小学生・のび太と、のび太に寄り添うロボット・ドラえもんの友情で、人々に感動や希望を与える「ドラえもん」。
1969年に漫画の連載が始まり、1973年からはTVアニメも制作されています。作者は「オバケのQ太郎」や「キテレツ大百科」で有名な藤子・F・不二雄。
藤子・F・不二雄は、富山県生まれの漫画家です。当初は「藤子 不二雄」名義で、藤子 不二雄Aと共に活動していました。
1996年に惜しまれながら亡くなり、現在の制作事業は藤子・F・不二雄が立ち上げたプロダクションが担当しています。
未来からやってきたネコ型ロボットという斬新なアイディア、子ども心をくすぐる数々のひみつ道具、基本コメディの中にあるシリアスな場面に、多くの人々が心を鷲掴みにされました。
人々の心を掴んだのは、ストーリーだけではありません。「ドラえもんのうた」「ひまわりの約束」など、アニメ「ドラえもん」を彩った素敵な主題歌もたくさんあります。
今回は、世代を超えて多くの人に愛される「ドラえもん」を彩った歴代の主題歌から、名曲6曲を紹介します。
目次
「ドラえもん」世代を超えて愛される歴代主題歌6選
初代主題歌「ドラえもんのうた」世代を超えた定番ソング
“こんなこといいな できたらいいな”のフレーズが有名な「ドラえもんのうた」。冒頭を聴くだけで「あっ!ドラえもんだ!」と分かるメロディーですが、実は作曲されたのは1979年。アニメ「ドラえもん」のオープニングテーマに使われています。
「ドラえもんのうた」はその人気ぶりから、何度も歌い手を変えて主題歌として採用されています。上記の公式動画もカバー・バージョンです。初代の音源は、Spotifyなどのストリーミング配信で聴くことができます。
「ドラえもんのうた」で特徴的なのは、何と言っても冒頭の三連符。三連符とは、1拍の間に「タタタ」と3つの音を均等に使ったリズムのことです。三連符が連続して続くことで、独特の浮遊感をかもしだしており、まるでタケコプターで空を飛んでいるかのような気持ちになります。
また、初代主題歌として、アニメ「ドラえもん」の世界観を表現しています。歌詞のところどころにドラえもんの道具である「タケコプター」や「どこでもドア」が登場し、ドラえもん役で有名な大山のぶ代による合いの手が入っています。これにより、一層「ドラえもん」の世界観に没入することができますね!
「少年期」武田鉄矢による隠れた名曲
TVドラマ「3年B組金八先生」シリーズで有名な武田鉄矢ですが、ドラえもんの主題歌を担当していたこと、ご存知でしたか?武田鉄矢自身によって作詞された「少年期」は、1985年に公開された映画「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」の主題歌として使用されています。
ドラえもんの主題歌というとポップで明るい曲調の印象が強いですが、この曲は寂しげに歌われています。“あぁ僕はどうして大人になるんだろう”という歌詞が、思春期に訪れがちな将来への漠然とした不安感にリンクするかのようです。
武田鉄矢は1作目の映画「ドラえもん のび太の恐竜」の主題歌である「ポケットの中に」の作詞も手がけています。「ドラえもん」作品に対して思い入れのある武田鉄矢だからこそ、大人になっていく中でぶつかる葛藤の部分を、あえて描きたかったのかもしれませんね。
「ぼくドラえもん」大山のぶ代の声質とマッチした中毒性のある楽曲
「ドラえもんのうた」と同じくらいの知名度を誇る「ぼくドラえもん」。子どもの頃に“あたまテカテカ~”と口ずさんだことのある方も多いのではないでしょうか。
大山のぶ代の特徴的な声質が曲調にマッチし、何度も聴きたくなる中毒性のある楽曲に仕上がっています。
実は、この曲は「藤子・F・不二雄ミュージアム」への直行バスがある登戸駅の発車ベルにも使われています!登戸駅に立ち寄った際には、発車ベルを聴いて、「ドラえもん」の世界観を味わってもいいかもしれませんね!
ロックになった?!東京プリン版「ドラえもんのうた」
そんなポップな初代「ドラえもんのうた」をロック調に仕上げたのが、東京プリンが歌唱、岩戸崇がアレンジした「ドラえもんのうた」です。こちらも、ドラえもんによる合いの手は大山のぶ代が務めています。
歌唱を務める東京プリンとは、スーツ姿にプリンの被り物といったユニークな服装で活躍する2人組男性ユニットのことです。
2002年から翌年まで、TVアニメ「ドラえもん」のオープニングとして使用されていました。初めて耳にした当時の人々は、その曲調の違いに衝撃を受けたことでしょう。
東京プリンは他にも、「ぼくドラえもん」をロック調にカバーした「ぼくドラえもん2112」を歌唱しています。聴いてみると、新しい「ドラえもん」の扉が開けるかもしれません?!
星野源「ドラえもん」歌詞に溢れる作品への愛
2018年にリリースされた星野源による「ドラえもん」。直球のタイトルの通り、映画「ドラえもん のび太の宝島」の主題歌に使われています。
どこかとぼけたようなメロディで始まり、ポップな曲調で進行しますが、Cメロでは一転して落ち着いた曲調になります。基本的にコメディで進行するのに、時々ホロリとさせられる場面がある「ドラえもん」のストーリーと、どこかリンクしています。
星野源自身により作詞・作曲された本曲。ラジオ番組で、星野源自身により、歌詞の解説がなされています。
冒頭の“指先と机の間 二次元”という歌詞は、作者である藤子・F・不二雄が「ドラえもん」を執筆する様子を表しているそうです。作者の指先と机の上にある原稿(二次元)から生まれたキャラクターが、四次元ポケットを持って活躍し、三次元を生きるわたしたちをこんなにも魅了していることを思うと、ワードセンスの光る歌詞です。
また、歌詞の中には「ドラえもん」以外のキャラクターは出ていませんが、「出木すぎあの子」「拗ねた君」「静かなあの子」と、暗に人気キャラクターを思わせる人物が登場します。ドラえもんファンの心をくすぐりますね!
ちょっぴりシュールなこちらのミュージックビデオ。星野源作品ではもはや定番?!の、星野源が扮する「ニセ明」も必見です。
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「ひまわりの約束」ストリーミングで1億回聴かれた新名曲
2014年に公開された3DCG映画「STAND BY ME ドラえもん」。この映画では、のび太としずかちゃんの結婚までや、ドラえもんとの別れを描いており、当時「ドラ泣き」という言葉が流行るほど人気を博しました。
そんな「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌に使用されたのが、秦基博の「ひまわりの約束」です。
冒頭のアコースティックギターの音色と秦基博の切なげな歌い方が、心に響きます。徐々にストリングスの音色が入るなど、壮大でドラマティックな展開となり、切なさの中に眠る力強さに、思わず胸を打たれます。
ちなみに、ストリーミング再生1億回を記念して制作されたのがこちら、「ひまわりの約束」スペシャルリリックビデオ(コエカタマリンVer.)です。
ドラえもんやのび太が、映画と同じく3DCGで登場しています。タイトルにあるコエカタマリンとは、「ドラえもん」に登場するひみつ道具の一つで、話したことが固体の文字として出現するというものです。
そんなコエカタマリンを模したミュージック・ビデオのため、歌詞も大変見やすくなっており、ファミリーで楽しめること間違いないでしょう。新しいバージョンで、「ひまわりの約束」を改めて聴いてみるのはいかがでしょうか?
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ドラえもん主題歌・まとめ
2020年に漫画連載50年、アニメ映画は40周年を迎え、ますます人気を加速させている「ドラえもん」。
今回は作品を彩る主題歌6曲について紹介しました。
今後もその世界観に合わせ、どのような名曲が生まれるのか、楽しみですね!