きらめく宝石のようなサウンドで音楽ファンの心に魔法をかけたバンド、「sumika」(スミカ)。ライヴツアーも即完売という大人気バンドに成長した彼らの経歴やオススメ曲をご紹介します。
2013年の結成以来、清涼感のあるサウンドで中毒者を急増させているロックバンド、sumika(スミカ)。
メンバーの体調不良による活動休止などを乗り越え、良質な音楽を丁寧に世の中へ送り出し続けた彼らは、結成5年で日本武道館公演を開催する人気バンドに成長しました。
突飛なファッションや炎上覚悟の過激な言動で注目を集めるミュージシャンも多い中、“普通に良い曲”を真摯に紡ぐsumikaの佇まいは逆に新鮮さを感じるほどです。
2020年代ロックシーンの顔役になる可能性を秘めた彼らの魅力をご紹介していきましょう。
目次
sumika / スミカ
- 片岡健太(かたおか けんた) / ヴォーカル、ギター
- 黒田隼之介(くろだ じゅんのすけ) / ギター、コーラス
- 荒井智之(あらい ともゆき) / ドラム、コーラス
- 小川貴之(おがわ たかゆき) / キーボード、コーラス
sumika(スミカ)・メンバー
片岡健太(かたおか けんた) / ヴォーカル、ギター
黒田隼之介(くろだ じゅんのすけ) / ギター、コーラス
荒井智之(あらい ともゆき) / ドラム、コーラス
小川貴之(おがわ たかゆき) / キーボード、コーラス
2013年、前身バンドの活動休止をきっかけに3人編成でスタートしたsumikaは、2015年にキーボーディストが加入して4人編成となり、現在は上記のメンバーで活動しています。
正式なベーシストは在籍しておらず、ライヴやレコーディングの際には、ゲストミュージシャンを起用しています。
“ベースレスバンド”と評されることも多いsumikaですが、アンサンブルの中にベースは含まれており、“正式ベーシストが不在のバンド”が正しい表現です。
片岡健太(かたおか けんた) / ヴォーカル、ギター
- 氏名:片岡健太
- 誕生日:1987年9月30日
- 出身地:神奈川県川崎市
sumikaのメインソングライターとして大部分の楽曲の作詞・作曲を担当しています。
小学校4年生の時に父親からギターの弾き方を教わり、ロックバンドを結成するきっかけとなったのは、日本パンク史の伝説Hi-STANDARDでした。
好きなアーティストとして、前述のHI-STANDARDのほかに、ハナレグミ、bonobosなどを挙げています。
2015年5月、喉の不調、頭痛、眩暈などにより歌が歌えないとして活動を休止しましたが、治療が功を奏し、同年9月に活動再開が発表されました。
黒田隼之介(くろだ じゅんのすけ) / ギター、コーラス
- 氏名:黒田隼之介
- 誕生日:6月10日
- 出身地:神奈川県川崎市
“じゅんちゃん”こと黒田隼之介は、東京・神奈川を中心に活躍していたバンドWhite Crowの元メンバーで、sumikaの前身バンドbanbiと接点があったことから、White Crow解散後の2012年1月にbanbiに加入しています。
sumikaの一部の楽曲で作詞・作曲を担当しており、創作面での貢献も見逃せません。
好きなアーティストとして、the band apart、Mr.childrenの名前を挙げています。
荒井智之(あらい ともゆき) / ドラム、コーラス
- 氏名:荒井智之
- 誕生日:12月30日
- 出身地:神奈川県川崎市
“バロン”の愛称でファンに親しまれている荒井智之は、前身バンドであるbanbi時代からのメンバーです。
片岡健太との付き合いがもっとも長いメンバーで、2003年に10-FEETとELLEGARDENのライヴ会場で知り合ったことが一緒にバンドをやるきっかけでした。
幼少期からドラムを始めた早熟ミュージシャンで、他ジャンルのアーティストのサポートやセッション活動にも積極的な姿勢の持ち主です。
小川貴之(おがわ たかゆき) / キーボード、コーラス
- 氏名:小川貴之
- 誕生日:12月22日
- 出身地:神奈川県横浜市磯子区
“おがりん”こと小川貴之は、サポートメンバーを経て、2015年2月にsumikaに正式加入した一番新しいメンバーです。
横浜を中心に活動していたピアノロックバンドfrom a novelでは、メインヴォーカルとピアノを担当していました。
2014年12月にfrom a novelが解散することを耳にした片岡が「こんな素敵な音楽家が音楽を辞めたらあかん」と猛アタックし、sumikaに正式加入となりました。
ピアノを始めたのは2歳の時で、その音楽的素養を生かし、sumikaでも数曲の作曲に携わっています。
sumika(スミカ)・バンド名の由来
sumikaというシンプルなバンド名はどこから来たのでしょうか。
「人の名前かな?」と思ってしまいますが、住む場所を意味する「住処」が由来となっています。
「世界中で一番好きなものが集まっているのは、好きだけを集めて作った自分の部屋」であり、多くの人にとっての住処=好きな場所になって欲しいという願いを込めて命名されました。
バンド名の由来という趣旨からは外れますが、アコースティック形態で演奏する際には、sumika[camp session]名義で活動しています。
日本の人気インストバンドSPECIAL OTHERSが、アコースティック編成で活動する際にSPECIAL OTHERS ACOUSTIC名義を使用するのと同じシステムです。
sumika(スミカ)・経歴
結成5年で日本武道館のステージを踏んだsumikaですが、前身バンドから数えると15年以上のキャリアがあり、ぽっと出の新人バンドというわけではありません。
短いようで長い彼らの経歴をご紹介します。
結成~初期
2013年2月、ベーシストの脱退により前身バンドbanbiが活動休止を発表。
2013年5月、残ったメンバーである片岡健太、黒田隼之介、荒井智之はbanbi休止後も活動を共にしますが、前身バンドの名義を引き継ぐことはせず、新たにsumikaを結成して再スタートしました。
2013年10月には早くも初の音源となる『新世界オリハルコン』をリリース。
2014年6月には、購入者が自由に価格を設定できるシングル『Dress farm #1』『Dress farm #2』をリリース。
2014年11月、バンド初の全国流通盤となるミニアルバム『I co Y』いこい)をリリース。
この作品は、渋谷のライヴハウス“eggman”が運営する音楽レーベルmurffin discsの内部レーベルである[NOiD]を通じてリリースされました。
『I co Y』はタワーレコードのスタッフが世間にまだ知られていない良質なバンドを紹介する「タワレコメン」に選出され、多くのリスナーの手元に届くことになりました。
小川加入、4人編成へ
2015年2月、小川貴之がキーボーディストとして正式加入し、4人編成へ。
新たなスタートを切ったsumikaでしたが、5月に片岡が体調不良により歌うことが困難となり、バンド活動からの一時離脱を余儀なくされました。
6月10日にリリースした3枚目のミニアルバム『Vital Apartment.』はオリコンチャート最高32位を記録し、良い流れが来そうな時期だっただけに、片岡の無念さは察するに余りあります。
『Vital Apartment.』リリース後のライヴは、片岡以外のメンバー3人にゲストミュージシャンを加えた編成のsumika[roof session]名義でおこなわれ、sumikaの楽曲をアレンジして演奏されました。
9月30日、治療を終えた片岡が「復活の狼煙」と題したブログで活動再開を報告。
11月28日には片岡の復帰を記念したフリーライヴを渋谷eggmanで開催。
同ライヴには会場のキャパシティを大幅に上回る応募が殺到し、プラチナチケットとなりました。
ヴォーカリストが歌えなくなるという危機を乗り越えたsumikaは、ここから快進撃を開始します。
2016年3月9日にリリースしたシングル『Lovers/「伝言歌」』はオリコンチャート最高15位というスマッシュヒットを記録。
5月25日にリリースされた4枚目のミニアルバム『アンサーパレード』は同チャート最高12位という過去最高のチャートアクションを見せました。
-Answer-と-Parade-に分けて開催された『アンサーパレード』のリリースツアーは、全公演ソールドアウトという盛況ぶり。
すでにライヴハウスの規模では収まらないほどの人気を誇るバンドになっていました。
アルバムデビュー、ブレイク
オリコンチャート最高12位を記録した『SALLY e.p』のリリースで2016年を華麗に締めくくったsumika。
2017年に入ってもその勢いは衰えず、5月18日には価格自由設定CD第3弾となる『Dress Farm #3』を発売して大きな注目を浴びます。
同様の販売方法は2014年にもおこなっていますが、その時は会場もしくは公式通販サイトのみでの販売だったのに対し、今回はタワーレコードの店頭においても購入者が価格を自由に設定できるというアバンギャルドなものでした。
これまでシングルやミニアルバムを多数リリースし、フルアルバムを制作することから意識的に「逃げてきた」sumikaでしたが、2017年7月12日に待望のファーストアルバム『Familia』を発表。
メンバーやスタッフとの関係を“家族”になぞらえて命名された『Familia』は、以前から片岡がファーストアルバムのタイトルとして胸に秘めていたものでした。
アルバムという枠組みならではの冒険的な楽曲も収録された『Familia』はリスナーから好意的に受け入れられ、オリコンチャート最高5位を記録する大ヒットになりました。
バンドの活動規模は一挙に拡大し、アルバムリリースに伴うツアーでは東京国際フォーラム ホールA など大会場が日程に組み込まれました。
その一方、F.A.D YOKOHAMAや京都の名門ライヴハウス磔磔など小規模な会場も回った『Familia』Release Tourは、数百人規模の会場でsumikaを観られる最後の機会だったのかもしれません。
さらなる飛躍・日本武道館へ
2018年、それまで在籍していたmurffin discsの内部レーベル[NOiD]からソニー・ミュージックレーベルズ内のソニー・ミュージックレコーズへ移籍。
MAN WITH A MISSIONやSurvive Said The Prophet など人気バンドを抱える大手レーベルであるソニー・ミュージックレコーズのプロモーション力が加わったことにより、sumikaはさらなる上昇気流に乗って飛躍していきます。
レーベル移籍後初リリースとなった『Fiction e.p』はオリコンチャート最高3位を記録。
劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』のオープニングテーマおよび主題歌として起用されたシングル『ファンファーレ/春夏秋冬』も同チャート4位のヒットとなりました。
2018年5月からスタートしたツアー「Starting Caravan」ではバンド初となる日本武道館公演を成功させるなど、成功への階段を着実に登っていくsumika。
日本武道館公演の前日となる2018年6月29日には、バンド活動開始5周年を記念した無料イベント「sumika 5th Anniversary『Humor』」を同じく日本武道館で開催し、ファンを喜ばせました。
前述のシングル『ファンファーレ/春夏秋冬』に伴うツアーでは、ホールツアーから一転し、Zepp Tokyoなど大規模ライヴハウスを回っています。
2019年3月13日にはセカンドアルバム『Chime』をリリース。
多くのタイアップ曲を収録した『Chime』はオリコンチャート最高5位のヒットを記録しました。
アルバムタイトルは、sumikaに触れてくれた人たちの家に歩いて行ってチャイムを押したい、という感謝の気持ちを込めて命名されたものです。
アルバムリリース翌日からスタートした全国ツアーでは、日本武道館や横浜アリーナを含む大規模会場を回り、全24公演を成功させています。
2020年に入ってもsumikaの快進撃は続き、3月4日にリリースしたEP『Harmonize e.p』がオリコンチャート最高5位を記録するなど絶好調。
しかし、その勢いに水を差すような形となってしまったのが、世界中で今も猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大でした。
3月からスタートするはずだった初となるさいたまスーパーアリーナ公演を含む全国ツアーは全公演開催見合わせの憂き目に…。
そんな状況の中でもファンに音楽を届けたいという気持ちは決して失わなかったsumika。
5月28日に公式YouTubeチャンネル上で新曲4曲を含む音源集『Dress farm 2020』を発表したほか、9月25日には自身初となるオンラインライヴ『sumika Online Live「Little Crown 2020」』を開催するなど精力的に活動を続けました。
開催見合わせとなったさいたまスーパーアリーナ公演は2021年1月・2月に全5公演という規模で振替公演を発表しましたが、感染拡大が止まらない状況を考慮し、開催中止の決断をすることに…。
しかし、それでおとなしく引き下がるsumikaではありません。
2月9日には振替公演として無観客オンラインライヴをさいたまスーパーアリーナで敢行。
さらにその翌日には、同じくさいたまスーパーアリーナからファンクラブ会員向けのオンラインライヴを開催しました。
さらにさらにその翌日には、誰でも視聴可能な超太っ腹オンラインライヴを同会場から生中継!
サプライズとなった最終日を含むさいたまスーパーアリーナ3daysライヴを見事に完遂してみせました。
2021年、さらなる飛躍
さいたまスーパーアリーナ公演を完売させるほどの人気バンドに成長したsumikaは、2021年3月3日に待望の3rdアルバム『AMUSIC』をリリース。
数多くのタイアップ曲を収録した注目のアルバムは、2019年リリースの前作『Chime』を上回るオリコンチャート最高5位を記録しています。
コロナ禍という未曽有の危機の中でも力強く活動を続け、次々と過去最高を打ち立てていったsumika。
2021年はさらなる飛躍の年となることは間違いなさそうです。
sumika(スミカ)・オススメ曲
sumikaの人気曲の中から厳選したオススメ曲をご紹介していきます。
エンドロール
2020年3月4日にリリースされたばかりの『Harmonize e.p』収録曲です。
架空の映画の主題歌を想定してソングライティングをおこなったという“エンドロール”は、絞り込まれた少ない音数の中で歌い上げられるAメロで始まり、徐々に熱を帯びていく演奏に胸が締め付けられます。
南沙良と清原翔が出演したMVも秀逸で、まるで映画を観ているかのようです。
ふっかつのじゅもん
2014年リリースのミニアルバム『I co Y』に収録されています。
sumikaのロックバンドとしての魅力が詰まったアップテンポな暴れチューンです。
暴れ狂いながらギターメロディを弾くあたりは、9mm Parabellum Bulletなどを想起させます。
RPGになぞられた歌詞も実にファニーで、こういう路線を突き詰めていっても成功したのではないかと思ってしまうほど。
ちなみに「ふっかつのじゅもん」とは、ファミコン版『ドラゴンクエスト』で採用されていたパスワードのことです。
昔のゲームソフトは容量の関係でセーブ機能がなかったため、「ふっかつのじゅもん」と呼ばれるランダムな文字列を使用してプレイ内容を記録していました。
「ふっかつのじゅもん」を書き写し間違えた時のダメージといったら…。
ペルソナ・プロムナード
2018年リリースの『Fiction e.p』とセカンドアルバム『Chime』に収録されている超アッパーなダンスロックチューン。
しっとりとしたバラードを歌うバンドとしてsumikaを認識している人は面食らってしまう曲調なのではないでしょうか。
巧みにギアを切り替えながら猛スピードで疾走していくようなスリリングな曲調で、キメを連発するインストパートは手に汗握るかっこよさです。
楽器を演奏される方には、さらに魅力的に響く楽曲だと言えるでしょう。
最新情報
「Shake & Shake / ナイトウォーカー」リリース決定!
2021年に6月2日に両A面ニューシングル「Shake & Shake / ナイトウォーカー」がリリースされる事が発表されました!
初回生産限定盤には、2月にさいたまスーパーアリーナで開催されたライブからの音源「-sumika Live Selection- February, 2021 at さいたまスーパーアリーナ」が収録されます。
Vo/Gt片岡健太がCM初出演
片岡健太(Vo/Gt)がチョコレートプラネットと「センス・オブ・ワンダー」を歌う、進研ゼミ特別応援CMの放映が決定しました。片岡健太にとって今回がCM初出演となります。
「Shake & Shake」MVが公開!
アニメ「美少年探偵団」のオープニングテーマにもなっている新曲「Shake & Shake」が4月18日0:00に配信リリースされるとともに、YouTubeでミュージックビデオが公開されます。
sumika(スミカ)・まとめ
前身バンドとなるbanbiの結成から数えて約18年、ついに日本を代表するロックバンドのひとつにまで成長したsumikaをご紹介してきました。
ヴォーカルの片岡がフジテレビ系「めざましテレビ」のマンスリープレゼンターに抜擢されるなど、お茶の間への進出も着々と進んでいます。
キャリアに裏打ちされた細部にまで気配りの行き届いたソングライティングとアレンジ、そして確かな演奏力で聴く者の心を揺さぶるsumikaの世界に是非足を踏み入れてみてください。