケットのイラストも手がけるほどの多才ぶりを発揮しています。
独特のタッチのイラストは曲の世界観とマッチしており、イラストにおける表現力も見事です。
「米津玄師」は本名で、2012年からは「ハチ」名義から「米津玄師」名義へ移し活動の幅を広げます。
映画やドラマの主題歌、CMソングや有名俳優への楽曲提供など、多方面で活躍する今をときめくシンガーソングライターです。
代表曲
Lemon
米津玄師の代表曲といえば、「Lemon」を外すことはできないでしょう。
第69回 NHK紅白歌合戦に出場した楽曲でYouTubeの再生数は6億回を上回るなど、驚異的な人気を誇っています。
TBS金曜ドラマのアンナチュラルの主題歌になっている楽曲です。
馬と鹿
「馬と鹿も」米津玄師を語る上では、外せない楽曲となります。
日曜劇場のノーサイド・ゲームの主題歌に起用されており、ゆっくりとしたテンポの中にも盛り上がりがあるメロディラインはファンを魅了します。
また、「NHK2020ソング」として嵐に「カイト」を提供。
「第70回 NHK紅白歌合戦」にて初披露され、2020東京オリンピックパラリンピックの公式テーマソングとなっています。
「感電」は米津玄師の代表曲
数ある米津玄師の名曲の中でも、代表曲として紹介すべき楽曲である「感電」。
歌ってみた系のカラオケ動画も多数投稿されるほどの人気ぶりです。
「感電」はYouTube公開時に視聴者を楽しませる工夫がこらされた楽曲で、その効果は再生回数にも現れています。
ただ、作詞作曲して世の中に公開するだけにとどまらず、その見せ方にもこだわる姿勢は、米津玄師のアーティスト魂が見てとれます。
「感電」とはどのような楽曲なのか深掘りしましょう。
「感電」はTBS金曜ドラマ「MIU404」の主題歌
米津玄師の楽曲はドラマや映画の主題歌になることが多く、「感電」も例に漏れず、TBS金曜ドラマMIU404の主題歌となっています。
綾野剛と星野源のW主演のドラマで、「機動捜査隊」に所属する二人の主人公が、数々の事件の中で葛藤しながらも成長する様子が描かれています。
YouTube公開後わずか2時間で100万再生
「感電」が他の楽曲とは異なる点は、YouTube公開直後の再生数にあります。
公開より1時間50分での100万再生という結果は、米津玄師本人の記録を更新しました。
米津玄師が公開時に用意した仕掛けは、米津玄師のYouTubeチャンネル内の全動画サムネイルが404 NOT FOUNDに切り替わるというものでした。
一体何が起きるのかと、ファンはこの時点で心をわしづかみにされます。
配信された4分4秒の動画の内容は、2種類の羊がランダムに配置されているという不思議なもので、考察がYouTubeコメント欄で繰り広げられるという盛り上がりを見せました。
実は、この無作為に並べられたように見えた羊。
モールス信号にのっとって配置されており、羊の並びから解読すると、感電MV23:00公開です。というメッセージが浮かび上がったのです。
モールス信号の動画が投稿されたのは17時で「感電」が公開されたのは23時であるため、わずか6時間の間にたくさんの人の注目を集めたことになります。
この米津玄師の粋な計らいは、これまでのファンを楽しませるのと同時に、新たなファン層を生み出したのはいうまでもないでしょう。
「感電」の魅力を徹底解説
ここでは、「感電」という楽曲に込められた工夫や想いを深掘りしていきます。
歌詞やMVについて考察することで米津玄師が「感電」に込めた想いを考察することができます。
もちろん、米津玄師の楽曲は難解なものが多く解釈の仕方は1つに定まりません。
数多くある解釈の1つとして感電に隠された意味を紐解いていきましょう。
「感電」の歌詞に込められた米津玄師の想いとは?
感電の歌詞の中には「逃げ出したい」や「何か足りない」という現状に満足できない気持ちを表現する言葉がちりばめられています。
これは、日々の生活の中でたまるフラストレーションを表現していると考えられるでしょう。
逃げ出したいという気持ちの高まりの中でも「動機は未だに不明」とあることから、自分自身が何に対してフラストレーションをためているのかを理解していない状況を表しています。
ただ、「一瞬のきらめき」を味わいたい、食べ尽くしたいという抽象的な欲望が原動力になっています。
ここまでで、現代社会に対する若者が抱いている不安が読み取れます。
物質的に満足はしているものの、新型コロナウイルスの蔓延をはじめとする先行きの不透明感。
未来に対する漠然とした不安が、一瞬のきらめきを渇望する気持ちへとつながるのでしょう。
「正論と暴論の分類さえできやしない街」というのは、日本のみならず今の世界の状況を表現していると解釈できます。
何が正解か分からず、判断基準が揺らぎつつある不安定な世界情勢を揶揄しているのでしょう。
また、「心臓を刹那に揺らす物」という表現は「一瞬のきらめき」と近いものを感じます。
混沌とした世界の中でも、心がぱっと明るくなるような精神的なよりどころを求めて、逃避行を続けている情景が目に浮かびます。
曲の最後にある「稲妻のように生きていたいだけ」というフレーズには、先が読めない不安定な世の中にあっても、自分の命を稲妻のように光らせて生きていきたいという渇望が読み取れます。
「感電」は混沌とした社会情勢の中にある若者の心の渇望を描いた作品だと解釈できるでしょう。
「感電」のMVに隠された魅力の数々
「感電」の撮影は2020年8月31日に閉園したとしまえんで行われました。
MVの撮影を手がけたのは、映画監督であり写真家の奥山由之です。
MVは独創的で、米津玄師の曲の世界観が巧みに表現されています。
映像のほとんどは車内からの視線で構成されており、目線を移すごとに場面が激しく移り変わります。
そのため、自分がまさに車の中にいるような錯覚を起こしてしまいそうです。
夢の中にいるような幻想的な雰囲気の中、としまえんで米津玄師が縦横無尽にダンスを繰り広げます。
空を飛んだりメリーゴーランドに乗ったりと自由に駆け回る米津玄師と対照的に、閉鎖された車の中からそれを眺める状況は、開放感と閉塞感が混在する不思議な空間といえるでしょう。
このMVのクライマックスでは、車の中にいる人物も米津玄師本人であることがわかる描写があります。
このことから、今まで見ていたとしまえんの中の風景は夢だったと解釈できるでしょう。
歌詞の考察と合わせてMVの構成を考察すると、心の深いところにたまっているフラストレーションの爆発と解釈できます。
自由やきらめきへの渇望を縦横無尽に動き回る自分自身に投影したMVとなっています。
米津玄師の最新楽曲
ここでは、「感電」以降にリリースされた米津玄師の楽曲を見ていきましょう。
2021年に入ってからも精力的に新曲を公開しており、その中でも最新の楽曲を2つ紹介します。
「死神」-2021/06/24公開
「死神」というパンチの聞いたタイトルは古典落語からきています。
落語の死神の話の流れをくみとりつつも、米津玄師ならではの表現がちりばめられている名曲です。
死神の視点と主人公の視点が交互にテンポ良く表現されており、まるで落語を聞いているかのような錯覚におちいります。
曲の意味や内容を詳しく知りたい方は落語の「死神」を聞いてみることをおすすめします。
「Pale Blue」-2021/06/04公開
TBSドラマの「リコカツ」が主題歌となっている楽曲です。
最近楽曲の中では珍しく「失恋」をテーマにしています。
別れ際の男女の恋愛を映画のエンドロールや舞台のエピローグに例えて表現されている点が、曲の奥深さを感じさせます。
独特な比喩表現は米津玄師の表現力が光るポイントです。
また、曲のはじめは恋をしていたと過去形で表現されていた点も、曲の最後では恋をしているという現在形の表現に変わっています。
このような言葉の巧みな使い分けで、失恋の切なさや本心の露出を効果的に表現されています。
Pale Blue と死神が収録されたシングルは2021.06.16 が発売日です。
まとめ
米津玄師は「感電」の他にも、さまざまな有名楽曲をリリースしてきました。
「感電」は米津玄師の楽曲の中でも、特に遊び心に富んだ楽曲だといえます。
遊び心の中にも深いメッセージを読み取ることができ、聞けば聞くほど良さが分かる作品となっています。
これからの米津玄師の活躍にも期待しましょう。
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