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彩風咲奈のおすすめ公演
雪組男役2番手時代『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』
2020年1月に上演された、1984年公開のセルジオ・レオーネ監督によるギャング映画の宝塚版。
1920年から始まった禁酒法時代の狂乱のアメリカを舞台に、ニューヨークの裏社会でのし上がるヌードルス(望海風斗)の少年期から老年期までを描いたサスペンス劇です。
彩風が演じるのは、ヌードルスの一番の仲間でありながら、いつしか正反対の道を歩んでいくクレバーな青年マックス。
原作映画では計算高いイメージがあるマックスを、本作では彩風が明晰な頭脳を持ちながら精神的に危うさを抱えるアンバランスな人物として巧みに表現しています。
彩風咲奈&朝月希和ラスト公演『蒼穹の昴』
2022年10月〜12月に上演された、浅田次郎の同名歴史小説を原作とした超大作。
中国・清朝末期の紫禁城を舞台に、近代国家樹立を目指す若きエリート文官・梁文秀を中心に繰り広げられる人々の生き様を描いた物語です。
特定の組に所属しないプロフェッショナル集団である専科から凪七瑠海を筆頭に6名が出演、舞台美術家の松井るみによるリアルさを追求した紫禁城を始めとする豪華絢爛な舞台セット、宝塚を代表するデザイナー有村淳の時代考証は元より生地や刺繍にもこだわった繊細で美しい衣装、作曲家の玉麻尚一による中国らしいアレンジをふんだんに加えた壮大な楽曲。
彩風のトップスター人生の前半ラストを飾る渾身の舞台で、普段の華やかさから一転、静の演技で魅せる彩風を筆頭に、雪組全体の魅力が最大限に発揮されています。
細かい説明は不要、ぜひ一度観ておくべき素晴らしい作品です。
彩風咲奈&夢白あや新トップお披露目公演『BONNIE & CLYDE』
2023年2月〜3月に上演された、トップスター就任後初の海外ミュージカル。
1930年代の世界大恐慌時代のアメリカ・テキサスを舞台に、実在した伝説のギャングカップル、ボニーとクライドの出会いと銀行強盗、射殺されるまでの生き様を描いた物語。
名作曲家フランク・ワイルドホーンが作曲を務め、聴きごたえのある難曲が目白押しの作品です。
貧しさとそれに伴う暴力の中で強い劣等感を抱く主人公クライド・バロウ。
強盗から果ては殺人すら犯しながらもボニーを愛する狂気の青年は、宝塚的ヒーロー像とはかけ離れた存在ですが、この難役を洒脱なスーツ姿の彩風がエネルギッシュに演じています。
また新トップコンビの大人の魅力を存分に発揮した作品でもあり、彩風政権第二幕のスタートを飾るに相応しい舞台として人気を集めています。
退団公演『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』
2024年7月〜10月にかけて上演中の彩風咲奈の退団公演です。
過去に幾度となく再演され、宝塚歌劇団史上最大のヒット作として知られる「ベルサイユのばら」。
彩風自身も新人公演、全国ツアー、今回の退団公演と計3回演じており、彼女の総決算とも呼べる作品です。
初演が1974年と古いため、その古典的な演出などで人気に陰りがあった時期もありましたが、本作は物語を再構築し新曲も取り入れるなど現代的なエッセンスを加えたことで、オールドファンにも新しいファンにも受け入れられる舞台として生まれ変わりました。
彩風が演じるのは、フランス王妃マリー・アントワネットに恋をする若きスウェーデン伯爵フェルゼン。
革命下のフランスを舞台に、許されざる恋に燃えるフェルゼンの凛とした姿と葛藤をロマンチックに演じています。
また、今回新たに追加された劇中歌「セラヴィ・アデュー」は、彩風の退団に合わせて特別に作られたもの。
革命によって失われた命への哀惜の歌であると同時に、ベルサイユのばらで始まりベルサイユのばらで幕を閉じる彼女の宝塚人生と雪組の仲間たち、ファンへの深い感謝を込めたこの美しい楽曲を彩風が情感たっぷりに歌い上げ、退団公演に相応しい感動を生み出しました。
デザイナー加藤真美による、フェルゼン達の斬新なピンク色の衣装も注目の的となり、「夢のように美しい舞台」「胸がいっぱいになる」「何度でも見に行く!」と話題沸騰中です。
まとめ
彩風咲奈は、大人の色気と男らしくロマンチックなビジュアル、抜群のスタイル、卓越したダイナミックなダンスで人気を集める雪組のトップスターです。
2024年7月からスタートした退団公演「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」も兵庫県の宝塚大劇場での千秋楽を終え、残すは東京宝塚劇場での公演のみとなっています。
トップスター彩風咲奈の魅力を、直接味わえる期間はあと少し。
ぜひご自身の目で観劇することをおすすめします。