在日ファンクは2007年に結成された7人組のバンドです。
活動開始を開始して以来、本場のファンクを継承したストイックなサウンドを鳴らし続けています。
本記事では、
「在日ファンクに興味がある!」
「ボーカルの人、朝ドラとか大河ドラマで見たことあるけど……」
という方に向けてバンドの魅力や歴史、メンバーのプロフィールやオススメの曲を紹介します!
目次
在日ファンクの魅力:日本独自のディープ・ファンク
在日ファンクの魅力は、本場顔負けのディープなファンクに日本風のレトロさを溶け込ませたサウンドです。
また、悶々とした苦悩や欲望を全開した歌詞にも、等身大の魅力があふれています。
バシっと決まったグルーヴとやり場のない感情を炸裂させたボーカルの相乗効果が、人間性を剥き出しにした迫力を生み出しています。
ファンクらしい熱量がほとばしっているのにメロディの耳なじみが良いところも、在日ファンクの才能が発揮されている部分と言えるでしょう。
それに「みっともないと思われようと知ったこっちゃない!」と言わんばかりに剥き出しの感情を叩きつけている言葉の迫力も素晴らしいですよね。
メンバー紹介
- 浜野謙太 (ボーカル)
- 村上啓太 (ベース)
- 仰木亮彦 (ギター)
- 永田真毅 (ドラム)
- 橋本剛秀 (サックス)
- ジェントル久保田 (トロンボーン)
- 村上基 (トランペット)
在日ファンクは上記7名で構成されています。
浜野謙太
1981年8月5日生まれ
在日ファンクのボーカルを担当しており、バンドの中心人物です。
イジられキャラになることも多いのですがカッコつけた振る舞いをするのも好むらしく、三枚目タイプのナイスガイと言えるでしょう。
交友関係は狭くないほうだとも自認しており、ユーモアあふれる性格が多くの人から好かれているようです。
また、俳優やタレントとしても幅広く活躍しています。
朝ドラや大河ドラマへの出演、映画『婚前特急』での最優秀新人賞の獲得、さらにはバラエティ番組やユニクロなどのCM出演などの華々しい経歴があり、こちらの一面の方が有名かもしれませんね。
村上啓太
1981年8月11日生まれ
在日ファンクのベースを担当しており、浜野さんとは高校時代からの友人です。
浜野さんに音楽的な影響を強く与えた存在であり、高校時代は一緒にブルースやソウルを演奏していたんだとか。
浜野さんの「むらかみっ!」の一言で始まるベースのアドリブは、在日ファンクのグルーヴィな楽しさを担っていると言えるでしょう。
仰木亮彦
1983年9月21日生まれ
在日ファンクのギターを担当しています。
そのタイトな演奏は、在日ファンクの魅力の一つと言えるでしょう。
また、2年以上ポッドキャスト番組のパーソナリティをしていたこともあり、現在開設しているYouTubeチャンネル『オオギナギターチャンネル』でも優しくて心地よい語り口を楽しめます。
永田真毅
1980年3月10日生まれ
在日ファンクのドラムを担当しています。
落ちつき払った表情で熱いビートを叩く、バンドの柱とも言える存在です。
喋り方は穏やかですが浜野さんからはバンドの野性を担っている存在と評されており、お酒を飲みながらポッドキャスト番組の収録を行うなどの豪胆さを披露することもあります。
橋本剛秀
1982年7月19日生まれ
在日ファンクのサックスを担当しています。
後関好宏さんの脱退に伴い、2017年に加入しました。
かつてフジロックフェスティバルにも出演した日本語アフロビートバンドKINGDOM★AFROCKSに在籍し、アフロビートの重鎮Tony Allenとの共演やセネガルの伝統音楽奏者Karamo Cissokhoとのセッションなどの幅広い経験を積んでいます。
ジェントル久保田
1978年2月2日生まれ
在日ファンクでトロンボーンを担当しています。
バンド内では面白い人と評されており、ステージでもMVでもそのエンターテイメント精神が遺憾なく発揮されています。
俳優業や司会業でも活躍しており、自身がリーダーと指揮者を務めるビッグバンドGENTLE FOREST JAZZ BANDはメジャーからリリースをしています。
村上基
1985年8月23日生まれ
在日ファンクでトランペットを担当しています。
その性格は「静か」「優しい」と評されることもありますが、くすっと笑えるお話をすることも多い印象を受けます。
ジェントル久保田さんのGENTLE FOREST JAZZ BANDにも参加しており、作曲やアレンジも行っています。
在日ファンクの歴史
始まりの誕生日
在日ファンク誕生のきっかけとなったのは、2007年に開催されたボーカルの浜野謙太さんの誕生日イベントです。
当時、浜野さんは星野源さん達と共にSAKEROCKの一員として活躍していましたが、自分の違う一面を見せられる機会を欲していました。
そこで愛してやまないファンクを披露するため、メンバーを集めてイベントに出演します。
そのライブが好評だったこともあり、伊藤大地さんから永田真毅さんへのドラマーの交代などを経つつもバンド活動は徐々に本格化していきます。
在日ファンクという名前はベース担当の村上啓太さんが最初に提案したもので、その言葉の響きに惹かれた浜野さんによって正式なバンド名として採用されました。
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曲がりくねった道のり
2010年にデビューアルバム『在日ファンク』をリリースしたあと、ライブやイベントへの出演が増えていきました。
その後もリリースを重ね、2014年にはメジャーデビューを果たしています。
しかし、その軌跡は順風満帆だったわけではありません。
サックスプレイヤーが福島ピート幹夫さんから後関好宏さんへ交代したり、声帯炎やインフルエンザでツアーをキャンセルせざるを得なくなったり、「お客さんの待遇改善」を求めて所属事務所に対してストライキを決行したこともありました。
2016年には再びサックスプレイヤーが後関好宏さんが橋本剛秀さんへと交代、2017年には所属レーベルを移籍しています。
2020年には浜野さんの椎骨動脈解離による血流障害のため、ライブ活動を休止しなくてはなりませんでした。
それでも在日ファンクが歩みを止めたことはなく、素晴らしい作品を数多く世に送り出しています。
突き進むバイタリティ
紆余曲折を乗り越えながら、在日ファンクは本場顔負けのファンクを鳴らし続けてきました。
その一方で、子供向けアニメ『おじゃる丸』にEDテーマ曲『わからん』を提供したり、バラエティ番組『日本人のおなまえっ!』のテーマソングとして『きみのはどう』を書き下ろしたり、さらにはスコッチ・ウイスキーのデュワーズのCMに抜擢されたりもしています。
バラエティに富んだその活動には、在日ファンクのバイタリティが示唆されているのかもしれません。
在日ファンクは様々な逆境を乗り越えながら、粘り強くエネルギッシュに前進を続けています。
在日ファンクおすすめの5曲
在日ファンクはバリエーション豊かなファンク・チューンを数多く生み出してきました。
ここでは、その多彩な魅力がぎゅっと凝縮された5曲を紹介します。
爆弾こわい
スピーディで粘り強いグルーヴが鮮烈な、ハイテンション・ファンクナンバーです。
コミカルな雰囲気を漂わせつつグルーヴはタイト、ホットで野性的なサウンドは絶えることのない高揚感を生みだします。
また、反戦の主張を等身大でウィットに富んだ言葉で盛り込んだ歌詞も個性的です。
生々しい感情を生々しく躍動するサウンドに乗せた、ジャパニーズ・ファンクの真髄とも言える楽曲でしょう。
※2011年にリリースされたアルバム『爆弾こわい』に収録されています。
ぬるまゆファンク
ミドルテンポながらも切れ味鋭いグルーヴと昭和レトロなムードが一体化している、個性的なナンバーです。
ぬるまゆファンクというタイトルが、楽曲の魅力を見事に現わしていると言えるでしょう。
歌謡曲っぽいゆったりとした雰囲気を漂わせながらも、ファンキーなタイトさがバシッと決まっています。
そして、ぬるま湯に浸かっている人たちに向けて一歩を踏み出す勇気を与えるような、力強いメッセージを放っています。
在日ファンクにしかできないような、絶妙なバランス感覚の上で成り立っている一曲と言えるでしょう。
※2016年にリリースされたアルバム『レインボー』に収録されています。
ちっちゃい
ノリノリのファンク・サウンドに悶々とした劣等感を乗せて歌いあげており、在日ファンクらしい魅力が濃厚に詰まっています。
タイトなリズム隊、キレキレのホーン隊、甲高いシャウト。その全てがぶつかり合って、血潮がたぎるような熱いグルーヴを生み出しています。
男子的な苦悩や奮起を炸裂させている歌詞のコミカルさもあって、エンターテイメントとして申し分のない楽しさがあふれかえっています。
グルーヴィで迫力満点、再生ボタンを押した瞬間にきっと身体を動かしたくなるでしょう。
※2014年にリリースされたアルバム『笑うな』に収録されています。
京都
風通しの良いギターとリラックスした雰囲気のストリングスが、心地よい旅情と解放感を創りだしています。
終盤にはコール・アンド・レスポンスを誘う展開も顔を出し、思わず笑みがこぼれるような幸福感を演出しています。
また、機知に富んだ言葉で愛情を表現している歌詞が素晴らしく、青年の胸に潜む想いがストレートに表現されています。
純朴な優しさを感じられる、素敵な一曲と言えるでしょう。
※2010年にリリースされたシングル『Escape』に収録されています。
おかんむり
ファンクらしいタイトさを残しつつも、J-POP的なキャッチーさを感じさせるナンバーです。
軽快なグルーヴは楽しいメロディに彩られ、自然と笑みがこぼれるような朗らかさに満ちあふれています。
また、「バカじゃない 言われても怒れない 世の中はこんなに現実が支配してるのに」「おかんむり おかんむり 涙を拭いて 僕らとダンスしよう」といった歌詞にも現れているように、聴き手の心に寄り添うような優しさも『おかんむり』の魅力でしょう。
かと思えば曲の最後に社会への怒りを突き刺したり………多様な側面を持っている曲です。
そして、その多様さは社会で生きていくうえで、我々に求められていることなのかもしれません。
※2019年にリリースされたシングル『おかんむり』に収録されています。
最後に
本記事では在日ファンクに関心がある方に向けてバンドの魅力や歴史、メンバーのプロフィールやオススメの曲を紹介しました。
本場のファンクを継承しつつも日本らしい雰囲気も濃厚に匂わせるサウンド、その進化の行く先をこれから見届けていきたいですね!
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