本好きの下剋上 – TVアニメ第3期決定!第1期と第2期を彩った名言・名シーン9選!

本好きの下剋上 – TVアニメ第3期決定!第1期と第2期を彩った名言・名シーン9選!

多くのファンを持つ人気作品『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~』(以下、本好きの下剋上)。

本作では、本が簡単には手に入らない異世界で、小さな女の子に転生した主人公が現代日本の知識を活かして本作りに励む様子が描かれます。

この記事では、TVアニメの第1期と第2期で登場した『本好きの下剋上』の名言と名シーンを紹介。

2022年春放送予定のTVアニメ第3期を楽しむきっかけになれば幸いです。

※以下には、原作小説とTVアニメのネタバレがあります。

『本好きの下剋上』とは?

本作は、香月美夜(かづきみや)さんが小説投稿サイト「小説家になろう」にて、2013年~2017年にかけて連載した長編小説(全677話で、第一部~第五部にわたる物語が展開)。

兵士の娘として転生した本好きの主人公が、本の少ない異世界で奮闘するファンタジー作品です。

2015年からは、書籍版(イラスト:椎名優)がTOブックスより刊行開始。書き下ろしもあるので、Web版を読み終えた方にもオススメです。

本編27巻、外伝1巻、短編集1巻が発売されており、2021年8月時点でシリーズ累計500万部を突破しています(※電子書籍を含む)。

その作品内容は高く評価され、数々の賞を獲得。

  • 「このライトノベルがすごい!2018&2019」(宝島社) 単行本・ノベルズ部門 第1位(2年連続)
  • 「このライトノベルがすごい!2021」(宝島社) 女性部門ランキング 第1位、単行本・ノベルズ部門 第2位

また、その展開は多岐にわたります。

  • コミックス(第一部:全7巻、第二部:1~5巻、第三部:1~4巻、第四部:1~2巻)
  • ふぁんぶっく(1~5巻)
  • ドラマCD(1~6)
  • ジュニア文庫(第一部:全6巻&短編集、第二部:1巻)
  • 公式コミックアンソロジー(1~7巻)
  • オーディオブック(1~12巻)

※上記情報は、全て2021年9月時点。

TVアニメは、2019年10月〜12に第1期(全14話/原作第一部)、2020年4月〜6月には第2期(全12話/原作第二部途中まで)が放送され、好評を博しました。

MEMO

本作のTVアニメは海外でも注目を集めており、「クランチロール・アニメアワード2020」では「ベスト・ファンタジー」にノミネートされました。

そして2022年春には、待望の第3期が放送予定。『本好きの下剋上』の世界は、ますます広がりを見せています。

MEMO

ちなみにTVアニメ第1期と第2期では、書籍1~5巻(Web版では、133話まで)の範囲がアニメ化されています。

『本好きの下剋上』のあらすじ

大学図書館の司書として働くことが決まっていた、本好きの女子大学生・本須麗乃(もとすうらの)

ある時、本に埋もれて命を落とした麗乃は、ヨーロッパ風の異世界に兵士の娘・マインとして転生します。

幼いマインはちょっと張り切るだけで、熱を出して寝込むほどの虚弱体質。

そして一番の問題は、マインのいる世界は識字率が低く、本が簡単には手に入らないことでした。

そこで本がなければ作ればいいと決意したマインは、前世で培った知識と本への情熱でゼロから本作りを始めることに。

MEMO

作者の香月さんが当初考えていたプロットでは、本が手に入りやすい世界が舞台で、本作りのエピソードもなかったというのは驚きです。

『本好きの下剋上』の魅力

本作は細かい部分まで作りこまれた世界観、多彩な表情を見せるキャラクター、心を揺さぶる物語など、数々の魅力を兼ね備えています。

そんな本作の物語をぐいぐいと引っ張るのは、やはり主人公のマインでしょう。

マインの原動力は、本を求める熱い想いです。その情熱はしばしば周囲を困らせるほど。

しかし、大量の読書による知識を持って転生したものの、マインは生まれながらに虚弱。本を作ろうにも道具や資金など必要なものを、ほとんど持ち合わせていません。

そんなマインが持つのは、前世で培った知識とカゴや髪飾りなど生活雑貨を作った経験です。こうした知識や経験を活かして、マインは資金や人脈などを獲得していきます。

加えて、マインの本作りに欠かせないのは、協力してくれる人たちの存在です。

姉や幼なじみ、大人も巻き込みながら、マインが少しずつ本作りを進める過程には引き込まれることでしょう。

MEMO

作品タイトルにもある通り、下町の平民、神殿の巫女見習いなど、本を求めて行動するマインの身分が上がっていくのも面白い点です。

『本好きの下剋上』TVアニメ第1期の名言・名シーン5選!

TVアニメ第1期(第一部)では、兵士の娘として転生したマインが本作りをゼロから始めます。ここからはTVアニメ第1期の名言・名シーンを5つ紹介します。

本の手に入らない異世界で本作りを決意するマイン(TVアニメ第1章)

麗乃がマインとして転生した世界には本が少なく、家のどこを探しても本は見つかりません

本さえあれば生きていけると思った矢先、マインはいきなり出鼻をくじかれてしまいます。

その後、母のエーファに連れられ市場に行く機会を得たマインは、母が買い物をしている間、雑貨屋で待たせてもらうことに。

店内で待つマインが発見したのは、厳重に保管された貴族の質草であるでした。店のおじさんに本を見せてほしいと土下座で頼み込むマインですが、あえなく失敗。

この世界の本は貴族にしか買えないほど高価で、本屋も存在しない可能性をマインは知ります。

本は、平民であるマインにとって縁遠いものでした。

普通なら諦めてもおかしくないところですが、そうはならないのがマインです。

簡単には本が手に入らない現実を突きつけられたマインは、本がないなら自分で作ってみせると決意。ここからマインは周囲の協力を得ながら、本作りへと邁進することになります。

ルッツの言葉で自分を受け入れたマイン(TVアニメ第8章)

マインは幼なじみの少年ルッツと共に、商人見習いを目指して植物の紙作りを進めていました。

ある時ルッツがマインに向かって、お前は誰だと詰め寄ります。

病弱でほとんど家にいたはずのマインが、紙作りの知識や実践経験まであることに、ルッツは不信感を募らせていたのです。

覚悟を決めたマインの返答は、自身が「本当のマイン」ではない事実。それだけでなく「本当のマイン」はもう戻らないことを伝えます。

衝撃と怒りを覚えて責め立てるルッツに対し、「マインになりたくてなったわけじゃない」と抑えきれない感情をぶつけるマイン。

そしてルッツの知るマインは、1年近く一緒に過ごしてきた「今のマイン」だと判明します。

全てを知ったルッツが口にしたのは、マインが抱える罪悪感を軽くする言葉でした。

「(前略)オレのマインはお前でいいよ」
(引用元:『本好きの下剋上』TVアニメ第8章)

マインはルッツの言葉のおかげで、自分はマインとして生きてもいいのだと思えるようになります

ベンノがマインに説く商人の心得(TVアニメ第9章)

マインとルッツの面倒を見る、ギルベルタ商会の店主・ベンノ。彼は次々に新しいアイディアを思いつくマインを高く評価しています。

ベンノに連れられてマインとルッツがやって来たのは、商売に関する役所の機能を果たす組織・商業ギルド。

マインが作った植物紙や髪飾りを売るためには必ず商業ギルドへの登録が必要です。

まだ仕事ができる年齢に達していないマインとルッツの仮登録について、ベンノはギルド長が探していた髪飾りをちらつかせて許可を勝ち取ります。

そして、話題はギルド長が孫娘に贈る特別な髪飾りの件になり、ベンノは高値でマインへの依頼を獲得。

後になって金額を知り、ふっかけすぎだと驚くマインに対して、ベンノは商人の心得とも言える言葉を口にします。

「金は取れる時に、取れるところから、取れるだけ、取っておくものだ」
(引用元:『本好きの下剋上』TVアニメ第9章)

マインの作る品物は高価なものであり、金額次第では市場を混乱させてしまうことも。だから、物の価値について学ぶべきだと、ベンノはマインに教えます。

マインにとって今後も重要な意味を持つベンノの名言です。

家族会議でマインが下した決断 (TVアニメ第11章)

体中に熱が溢れて意識を失うも、壊れかけの魔術具により何とか延命したマイン。

マインが虚弱なのは「身食い(みぐい)」が原因でした。身食いとは、貴族が魔力を持つ世界で、まれに魔力を持って生まれる平民のことを指します。

マインの命は残り1年しかないと判明しますが、延命のための魔術具は、平民では到底手の届かないほど高価な代物です。

残された選択肢は、魔術具を持つ貴族の元で飼い殺されるか、残り少ない時間を家族と共に過ごすかの2つ。

難しい選択を迫られたマインは、意を決して自身の置かれた状況を家族に伝えます。

マインの話に言葉を失い、それぞれ悲しむ家族。

余命の話だけは隠そうとするマインでしたが、父・ギュンターには全てお見通しでした。

なぜわかるのかと問いかけるマインに対して、真っすぐ答えるギュンターの言葉。

「わかるのは俺が父親だからだ」
(引用元:『本好きの下剋上』TVアニメ第11章)

そこにはマインへの溢れる愛情がありました。

悩んだ末にマインが選んだのは、家族と共に過ごすことでした。

本があれば何もいらないと思っていたマインにとって、いつの間にか家族は大切な存在になっていたのです。

命がけで娘を守ろうとする両親と暴走するマイン(TVアニメ第14章)

神殿図書室の本が読みたい。その一心で巫女見習いになりたいと直訴するも、両親からの反対で神殿長に辞退を申し出たマイン。

しかし身食いだと知られたマインは、両親と共に神殿へと改めて呼び出される事態に。

政変で魔力を持つ貴族が減少した今、身食いのマインは神殿にとって貴重な存在だったのです。

魔術具がある神殿に入れば命は助かる。神殿入りを覚悟したマインは、寄付金と魔力を手札に交渉の舞台へ。

ところがマインの両親が平民だと知るやいなや、神殿長は横柄な態度に変化。
交渉どころではなくなり、父親のギュンターはマインを神殿に預けることを拒否します。

両親を極刑にすると言い放つ神殿長に対し、それでも命がけでマインを守ろうとする両親。

状況を一変させたのは、怒りで魔力を暴走させたマインでした。

マインの魔力で神殿長は失神。
神殿で後に保護者的存在となる、神官長のフェルディナンドが説得し、マインは正気を取り戻します。

その後、フェルディナンドとの交渉により、貴族と同じ扱いにするなどマイン側の要求は全て受け入れられました。

命がけで娘を守ろうとする両親、そして両親を守るために力を発動させたマイン。それぞれの想いの強さに胸が熱くなるシーンです。

『本好きの下剋上』TVアニメ第2期の名言・名シーン4選!

TVアニメ第2期(第二部)から始まるのは、神殿の巫女見習いとなったマインの物語。ここではTVアニメ第2期の名言・名シーンを4つ紹介します。

神殿で常識の違いに苦労するマイン(TVアニメ第16章)

神殿では衣の色により明確な差異があり、青色の衣は貴族、灰色の衣は孤児を指します。

その中で、平民ながら青色の衣をまとうマインは異色の存在です。

青色巫女見習いであるマインの元に付けられたのは、身の回りの世話をする3人の側仕え。
神官長が信頼を置くフラン、神殿長が差し向けたデリア、問題児として誰もが手を焼くギル

側仕えたちとの関係が上手くいかず、マインは不満を漏らします。

しかし、ベンノの言葉や商人見習いとして努力するルッツの姿に感化され、貴族の常識を学ぶ必要があることをマインは痛感

その後、マインが言葉遣いや立ち居振る舞いを上品なものに変えることで、中でもフランの態度は見違えるほど穏やかで気遣い溢れるものとなりました。

これまでの常識がほとんど通用しない神殿で、マインが貴族の常識を少しずつ学び、自身の価値観も活かして奮闘する様子は見逃せません。

こうして、他の側仕えたちとの関係も好転していくことになります。

家出したルッツと家族の話し合い(TVアニメ第20章)

ルッツが父親との喧嘩で家を出たことを知り、神殿の仕事が全く手につかないマイン。

見かねたフェルディナンドが、問題の当事者たちを神殿に呼び出して話を聞くことに

呼び出されたのはルッツ、ルッツの両親、ギルベルタ商会のベンノ。

その場の雰囲気に流されることなく、フェルディナンドは全員の言い分を丁寧に尋ねていきます。

ルッツの父親は言葉数が少なく、ルッツが商人見習いになることを認めてほしいと言っても「勝手にしろ」と答えるのみ。

一見ぶっきらぼうな言葉ですが、その裏には父親なりにルッツの仕事への理解がありました

物事は単純で、面と向かって話し合わなかったことによる、すれ違いが原因だったのです。

そして、両親が自分を思う気持ちを知ったルッツは、嬉し涙を流して立派な商人になることを宣言します。

マインと共に、ルッツの家族が壊れなくて良かったと胸をなでおろしたくなるシーンです。

1冊目の本の完成(TVアニメ第22章)

神殿にある孤児院で院長となったマインは、孤児たちの協力も得て本作りを本格化。

神話をわかりやすく表現した子供向け聖典作りに全力投球し、いよいよマインが切望していた1冊目の本が完成します。

本作りを始めてから早くも2年が経過。

本を求めたマインの奮闘は、粘土板や木簡など紙作りの模索に始まり、果ては印刷するためのインク作りにまで至ります。

何よりもマイン1人の力では、ここまで来ることはできませんでした

いくつもの試行錯誤と平たんではない道のりを経て、初めての本の完成に辿り着いたマインの感動はひとしおです。

「(前略)嬉しい。すごく嬉しい。本ができたんだよ。ずっと欲しかった、わたしの、本」
(引用元:『本好きの下剋上』原作5巻・子供用聖典の製本)

ルッツと姉のトゥーリに協力してもらい、完成した本を見た時のマインの涙には、思わず熱いものが込み上げます

マインが目指すのは、図書館が必要になるほど多くの本を作ること。本を求める過程で大切な人たちを得たマインの本作りは、まだまだこれからです。

紐解かれる前世の記憶(TVアニメ第26章)

マインは幼い子供でありながら、膨大な魔力と既に高等教育を受けたかのような知識を持ち合わせていました。

そんなマインに疑念を抱くフェルディナンドは、特殊な魔術具でマインの記憶を覗いて正体に迫ります

マインの思い浮かべた記憶を通してフェルディナンドが見たのは、高度な文明社会である現代日本でした。

久しぶりに見る日本の綺麗な街並みや図書館の本に興奮するマイン。そして、初めての光景に驚きつつも、マインが持つ知識に納得するフェルディナンド。

最後は、マインが本須麗乃として暮らした実家へと場面が変わります。

目の前のテーブルには麗乃時代の好物が並び、すぐ近くにはもう会えない母親の姿がありました。

記憶ではあるものの、もう二度と行くことはできない世界に行き、会うことができない人に会えた。
その事実は、マインが心に抱えていた辛い気持ちを、少しでも楽にしたに違いありません。

記憶の旅が終わり涙を流すマインの姿に、思わず感情移入してしまう名シーンです。

MEMO

このシーンでは、原作小説とTVアニメの展開に違いが存在するので、ぜひご自身の目で確かめてみてください。

まとめ

本作は、身近な存在である本との付き合い方を考えさせられる作品です。

どっぷりと物語の世界につかりたいと思った方には、ぜひ本作に触れてみることをオススメします。

非常に長い作品ですが、一度ハマってしまうと抜け出せない面白さがあるのでご注意を!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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