みなさんは「コミックバンド」と聴くとどんなバンドをイメージしますか?
笑える、明るい、やや自虐的、でも音楽センスは抜群に良い・・・。
どれも間違いではないし、その通りです。
しかし、そこに「泣ける」という要素が入った4人組がいます。
その名も四星球(すーしんちゅう)。
今ではすっかり大型音楽フェスの常連となった彼らの、これまでの経歴やオススメの楽曲をご紹介します。
目次
四星球の魅力・バンド名の由来
- 北島康雄(きたじま やすお)/ボーカル
- まさやん/ギター
- U太(ゆうた)/ベース
- モリス/ドラム
「四星球(すーしんちゅう)」は徳島県を拠点として活動する4人組バンド。
ブリーフに法被というインパクト抜群のスタイルで活動しています。
そんな彼らのキャッチフレーズは「日本一泣けるコミックバンド」。
その異名通り、どの楽曲もお笑い芸人のネタに劣らず面白いのに、時折ホロリと涙がこぼれそうになる優しいフレーズが含まれているのが彼らの最大の魅力です。
通常であれば落ち込んでいる時や病んでる時にコミックバンドの楽曲を聞く気にはならないと思いますが、彼らの楽曲はボロボロのメンタルの時こそ聞きたくなります。
単純に笑わせてくれるのではなく、心の傷にそっと寄り添ってくれるのがポイント。
面白くて、涙が出るほど笑える。
でも、その明るさの裏側にある悩みや不安もちゃんと分かってくれている。
そんな内面イケメン(!?)が揃ったバンドなのです。
バンド名の由来
薄々お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、「四星球」は人気漫画「ドラゴンボール」に出てくる球のこと。
全部で7つあり、すべて集めるとどんな願いも叶うと言われている漫画のキーアイテムです。
なぜそのうちの4番目である「四星球」を選んだのか正確には不明ですが、メンバーが4人だったからといわれています。
当初はライブのSEもドラゴンボールの主題歌だったため、彼らがドラゴンボール好きであることは間違い無いでしょう。
四星球のメンバー
北島康雄(きたじま やすお)/ボーカル
北島康雄は四星球のボーカルを務めるフロントマン。
公式ホームページでは脚本と演出担当とも公表されています。
ライブではステージや客席、しまいには他のアーティストのステージまで行き交う自由人ですが、よく見ると背が高くてイケメン。
ファンの間では私服が非常におしゃれなことでも知られています。
まさやん/ギター
まさやんは四星球のギター担当。本名は竹田昌之(たけだまさゆき)。
ライブで使われるダンボールアートなどの小道具はすべてまさやんが担当しています。
しかし、手先の器用さを売りにしているのかと思いきや、本人が主張する特技は跳び箱。
「鋼鉄のダンボーラーまさゆき」という楽曲が制作されるほど、バンド内ではいじられキャラです。
実は初期メンバーではなく、2003年までギターを務めていたてんほーの代わりに加入しました。
U太/ベース
U太(ゆうた)は四星球でベースを務めるメンバーであり、ボーカル・北島康雄とともにバンドを始めた四星球の発起人。
本名は高田雄太(たかだ ゆうた)。
公式ホームページにはマネージャーと事務所社長という肩書きもあり。
社長を務めているのは2013年に立ち上げた自主レーベル「みっちゃん」でのことです。
モリス/ドラム
モリスは四星球のドラム担当。本名は守岡勇気(もりおか はやき)。
モリスも初期メンバーではなく、2006年に脱退したたけ痔に代わって加入したメンバーです。
趣味はうどん屋巡りと公言している通り、モリスのInstagramにはうどんに関する投稿が頻繁になされています。
公式ホームページの肩書きには「ポセイドン」という表記もあり。詳細は不明です。
四星球の経歴
もうすぐ結成20周年というキャリアを持つ四星球。
底抜けの明るさとギャグセンスを持つ彼らが、一体どのような経歴を辿ってきたのか気になりますよね。
結成から自主レーベル設立、メジャーデビューまで彼らの経歴をご紹介します。
インディーズ時代
四星球としての活動が始まったのは2002年のこと。
当時鳴門教育大学に通っていたボーカル・北島康雄とベース・U太を中心に結成されました。
大学がある徳島県を中心に活動を続けて行く中で、2003年にはギター・てんほーが脱退。
そこで現メンバーであるまさやんが加入します。
まさやんは康雄とU太の後輩。カツ丼につられて加入したそう。
積極的にライブを行う中で徐々に人気を獲得し、結成から3年後の2005年には徳島県で自身初となるワンマンライブを成功させます。
しかし、翌2006年には当時ドラムを務めていたたけ痔が脱退。
現メンバーであるモリスがサポートとして加入し、活動を続けることになりました。
その後2007年には1stアルバム「ゆとり教育の星」をリリース。
同アルバムの初回生産分は即完売になるなど、この頃から人気に拍車がかかりはじめます。
翌2008年には四国のロックフェス「MONSTER baSH」への主演が決定。
そして同年、サポートメンバーであったモリスが正式メンバーとして加入。
現行体制となった彼らは2009年、2011年と立て続けにアルバムをリリースし、一層精力的な活動を始めました。
自主レーベルを設立
結成から11年経った2013年4月、彼らは自主レーベルである「みっちゃん」を設立します。
半年後には3rdアルバムとなる「COMICBAND〜アホの最先端〜」をリリースし、オリコン最高94位と自身の記録を更新。
2014年にリリースした4thアルバム「もはやCDではない」はオリコン71位を記録し、さらに躍進。
徐々にファンを増やし話題の存在となりつつあった彼らは、2014年の「MONSTER baSH」でついに大トリを務めます。
2016年にリリースした5thアルバム「出世作」はアルバムタイトル通り彼らの出世作となり、翌2017年にはついにメジャーデビューが決定しました。
自主レーベル名「みっちゃん」の由来や詳細は不明。公式ホームページでは「親しみやすさを重視した」と語られています。
現在は香川県を拠点に活動する「古墳シスターズ」というバンドが所属しています。
メジャーデビュー
2017年1月、四星球はビクターエンターテインメント内のレーベル「Getting Better Records」からメジャーデビューを果たします。
デビューアルバムのタイトルは、「メジャーデビューというボケ」。
四星球らしさ満点の一枚は邦楽ロックや音楽フェス好きの間でかなり話題を呼び、なんとオリコンランキングで34位を記録します。
その後も半年に1枚のペースでシングルやアルバムをリリース。
いずれも笑いと涙が絶妙なバランスで含まれており、毎回ファンを増やし続けています。
2020年は新型コロナウイルスの影響でライブが中止になることがあったものの、それでもひたむきに活動を続ける彼ら。
「四星球VSスタッフ よっし」「演奏ミスったら即配信終了ライブ」など一工夫も二工夫も織り交ぜた配信ライブでファンに笑いと涙を届けました。
今後はどのような楽曲やライブでファンを楽しませてくれるのか、彼らの活動が楽しみです。
四星球の代表曲
「日本一泣けるコミックバンド」という異名を持つ彼ら。
どの曲も驚くほどふざけていて笑えますが、その一方で必ずと言っていいほど胸を打つフレーズが含まれているのがポイント。
それも、「前向こうぜ!」なんてちょこっといい事をいうのではなく、深い優しさや温かさを感じるからまた驚き。
「彼らは一体どんな苦労を乗り越えてきたのだろうか・・・」と思わずにはいられない名フレーズとともに、ライブでの定番曲を中心にご紹介します。
クラーク博士と僕
「クラーク博士と僕」は2007年にリリースされた1stアルバム「ゆとり教育の星」に収録されている楽曲。
今では四星球を代表する楽曲であり、ライブやフェスで必ずと言っていいほど演奏される一曲です。
ライブでは激しくフラフープを回しながら歌うのがインディーズ時代からの定番。
「なぜ?」と突っ込まずにはいられませんが、みんなで手拍子をしながらかなり盛り上がります。
しかし、そのどんちゃん騒ぎの一方で、サビの<知らぬ間に始まった人生が知らぬ間に終わっていく>というフレーズはかなり深いのがポイント。
勝手に始まり勝手に終わる人生なのに、人から何かを言われたり居場所を求めたくなったり一体なんなんだろう、という葛藤が歌われています。
弱っている時に聞くと共感できる部分もあり、ほろりと泣けるかもしれませんよ。
Mr.Cosmo
「Mr.Cosmo」は2017年にリリースされた6thアルバム「メジャーデビューというボケ」に収録されている楽曲。
「クラーク博士と僕」同様、ライブで演奏される機会がかなり多い楽曲です。
ちなみに、定番の演出は四星球が得意とするダンボールを用いた茶番。
ライブハウスだろうが大規模野外フェスだろうが、彼らは特大のダンボールアートを用いた茶番で観客を笑わせてくれます。
また、同曲が収録されているのはメジャーデビューアルバムということもあり、楽曲ではメジャーデビューにちなんだ茶番が収録されているのが注目ポイント。
「そんなことやっちゃう?」と突っ込まずにはいられない内容ですので、ぜひ音源でチェックしてみてください。
HEY!HEY!HEY!に出たかった
「HEY!HEY!HEY!に出たかった」は3rdアルバム「COMICBAND〜アホの最先端〜」に収録されている楽曲。
タイトル通り、楽曲では某有名番組に出たかったもののその番組が終了してしまったことに関する嘆きが歌われています。
とても斬新な楽曲ですが、こちらも秀逸なフレーズがたくさん。
特に<人生諦められたのに/夢は諦められないの>というフレーズは、グッとくるものがありますね。
夢を追うために人生を諦めた。だからこそ夢は諦められない・・・。
それは明るく歌う彼らのメンタルというか人間としての奥深さは尊敬に値します。
なんと彼らは2017年に放送された「HEY!HEY!HEY!」のスピンオフ番組「HEY!HEY!NEO!」に出演。
<ミラクルエースの格好で出たかったんだよ>という歌詞の通り、ミラクルエースの格好で同曲を歌い上げました。
妖怪泣き笑い
「妖怪泣き笑い」は2014年にリリースされた4thアルバム「もはやCDではない」に収録されている楽曲。
楽曲タイトルもアルバムタイトルもどこから突っ込んだらいいのかわからないほどふざけていますが、同曲の歌詞は特に秀逸です。
<たくさん笑えば/涙が出るなら/たくさん泣いたら/笑えるのかな>というサビのフレーズは、これまでにこんな優しい歌があっただろうかと思わせるほど。
また、<あいつだけには負けたくないとか/世界には70億人いるのに>というフレーズは何周かして自分の小ささに気づかせてくれるようですね。
とはいえ全体のトーンはとても明るくふざけています。もはや後半のCメロ部分は意味不明の領域。
しかし、この絶妙なバランスが彼らの何よりの魅力なのではないでしょうか。
時間がないときのRIVER
四星球の隠れ名曲の代表といえば、2016年に配信リリースされた「時間がないときのRIVER」。
「RIVER」というタイトルでピンときた邦ロック好きもいるかもしれませんね。
その通り、同曲は「10-FEET」が2002年にリリースした楽曲をカバーしたもの。
しかし、カバーと言っても楽曲の長さはなんと10秒。一節だけをカバーしたショートすぎるカバーです。
それにも関わらず、MVの長さは3分超。「時間がないときのRIVER」にかける熱い想いが語られていますが、かなり笑えるのでぜひチェックしてみてくださいね。
同曲が生まれたきっかけは10-FEETが主催する音楽フェス「京都大作戦」。四星球がサウンドチェックで披露すると、翌日10-FEETもアンコールで同曲を披露。大変話題になりました。
四星球のまとめ
バンドとしての深さも人間としての深さも未知数のコミックバンド「四星球」。
明るい気分の時に聞けば楽しくなりますし、落ち込んでいる時に聞けばホロリと涙できます。
今回ご紹介した楽曲以外にも素晴らしい曲がたくさんありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ポイントは、サウンドやビジュアルの楽しさに気を取られず歌詞をしっかりと聞くこと。
ふと泣いているかもしれませんよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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