打首獄門同好会 奇想天外すぎるアイデアで爆走する【生活密着型ラウドロック】バンド!

打首獄門同好会  奇想天外すぎるアイデアで爆走する【生活密着型ラウドロック】バンド!

2020年2月29日、新型コロナウイルスの感染拡大に社会が不安を募らせる中、「獄至十五ファイナルワンマンツアー」最終公演を無観客ライヴとしてZepp Tokyoから生中継して大きな注目を集めたロックバンド、打首獄門同好会(うちくびごくもんどうこうかい)

チケットを持っていない人でも視聴できるという太っ腹ぶりで、約10万人もの視聴者が打首獄門同好会の熱演を自宅から見届けるという大変な騒ぎになりました。

その後、NUMBER GIRLを筆頭に多くのバンドが無観客ライヴの配信をおこない、ライヴの中止・延期に落ち込んでいるファンの心を慰めましたが、その流れを作ったバンドのひとつが打首獄門同好会だったということに異論を唱える人はいないでしょう。

予定されていたライヴの内容を配信用に修正したり、数百万円単位で費用が膨らんだりと一筋縄ではいかない苦労があったようですが、「こんなにすごいものを無料で観てしまっていいのか?」と心配になるほど高品質な映像を届けてくれたメンバーおよび関係者のみなさまには心からの賛辞をおくりたい気持ちです。

2020年6月からは配信ライヴの可能性をさらに追及した斬新すぎる新プロジェクト「VRライブハウス」を発動。

自宅にいながらにしてライヴハウスの臨場感を味わえるという奇想天外なアイデアを実現させ、多くの関係者やファンの度肝を抜きました。

2004年の結成以降、インディーズひと筋で活動を続けた彼らは、2018年には日本武道館でのワンマンライヴを大成功させるなど、日本のロックシーンでも屈指の人気バンドへと成長を遂げました。
食べ物や日々の暮らしにまつわる事柄など身近なテーマを歌う彼らは、自らの音楽を「生活密着型ラウドロック」と標榜しており、恐ろしげなバンド名とは裏腹にユーモアたっぷりの楽曲はテレビでもたびたび取り上げられ、さらにファンを急増させています。

豊富なアイデアとインディーズならではのフットワークの軽さでシーンに新風を吹き込み続ける「生活密着型ラウドロック」バンド、打首獄門同好会の魅力をご紹介します。

打首獄門同好会(うちくびごくもんどうこうかい)


バンドメンバー
  • 大澤 敦史(おおさわ あつし) / ギター、ヴォーカル
  • junko(じゅんこ) / ベース、ヴォーカル
  • 河本 あす香(かわもと あすか) / ドラム、ヴォーカル

2004年9月に結成された打首獄門同好会は、これまでにベーシストの交代を2回経験していますが、2006年11月に現ベーシスト・junkoが正式加入してからは不動のメンバーで活動しています。

ラウドロックを基調としつつも振れ幅の広い多彩な楽曲と、生活に密着したユーモラスな歌詞が人気を呼んでいるスリーピースバンドです。

インディーズのフィールドで活動している彼らは、2018年には日本武道館公演を大成功させるなど、その活動規模はメジャーアーティストと遜色がありません。

現在(2020年4月)放映中のはごろもフーズ「シーチキン食堂」のCMにもメンバー全員で出演しており、お茶の間への進出も着々と進んでいます。

打首獄門同好会・メンバー

大澤 敦史(おおさわ あつし) / ギター、ヴォーカル

  • 氏名:大澤 敦史(おおさわ あつし)
  • 生年月日:1979年4月26日
  • 出身地:静岡県浜松市

“会長”こと大澤 敦史は、豊富なアイデアとLEDディスプレイまで自作してしまう旺盛なDIY精神でバンドを牽引する打首獄門同好会のリーダーです。

打首獄門同好会のすべての楽曲で作詞・作曲を手掛けており、歌詞は基本的にノンフィクションとして書かれています。

MEMO
岩下の新生姜についての楽曲を書く際には、工場見学を直訴して現場の様子を見せてもらったり、焼き鳥の楽曲を書く際には、早朝の市場で鶏肉を購入して河原で焼くなど、ルポルタージュばりの取材もいとわないこだわりぶりです。

ソフトな声から甲高い独特のだみ声まで多彩な声を使い分けるヴォーカルスタイル、日本のロック界ではまだ使い手の少ない7弦ギターを巧みに弾きこなすギタープレイなどミュージシャンとしても確かな力量の持ち主です。

小学生の高学年からギターを始めた大澤は、ハードロックやヘヴィメタルから多大な影響を受けており、ギターの革命児の異名を持つエドワード・ヴァン・ヘイレン、正確無比なピッキングテクニックを持つポール・ギルバート、7弦ギターのパイオニア的存在であるスティーヴ・ヴァイなどのギタリストを影響源として挙げています。

高校卒業後に進学した音楽専門学校ではロック以外にブルーズやジャズなどを他ジャンルの音楽も吸収しており、ゴキブ…いや、謎の生命体Gとの死闘を歌った名ブルーズ“G”やボサノヴァとブルータルメタルの融合“なつのうた”といった振れ幅の大きいソングライティングに生かされています。

ヴォーカルを担当するようになったのは打首獄門同好会を結成してからで、「ヴォーカリストが見付からなかったから仕方なく」という消極的な理由によるものでした。
いわゆる「ヘタウマ」に分類される歌いっぷりではありますが、この声に慣れ親しんでくると「打首の曲にはこの声以外はありえない!」という心境になってくるから不思議です。

近年における知名度の飛躍的な上昇の結果、2018年10月には出身地である静岡県浜松市の魅力を伝える親善大使「やらまいか大使」に任命され、2019年に浜松の魅力を詰め込んだ楽曲“HAMAMATSU”を発表しました。

男性1名・女性2名という珍しい編成のリーダーということもあり、気を使う場面も少なくないことを告白している大澤。
リハーサルの際などに他のメンバーに対して「こうした方がいいんじゃないかな?」と優しく提案している姿を目撃されています。

junko(じゅんこ) / ベース、ヴォーカル

  • 氏名:junko(じゅんこ)
  • 生年月日:1958年12月20日
  • 出身地:非公表

自慢のロングヘアーを振り乱し、5弦ベースからド迫力の轟音を吐き出すアグレッシヴな看板ベーシストjunkoは、打首獄門同好会にとって3人目のベーシストです。

前任ベーシストの脱退を受け、当初はサポートとしてバンドに参加していましたが、2006年11月頃にいつの間にか正式メンバーとなっており、今に至ります。

バンド加入後は年齢非公表となっていましたが、2018年12月20日に開催された『junkoさんお誕生日会』において、なんと60歳であることを公表。
激しいベースプレイと愛らしいルックス、そしてギャル服がトレードマークのjunkoから飛び出した衝撃の告白にファンはもちろんのこと、世間も騒然となったのは記憶に新しいところです。

MEMO
現在の事務所と契約を交わす際、契約書に実年齢を書かなくてはならないことを知ったjunkoは、年齢を理由にバンドをクビになる覚悟で他のメンバーに真実を打ち上げましたが、ふたりは爆笑しただけだったそうです。
「折り入ってお話があります」とjunkoに切り出されたメンバーたちは、脱退の申し入れだと思って焦ったとか……

河本 あす香(かわもと あすか) / ドラム、ヴォーカル

  • 氏名:河本 あす香(かわもと あすか)
  • 生年月日:1980年1月25日
  • 出身地:瀬戸内海のとある島

ドラマーとしてアンサンブルの土台を支えるのは、「瀬戸内海のとある島」出身の河本 あす香です。

リーダーの大澤と同じ音楽専門学校の卒業生で、Twitterのプロフィール欄に「TM NETWORK、B’Z、米米CLUB、歌謡曲」が音楽的なルーツであることを綴っています。

ラウドロック系のバンドとしては珍しい女性ドラマーですが、ドラムをパワフルにヒットしながら多彩なリズムパターンを叩き分けるだけにとどまらず、流麗なヴォーカルパートまで担当するという「歌える凄腕ドラマー」です。
バンドの編成こそ違いますが、役割としてはマキシマム ザ ホルモンのナヲに近いものだと言えるでしょう。

風乃海(かぜのうみ) / VJ


打首獄門同好会のライヴでは楽曲に合わせた映像がスクリーンに映し出され、聴覚だけでなく視覚的にも大いに楽しめる工夫が施されています。

その映像を操作する“影のメンバー”が3代目VJ・風乃海です。

打首獄門同好会の所属事務所LD&Kの社員としてマネージャー業も兼務する風乃海は、2017年にVJに就任した当初は2代目VJ・サカムケとの分業体制でしたが、2018年10月にサカムケが卒業して以降はVJの重責を一身に担っています。

ライヴ会場での活躍は言うに及ばず、打首獄門同好会が音楽番組『ミュージックステーション』に出演した際にも同じステージに立つなど、彼らの活動に欠かせない存在です。

打首獄門同好会・バンド名の由来

「打首獄門」という時代劇でしか耳にしたことのない恐ろしげな字面をバンド名に冠した打首獄門同好会。
「このバンド名ではテレビやタイアップは無理かな…」とメンバーも悩んでいた時期があったとか…。

しかし、こんな不可思議なバンド名になったのは、「恐ろしげな名前を付けてやろう」という意図があったわけではありません。
バンド名を決める際、ドラムの河本あす香が「和風な名前がいい!」と言い出したのがきっかけでした。

言い出しっぺの河本がバンド名候補として出したのは、なんと「チョンマゲトリオ」
「この名前だけは回避したい」と思ったリーダーの大澤は、父親が好きだった時代劇に出てきたフレーズを総動員して「打首獄門同好会」「切腹愛護団体」「終生遠島協同組合」という対案を無理やりひねり出しました。

最終的な判断を任されたのは、初代ベーシストの高山明でした。
「どれがいい?」と大澤に詰め寄られた高山は、半ば消去法のような形で「打首獄門同好会」を選択。
こうしてゆるい歌詞とは不釣り合いなバンド名が誕生したのでした。

不穏なバンド名にもかかわらず、2016年に人気番組『行列のできる法律相談所』に出演するなどお茶の間での知名度も飛躍的に高まっており、近年ではチケットを取るのも一苦労なほどの人気バンドとなっています。

ヴァーチャルライヴ体験「VRライブハウス」

記事冒頭でも少し触れましたが、2020年6月から新プロジェクト「VRライブハウス」を始動させた打首獄門同好会。

新型コロナウイルスの感染拡大によって以前のようなライヴ活動が出来ない状況の中、ライヴハウスで演奏しているバンドの姿を360度動画で観ることが出来るというインディーズバンドの企画とは思えないような壮大な内容です。

VRライブハウスお試し映像 from 打首獄門同好会 UchikubiGokumonDoukoukai on Vimeo.

百聞は一見に如かず、ということで上に貼った動画を実際に見ていただくのが一番話が早いでしょう。

正面にドーンと控えるドラムの河本あす香。

右を向けばギター&ヴォーカルの大澤会長、左を向けばベースのjunko、そして後ろを振り返ればVJの風乃海とスクリーンが見えるというまさに打首獄門同好会のライヴそのままの光景が広がっています。

VRゴーグルが無くても動画を360度動かすことが可能ですが、実際にVRゴーグルを装着して身体を揺らしながら観るのがバンド側が想定した視聴スタイルなのではないでしょうか。

通常のライヴ映像のようにカメラ割りなどが存在するわけではないため、どこを見ようが視聴者の自由だというのも非常に魅力的です。

好きなメンバーをガン見するもよし、足元のエフェクター類をチェックするもよし、大澤会長の手元を見てリフの演奏方法を確認するもよし、その可能性は無限大。

現在までに20分前後の動画が10種類リリースされており、お値段も500円均一と非常にお手頃です。

「ライヴハウスに行きたいけど新型コロナが心配で…」という方は、安心安全な「VRライブハウス」で疑似体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。

打首獄門同好会・オススメ曲

2009年に初の全国流通盤『庶民派爆弾さん』を発表した打首獄門同好会は、現在までに2枚のベストアルバムを含む数多くの作品をリリースしています。

重心の低いゴリゴリのヘヴィロックから軽快なボサノヴァまでバリエーションに富んだ彼らの楽曲は、誰にとっても身近に感じることのできる歌詞の面白さが相乗効果を生み、いくら聴いても聴き飽きることがありません。

バンドの歴史については、大澤会長がマメすぎる性格を存分に発揮し、公式ホームページの中で創成期から現在に至るまで詳細に記録してくれており、ここで改めてご紹介する必要を感じないほどです。

「百聞は一見に如かず」ということで、当記事では打首獄門同好会のオススメ曲をご紹介して、彼らの魅力に触れていただこうと思います。

カモン諭吉

2012年リリースの『獄門のすゝめ』収録曲で、お金をテーマとした名曲です。

“替え唄メドレー”で有名なシンガーソングライター嘉門タツオが登場するMVもインパクト絶大で、手持ちの諭吉(1万円札)が次々と討ち死にしていく様子は涙無しでは観ることができません。

個人的には「にーとーべーいなぞおー」というパートが大好きで、これを聴きたいがために“カモン諭吉”を再生することもしばしばです。

まごパワー

2011年リリースの『なわけで、それがし打首獄門同好会です よろしくダカダダンジャーン』という非常に長いタイトルの作品に収録されています。

孫からどんなに非道な仕打ちをされても“まごパワー”によって許さざるをえなくなってしまう祖父祖母の悲哀を歌ったメタリックなスピードチューンです。

ザクザクと刻まれるリフや哀愁を帯びたギターソロなどギタリスト大澤会長の魅力も堪能できる一曲となっています。

日本の米は世界一

YouTube再生回数1,000万回を超える打首獄門同好会の代表曲で、2015年リリースの『まだまだ新米』に収録されています。

バリバリのラウドロックに乗せて日本の米の素晴らしさを高らかに歌う内容となっており、ダンサブルなビートが躍動するサビでは踊らずにはいられません。

中間部では米米CLUBのファンクチューン“KOME KOME WAR”からの引用フレーズが登場しますが、これは米米CLUB側から了承を得て使用しているものです。

MEMO
MVには居酒屋の店員役で、打首獄門同好会の盟友アシュラシンドロームの青木 亞一人が出演しています。
当記事とは直接関係ありませんが、アシュラシンドロームも素晴らしいバンドなので、機会があれば是非聴いてみてください。

布団の中から出たくない

2018年リリースの『冬盤』に収録された“布団の中から出たくない”は、誰もが冬の日の朝に経験したであろう想いを歌った切なすぎる名曲です。

なんでも肯定してくれる優しさで爆発的な人気キャラとなったコウペンちゃんとコラボしたMVが秀逸で、布団から出るたびに寒さで戦慄するコウペンちゃんの可愛さに七転八倒したのは筆者だけではないでしょう。

レゲエ風のおだやかなギターカッティングから一転し、一気にブルータルなパートに転じるあたりに冬の朝の無慈悲な寒さが的確に表現されています。

MEMO
同じ趣旨の“なつのうた”という楽曲も存在し、こちらはクーラーの効いた部屋から出るたびにコウペンちゃんが戦慄する内容です。

フローネル

初の全国流通盤となった2009年リリースの『庶民派爆弾さん』に収録された楽曲です。

仕事で疲れた身体をお風呂で癒して速攻で寝る計画や休日に思う存分二度寝をむさぼる計画、幸せっていうのはそんなささやかな計画が実現した瞬間に宿るのだねえ、という“わかりみ”しかない名曲です。

芦沢ムネトの人気キャラクターであるフテネコとコラボしたMVも楽曲の世界観とマッチしていて、思わず「わかるわー」という声が漏れてしまうことでしょう。

曲の途中でいきなり語り出す大澤会長に驚くかもしれませんが、謎の生命体Gとの対峙をスリリングに歌った名曲“G”などでも登場する手法です。

打首獄門同好会・まとめ

「生活密着型ラウドロック」を旗印に快進撃を続けるロックバンド打首獄門同好会の魅力をご紹介しました。

怒りや憎しみ、愛や恋などで感情を大きく揺さぶられた経験を歌うアーティストが多い中、日常生活の中で誰もが感じる「特筆すべきことではないもの」をテーマにしてしまう彼らは異彩を放っています。

「暑い」「寒い」「働きたくない」「米が美味い」

そんな身近すぎるテーマを取りそろえた打首獄門同好会の音楽は、きっと日々の生活にすっと入り込んでくるはずです。

まずはタイトルだけざっと眺めてみて、今の気持ちに一番フィットしそうな曲を聴いてみるというのはいかがでしょうか。

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お詫びと訂正
初出時において、ベース担当のjunkoさんの出身地を「北海道中標津」と記述しておりましたが、「非公表」の誤りでした。申し訳ございません。
お詫びして訂正させていただきます。

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