おいしくるメロンパンは2015年に結成されたスリーピースロックバンドです。
2020年7月現在、4枚のミニアルバムを発表しているほか、ワンマンツアーや大型フェス出演経験もある期待のバンドです。
目次
おいしくるメロンパン
- ナカシマ / ヴォーカル、ギター
- 峯岸 翔雪(みねぎし しょうせつ) / ベース
- 原 駿太郎(はら しゅんたろう) / ドラム
おいしくるメロンパン・経歴
峯岸さんが大学時代に知り合ったナカシマさんの作った音楽を気に入ったことがバンド結成のきっかけとなりました。
ナカシマさんと一緒に音楽をやりたいとアプローチをかけていたところ、峯岸さんと高校時代にバンドをやっていた原さんから「バンドやらない?」というメールが届き、「じゃあ、この3人でバンドをやろう!」という流れになったそうです。
原さんからの超タイムリーなメールがなければ、おいしくるメロンパンは結成されていなかったかもしれません。
その後、2016年のRO JACK(アールオー・ジャック)というロッキング・オン主催のバンドアーティストのオーディションに参加し、結成から1年足らずで優勝しました。
優勝したことにより、同年のROCK IN JAPAN 2016に出演しています。
RO JACK優勝コメントは「メロンパンの売り上げに貢献する」でした。
おいしくるメロンパン・バンド名の由来
バンド名の由来は、ボーカルのナカシマさんがメロンパンを食べているときに思いついた造語です。
結成当時、峯岸さんとナカシマさんの間で造語を作る遊びが流行っており、その流れで出てきた“おいしくるメロンパン”という言葉が気に入ったため、それをそのままバンド名にしました。
瞬発的に出てきた造語なので、特に深い意味はないようです。
ちなみに他にバンド名の候補として挙がったのは、“オカルティックカルピス”と“マタタビテンバツ”のふたつだったとか。
現在のバンド名と比較すると少々おどろおどろしく感じますね…。
おいしくるメロンパン・メンバー
おいしくるメロンパンは2015年の結成以来、下記のメンバーで活動を続けています。
作詞・作曲はナカシマさんを中心に行われており、ナカシマさんが持ってきた弾き語りの状態の楽曲に他のふたりがアイデアを加えて完成させています。
ナカシマ / ヴォーカル、ギター
- 氏名:ナカシマ
- 出身地:福岡県
- 影響を受けたアーティスト:andymori、相対性理論
峯岸 翔雪(みねぎし しょうせつ) / ベース
- 氏名:峯岸 翔雪(みねぎし しょうせつ)
- 出身地:千葉県
- 影響を受けたアーティスト:BLANKEY JET CITY
原 駿太郎(はら しゅんたろう) / ドラム
- 氏名:原 駿太郎(はら しゅんたろう)
- 出身地:千葉県
- 影響を受けたアーティスト:フジファブリック
おいしくるメロンパン・オススメ曲
5月の呪い
この曲は2016年に発売されたミニアルバム『thirsty』に収録されている楽曲です。
『5月の呪い』というタイトルですが曲調はキャッチーで、間奏のギターの音が主人公のあいまいな気持ちや鬱屈とした気持ちと気だるさを表現しています。
何もしたくない、特にGWが明けてからの5月病でだるいときにぼーっと聴きたくなる曲です。
ボーカルのナカシマさんのキャラクターと世界観がしっかり出ている楽曲だと言えるでしょう。
また、おすすめポイントとしては間奏にギターソロ、ベースソロ、ドラムソロがある点で、それぞれの演奏力の高さが感じられる曲でもあります。
あの秋とスクールデイズ
この曲は2017年に発売されたミニアルバム『indoor』に収録されている楽曲です。
学生時代の青春が描かれている楽曲で、MVも学校を舞台に撮影されています。
好きな人に自分の思いが伝えられない、実らなかった恋や関係について歌っている曲です。
曲中から終盤まで「情けないな」という言葉が連発しています。
その言い方どれもが全部違います。
初めは自分に言い聞かせるように言っていたのが、感情が爆発して「情けないな」とシャウトするところがありますが、演奏やナカシマさんの歌い方も感情的になります。
初めの曲調からは想像もできないぐらいの曲の振れ幅です。
2ndミニアルバムで最後にこの楽曲が収録されていますが、初期の楽曲の中でこれだけ表現が振れるものはあまりありません。
桜の木の下には
こちらも2ndミニアルバム『indoor』に収録されています。
おいしくるメロンパンには季節を感じさせる楽曲は多くありますが、この曲も歌詞の中に季節やその当時を思えるような繊細な感情と叙情的な表現が多く出てきます。
それぞれの歌詞がまさに「詩」のようになっていて、これを一息に簡単に歌いこなすのもすごいですが、言葉選びのセンスの巧さを感じる曲です。
憧景
2019年に発売された1st digital singleです。
一聴して感じたのは「声が違う」ということでした。
初期の曲から順に聴いていくと、1stミニアルバムのときの細くて繊細な声から芯のある太い声に変わっています。
またギター、ベース、ドラムの演奏もより図太く、激しくなっているのと同時に明らかに巧くなってる!
元々コード進行や曲の構成は複雑でしたが、この曲はより複雑でどこがAメロなのか、もはや全部サビじゃないかと思えるぐらい無駄がなく、音が多く詰まった楽曲です。
色水
この曲は1stミニアルバム『thirsty』の1曲目に収録されています。
おいしくるメロンパンの人気曲といえばこの曲です。
この時期から演奏技術の高さやメロディの作り、曲中の巧みな緩急の使い分けは完成されています。
ファンの間ではバンドのイメージが「水」や「夏」というイメージがついていて、この曲がその所以です。
「水」を表す楽曲は同アルバムに収録されている“シュガーサーフ”や3rdミニアルバムの『hameln』の“水葬”、4thミニアルバム『flask』の“水仙”などがあります。
アルバムのジャケットにも海やプールが描かれていることから、バンドを表現する上でも「水」というテーマは大切なものになっていることが感じられます。
透明造花
2020年4月22日に配信リリースされた現時点での最新シングル。
90年代感バリバリの映像処理がほどこされたMVが印象的な“透明造花”は、暴れ回るギターフレーズが曲を牽引するロックチューンです。
良く晴れた夏の日にふと感じる物悲しさを音にしたようなセンチメンタルな空気感のある1曲に仕上がっています。
おいしくるメロンパン・最新情報
新型コロナウイルスの感染拡大により、4月27日からスタートする予定だったツアー「おいしくるメロンパン ワンマンツアー2020 〜TO☆GEN☆KYO〜」が全公演中止となってしまったおいしくるメロンパン。
しかし、そんなファンの傷心を慰めてくれるアイテムがリリースされているのでご紹介しましょう。
2020年4月22日に発売されたのが、2019年12月18日に開催されたEX THEATER ROPPONGI公演を完全収録した初のDVD『flaskレコ発ワンマンツアー2019 〜博士!これ以上はッ…!〜 at 2019.12.18 EX THEATER ROPPONGI』です。
アンコールを含めた全20曲が収録された同作を鑑賞し、ツアー中止の無念を少しでも解消させてみてはいかがでしょうか。
「DVDもいいけど、やっぱり現在進行形の彼らに触れたい!」という方にオススメなのが、毎週水曜に生配信されているWEBラジオ番組おいしくるメロンパンの「群青雨宿」です。
こちらはラジオ番組形式なので基本的には声での出演となりますが、生の彼らの声に触れることのできるファン必聴のプログラムになっています。
興味のある方は、公式サイト上に開設された特設ページをチェックしてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
曲の歌詞や楽曲のおすすめポイントを紹介してきました。
様々な楽曲の種類、演奏の技術の高さ、メロディラインの豊富さ、流行にとらわれない曲の構成など、バンドサウンド一点にとらわれない音作りが魅力的なバンドです。
おいしくるメロンパンを紹介する中で思ったことが一つあります。
それは「バンドのカラーはボーカルの人のイメージで決まるわけではない」ということです。
知れば知るほど、バンドのフロントマンであるナカシマさんのキャラクターや容姿からはかけ離れた唯一無二なバンドであることが分かってきました。
歌詞が稚拙でありきたりなものであれば、これほど何度も聴きたくはならないし、バンドの演奏がちぐはぐで全く曲に音が合っていないものであれば説得力に欠けます。
おいしくるメロンパンは、季節や感情、空間を繊細に表現した歌詞、ナカシマさんのエモーショナルな声、その声を引き立てるための絶妙にキャッチーなサウンドで構成されていて、まさに主人公の「その時代」「そのとき」のやるせない感情を体現しているバンドだと思います。
「学生時代、青春時代が輝いていた」という曲はよく流行りました。
キラキラ、ワクワク、ドキドキという言葉で表現されがちですが、おいしくるメロンパンの甘酸っぱくも少しダークなエモサさが刺さる人も多いと思います。
純粋な主人公や青年のイメージの楽曲でもある“色水”から始まり、現在の最新シングルの“情景”までに至ります。
今後どのように変化していくかが楽しみなバンドでもありますね。
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