大物プロデューサー絶賛 新世代のガールズバンド リーガルリリーの経歴やオススメ曲は…?

大物プロデューサー絶賛 新世代のガールズバンド リーガルリリーの経歴やオススメ曲は…?

ある日、深夜のファミレスにて…

どうしたの?
こんな夜中にすぐ来てくれだなんて。
電話じゃ出来ない話だとか…


夜中に呼び出してごめんね。
どうしても相談したいことがあって…


気にしないでいいよ。
大切な友達の相談ならいつだって飛んで来るよ。
で、どんな話なの?


うん。実はね…
最近よくガールズバンドを聴いてるんだけど…
キミのオススメのガールズバンドを教えてくれないかな?


えっ。ガールズバンド…(絶句)
それって電話やメールでもよくないですか…
まあ、せっかく来たので教えますよ、ええ。
リーガルリリーっていうバンドなんですけどね…

2019年9月にシングル『ハナヒカリ』でメジャーデビューを果たした3人組ガールロックバンド、リーガルリリー

90年代のグランジ/オルタナティヴやシューゲイザーなどの影響を受けたサウンドは各方面から高く評価されています。

彼女たちの名前が広く認知されるきっかけとなったのが、2017年1月に放送された人気テレビ番組「関ジャム」でした。

その番組の中で、数々の大物アーティストを手掛けた人気プロデューサー蔦谷好位置氏が、リーガルリリーの楽曲“リッケンバッカー”「2016年の名曲ベスト10」の第4位に選出したのです。

スリーピースのガールズバンドということで、チャットモンチーを引き合いに語られることも多い彼女たちですが、「轟音ギター + グッドメロディー」の組み合わせは90年代グランジを愛聴している人達の耳にも必ずしっくり馴染むはず。

ブレイク間近とも噂されるリーガルリリーの魅力について解説していきます。

リーガルリリー


バンドメンバー

  • たかはしほのか / ヴォーカル、ギター
  • 海(うみ) / ベース
  • ゆきやま / ドラム

リーガルリリーは上記3名のメンバーから成るスリーピース・ガールズバンドです。

2014年7月にヴォーカル&ギターのたかはしほのか、ドラムのゆきやまのふたりによって結成されています。
結成当時、ふたりはまだ女子高生でした。

たかはしほのかの「女の子とバンドを組もう」という明確な意思の下に結成されたリーガルリリー。

女の子がロックバンドをやることの重要性を熱く語る彼女たちに憧れて楽器を始めた女の子も少なくなさそうです。

チャットモンチーが解散してしまった今、新たなガールズバンド像を世の中に提示する存在になり得るのがリーガルリリーなのかもしれません。

リーガルリリー・メンバー

たかはしほのか / ヴォーカル、ギター

  • 氏名:たかはしほのか
  • 生年月日:1997年12月10日

ヴォーカルとギターを担当するたかはしほのかは、すべての楽曲の作詞作曲を手掛けるバンドのメインソングライターです。

父親がバンドマンだったこともあり、幼いころから自宅に楽器が置いてある環境で育ったたかはしですが、最初の楽器はギターではなく電子ドラムでした。

しかし、高校生の時に母親と一緒にカラオケに行ったことで自分の声の魅力に気付き、ヴォーカル&ギターに転向することに。
父親のアドバイスでライヴハウスに出演して弾き語りをするようになった彼女に対し、ライヴハウスの店員が「君はバンドをやった方がいいよ」と声をかけたことで、ギターを必死に練習するようになったそうです。

MEMO

ちなみに父親が教えてくれたギターのコードは、GとEmのふたつだけだったとか…。

音楽的影響として、チャットモンチーSEKAI NO OWARIといった邦楽バンドのほか、NirvanaSoundgardenといった90年代のグランジバンドの名前を挙げています。
特にNirvanaのカート・コバーンには心酔しており、Nirvanaを聴いて「自分にもできるかもしれない」と思ったとか。

海(うみ) / ベース

  • 氏名:海(うみ)
  • 生年月日:1998年7月2日

名曲“1997”のイントロなどで印象的なベースラインを紡ぎ出すは、2018年7月に前任ベーシスト・白石はるかの後任としてバンドに正式加入しました。

メンバーからは「海ちゃんは褒めるのが上手」と評されており、独特の柔らかい空気感でバンド内の潤滑剤となっているようです。

加入前、「自分がリーガルリリーでベースを弾いているイメージが浮かんだ」という海は、バンドのホームページ上に記載された連絡フォームを通じて「ベーシストを募集していませんか?」と加入を逆オファーしたという行動力の持ち主です。

オーディションの課題曲として提示されたのは3曲でしたが、なんと当日までに全曲覚えていたという海。
そのままサポートベーシストとして採用され、その後、正式メンバーに昇格となりました。

ネーミングセンスに長けており、ファーストアルバム『bedtime story』やツアータイトル「羽化する」は海の命名によるものです。

ゆきやま / ドラム

  • 氏名:ゆきやま
  • 生年月日:1997年10月24日

たかはしほのかと共にリーガルリリーを結成した創設メンバーであるドラムのゆきやま

高校時代にチャットモンチーやASIAN KUNG-FU GENERATIONなどをコピーをやるバンドでライヴハウスに出演したいたゆきやまは、そこでたかはしほのかと友達となり、オリジナル曲を演奏するバンドの結成へと進んでいきました。

たかはしは当時を振り返って「運命を感じた」と語るほど、ゆきやまのドラムスタイルに感銘を受けたようです。

母親が趣味で習っていたギターやドラムのレッスンについて行ったのがきっかけで小学校の頃からドラムを習うようになったゆきやまは、もっとも衝撃を受けたドラマーとしてLed Zeppelinのジョン・ボーナムの名前を挙げています。

MEMO

ロック史上最高のドラマーのひとりとして名高いジョン・ボーナムは、1980年9月25日に不慮の事故により32歳の若さで亡くなっています。
パワフルで多彩なリズムを叩き出すドラミングは唯一無二で、ジョン・ボーナムを失ったLed Zeppelinは「彼抜きでは続けられない」として同年12月に解散を発表しました。

リーガルリリー・バンド名の由来

リーガルリリーは中国を原産とするユリ科の植物の名前です。

バンド名を考えたのはヴォーカル&ギターのたかはしほのかで、彼女が中学2年生の時に友達からバンド結成を持ち掛けられたのがきっかけでした。

花にちなんだ名前にしたかったたかはしは、辞書を引いてリーガルリリーという名前を見つけたそうです。

残念ながら最初に声を掛けてきた友達とはバンド結成の構想だけで終わっていまいましたが、高校生になってドラムのゆきやまと出会ったことにより、たかはしがガールズバンド用に温めていたリーガルリリーの名は日の目を見ることになりました。

たかはしは男の子とバンドを組んでいた時期がありましたが、結局は「男だけでやりたいから」とクビになってしまいました。
また、そのバンドではたかはしが書いたオリジナル曲の演奏も拒否されたため、「わたしの曲を演奏してくれる女の子たちとバンドをやりたい」という思いがあったようです。

リーガルリリー・創作方法

かつては「Nirvanaの邦楽バージョンをやればいい」と思っていたほど、Nirvanaのカート・コバーンから多大な影響を受けていたたかはしほのか。

Nirvanaの『MTV Unplugged in New York』やカート・コバーンの宅録アコースティックデモで明らかになったように、楽曲のテクスチャーがハードなものであったとしても、その殻を剥いていくと最後に残されるのは極上のポップソングでした。

リーガルリリーの楽曲についても同じことが言えるでしょう。

すべてをかき消すような轟音ギターが鳴っていたとしても、その奥では必ず極上のメロディが轟音に負けない強度で存在感を主張しているのです。

そんな極上のメロディはどこからやって来るのでしょうか。

創作のプロセスはアーティストによって様々ですが、リーガルリリーのメインソングライターであるたかはしほのかは「降って来る」と答えています。

音楽に限らず、アーティストが「降って来た」「降りて来た」と創作プロセスについて語ることは少なくありませんが、たかはしもそのタイプのようです。

彼女の場合は、見たことのない映像がふいに頭の中に広がり、その光景を表現する言葉を探すのが作詞のプロセスになっています。

頭の中の映像を言葉にしていく段階でメロディも一緒に生まれるようで、浮かんだイメージをすべて言葉で描き切った時には歌詞とメロディという楽曲の骨子が完成しているというのだから驚きです。

また、ギターソロについては事前に練り過ぎないことを心掛けていると語っており、本番で生まれるスポンテニアスなプレイを重視しています。

これはたかはしが尊敬するギタリストであるジョン・フルシアンテ(Red Hot Chili Peppers)のこだわりに影響をうけたものです。

フルシアンテはギターソロを2テイクまでしか録らないことで知られており、最初に弾いたものに彼自身もしくはメンバーが納得いかなかった時だけ2テイク目を録るそうです。

MEMO

この手法はフルシアンテのソロ作品にも反映されており、彼のアルバム『The Will to Death』の収録曲はすべて2テイクまでしか録音していないと言われています。

リーガルリリー・経歴

女子高生バンドとしてスタートしたリーガルリリーは、これまでにフルアルバム1枚、ミニアルバム4枚をリリースしています。

すでに数回に渡る海外公演を経験しており、非常に若いバンドではありますが、その舞台度胸はかなり鍛え上げられていることは間違いないでしょう。

リーガルリリーのこれまでの歩みを簡単にご紹介していきます。

結成~初期

2014年7月、ガールズバンドを結成する構想を抱いていたヴォーカル&ギターのたかはしほのかがライヴハウスで対バンしたドラムのゆきやまと運命の出会いを果たし、リーガルリリー結成。
結成当初は別のベーシストがいましたが、脱退に伴って白石はるかがサポートとして参加しています。

同年の10月には白石はるかが正式ベーシストとなり、初期ラインナップが完成しました。

新宿JAMをホームとして定期的にライヴ活動を行ったリーガルリリーは、2015年5月に初のミニアルバム『reagal lily』をリリース。
東京のCDショップ3店舗限定で販売された同作は即完売、現在は廃盤となっています。

2015年6月7日、新宿JAMでバンド史上初のワンマンライヴ「~グッバイユキヤマ~」を開催し、見事にソールドアウト。
同公演を最後にドラムのゆきやまが受験勉強のために活動を休止し、以後のライヴはサポートメンバーを迎えることに。

受験期間を終えたゆきやまは、翌2016年3月にバンドへ復帰。
他のメンバーも高校を卒業し、女子高生バンドの肩書は過去のものとなりました。

同年5月には『Next Music From Tokyo vol.8』に参加し、カナダで初の海外公演
ベースの白石はるかは学校の試験と日程がかぶっていましたが、海外公演という貴重な経験を優先しています。

10月19日、初の全国流通盤となるミニアルバム『the Post』をリリース。
同作はバンドの自主レーベルBiotope recordsからのリリースとなっており、この作品以降、2019年にメジャーデビューを果たすまでは同レーベルから作品を発表しています。

飛躍~メンバーチェンジ

2017年早々、とある出来事がリーガルリリーの知名度を飛躍的に向上させることになりました。

1月8日に放送された人気音楽バラエティ番組「関ジャム」の中で、有名音楽プロデューサー蔦谷好位置氏がリーガルリリーの楽曲“リッケンバッカー”を大絶賛。

MEMO

2016年の名曲ベスト10の4位に選出されるという高評価でした。

この出来事が大きな追い風となったのか、2017年のリーガルリリーは大型フェスティバルにも引っ張りだこで、さらに知名度を上げていくことに成功しています。

同年7月には2枚目となるミニアルバム『the Radio』を発表し、そのリリース記念ツアーも全公演ソールドアウトと波に乗るリーガルリリー。
しかし8月からベースの白石はるかが体調不良により活動休止を発表。
バンド復帰は叶わず、9月18日に公式サイトで「自分のやりたいこと、見たい景色に以前よりも明確な目標ができました」という本人のコメント付きで脱退が発表されました。

MEMO

中村は現在、2018年4月に結成したメレというバンドで音楽活動を続けています。

たかはしほのかとゆきやまの2名体制になったリーガルリリーですが、その歩みを止めることはありませんでした。
サポートベーシストを迎えてライヴ活動を継続したほか、2018年6月には3枚目となるミニアルバム『the Telephone』をリリースしています。

MEMO

自主レーベルからリリースした3枚のミニアルバム、『the Post』、『the Radio』、『the Telephone』は“ミニアルバム三部作”と呼ばれています。

新ベーシスト加入~メジャーデビュー

ミニアルバム『the Telephone』のリリースに伴い、2018年6月からバンド史上初となる全国ツアー「遠距離恋愛ツアー」をスタートさせたリーガルリリー。

ツアーのサポートメンバーとして起用されたベーシストのは、ツアーファイナルとなる渋谷CLUB QUATTRO公演で正式加入が発表されました。

MEMO

本来はこの日に発表する予定はありませんでしたが、ヴォーカル&ギターのたかはしほのかが“嬉しくなってしまって”フライングで発表してしまったそうです。

3人体制に戻ったリーガルリリーは、2019年に入ると活動規模をさらにスケールアップさせていきます。

3月にはアメリカで開催された大規模フェスティバルSXSW2019に出演。
ここでの経験は、日本のバンドとしてのアイデンティティを再確認する機会になったことを語っています。

また、5月には初となるアジア公演を香港で開催しています。

注目度が急上昇する彼女たちをメジャーレーベルが放っておくはずもなく、2019年9月25日、シングル『ハナヒカリ』で満を持してメジャーデビュー。(オリコン最高59位)

2020年初頭には4都市を回る中国ツアー、2月5日には待望のファーストアルバム『bedtime story』(オリコン最高27位)とメジャーのフィールドで精力的な活動を見せていたリーガルリリーですが、その矢先にまさかの出来事が発生。

3月30日、たかはしほのかが腰部の骨折で入院したことが発表されたのです。
この怪我に伴い、当面のライヴ活動の中止も併せて発表されています。
たかはしの全快とライヴ活動再開が待たれる状況です。

MEMO

6月9日、公式サイト上で順調に回復していることが発表され、ファンを安堵させました。

リーガルリリー・おすすめ曲

たかはしほのかの「ガールズバンドをやりたい」という情熱によって結成されたリーガルリリー。

その想いは楽曲として結実し、ガールズバンドにしか鳴らせない名曲の数々が生まれています。

そんな名曲群の中から、リーガルリリーを聴いたことがない人向けにおすすめ曲をピックアップしてみました。

リッケンバッカー

リーガルリリーの存在を世に知らしめた代表曲“リッケンバッカー”

会場限定シングル『リカントローブ』(廃盤)と2016年リリースのミニアルバム『the Post』に収録されています。

この曲をリリースした当時、彼女たちはまだ高校生だったわけですが、高校生が作った楽曲だとは到底信じられないほどの完成度と強度を持つ1曲です。

ギターロック的な前半から一転し、速いテンポのドラムビートに噛みつくようにノイジーな演奏が展開される後半は圧巻の一言。

MEMO

リッケンバッカーはアメリカの楽器メーカーで、The BeatlesのメンバーやMotörheadのレミー・キルミスターなど錚々たるミュージシャン達が同社のギターやベースを使用しています。

1997

たかはしほのかの生まれ年をタイトルに冠した“1997”は、2020年リリースのファーストアルバム『bedtime story』に収録されています。

印象的なベースラインで幕を開ける“1997”はリーガルリリーの魅力を凝縮したエッセンシャルな1曲で、この曲を気に入らなかったら彼女たちの音楽を好きになるのは不可能なのではないかと思えるほどです。

「Nirvanaの邦楽バージョンをやればいい」というたかはしほのかの言葉を見事に体現した楽曲で、「21世紀に日本の女の子がNirvanaをやったら」という“もしも”のサウンドが完璧なまでに鳴らされています。

これも“もしも”の話になってしまいますが、カート・コバーンが“1997”を聴いたとしたら、きっと褒めてくれるのではないでしょうか。

<最終列車飛び乗って / 降り立った世界で / 片道切符を失くさないように>と歌われるサビの美しさは筆舌に尽くしがたく、ただただ感情が揺り動かされるままにするしかありません。

GOLD TRAIN

“1997”と同じく“GOLD TRAIN”もファーストアルバム『bedtime story』収録曲です。

夜の街を走る電車の車両から溢れ出る光に着想を得た楽曲で、外から見れば光る宝石箱のように見えるのに、実際にはその中には苦しみや悲しみを抱えた人たちが詰め込まれている、という内容の歌詞になっています。

シューゲイザーやドリームポップからの影響を窺わせるスケールの大きい音像は、たかはしがイメージしたであろう眩いばかりの光に包まれる電車の映像を描き切っており、その光栄をリスナーと共有するのに十分な説得力を持っていると言えるでしょう。

メンバーいわく、完成形にたどり着くまでにかなり試行錯誤を繰り返した楽曲だということですが、その努力の甲斐あってすべてのパートが聴き応え十分な名曲に仕上がっています。

ライヴ演奏で磨かれていくことによって、さらにスケールアップする伸びしろも十分にありそうなので、“GOLD TRAIN”がどのように成長していくのか楽しみです。

リーガルリリー・まとめ

チャットモンチーの後継者になり得る3人組ガールズバンド、リーガルリリーの魅力をご紹介してきました。

グランジ/オルタナティヴ、シューゲイザーなど比較できる音楽ジャンルは色々ありますが、それらの影響を消化してきた彼女たちのサウンドは、すでに「リーガルリリー」としか言いようのないオリジナリティを確立しています。

2020年6月現在、ヴォーカル&ギターのたかはしほのかが腰部の骨折のため療養中という状況の彼女たち。

そんな状況を乗り越え、必ずや完全復活してファンの前に元気な姿で登場してくれることでしょう。

それまでの間、こちらの記事を参考にしてリーガルリリーの世界を楽しんでいただければ幸いです。

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