ソロシンガーや俳優として活躍する星野源。
ディープファンクバンド在日ファンクや、これまた俳優として活躍する浜野謙太。
この2名が、2015年まで同じバンドのメンバーとして活動していた事はご存じでしょうか?
今をときめく2名が在籍していたバンドが、一体どんな音楽を奏でていたのか気になりますよね。
彼らの数ある名曲達の中から、初聴でも思わず体が踊り出してしまう珠玉の楽曲を3曲ご紹介します!
目次
SAKEROCK・メンバー
SAKEROCKは2000年に星野源を中心に結成され、2015年に惜しまれつつも解散したインストゥルメンタルバンドです。
メンバーは、
星野源:ギター/マリンバ
伊藤大地:ドラム/口笛
浜野謙太:トロンボーン/スキャット
田中馨:ベース
野村卓史:キーボード
キーボードの野村卓史は2002年に脱退していますが、その後もサポートとしてライブやレコーディングに参加しており、ラストアルバム「SAYONARA」では再び正式メンバーとして再加入しております。
インストゥルメンタルのバンドであるSAKEROCKですが、それぞれのメンバーがそれぞれの楽器を通して、見事に歌っているのです。
それも、各々が主張しながらも絶妙に絡み合った、「合唱」を表現しているのだと思います。
まさに、音を楽しむ5人の男達による極上の音楽集団。
それがSAKEROCKなのです。
SAKEROCK名曲3選!
SAYONARA
切ないピアノのイントロから始まり、続いて重なり合うアコースティックギターとマリンバ、そして浜野謙太のトロンボーンのメロディーを合図にバンド全体が絡み合います。
4/4拍子と3/4拍子が何度も交差する、難解なリズムパターンながらも、聴く人にそれを感じさせるどころか、自然に体を揺らしてしまう自然なビート感…。
そして曲の後半、星野源の甘い歌声を筆頭にラララの大合唱。
ライブで拳を突き上げ一緒に大合唱するファンの姿が目に浮かびそうな、切なくて熱い1曲です。
「SAYONARA」は別れの歌ではなく、「新しい日々の始まりのファンファーレ」。そんな5人の思いが垣間見れる、紛れもない名曲です。
慰安旅行
元々2002年に発売されたデモCDに収録されていた楽曲で、星野源がSAKEROCKに書いた最初の曲だそうです。
楽器なのにまるで歌声のような浜野謙太のトロンボーンの、どこかのんびりしたメロディ…
それを支えるギターのカッティングも、流れるようなベースラインも、細かく刻むタイトなドラムのリズムも、それぞれの楽器がまるで歌うようにアンサンブルが重なり合います。
結成当初から解散時までずっと演奏されていたのも頷ける、これぞSAKEROCKと言える1曲です。
会社員と今の私
「会社員」と「今の私」の2曲が連続して演奏されております。
「会社員」は星野源によるマリンバの演奏が非常に印象的な1曲。
学生時代、ブラスバンド部の演奏くらいでしか聴く機会の無かったマリンバが主役となり、慌ただしく駆け回ります。
さらに、浜野謙太の優しく歌うようなトロンボーンが絡み合い、実に爽快な気分にさせてくれる楽曲です。
続く「今の私」は、一転して哀愁漂う切ないナンバー。
包み込むようなトロンボーンのメロディが、なんともノスタルジックです。
最後に
もちろんジャンルや聴き手にもよって異なりますが、基本的には歌が入った楽曲の主役は歌となります。
歌詞やメロディーを通して感情を表現したり、メッセージを伝えたりするものですよね。
しかしインストゥルメンタルには歌詞がありません。
楽器のメロディーやリズム、そして音色を通して、楽曲の内側にある感情や主張を表現するのです。
一見不自由なようですが、歌詞がないという事は自由でもあります。
言葉を介さずに音だけで表現する自由。
そして歌詞がない分、聴き手の受け取り方も千差万別。
受け取り方に、正解もないし、不正解もありません。
SAKEROCKの楽曲は、彼らの音楽であり、私たち一人一人の音楽であると感じさせてくれる素晴らしいものばかりです。
SAKEROCKの楽曲を聴きながら、各メンバーの今後の活躍にも大いに期待しましょう!