Ovall – メンバー全員が現役プロデューサー!|圧倒的実力派バンドの経歴とオススメ楽曲!

Ovall – メンバー全員が現役プロデューサー!|圧倒的実力派バンドの経歴とオススメ楽曲!

テレビへの露出が少なく、インタビューでもあまりプライベートを語らないため、謎が多いといわれることの多いバンド・Ovall(オーバル)。

しかしその反面、メンバー全員の演奏技術がとても高く、多くのプロミュージシャンから評価されていることでも有名です。

今回はそんな彼らについて「Ovallとは何者なのか?」「なぜプロからの評価が高いのか?」など、この記事で掘り下げていきたいと思います。

Ovallとは?

Ovallは、それぞれソロで活動しているミュージシャンのShingo Suzuki(ベース)、mabanua(ドラム、ボーカル)、関口シンゴ(ギター)の3人が集まり、2006年頃から活動を開始したトリオバンドです。

元々はShingo Suzukiが1人で始めた音楽グループでしたが、様々なメンバーが入れ替わった後、現在のメンバーが固定となりました。

Ovall結成前から、メンバー全員がプロデューサーであり、トラックメーカーでもあったため、サポートミュージシャン、コンポーザー、トラックメーカーとして日本のみならず海外の多くのトップミュージシャンたちと仕事をしてきました。

多くのプロミュージシャンたちに彼らが評価されているのは、世界レベルの現場でメンバー各々が実力を磨いてきたためなのです。

Ovallは言わばプロの音楽家3人が集まって出来た精鋭音楽集団なのです。

ちなみにOvallの活動開始後もShingo Suzukiがリリースした1stソロアルバム「The ABSTRUCT TRUTH」がフランスやポルトガルなどのiTunes HIP-HOPチャートでトップ10入りを果たしたり、mabanuaの2ndソロアルバムに関しては発売後、品切れが続出するなどそれぞれのソロ活動でも実績を残し続けています。

2013年、メンバーそれぞれの活動が忙しくなったため、一時的に活動休止となりましたが2017年にファンの期待に応える形で活動が再開されました。

その後も現在に至るまで精力的に活動を続け、純度の高い作品を生み出し続けています。

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Ovallの音楽性

Ovallの音楽はブラックミュージックが軸ですが、ジャズ、R&B、ヒップホップなどにジャンル分けをすることは非常に困難です。

なぜならば彼らが生み出す音楽がジャンルというもので括れるほど大雑把なものではなく、また彼ら自身がジャンルに囚われないような音作りをしているからです。。

Ovallの楽曲を聴いていただくと分かるように彼らの音楽は気に入った音をただ詰め込んで生み出した音楽ではなく、引き算の音楽であると言えます。

それは、言葉、音、リズムの全てが「濾過を繰り返して不純物を徹底的に取り除いた後の結晶」のような純度のものだからです。

彼らが選び抜いた純度の高い細かな結晶を彼らが持っている匠の技で繊細に紡ぎ上げたのがOvallの作品なのです。

音数の少なさはOvallの音楽の特徴の1つですが、このような理由から音と音、リズムとリズムの行間に彼らの世界が存在し、私たちリスナーは無意識にその世界を楽しむことができているのです。

Ovallのオススメ楽曲

それでは、実際に筆者がオススメするOvallの名曲3曲をご紹介していきたいと思います。

Winter Lights

個人的にOvallの曲の中で1番好きな曲で、これからOvallを聴くリスナーの皆さんには是非、最初に聴いていただきたいマスターピースです。

この曲は2017年に活動再開を発表したOvallが4年ぶりにリリースしたファン待望の新曲でした。

音数少なめで重厚なベースと軽やかに跳ねる心地良いドラムを軸にしたOvallらしいグルーヴィな1曲です。

この曲は曲全体を通して16ビートのシャッフルのリズムで構成されており、1拍目のハイハットにアクセントが置いてあり、前のめり気味に入ってきます。

このハイハットに合わせてベースの1音が「グッ」と入ることでこの曲に遠心力の強いグルーヴが生まれています。

曲を聴いていると身体が前のめりになる感覚を味わえるのですが、この躍動感は4拍目と8拍目と12拍目のベースとドラムが生み出しているのです。

前奏はベースとドラムのリズム隊から始まり、途中からシンセとギターが入ってきます。

ストリングス調のシンセと滴る水のようなギターサウンドの絡み合いがとても美しく、そこにmabaunaの魅力的なファルセットボイスが心地よく乗ります。

構成は比較的シンプルで淡々と進んでいくこの曲ですが、02:24の転調で一瞬にしてリスナーの平衡感覚を奪います。

その後、凄まじい加速度で一気にリスナーをハイエンドな空間へと誘う展開は格好良すぎます。

エンディングに向かいベースラインが少しずつゆったりとして来るため、あたかもこのままゆったりとエンディングを迎えるのかと思いきやここでも予想を裏切り、最後はファジーなギターサウンドで突然、終わります。

聴き流すだけだとシンプルに聞こえる曲ですが、細かく聴いていくとOvallの匠の技が散りばめられた珠玉の名曲であることが分かります。

是非、時間をかけて聴き込んでみてください。

Stargazer

2019年10月にリリースされたアルバム「Slow Motion Town」の先行シングルとして同年2月に配信リリースされたシングル曲「Stargazer」

この曲は様々な音楽フェスにイラスト提供をしているアーティストの鷲尾友公さんがMVを手掛けたことでも話題となりました。

彼のオリジナルキャラクター「手君」が自分の部屋でのんびりと寛ぐ姿を天井から眺めるというレトロなタッチのアニメーションです。

部屋でタバコをふかしたり、ソファーで横になったり、ギターを弾いたりする自由気ままな「手君」の日常がとても可愛らしく描かれた作品です。

曲は、シンプルな8ビートのドラムで始まります。

トップとボトムが緩めに合わさった粗めのハイハットの音色、ローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツを彷彿とさせるレイドバック気味に聴こえるスネアが印象的です。

ベースもレイドバック気味でリズムも一定ではなく、少し間の抜けたエフェクトがかかっています。
そこにテクノ創世記を彷彿とさせるアンニュイなシンセのサウンドも重なり、良い具合にゆるい「手君」の生活にマッチしていきます。

Ovallの楽曲の中でも最も力の抜けた曲ですが、少ない音数で1つの確固たる世界を構築していると言う点で是非皆さんに聴いていただきたい1曲です。

Slow Motion Town

この曲は2019年10月にリリースされたアルバム「Slow Motion Town」のタイトル曲でシンセとエレキギターが全面に出たフュージョンのエッセンスがふんだんに散りばめられた1曲。

都会の夜の雰囲気を帯びた爽やかなメロディと、R&Bテイストのコーラス、トレモロの残響が心地良く耳に残る個人的に夜のドライブには欠かせない1曲です。

この曲はシンプルでありながらも聴けば聴くほどジワジワと体に染み渡って来る言わば「スルメ系」の曲です。

この曲は多くの実験的な曲を生み出してきたOvallの曲の中では、シンプルにフュージョンの王道を突っ走っていますが、そんな「Slow Motion Town」をアルバムのタイトル曲に持ってきたところにOvallの信念のようなものを感じました。

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。

掘り下げれば掘り下げるほど奥が深いOvallの楽曲の中からオススメの3曲をご紹介させていただきました。

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