日本の音楽サイトやCDショップなど、いたるところで「K-POP」は独自のジャンルを確立しています。しかしそのランキングは国によって様々で、特に韓国のランキングでは、まだ日本で知られていない魅力あふれるアーティストがランクインすることも。
今回は、日本と韓国のK-POPランキングに焦点を当てて、それぞれの国で人気があるアーティストをチェックしてみたいと思います。
目次
韓国音楽チャートの種類を教えて!
現在、韓国で大きなチャートといえば「Gaon Chart(ガオンチャート)」と「HANTEO Chart(ハントチャート)」です。特にガオンチャートは、韓国文化体育観光部傘下の韓国音楽コンテンツ産業が運営する公認総合音楽チャートとなっています。
「どうして大きなチャートが2つもあるんだろう?」と思われた方も多いのではないでしょうか。この2つのチャートは、ランキング集計方法が違います。「ガオンチャート」は、CD制作会社が出荷した枚数から返品されたCDの枚数を引いた数でランキングを算出するのに対し「ハントチャート」は、ハントチャート加盟店の売上枚数でランキングを算出しています。
しかもガオンチャートは、返品されなかったけれど店の在庫として残っているCDもランキングに反映されてしまいますし、ハントチャートは加盟店の売上枚数のため、非加盟店の売上は集計の対象外となってしまうという条件もあります。よって「どちらのチャートが正確だ」といった概念がありません。
韓国の2021年上半期TOP10発表
今回韓国のチャートで参考にしたのは、ガオンチャート「デジタル・チャート2021年上半期TOP10」です。このチャートは音源ダウンロードや、ストリーミングを集計したチャートでビルボードHOT100に相当します。
1位:IU「Celebrity」
2位:Brave Girls「Rollin’」
3位:BTS「Dynamite」
4位:IU「LILAC」
5位:キョンソ「Shine Star(2020)」
6位:Justin Bieber「Peaches」
7位:チャン・ボムジュン「Can’t Sleep」
8位:미란이(Mirani),먼치맨,Khundi Panda,머쉬베놈(MUSHVENOM)「VVS」
9位:BLACKPINK「Lovesick Girls」
10位:IU「Hold My Hand」
出典:Gaon Chart(ガオンチャート)2021年上半期TOP100
不動の人気を誇るIU
韓国の2021年上半期を賑わせたのは「国民の妹」として老若男女問わず支持されているIUでした。IUの楽曲はTOP10内に3曲もランクインしており、熱心なファンはもちろん、国民全体から愛されていることがわかります。
特に「LILAC」は、IUにとって最後の20代の作品ということもあり、アルバムすべての楽曲制作に関わりました。ファンからは「IUらしさが詰まったアルバムだ」として好評を得ています。
そして注目ポイントは10位にランクインした「Hold My Hand」です。この楽曲は、2011年に放送されたドラマのOSTとして発表された楽曲で、最近の楽曲ではありません。なぜ10年もの時を超えて再びランクインしたのでしょうか。
実は、2020年に行われたコンサートで披露した「Hold My Hand」をファンが撮影・編集してYouTubeなどのSNSに投稿したことがきっかけなんです。
さらにIUの所属事務所が「この楽曲と一足遅れて恋に落ちた多くの方たちのためにライブ映像を差し上げる」とコメントをつけた「Hold My Hand」の公式映像をYouTubeに投稿。1日で1,000万回以上の再生回数を記録し、改めてIUの歌唱力に酔いしれた視聴者がIUの楽曲を再び聞き始めたのです。
その結果10年前に発表された楽曲が音楽配信チャートの上位にランクインし、チャート逆走行の現象が起こりました。
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チャート逆走行の代表
IUのチャート逆走行とは別に、2021年には更なるチャート逆走行が話題になり、まるで映画のようなカムバックを果たしたアイドルグループがいました。そのグループこそ2位にランクインしたBrave Girlsです。
Brave Girlsが2017年に発売した「Rollin’」は、ファンがBrave Girlsの歌唱動画を編集した動画がYouTubeに投稿されると一気に注目を浴び、大ブレイクしました。デビュー後、度重なるメンバーチェンジを繰り返し、結成当初からのメンバーは1人もいなくなっていたBrave Girls。解散に向けての話し合いが行われていた最中に「Rollin’」のヒットが起こり、花道に戻ってくることができました。
もう少しヒットが遅れていたら今のBrave Girlsの姿は見られなかったのかと思うと、まさにシンデレラストーリーですね!その後、バラエティ番組やCMなどでも大活躍し「Rollin’」の振り付けを真似するアイドルが続出。他のアイドルファンにもBrave Girlsの歌が浸透するというプラスの連鎖が起こりました。
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新人歌手がトップ10に浮上
2020年11月の発売以降、ランキングを賑わせた新人歌手がいました。「Vocal Play2」という番組で準優勝を果たした경서(キョンソ)です。2021年1月には地上波音楽番組で1位を獲得しており、一気にトップアーティストの仲間入りをしました。
アイドルグループでもなかなか音楽番組で1位を獲得するのが難しい中、新人歌手がデビュー曲で地上波の音楽番組1位をとるのは異例なことだったため、彼女の功績を讃える声があがる一方で「音楽買い占めをしたのでは?」「BTSの中になぜ新人歌手がラインクインできるの?」といった批判の声もあがりました。
韓国ではアーティストの名を認知してもらうため、所属事務所が業者に依頼を出し、ストリーミング配信や音源のダウンロードをお金で買うといった行為が行われることもありました。新人歌手でもランキングの上位に入れば音楽番組出演や知名度アップにも繋がるからです。
ただ、音楽を買い占めただけで人気が出るほど韓国の音楽事情は甘くありません。キョンソの楽曲は、韓国の音楽配信サイトで長期間ランキングの上位をキープし続けました。
なぜこれほどまでの反響があったのでしょうか?もちろん、キョンソの高くて伸びのある歌声が評価されたからなのですが、原曲の認知度も関係していると感じます。
実は、キョンソの楽曲は2010年にヤン・ジョンスンが発売した「Shine Star」のリメイク楽曲なんです。韓国では「サンプリング曲」と呼ばれ、ヤン・ジョンスン本人がサンプリングした曲をキョンソが歌っています。
若い世代だけではなく、当時ヤン・ジョンスンの楽曲を聞いていた世代が懐かしさを感じ、キョンソの楽曲で新たな「Shine Star」の世界に触れたからではないでしょうか。
「Shine Star(2020)」のジャケットに写っている女性はキョンソ本人ではなく、Instagramで抜擢された一般人なのだそうです。
番組から誕生したシンデレラガール
Brave Girlsのようなシンデレラストーリーを駆け上がったアーティストが9位にランクインしています。韓国のヒップホップサバイバル番組「SHOW ME THE MONEY」に出演したことがきっかけで注目を浴びたMiraniです。2020年4月にインディーズデビューしたMiraniですが「SHOW ME THE MONEY」では特に注目もされず脱落してしまいました。
しかし敗者復活戦で復活したMiraniは、再びサバイバルに参加する権利を得ます。ただ、1度脱落したMiraniの実力を批判する声も多く、さらに一緒に組んだメンバーが大麻疑惑のために番組途中で降板するというアクシデントもありました。
さらに、Mirani自身も歌詞を忘れたり明らかな準備不足を指摘され「負けるかもしれない」とさえ言われてしまいます。誰もが「次に脱落するのはMiraniだろう」という考えが頭をよぎったのですが、そこからMiraniは自身の生い立ちを想像させる歌詞や、逆境をものともしないパフォーマンスが反響を呼び、見事勝利を掴み取りました。
その後Miraniは、セミファイナルで脱落してしまいましたが、この大逆転は大きな注目を浴び、視聴者からの評判も上がっていきました。その結果、番組終了後Miraniは事務所に所属してメジャーデビューを果たしています。
また、番組で披露した楽曲「VVS」は動画再生回数2,000万回に迫る勢いで、音楽配信チャートでは1位を獲得。ヒップホップサバイバル番組で発信された楽曲がチャートを賑わせること自体が異例なことであり、Mirani自身も周囲の変化に驚いていました。
人気ロックグループのソロ楽曲
#buskerbusker #버스커버스커 April 8, 2021 pic.twitter.com/xfAzOptNnK
— Brad 브래드 (@Busker_Brad) April 8, 2021
7位にランクインしたのは、現在は活動休止している3人組ロックバンドBusker Busker(バスカー・バスカー)のメンバーであるチャン・ボムジュンです。現在はシンガーソングライターとして活動しており、実体験を元にした楽曲が人気です。
Busker Buskerは、曲を発表すれば音楽チャートで上位にランクインするほどの人気を持ったバンドで、特に韓国人にとって「春になったら聞きたくなる曲」として有名な「桜エンディング」は、何度もチャート逆走行を起こしています。
「Can’t Sleep」は、動画配信中にファンから言われた言葉から作られており、片思いの曲ながら性別関係なく共感できる歌詞が共感を呼びました。
日本の2021年上半期TOP10発表
/#2021年上半期チャート
K-POP ミュージックビデオ🎞️
ランキング形式でイッキ見👀✨
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日本におけるシングル&アルバム&DVDの
2021年上半期セールスデータをもとに、
韓国アーティストの旬なヒット曲を
ランキング形式でお届け🎉【2021 上半期 M-ON! Countdown K】
📅7/3(土)8:30〜 他— エムオン!K-POP (@KPOP_MON) July 2, 2021
日本のチャートで参考にしたのは、日本におけるK-POPのシングル&アルバム&DVDのセールスデータを元にMUSIC ON! TVの番組「M-ON! Countdown K」が集計したTOP10です。
1位:BTS「Film out」
2位:SEVENTEEN「ひとりじゃない」
3位:BTS「Life Goes On」
4位:NCT127「gimme gimme」
5位:SEVENTEEN「Ready to love」
6位:ENHYPEN「Drunk-Dazed」
7位:TOMORROW X TOGETHER「5時53分の空で見つけた君と僕(Japanese Ver.)」
8位:TWICE「Kura Kura」
9位:TOMORROW X TOGETHER「0X1=LOVESONG(I Know I Love You)」feat.幾田りら
10位:TREASUR「BEAUTIFUL」
出典:「M-ON! Countdown K」2021年上半期TOP100
安定の人気を誇るBTSとTWICE
今や世界的に人気アーティストとなったBTSは日本でも高い人気を保っています。上半期のランキングには2曲がランクインしており、ビルボードジャパンが発表した2021年上半期総合ソングチャートでもLiSAやYOASOBIといった人気アーティストが名を連ねる中、3位にランクインしています。
第2次韓流ブームの後に日本デビューを果たしたBTSは、韓国のカルチャーから日本人が離れていく中でも自身のコンセプトを日本でも表現し、徐々に人気を上げていきました。その後再び韓流ブームが訪れるわけですが、BTSはその狭間で自分達の音楽を信じて発信し続けたのです。その努力の積み重ねが今のBTS人気を作り上げたといっても過言ではないでしょう。
そして、BTSと同様に変わらぬ人気を保っているのがTWICEです。日本のランキングではボーイズグループの圧倒的な人気の中で、唯一のガールズグループとしてランクインしているTWICE。
TWICEは性別関係なく多くのファンを持つグループですが、2021年は韓国で「ガールズグループ戦国時代」と表現されるほど次々と新たなガールズグループがデビューしました。その中で韓国デビュー7年目を迎えるTWICEが変わらない人気を保つのはそう簡単なことではありません。
BTSもTWICEも世界的に人気があるグループが日本オリジナル楽曲を発売していることを嬉しく感じますし、これからどんな楽曲が紡ぎ出されていくのか期待してしまいますね!
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日本オリジナル楽曲の増加
BoAをはじめ、東方神起やSUPER JUNIORといった名だたるアイドルグループが次々と日本デビューを果たし、日本オリジナル楽曲を発売しているK-POPグループも多く存在していますが、最近では以前にもまして日本オリジナル楽曲を発売するグループが増えているように感じます。
また、日本のアニメやドラマのタイアップが付いている楽曲も増えており「K-POPはよく知らないけれど、作品を見て楽曲に興味を持った」というファンも多く、新たなファン層の獲得が進んでいます。
しかし日本語の楽曲が増える一方で、中毒性が高くていつまでも頭に残る独特な雰囲気を持ったK-POPが好きなファンからは「韓国と日本でのグループイメージが変わってしまう」といった戸惑いの声があがっているのも事実です。
J-POPは日本の大衆に受け入れられることを目的としている傾向が強いのに対し、K-POPは世界的な市場を見据えて楽曲制作が行われているため印象が違ってしまうことは仕方がないとも思いますが、最近では自主制作をするK-POPアイドルグループも多くなっており、K-POPらしさを残した日本オリジナル楽曲も増えてきています。
特に4位にランクインしているNCT127は、曲の頭から中毒性溢れるNCT127らしさが表現されていると感じますし、日本オリジナル曲が2位にランクインした自主制作アイドルSEVENTEENは、日本語楽曲であってもSEVENTEENの天才プロデューサーのウジが制作に関わっており、自主制作しているからこそ「SEVENTEENらしさ」を崩さず楽曲に反映させています。
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日本人が在籍しているグループに注目
最近では日本人が韓国のグループメンバーとなってデビューすることも増えてきています。ランキングの中ではNCT127、TWICE、TREASURE、ENHYPENに日本人メンバーが在籍しています。
特にNCT127のメンバーであるユウタは、まだ日本人がK-POPアイドルとして活躍することが珍しかったときに、大手芸能事務所であるSMエンターテインメントで初の日本人練習生となったほど高いスキルを持っています。
その後、TWICEのミナ、サナ、モモの活躍が日本でも報じられると徐々にK-POP人気も高まり、今では最初からK-POPアイドルを夢見て活動する日本人練習生も増えています。
また、韓国のサバイバル番組がインターネットを通じて世界中で高い人気を呼び、そこから誕生したTREASUREやENHYPENも日本で高い知名度を持っています。日本の番組で日本人が在籍しているK-POPグループが紹介される機会が増えたことも上位にランクインした要因の1つだと思われます。
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まとめ
2021 #ENHYPEN [EN-CONNECT : COMPANION] が無事終了しました🎉
デビューから今までの大切な思い出⏳を振り返ったり
ここでしか観ることのできないパフォーマンスまで👏
ENGENEのみなさんの心に残る特別な日になりましたよね💐
これからもENHYPENとずっと一緒に歩みましょう🌈#ENCONNECT #COMPANION pic.twitter.com/DFH1S64a7F— ENHYPEN Official Japan (@ENHYPEN_JP) November 20, 2021
日本と韓国のランキングを比較してみましたが、いかがだったでしょうか?集計する媒体によってはランキングに変動もありますが、その国の流行や傾向も垣間見られるランキングだったと感じます。
特に韓国のランキングでは、最新曲だけではなく数年前に発売された楽曲に再び脚光があたったり、新人歌手がいきなり上位にランクインするなど、新旧織り混ざった面白いランキングになったのでは?と思いました。
普段は推しグループの曲を聞いている人も、気分転換にいつもとは違ったジャンルの楽曲を聞いてみて、新たな発見をしてみるのも音楽の幅を広げるいい機会になると思います。また、楽曲をきっかけに韓国の流行が知れたり、国民の関心が掴めるかもしれません。
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