アメリカ市場を狙うK-POP 「ネクストBTS」は誰だ!? 次世代アーティストを徹底紹介

アメリカ市場を狙うK-POP 「ネクストBTS」は誰だ!? 次世代アーティストを徹底紹介

2020年10月、防弾少年団(BTS)がアメリカのビルボードミュージックアワードで、4年連続「トップソーシャル・アーティスト賞」を受賞するというニュースが報じられました。

「トップソーシャル・アーティスト賞」とは、1年間のアルバムおよびデジタルアルバムの売り上げ、ストリーミング、ラジオ放送回数、ライブやイベントの参加指数などのデータと、グローバルファン投票を合算し、決定される賞です。

この賞は2011年に創設された賞で、ジャスティン・ビーバーがその座を6年間守ってきましたが、2017年に初めてジャスティン・ビーバー以外の歌手が受賞しました。それがBTSだったのです。

以前にもアメリカで人気を得たK-POPアイドルはいましたが、BTSは様々なアーティストとコラボレーションをしたり、音楽番組だけではなくトークやインタビューがメインとなった番組への出演をして、BTSというグループブランドをアメリカ市場に売り込んでいます。

今回は、BTSのようにアメリカ市場への進出と活躍が期待されるK-POPアイドルをピックアップしてみました。

現在アメリカで活動しているK-POPアイドル


最近では、BTS以外にもBLACK PINKMONSTA XATTEZなどアメリカで活動しているK-POPアイドルが増えているのが印象的です。彼らはアメリカのレコード会社と契約をし、着実にステップアップを踏んでいます。

BTSの弟分であるTOMORROW X TOGETHER(TXT)は、BTSと契約したレコード会社とライバル関係にある会社と契約を結びました。

BTSとTXTは、韓国では同じ事務所に所属していますが、アメリカではまた違った形で活動ができる可能性があるということです。これは韓国の音楽市場としても注目したい試みです。

さらに、SUPER JUNIORやSHINeeなどが所属しているSMエンターテインメントは2019年10月、アメリカのレコード会社キャピトルミュージックグループと合同で「SuperM」を結成しました。

SuperMは、EXOやSHINee、NCTなどから選抜されたメンバーで構成されたボーイズグループで、トップクラスのメンバーが集まっていることから「アベンジャーズチーム」と呼ばれるほどの影響力を持っています。

SuperMは米韓同時デビューが話題となり、デビューショーケースはアメリカのハリウッドで行われ、その後開催されたツアーは北米がスタート地点となるなど、海外での活動を重要視していることが感じ取れました。

今後アメリカ市場での活動が期待されているK-POPアイドル

2018年以降にデビューしたグループで、アメリカや海外での人気が高いグループを紹介します。韓国国内での活躍と併せてみていきましょう。

ITZY


ITZYは、TWICEが所属するJYPエンターテインメントから2019年にデビューした5人組ガールズグループです。「TWICEの妹分」として注目を集めました。デビューした年にワールドツアーを開催するなど、ワールドワイドな活躍をしてきたグループです。

なんとデビュー10日で韓国国内の音楽番組で1位を獲得する人気を持っており、デビュー曲のMVは発表から24時間でおよそ1,400万回再生されました。この記録は当時の史上最速記録となっています。

また、2019 Asia Artist Awardsや第34回ゴールデンディスクアワードなど数々の新人賞を受賞し、9冠を達成しました。「同性である女性が惚れる多くの魅力を持った女性」という意味を持つ「ガールクラッシュ」な外見や曲調も人気の一つだと感じます。

ITZYは、2ndミニアルバム「IT’z ME」がワールドアルバムチャートで5位、タイトル曲「WANNABE」がワールドデジタルソングセールスで4位という記録を残しています。ITZYの楽曲は、ヒップホップやダンスミュージックが特徴で、どんなシーンでも映える音楽を持っています。

2020年1月にアメリカのロサンゼルス公演を皮切りにアメリカツアーをスタートさせたITZYは、公演当日に「#ITZYinLA」がロサンゼルス地域のSNSでトレンド1位になるなど、現地でも高い人気を見せました。

その後「BuzzFeed」「YOUNG HOLLYWOOD」などのYouTubeチャンネルへの出演、さらには有名モーニング・トークショー「Good Day New York」に、韓国のガールズグループでは初めての出演を果たしました。

また、ファン参加型のインタビューショー「BUILD」にも出演したITZYは、全員が英語でコミュニケーションをとっていました。細かいニュアンスが難しいところは韓国語で話す場面も見られましたが、他のメンバーがすぐに英語で翻訳したりと、言葉での意思疎通ができているのは強みとなると思いました。

あわせて読みたい!

Stray Kids


Stary Kidsは、2018年にJYPエンターテインメントからデビューした8人組ボーイズグループです。

自身で作詞・作曲・振り付けなど全てをプロデュースする自主制作アイドルとして有名なStray Kidsは、メンバーの選抜も自分たちで行ったグループです。オーディション番組で選抜されたメンバーがグループを結成してデビューすることが定番となっている韓国のアイドル業界では異例のことでした。

また、Stray Kidsはラップチームの「3RACHA」、ボーカルチームの「VOCAL RACHA」、ダンスチームの「DANCE RACHA」の3つにグループ分けされており、互いに得意分野を持っていることも特徴です。

Stray Kidsは、デビュー前にアメリカビルボードが選定した「2018年注目すべきK-POPアーティストTOP5」の1位にランクインしており、海外からの注目が高かったグループです。

MEMO

2018年1月に発表したプレデビューアルバム「Mixtape」は、スウェーデンやノルウェーなど海外のiTunesのアルバムチャートで1位を獲得しています。

韓国国内では2018 Asia Artist Awardsや第28回ソウル歌謡大賞など様々なで新人賞11冠を達成しましたが、音楽番組で1位を獲得したのは2019年に発売した4枚目のミニアルバム「Clé1 : MIROH」のときで、デビューから1年後の1位獲得でした。

デビューから数日で音楽番組1位を獲得するアイドルグループがいる中でStray Kidsは少し遅咲きの印象を受けましたが、自主制作アイドルだけに着実と力をつけた結果だったのではないかと感じました。

その後の快進撃には目を見張るものがありました。2020年1月には「Step Out of Clé」という全編英語のシングルを発売し、初のワールドツアーでアメリカ8都市を回りました。さらに、インタビューショー「BUILD」「Good Day New York」への出演や、1983年に放送開始された伝統的な番組「Live with Kelly and Ryan」にも出演しました。

MEMO

「Live with Kelly and Ryan」にはハリウッドスターも多数出演したことがあり、Stray Kidsが出演することが韓国でも話題となりました。

韓国でも2020年6月に発売した1stフルアルバム「GO生」のタイトル曲「神メニュー」のMVが1億回再生を突破したり、メンバーが音楽番組の司会を務めるなど活躍の場を広げています。

あわせて読みたい!

(G)I-DLE


2018年5月にCUBEエンターテインメントからデビューした(G)I-DLE は、リーダーのソヨンを中心に、作詞・作曲、振り付けまで自分たちで行う「セルフプロデュースアイドル」として注目されました。中国国籍が1人、タイ国籍が1人、韓国国籍が4人という多国籍グループでもあります。

(G)I-DLE は、デビュー曲「LATATA」が大ヒットし、デビューから20日で3つの音楽番組で1位を獲得するという偉業を達成しました。「LATATA」は海外でも高い評価を得ています。アメリカをはじめ、イギリスやシンガポールなど世界11の地域でチャート1位を獲得しています。

MEMO

「LATATA」が収録された1stミニアルバム「I am」は、アメリカのビルボードアルバムチャートで7位を記録しています。

また、2018年から2019年にかけてAsia Artist Awardsや第33回ゴールデンディスク賞の新人賞を総なめにしました。韓国でも海外でも変わらぬ人気を獲得しています。

2020年には初のワールドツアーが計画されていましたが、新型コロナウィルスの影響で延期が発表されました。しかし、2020年4月に(G)I-DLE は、アメリカのユニバーサルミュージックグループ傘下のリパブリック・レコードとの契約を発表し公式にアメリカデビューを果たしています。

(G)I-DLE はデビュー以来、曲を発表するごとに世界中でヒットしています。さらにYouTubeの再生回数も日に日に伸びており、リパブリック・レコードの関係者も「領域を拡張して、北米市場への進出を狙う」と期待しています。

このことから、(G)I-DLE はアメリカ市場での活動が一時的なものではなく、その先を見据えての契約であることがわかります。現在ではまだ目立った活動は行われていませんが、海外での仕事が可能になり次第、何らかの動きを見せてくれると思います。

あわせて読みたい!

EVERGLOW


2019年3月にデビューしたEVERGLOWは、中国に本社を置くYUEHUAエンターテインメントよりデビューしました。この事務所には元SUPER JUNIORのハンギョンやIZ*ONEのメンバーであるイェナが所属しています。

EVERGLOWは、6人組ガールズグループで、1人が中国国籍、5人が韓国国籍を持つメンバーで構成されています。良い意味でK-POPらしくないR&BやHIP HOPの色を強く出した曲調を持っています。

また、EVERGLOWの人気は韓国国内より海外で強いことが特徴です。2019年3月に発売されたデビュー曲「Bon Bon Chocolat」が、アメリカのビルボードチャート・ワールドデジタルソングセールスチャートで5位を記録すると、iTunesのK-POPチャートでは19の国で1位を記録しました。

2019年8月には、2ndシングル「HUSH」のタイトル曲となった「Adios」がビルボード・ワールドデジタルソングセールスチャートで2位を、2020年2月には1stミニアルバム「REMINISCENCE」のタイトル曲「DUN DUN」がビルボードデジタルソングセールスチャートで3位を記録しました。

「Adios」はMVの再生回数が2019年8月19日の公開後、20日から23日にかけて世界で1位の再生回数を記録したことでも注目を浴びました。特にアメリカやブラジルからのアクセスが多く、アジアからの注目度が高かったK-POPアイドルとはまた違った反応が見られました。

また「DUN DUN」は、アメリカの有名なゲームストリーマーが自身の動画配信中に「DUN DUN」を流したこともあって、曲が発売されてから4ヶ月後の2020年6月、チャート1位に再浮上するという珍しい現象が起こりました。

MEMO

2020年3月には「Adios」のMV再生回数は1億回を突破し、その1時間後には「DUN DUN」のMVも1億回の再生回数を突破しています。

EVERGLOWはアメリカ公演も行っています。2020年3月にアトランタやシカゴなど5ヶ所を回るツアーを開催しました。新型コロナウィルスの影響で最終日のみ中止となってしまいましたが、多くのファンがEVERGLOWを迎え入れました。

このツアーではEVERGLOWの曲以外にレディーガガやビヨンセ、ブルーノマーズなどのカバー曲を披露し、さらにアメリカで人気のBTSやTWICE、EXOなどK-POPアイドルのダンスカバーもセットリストに組み込みました。

現在、韓国国内では音楽番組やショーケースが無観客で行われていることもあり、なかなか思ったような活動ができていませんが、今後EVERGLOWは韓国国内でも人気を獲得していくと思われます。

今月の少女(LOONA)


2016年9月から毎月1人のペースでメンバーが発表され、ソロ活動やユニット活動を行いながら完全体になるまで約2年という月日をかけた異例のグループで、総勢12名という大型グループです。

完全体の前には3つのユニットが結成されました。その中の1つである「ODD EYE CIRCLE」が2017年9月に発売したミニアルバム「Mix&Match」がアメリカのiTunes K-POPアルバムチャートで2位を獲得しました。

MEMO

「Mix&Match」に収録されている「LOONATIC」は英語バージョンも発表され、アメリカのiTunes K-POP音源チャートで3位を獲得しています。

完全体となってからは、さらに海外での注目度が上がりました。2018年8月に発売したデビューミニアルバム「++(プラスプラス)」がアメリカやイギリスなど6つの国のiTunes K-POPアルバム音源チャートで1位を獲得。アメリカのビルボード・ワールドアルバムチャートでは4位にランクインしました。

さらに、デビューミニアルバム「++(プラスプラス)」に新曲を追加して2019年2月に発売したリパッケージアルバム「XX」は、発売から8ヶ月後の2019年10月にアメリカのiTunesメインチャートで1位を獲得しました。2位のテイラースイフトを抑えての1位獲得に、世界中のファンが喜びました。

MEMO

K-POPガールズグループがiTunesメインチャートで1位を獲得するのはTWICE、Red Velvetに続いて3組目の快挙となりました。

また、2019年12月に発売されたリードシングル「365」は、22の国のiTunesチャートで1位を獲得しました。これでアルバム、シングルともにアメリカのiTunesでチャート1位を記録し、韓国ガールズグループでは初めてのことでした。

海外での人気が高かった今月の少女でしたが、最近では韓国国内でも活動が認知されてきており、2020年2月に発売した2ndミニアルバム「#(ハッシュ)」は、韓国の音楽チャートで1位を獲得しています。音楽番組でもタイトル曲「So What」初の1位を獲得しました。

音楽以外でも注目を集めています。韓国ではアイドルグループの関心度数や話題度数を集めた「ブランドランキング」が存在しているのですが、今月の少女は2020年3月に初めて1位を獲得しました。

2020年8月にはアメリカに公式サイトが開設され、アメリカでのデビューも遠くないと推測されます。

まとめ


アメリカ市場での活躍が期待されるK-POPアイドルをピックアップしてみましたが、全体的に共通しているのはSNSを使ったプロモーションが上手いと感じました。インスタグラムをはじめ、TwitterやYouTubeなど、欲しい情報がすぐに手に入れられる状態を作り上げています。

ただSNSを開設するだけではなく、メンバーの個人ショットや公演の様子、普段見ることができないメンバーの表情など、ファンが望んでいる記事を投稿しています。

また、昨年まではボーイズグループのアメリカ進出が目立ちましたが、今後はガールズグループの注目も大きいと予想されます。特に性別問わず人気が高い「ガールクラッシュ」なグループの需要が高くなっていると思います。

音楽面ではエレクトロニックやR&B、HIP HOPなど海外で人気があるジャンルの曲調を取り込み、そこに違和感なくK-POPサウンドが入っています。海外でアジアの曲を広めるためには言葉の壁が存在していましたが、まさに「音を楽しむ」ことが考えられた楽曲を持つアイドル達が成功していると感じました。

最初は言葉より音を楽しむ、そして韓国語にも興味がでてきて韓国語を勉強してみる。順番なんか関係ない。好きなら聞いてみたらいい。「音楽に国境はない」とよく言いますが、それを体現しているのが世界で活躍できるK-POPサウンドだと思います。

あわせて読みたい!

この記事をシェアをしよう!

この記事を書いた人

この記事に関連するタグ

関連記事

新着記事