3ヶ国語歌唱で世界へ! K-POP × アニソンがアツい!

3ヶ国語歌唱で世界へ! K-POP × アニソンがアツい!

最近の日本では、韓国人アーティストによってアニソンのオリジナル曲を手掛けられることに以前ほどの違和感を覚える方が少なくなったように感じます。

その背景には韓国映画のアカデミー賞受賞、音楽界での韓国人アーティストの活躍ぶり等、エンタメ分野において成功を収めた同国への世界的な高評価やアニメにおいて国境を超える日本との関係性が深く関与しているのではないでしょうか。

今回は、韓国人アーティストの世界的な活躍やアニソン界でのヒットの要因、さらに今後彼等に期待したいこと等について考察していきたいと思います。

韓国人アーティストの世界的な活躍

今日、韓国人アーティストによる音楽界での目まぐるしい活躍ぶりに世界中から期待が寄せられています。

その中心にいるのは、韓国の7人組男性アイドルグループ「BTS(防弾少年団)」

彼等がその圧倒的な存在感を世界に向けて見せつけたことにより、アジア人アーティストのエンタメ分野への進出が後押しされたとも言われています。

米ビルボード・アルバムチャートにおいてこれまで1位に4回ランクインし、2020年8月31日に発表された米ビルボード・シングルチャートでは同月21日に発売した新曲「Dynamite」で韓国人アーティスト史上初の1位に輝く等、結果の伴った実力を武器に音楽界で不動の立ち位置を確立。

アメリカで長きにわたって抱かれていたアジア人に対する控えめなイメージを見事に払拭し、同国内で新たなK-POP好きを大勢輩出しました。

音楽以外でも韓国のエンタメ分野の成長は著しく、2月に開催された「第92回アカデミー賞」では映画『パラサイト 半地下の家族』外国語映画として史上初の4冠を達成して映画界の歴史を塗り替え、その実力を世界に知らしめたことで記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

制作者やアーティストのみならず、韓国では国民全員のエンタメへの関心が高いといい、一人当たり年間に鑑賞する映画の本数はおよそ4.3本と言われています。

MEMO

これは、日本人のそれの3倍ほどの数値。

そのように国全体が一丸となって自国のエンタメを愛する姿勢が、世界中で支持される作品を生み出す原動力となっているのだと思います。

韓国人アーティストと日本のアニソン

日本が世界に誇る「アニメ」に欠かせない要素であるアニソン

以前は日本人アーティストが歌う日本製オリジナル曲を韓国語バージョンとして韓国のアーティストにリメイクして歌われるのが一般的でしたが、最近ではオリジナル曲から韓国人アーティストの手掛ける例が増加しているように感じます。

それは先述したように彼等のエンタメ分野に熱心な国民性から生まれた音楽への高い評価が日本において反映された結果であり、日本と韓国の「アニメ」という文化での“共同体意識”の強化とも受け取れます。

歴史的な背景から政治的に冷え込んでいる両国ですが、アニメにおいては国境を越えて熱狂的する国民性が共通しているのでしょう。

先述したBTSと同じ芸能事務所「Big Hit Entertainment」に所属し、彼等の弟分として知られる5人組男性アイドルグループ「TXT(TOMORROW X TOGETHER)」も2020年2月に日本デビューを果たしてから人気を急上昇中。

先日、現在放送中のアニメ『ブラッククローバー』のオープニング主題歌として原作の「夢に向かって諦めない」というテーマに通ずるタイトルと同じ“永遠に光れ”というメッセージを込めた日本初のオリジナル曲「永遠に光れ(Everlasting Shine)」をリリースし、タイトルの如く明るい歌詞で紡がれた日本語を美しい歌声で歌い上げて新型コロナウイルス禍に生きる日本人の心を元気づけました。

他の作品でも多くの韓国出身アーティストがアニソンを手掛けては、これまでの日本になかったような世界観で作品を見事に彩っています。

韓国人アーティストによるアニソンがヒットする理由

3ヵ国語歌唱という強み


韓国で原作漫画が人気を博し、2020年10月より日本で放送予定のアニメ『NOBLESSE-ノブレス-』ではオープニング主題歌「BREAKING DAWN」を元東方神起のメンバーで現在はソロでも活躍中の韓国出身アーティスト・ジェジュン、エンディング主題歌「Etoile」を韓国の7人組女性アイドルグループ「OH MY GIRL」が務めることが決定。

日韓米を中心とした世界各国で広くアニメを展開出来るよう、地域によって日本語・韓国語・英語の3ヶ国語バージョンに分けてオンエアされるそうです。

このような例は初のことでなく、同年春に放送されたアニメ『神之塔-Tower of God-』の主題歌でも韓国出身の8人組男性アイドルグループ「Stray Kids」によってオープニング・エンディング主題歌とも同様に3ヵ国語歌唱で務められた際にも大きな反響を呼びました。

オープニング主題歌「TOP-Japanese ver.-」

エンディング主題歌「SLUMP-Japanese ver.-」

「TOP-Japanese ver.-」を表題曲としてカップリングに「SLUMP-Japanese ver.-」を収録した彼等にとって日本初のシングルは、2020年6月15日に発表されたオリコン週間ランキングで2位以下に大差をつけて1位を獲得するヒットぶり。

アーティストとしてパフォーマンス能力が高いことはもちろん、母国語である韓国語以外に英語・日本語力が身に付いているメンバーがいるからこそ実現可能な試みで日本人の心を鷲掴みにしました。

MEMO

BTSを例に挙げても中学生時代にTOEIC850点という高得点を叩き出したほどの高い英語力を誇るメンバー・RMの存在により、これまでアジアのアーティストが世界に進出するうえで弊害となっていた「言語の壁」を見事に乗り越え、世界各国でメンバー自ら意思疎通が出来る環境を作り上げたことがヒットするために必要な要素だったと言われています。

アニソン界でヒットするためにも同じくグローバルな世の中に対応していくため、多言語を使いこなすことを求められる風潮が出来てきたと考えられます。

歌唱言語以外の要素を変えない点

複数の言語による歌唱が可能なほか、韓国語以外の歌唱であっても洋楽を意識したおしゃれなサウンド世界最高峰とも言えるハイクオリティのダンスパフォーマンスを従来のイメージと変えない点が各国でのヒットに大きく起因しているのではないでしょうか。

日本の場合はそれに加え、自分たちの持ち得ないクールなイメージを同じアジア人で親しみを持てる韓国人アーティストたちが体現している点に大きな魅力を感じるのだと思います。

彼等が今後も日本のアニソンを手掛けていくことにより、そのファンで今までアニメに関心のなかった日本人すらも自国のアニメ旋風に巻き込んでいくことが可能かもしれません。

SNSを活用したライブ配信

BTSをはじめとした韓国人アーティストたちが、動画コンテンツの配信を行う「V LIVE」というライブ配信アプリをご存知でしょうか。

同アプリを通し、各アーティストはステージ裏の素顔や練習風景等をライブで発信。

昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くのライブ・イベントの開催が中止に追い込まれる中、そのような手段を用いて世界中のファンとの交流の場を大切にしようとする姿勢は絶大な支持を集めています。

特定のアーティストをフォローし、その動画や投稿をシェアすることでレベルやランクをアップさせることが出来る仕組みによって熱心なファンを獲得するのがV LIVEの戦略だといい、実際に視聴をきっかけに世界各国で長期間に渡って応援してくれるような年齢層の広いファンを大勢生み出しているようです。

まとめ:今後の韓国人アーティストへの期待

英語や日本語等、母国語以外の言語についても高いスピーキング能力を身につけることでワールドワイドな活動を展開する韓国人アーティストたちには、今後も様々なエンタメ分野での活躍が期待されています。

BTSの成功例が強く意識されるようになった今でこそ、韓国発のアイドルグループの中に英語の話せるメンバーが一人以上いることが一般的になりました。

そうした影響を受け、さらに若い世代のアーティストたちにも早くに英語をはじめとした他国の言語への理解を深めようとする傾向が見られます。

今後、日本人からの目線としては日本と韓国が共に愛するアニメという分野において韓国人アーティストの3ヵ国語を用いたアニソン歌唱をきっかけに、自国のアニメがより多くの人々から愛される作品となっていくことに期待したいところ。

それは同時に世界のアニメファンに向けて彼等の知名度を高めることにも繋がるので、両国がこれまで以上にしっかりと手を取り合ってそれぞれの魅力を高め合い、互いの良さを世界に向けてこれまで以上に広く発信していくことが実現したら同じアジアの国同士でこれまでにない素晴らしいエンタメを生み出せるのではないでしょうか。

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