4人組ロックバンドKEYTALK。派手でノリノリな曲の印象の強い彼らですが、インディースから現在まで人気な曲がたくさんあります。そんな彼らのプロフィール・経歴・魅力などを徹底解説!
2007年に結成した、ロックバンドKEYTALK。
KEYTALKの魅力はどこにあるのでしょうか?
そこで、本記事では、ロックバンドKEYTALKの経歴(歴史)や魅力、メンバーのプロフィール、オススメの楽曲ベスト3をまとめてご紹介していきます。
目次
ロックバンドKEYTALKとは?
皆さんは、4人組ロックバンド、KEYTALKをご存じですか?
- Vo&Gt「寺中友将(てらなか ともまさ)さん」
- Gt「小野武正(おのたけまさ)さん」
- Ba&Vo「首藤義勝(しゅとうよしかつ)さん」
- Dr「八木優樹(やぎ ゆうき)さん」
KEYTALKは上記の4名で、形成されている今旬なロックバンドです。
では、具体的に、KEYTALKとはどんなロックバンドなのか、ご紹介していきますね。
KEYTALKは、運命的な出会いと共に結成されたロックバンド
まず、KEYTALKのメンバーたちは、それぞれ別の形で音楽と触れあっていました。
小野武正さんと八木優樹さんは、高校の軽音楽部で出会い、それをきっかけにバンドを結成。
そもそも、彼らの先輩が格好良くギター演奏していたことが、バンドを始めたきっかけだったと言うのですから、実にユニーク!
またそのほかのメンバーも、音楽デュオ『ゆず』の楽曲を演奏をやるために、ギターを始めたり、コピーバンドで楽しんでいたりと、本格的にオリジナルバンドを手がけていたと言うわけではありませんでした。
ただ、後ほど、彼らの出会いについても掘り下げていきますが、運命的な出会いが繰り返され、4人は結集して一つのバンドとして活動しています。
もちろん、彼らの個性は決して打ち消されることなく、良い意味で相乗効果を生み、疾走感を持ちながらも、色とりどりの個性が転調として生かされ、KEYTALKの音楽を形成しているのです。
改めて、KEYTALKの音楽を聴いてみると、クラシックにたしなんだオーケストラ演奏者のように、幼少の頃から音楽に精通するようなことは一切必要なく、まさに読んで字のごとく音を楽しみ続けることで、幾重にもハーモニーは形成されていくことを痛感します。
KEYTALKの音楽は、四者四様の音のバトルであり、いろんな音の個性をぶつけ合いながらも、不協和音になることなく一つの音楽としていろんな変化と共にまとまっています。
その飽きさせない音楽性が、一つの魅力となっているわけです。
KEYTALKのメンバーを大紹介!
寺中友将(メインヴォーカル、ギター)
寺中友将さんは、1988年5月12日生まれ、熊本県出身の31歳
雨上がり決死隊の宮迫博之さんに似ていることから『サコ』と呼ばれたり、大学時代に態度がでかかったことから『巨匠』と呼ばれることもあったとのこと・・・
なお、どちらかというと『巨匠』の方がニックネームとしては定着していたそうですよ。
実は、小学校5年生の頃に、音楽デュオ『ゆず』の影響を受けて、母親がかつて使っていたギターを譲り受け、独学で演奏法を習得するほか、軽音部でコントラバスを演奏するなど、子供の頃から音楽にたしなんでいた寺中さん。
とはいえ、高校時代には、ギターから離れてボクシングに邁進するなど、とにかく異色の経歴の持ち主・・・
根っから音楽に真摯に取り組んできたというよりは、そのときにやりたいことにまっすぐな気持ちで取り組んできたという印象が強いですね。
そして、高校卒業を迎え、次の進路に進もうとしている中、ボクシングよりも音楽を選択して、昭和音楽大学・音楽芸術表現学科・サウンドプロデュースコースへ進学。
その際に、小野武正さんと運命的に出会い、小野さんたちが結成していた『real』に加入。
2009年には、KEYTALKと改名してメジャーデビューし、ギター、メインヴォーカルとして活躍中。
デビュー当初は、寺中さんがヴォーカルとして、中心的に歌っていましたが、彼がポリープを発症し、ある楽曲で高い声が出せなくなったことをきっかけに、首藤さんもヴォーカルに加わり、今のツインヴォーカルとなりました。
まさに運命的な出会いや些細な災いが転じて、ロックバンドとして成功をもたらすわけですから、本当に人生何が起こるか分からないものですね。
小野武正(ギター)
小野武正さんは、1988年9月19日生まれ、埼玉県さいたま市出身の31歳。
KEYTALKの歴史は、彼から始まったと言っても過言ではなく、小野さんが、たまたまギターを趣味として始めていて、高校時代に、現メンバーの八木優樹さんや他の軽音部のメンバーたちとバンドを組んだところからスタートしています。
もし、この頃にバンドを組んでいなければ、今のKEYTALKは存在しなかったことでしょう。
また、音楽バンド『ゆず』の影響を受けてギターを始めた寺中さんとの出会いがなければ、完全にKEYTALKはデビューすることなく解散となっていたかもしれません。
『ゆず』を好きでギターを始めたという共通点もあったからこそ、より意気投合することが出来、メンバーとして集結できたのかもしれませんね。
その点も含めて小野さんは、まさにKEYTALKの中心的人物と言えるでしょう。
首藤義勝(ベース、リードヴォーカル)
首藤義勝さんは、1989年2月19日生まれ、埼玉県狭山市出身の30歳。
首藤さんも、小野さんや八木さんたちと別の高校で、バンド活動をしていて、『JUDY AND MARY』や『X JAPAN』のコピーバンドとして、ライブ活動をしていました。
とはいっても、あくまでアマチュアバンドであり、文化祭が主な主戦場・・・
あちこちの高校の文化祭に飛び入りで参加してライブ演奏をたしなんでいたようです。
その頃に、小野さんと地元・埼玉のライブハウスでたまたま出会い、メンバーに加えて貰う形で加入となった首藤さん。
たった一つの偶然の奇跡が、ここまで人気を博するロックバンドとして成長していくんですから、本当に何か凄い力を感じますね。
同じメンバーの寺中さんが、ポリープになったことをきっかけに、首藤さんもヴォーカルを担当する(リードヴォーカル)形となり、ツインヴォーカルといった個性豊かなロックバンドへと進化したKEYTALK。
ベースで牽引している点はもちろんのこと、声でバンドを牽引していくという点においても、今や、首藤さんは欠かせない存在といえます。
ぜひとも、彼自身の個性を、しっかりぶつけ、より大きな存在として、KEYTALKの音楽を盛り上げていってほしいものです。
八木優樹(ドラム)
八木優樹さんは、1988年10月19日生まれ、東京都清瀬市出身の31歳。
生まれは違いますが、小野武正さんとは、高校の同級生で同じ軽音楽部出身。
小野さんと八木さんがたまたま軽音楽部で出会いバンドを結成しているわけですが、そのきっかけを与えたのは彼らの先輩で、誘われるがままにバンド『real』結成に立ち会います。
ただ、結成後、次第に音楽性の違いが明らかになってしまい、八木さんと小野さんの二人を残して、他のメンバーがバンドを去ってしまいました。
ただ、ベース、ヴォーカルなどのサポートメンバーを募りながらも、八木さんはドラマーとしてバンド活動を継続・・・
その後、首藤さん、寺中さんが加入し、KEYTALKへの改名やメジャーデビューも果たしていきます。
八木さん自身は、2012年までundersignのドラマーとしても活動し、そのほか公表しているアニメファンならではと言うべきか、アニソン専門のコピーバンドをくんで演奏することもあったようです。
今のKEYTALKの疾走感溢れる音楽を演出できているのも、八木さんの巧みなドラム裁きによるリズムが正確に刻まれているからこそといえるでしょう。
KEYTALKの音楽が飽きさせない理由(魅力)とは?
先程、ロックバンドKEYTALKを語る上で、四者四用の個性がぶつかり合っている音楽ご紹介しましたが、それなら、何故不協和音とならずに、一つにまとまり、多くのファンからも支持されるのでしょうか?
実は、ある理由が大きく影響しているように思います。
そのある要因とは、KEYTALKの根幹にもなっている「疾走感」と「転調の使い分け」です。
確かにKEYTALKの音楽は転調が多く、どちらかというと、音楽的理論を良い意味で無視したノリノリチューンの楽曲が多い用に感じます。
特に3rdシングル『MONSTER DANCE』においては、その傾向が露骨で、何でもありの世界が目白押し!
一見一本調子に聴こえてしまうのですが、微妙な転調が随所で見られ、ハチャメチャ感満載名楽曲に仕上がっています。
しかし、そんな『MONSTER DANCE』においても、疾走感という共通のテーマは大切にされていて、細かな転調を多数取り入れても、スピード感うまく表現することで、それが嫌みに聴えたり、ただややこしくなって聴えることはなく凄く楽しめるのです。
また、逆に、疾走感という点では、彼らの楽曲の中でややおとなしめの楽曲『桜花爛漫』でさえも、うまく転調を取り入れて、ひと味違った疾走感(雅な世界)を演出しています。
詳しくは、楽曲紹介の中で解説していきますが、同じKEYTALKの楽曲とは思えないほどの、リズム・テンポの違いだったり、メロディライン(演出方法)の違いを生み、飽きのない音楽を創出しているのです。
時に、ロックバンドKANA-BOONに似ていると評価も
ちなみに、『桜花爛漫』は、テレビアニメ『境界のRINNE』の前期OPに起用されたKEYTALKの楽曲。
アニメ調にパワフルある前サビと、ポップ調なメロディラインが展開されテイクかと思いきや、Bメロでは落ち着いたトーンで音が奏でられ、サビに入りまたパワフルになったと思えば、間奏で転調と、いろんな景色がめまぐるしく展開しています。
もちろん、めまぐるしくといっても、そこは雅な世界を感じさせる楽曲であるだけに、四季折々の和洋折衷といった印象が色濃く、転調(展開)はうるさくありません。
また、この楽曲を聴いている人たちに多いのだと思うのですが、SNS上ではロックバンドKANA-BOONに似ているという声も聞えます。
確かに、KANA-BOONの代表曲の一つにある『シルエット』の世界観は、桜花爛漫の世界観に似ているような気がします。
KEYTALKの音楽は感じてこそ価値のある音楽!
イントロから凄く疾走感があり、世界観が次から次へと展開していく部分では、確かに似ているところがありますね。
要は、ブルースリーの名言『Don’t think, feel.(考えるな感じろ)』といったような、音楽性を持っているロックバンド=KEYTALKといえるでしょう。
ぜひ、何かはじけたいと思うときに、何も考えずに頭の中空っぽにして、KEYTALKの楽曲を聴いてみてください。
きっと、何故か分からないけれど爽快で、ついノリノリな気分になれるはずですよ。
KEYTALKの経歴(歴史)
疾走感溢れるアップテンポな音楽性に加え、時折転調が見られ奇想天外な装いも演出しているロックバンド『KEYTALK』。
当然、KEYTALKも紆余曲折を経て、今を迎えている訳ですが、果たして、彼らはどんなキャリアを積んで今を迎えているのでしょうか?
早速、KEYTALKの経歴(歴史)を振り返っていましょう。
高校時代のバンド『real』結成経緯
元々は、高校時代の軽音部で一緒だった、小野武正さんと八木優樹さんが、他のメンバーと共にアマチュアバンドを結成。
そのバンドこそが、KEYTALKの前身でもある『real』だったのです。
軽音部としての活動以外にバンドとしても活動していたのですが、次第に音楽性の違いも生じて、他のメンバーは離脱・・・
結局、小野さんと八木さんだけが残る形となってしまいました。
他のメンバーとの出会い
あくまで『real』は、小野さんと八木さんが中心となり、高校時代に組んでいたバンドであり、最終的には二人しかメンバーは残っていない状態でした。
では、他の二人(首藤義勝さん・寺中友将さん)とはどのように出会い、バンドKEYTALKを結成していくことになったのでしょうか。
早速、首藤さん・寺中さんとの出会い・バンド再結成経緯を見ていきましょう。
首藤義勝との出会い、バンドメンバー加入経緯
首藤さんとの出会いは、高校時代のバンド活動中の話まで遡ります。
たまたま小野さんと八木さんが、首藤さんの地元・埼玉のライブハウスでライブを行っていたところ、首藤さんが訪れ、小野さんと遭遇・・・
そして、小野さんからライブ見に来なよと誘われ、後日、ライブを観に行くと、サポートメンバーも加わっていたとはいえ、彼らの奏でる音楽が秀逸と感じ、自分もメンバーに入れてほしいと打診し、正式にバンドメンバーに加わります。
首藤さんも、コピーバンドのような活動はしていたのですが、すでにオリジナルとして活動している小野さんたちの音楽に共鳴したものを感じたのでしょう。
まさに、首藤さんとの出会いは、小野さんと八木さんがたまたま軽音部で出会ったのと同じように、運命的な出会いだったと言えますね。
そして、その運命の出会いによって、今のKEYTALKのメンバーが3名集まったというのは、一つの奇跡のように感じますね。
寺中友将との出会い、バンドメンバー加入経緯
さて、残る一人の寺中友将さんですが、彼は、地元九州で、音楽をたしなんでいたのですが、高校時代、ボクシング部に入部し、ギターから離れてしまいました。
高校3年の頃には、ボクシングで大学への推薦入学の話も来ていたみたい・・・
ところが、寺中さんは、大学の4年間をボクシング漬けされてしまうのは結構しんどいと考え、その頃、もう一度ギターをやりたいという気持ちが溢れ、昭和音楽大学・音楽芸術表現学科・サウンドプロデュースコースに進学します。
そこで、たまたま、ライブ活動しながらメンバー募集に奔走していた小野さんと出会い、KEYTALK(とうじは『real』に加わることになったというわけです。
メジャーデビュー、バンド名変更
2007年、装い新たに、今のメンバー4名によるロックバンド『real』として活動開始し始めた、KEYTALKですが、当時はまだインディーズとしての活動中。
しかも、いきなりプロとして活動するのは難しく、猶予期間がほしいという理由もあり、それぞれが、大学や専門学校に一旦進学・・・
学業とバンド活動を良質しながら音楽活動を続けていたのです。
メジャーデビューと共にバンド名改名
2007年のバンド結成後、KEYTALKは、営業の一環としてデモ音源を作っては、20社ほどのレーベルに送り、その中でマーガレットミュージックの代表に気に入られ事務所入りへ
さらには、マーガレットミュージック取締役社長であり、社内レーベル・KOGA RECORDSの代表・古閑裕氏のプロデュースで、2009年に、KEYTALKに名前を改名してメジャーデビューも決定!
バンド名『KEYTALK』の由来
KEYTALKの名前の由来は、ドラム担当である八木優樹さんが、ファンと公言しているジャズピアニスト・上原ひろみさんのアルバム『Brain』の収録タイトルにある『Keytalk』をオマージュして名付けられたことが由来となっています。
まさか、ファンとするアーティストの楽曲タイトル名をそのままバンド名に持ってくるとは思いませんでしたが、それだけ、彼女の音楽もKEYTALKの音楽スタイルに影響されているということの表れなのかもしれませんね。
そこで、実際に、上原ひろみさんのピアノ楽曲『Keytalk』がどんな楽曲なのか、YouTubeで聴いてみると、これがまた、かなり攻撃性が高く疾走感のある音楽だったのです。
後ほど、KEYTALKのオススメ楽曲をご紹介していきますが、それらの楽曲に相通じる疾走感を得られる楽曲であり、バンド名の由来になるだけのことはあるなと思いました。
メジャーデビュー後のKEYTALK
さて、話を元に戻して、KEYTALKメジャーデビュー後の話をしていきましょう。
KEYTALKは、結成当初、爆発的に何百万枚のCDセールスを果たしてブレイクを狙うという方針で活動をしていませんでした。
数千枚(1000枚~2000枚)を目処にCDを限定販売し、そのほかでは、全国を回りライブ活動をしていました。
とはいえ、数週間でCDは完売し、ライブチケットの売り上げも上々・・・
2015年には日本武道館でのワンマンライブも開催され、一気に人気に火が付いていきます。
2017年3月には、TBS『ニューイヤー駅伝』のテーマソングとして起用された、『Oh!En!Ka!』が収録された4thアルバム『PARADISE』もリリース。
その後も、多数タイアップ曲を手がけるようになり、ますます人気を博したロックバンドとしてその地位を定着し、今に至っているわけです。
それぞれの世界で音楽と関わりながら、結成した個性豊かなロックバンド
KEYTALKは、音楽としてのキャリアは特別長かったというわけではありませんが、高校年代(もしくはそれより少し前)からそれぞれが音楽をたしなみ、運命的に出会い結成した個性豊かなバンドです。
疾走感をなくさずに、それでいて、随所で訪れる転調は、まさに4人の個性が激しくぶつかり合っている様子を物語っているかのように感じます。
改めて彼らの経歴(歴史)を見て感じたことですが、四者四用の個性が一つにまとまり、真剣に音楽に向き合ってこられたからこそ、今のKEYTALKがあるんだと思います。
ぜひ、今後も、疾走感と、創造性豊かな転調を巧みに使いこなし、ファンに飽きさせないノリの良い音楽を提供し続けてほしいと期待しています。
今後も、時に激しく、アップテンポでノリノリなチューンを輩出するような、素晴らしいドラム演奏を期待しています。
KEYTALKのオススメ楽曲ベスト3
Love me
まずは、KEYTALKの楽曲の中から、比較的ポップに飛んで、どの世代にもスッと心に響きやすい9thシングル『Love me』をオススメします。
『Love me』は、発売当初ノンタイアップだったにも関わらず、発売後の人気を鑑みてJRゲートタワーのグランドオープンを告げるCMソングとして起用されています。
スネアドラムでリズムを刻みながら、イントロが流れ、軽快なメロディーがステップを刻んでいく・・・
それも激しく転調がめまぐるしいというわけではなく、KEYTALKならではの疾走感はありながらも曲調は至ってシンプル。
これから、始めてKEYTALKの楽曲を聴く人でも、すんなり馴染んでしまう軽快なメロディーが魅力の一つでもある楽曲です。
それにしても、何故、メンバーたちの個性をミックスしたような、転調のめまぐるしいチューンになっていないのか・・・
あくまで筆者個人の見解になるのですが、その理由は、この『Love me』という楽曲が、一途な恋に突き進む恋心を淡く描いているところに要因があるのでしょう。
歌詞にあるように、彼一筋と夢中に追いかけても、彼には恋人として見る気は一切無く、あくまで、主人公となる女性は、相手男性と友達以上恋人未満の関係から進展させることができません。
結局、恋に溺れてしまうだけになってしまうんですが、それでも切なく苦しくといった感じはなく、恋に恋い焦がれながらも、ほっこり幸せになっている様子が、『Love me』から十二分にうかがえます。
つまり、彼女に撮っては、結果云々というよりも、恋に焦がれているその時間を満喫していることこそが、幸せの時間であると言えるでしょう。
そして、その幸せな時間を、明るく軽快なリズムで演出している・・・
その幸福感が、『Love me』の最大の魅力でもあると、筆者は考えています。
そして、恋い焦がれている間は、決して悲しみさえ入る余地がないため、転調を一切許すことなく、疾走感と軽快さで埋め尽くされているのではないでしょうか。
たとえ、聴き手が恋い焦がれていなかったとしても、ついウキウキが止まらなくなってしまうような、明るさと疾走感は、『Love me』の大きな魅力であり、辛く苦しい状況下にある人に生きる勇気を与えてくれます。
人は、生きていると、良いことばかりではなく嫌なことも当然訪れます。
ぜひ、そういうときに、何にも考えることなく『Love me』を聴いてみてください。
きっと、心が晴れ晴れとして『何、些細なことで落ち込んでいたんだろう』と元気にさせてくれるはずですよ。
MONSTER DANCE
さて、続いては、『Love me』とは180度異なり、ハチャメチャに踊り狂いたくなるようなディスコチューン『MONSTER DANCE』です。
MONSTER DANCEは、2014年10月に発売された3rdシングルなんですが、発馬から5年以上経過した現在でも、その人気はすこぶる高く、ファン絶賛のディスコチューンといえるでしょう。
良い意味で、MONSTER DANCEはハチャメチャな楽曲であり、随所で転調が見られるかと思えば、リズムまで変化が見られ、もう何でもありの世界・・・
例えるなら、少し古く若者には分かりづらいかもしれませんが、スタジオジブリのアニメ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の主題歌に起用された、上々颱風の『いつでもおまえが』のような奇想天外な楽曲にも相通じる何かを感じさせてくれます。
上々颱風『いつでもおまえが』とKEYTALK『MONSTER DANCE』の共通点
上々颱風の『いつでもおまえが』は、極端に言ってしまえば、ほぼサビパートの繰り返しで、聴き方によっては一本調子に感じてしまうような楽曲です。
聴く人によっては、単調に感じてつまらなく思えるんですが、実は、細かい転調・リズムの使い分けが非常に巧みで、『同じサビを聴いているのか?』という印象を与えてくれます。
そのため、凄く奥行きが深く、聴き込んでいくごとにいろんな変化が感じられ、飽きることなく楽しめます。
KEYTALKのMONSTER DANCEも、メロディラインからサビに至るまで、一見、イントロからメロディラインを吹っ飛ばしてサビがずっと続いているかのような錯覚を受けてしまいます。
しかし、聴き込んで行くほどに、その考えが間違いだとよく分かり、メロディ・サビ・イントロ・間奏と、どれをとっても、根幹の疾走感かつ賑やかし的な部分以外は、全く異なるストーリー性を持っています。
各パートの持つオリジナリティ性が飽きさせない!
MONSTER DANCE のAメロ・Bメロでは、恋人や恩師など、想い描く人にこれから会おうとする主人公のウキウキ感が描かれ、サビに向かって心躍る気持ちがスパークしていく様子が描かれています。
また、間奏パートからCメロに至っては、嵐の前の静けさというか、今にも爆発しそうなウキウキ感が描かれていて、どのパートを取ってみても凄く面白いのです。
このような細かい仕掛けが幾重にも張り巡らされていて、それが深く考えずに体感出来るからこそ、KEYTALKのMONSTER DANCEは、実にユニークで、若者たちから愛され続けているわけです。
この『何も考えずに感じろ』というメッセージ性は、KEYTALKらしさの象徴でもあります。
MONSTER DANCEが、他の曲よりも群を抜いて体感出来るので、ただ人気だからという理由ではなく、KEYTALKらしさを満喫する意味においてもオススメします。
考えずに、ただ感じるがままに踊り狂え!
何度も言いますが、あくまで本記事では、楽曲の魅力を伝えるために、多少細かい部分にも踏み込んで『MONSTER DANCE』ご紹介しているに過ぎません。
なので、『MONSTER DANCE』を聴く際には、頭であれこれ考えて聴かず、ただ感じるがままに聴いてください。
何かむしゃくしゃしたり落ち込んだりしたときに、リフレッシュする目的で、ただ聴いて感じるがままに踊り狂うと、楽曲を聴き終えたとき、スカッとした自分に出会えます。
何も考えることなく、誰でも熱狂できる楽曲なので、ぜひ、KEYTALKの演奏と共に、徹底的に踊り明かしてみましょう!
桜花爛漫
『Love me』や『MONSTER DANCE』は、実際の人気だったり、いろんな情景(聴き手の心理)を考えた上でご紹介した楽曲です。
当然、3つ目の楽曲も、そのような楽曲をご紹介すべきなのですが、どうしても、筆者個人の見解でこれだけは外さないで聴いてほしい楽曲があるので、3つ目としてご紹介させてください。
疾走感の中にある情緒豊かな和の音楽
その楽曲とは、KEYTALKのメジャー5thシングルであり、テレビアニメ『境界のRINNE』第1シリーズOPに起用された楽曲『桜花爛漫』です。
先程、KEYTALKの魅力の部分でも若干ご紹介しておりますが、桜花爛漫は、個人的には、最も転調の激しさがわかりやすく、KEYTALKの世界観を知るには最もふさわしい楽曲です。
桜花爛漫というタイトルにふさわしく、和の要素が盛りだくさんで、前サビのパートから、疾走感があり、和のオーケストラを聴いているかのよう・・・
例えるなら、和楽器バンドの千本桜のサビを着ているかのように、勢いは強いんだけど、どこか情緒のようなものを感じることができ、凄く心が落ち着き和みます。
もちろん、尺八や三味線が出てくるわけではありませんが、疾走感の中にどこか落ち着いた印象が盛り込まれ、独特の雅の印象が伺えるのです。
その部分だけでも、また一風変わったKEYTALKの魅力が味わえるので、一度聞いてみてほしいところですね。
和テイストに仕上げた理由
さて、和テイストが随所で見られる『桜花爛漫』ですが、実は、これにはある理由が存在します。
それは、アニメ『境界のRINNE』の原作者でもある、漫画家・高橋留美子さんのたっての希望だったことが一番の要因でした。
なんでも、アニメ主題歌を手がける上で、疾走感と和テイストをKEYTALKに求めていたんだとか・・・
KEYTALKには、もののふ(ももいろクローバーZのファンのこと)でもあると公言している小野武正さんや、アニソンのコピーバンドを組んだこともあるアニメファンの八木優樹さんなど、個性豊かなメンバーが揃っています。
ロックならではの疾走感と和の融合は難しそうだけど、KEYTALKなら難なくこなすことができたんだね。
高橋留美子先生の期待に見事に応え、『桜花爛漫』は生まれました。
疾走感・和テイストを盛り込み、さらに映像化できている一曲!
さて、高橋留美子先生からの要望も織り交ぜ手がけられた『桜花爛漫』ですが、
軽快な前サビを盛り込んだことで、桜吹雪が舞う様子が聴き手の心の中にくっきり映像として浮かび、雅な心で落ち着かせてくれます。
それも、Aメロに入ってもそのトーンは一切色あせることなく、転調も使いこなしながら、疾走感溢れる和テイストを存分に楽しませてくれるのです。
ある意味、『境界のRINNE』のためだけに作られた贅沢な桜ソングともいえるでしょう。
卒業・別れをイメージさせる桜ソングとは違った、わいわい楽しむ花見酒という別の位置づけとして、時に大いに盛り上がり、時に桜の花びらが散る優雅さを満喫するにはもってこいの一曲としてオススメですよ。
疾走感・転調パート溢れ、ノリで聴ける曲一杯のKEYTALK
以上が、KEYTALKのオススメ曲ベスト3です。
いずれも、疾走感や随所で見られる転調が魅力的な楽曲であり、そこがKEYTALKの最大のウリでもあります。
当然、他にも、オススメしたい楽曲は、
『MATSURI BAYASHI』:8thシングル、MONSTER DANCE同様、誰もがノリノリになれるディスコチューン
パラレル:2ndシングル、怒濤の疾走感が魅力的な楽曲
Cheers!:14thシングル、軽快なポップチューンが魅力的な楽曲
など、多数あります。
それぞれ、細かい差はありますが、いずれもKEYTALKらしさを強く感じる曲ばかりなので、気になる方は、ぜひ、彼らの楽曲を通じて、一度KEYTALKワールドを体感してみてくださいね。
最後に・・・
KEYTALKは、個性豊かな4名のメンバーたちが、それぞれの個性をぶつけ合い、彼ららしさを前面に押し出した、実にユニークなロックバンドです。
悲しいときや、苦しいときに、その辛さから逃げ出したいと感じたときには、
『Love me』
『桜花爛漫』
がオススメですし、一方、激しくノリノリな気分を味わいたいなら、
『MONSTER DANCE』
『MATSURI BAYASHI』
などをオススメします。
このように、KEYTALKの楽曲はそれぞれが個性を持ち飽きさせない楽曲ばかりで、独自の疾走感・転調の多さが、非常に魅力的です。
ツイン・トリプルヴォーカルというミックスチューンを採用し、良い意味でのメンバー間の音のバトルが展開されているので聴き応え抜群ですよ。