聖乃あすかは、宝塚歌劇団花組の次期男役2番手と目されるタカラジェンヌです。
2014年に100期生として宝塚歌劇団に入団し、入団から現在に至るまで一貫して花組で育ってきており、かつそのノーブルで落ち着いた雰囲気も相まって、「花組の御曹司」と呼ばれています。
そんな聖乃あすかのプロフィールや魅力、代表作について、徹底解説していきます。
目次
聖乃あすかのプロフィール
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愛称:ほのか、あすか
生年月日:1月19日
出身地:神奈川県横浜市
身長:170cm
代表作:「PRINCE OF ROSES」「舞姫」「Liefie(リーフィー)-愛しい人-」等
芸名の由来:憧れの元花組トップスター真飛聖から「聖」、実弟から名前の「あすか」をもらって命名
聖乃あすかの経歴は?
元花組トップスター真飛聖に憧れて、音楽学校を受験
小学2年生から、元タカラジェンヌである清水眞子が講師を務めているダンススクールに通っていた聖乃。
2004年、先生に勧められて、元雪組トップスター壮一帆のバウホール公演主演作「青い鳥を捜して/タカラヅカ・ドリーム・キングダム」で、宝塚の舞台を初観劇し感銘を受けたことをきっかけに宝塚にハマり、特に元花組トップスター真飛聖に憧れて音楽学校を受験することを決心しました。
宝塚に入るために、ダンスや歌以外にも特筆すべき経験を増やそうと、中学時代には芸能プロダクションであるトヨタオフィスの所属モデルとしても活躍していたエピソードはよく知られています。
こうした多くの努力を重ね、見事、一度の受験で音楽学校に合格しました。
「花の御曹司」として順調なステップを踏んで成長
2014年に100期生として宝塚歌劇団に入団し、花組に配属。
2018年には、「トップ・オブ・トップ」と呼ばれた元花組トップスター明日海りおの代表作「ポーの一族」の新人公演の主演に抜擢され、本公演も含めて3度の新人公演の主演を務めました。
2019年には、105期生として実妹の水城あおいが月組に入団。
また、2020年に大阪・関西万博の顔として、「2025年日本国際博覧会アンバサダー」の宝塚歌劇団メンバーの5人のうちの1人に選抜されました。
2021年に、100期生男役の中では一番乗りでバウホール公演「PRINCE OF ROSES-王冠に導かれし男-」の主演を務め、「期待の100期生」「花組の御曹司」として熱い注目を集めるようになります。
ノーブルな男役からギラギラした男役へのイメージ転換
「花組の御曹司」として、着々とステップを歩み続ける聖乃でしたが、彼女の弱点は長らくこの「御曹司感」から抜けきれない事でした。
どこまでもノーブルで正統派で、という路線は多くのファンを虜にするものの、それだけでは新規のファンを掴むことはできません。
また、花組に配属されてから一度も他の組を経験したことがないというのも、彼女の芸の幅を狭くする弱点と言われていました。
更に、一つの組で御曹司として育てられたおっとりした雰囲気も、ともすれば「トップスターへの情熱が足りない!」と感じる人も多かったようです。
そんな彼女が変わったのは、まずは2021年の全国ツアー「Cool Beast!!」。
当時花組2番手であり、「花組の筋肉番長」と呼ばれたギラギラした男役らしい男役として人気を博す水美舞斗(現専科、2025年4月28日付けで宙組に組替え)を彷彿とさせる男っぷりを見せ、ファンを狂喜させました。
次に、2022年の永久輝せあ主演「冬霞の巴里」。
眉毛の真ん中をそり落とした独特のビジュアルで登場した正体不明の男ヴァランタン役は、前年の「Cool Beast!!」同様に男の色気を感じさせる役柄で、聖乃の新たな魅了と演技力の高さを見せつけました。
作品自体も重厚な復讐劇という、ある意味花組らしくない陰鬱な作風で、聖乃のターニングポイントとなった作品と言えるでしょう。
極美慎との次期トップスター争い勃発
2024年5月27日付けで、新トップコンビ永久輝せあ×星空美咲体制となった花組。
それに伴って、聖乃が男役2番手に昇格すると誰もが思っていました。
が、2025年3月の舞台「マジシャンの憂鬱」でも2番手男役を意味する、舞台最後の大階段降りで2番手羽根を背負うことがなかった聖乃の姿に、多くのファンが驚きを隠しきれませんでした。
それに追い打ちをかけるように、2025年8月11日付けで、極美慎の星組からの花組への組替えが決定。
同じ100期生かつ日本国際博覧会アンバサダーのメンバー、幼い頃から極真空手を習っていて、キレのあるダンスが得意とする、聖乃とは正反対の魅力を要する彼女は、聖乃の強力なライバルになると予想されています。
宝塚歌劇団は、伝統的に同期間でのトップスター引継ぎは行っていません。
そのため、どちらかが花組から出てくことになるのではないかと考えられ、今後の次期トップスター争いに、多くのファンが注目しています。
聖乃あすかの魅力は?
ノーブルかつ王子様然とした正統派のビジュアル
涼しげな目元を持った整った顔立ち、男役として恵まれた包容力を感じさせる体格、そして余裕を感じさせる暖かくおっとりとした雰囲気は、まさに「花の王子様」。
正統派の2枚目らしい、キラキラしたカッコよさを持った男役です。
しかし本人としては、「入団時は中性的な男役を目指していたが、現在は誇りを持った男役らしい男役になりたい、ノーブルかつ熱さを持って内面も成長したい」と語っており、現在のノーブル路線よりも、ギラギラした男役の方に魅力を感じているようです。
高い演技力と成長を続ける歌唱力
幼少期からダンススクールに通っていたためダンスが得意な聖乃ですが、花組の中ではむしろ演技力と歌唱力の高さで人気を集めています。
特に花組はダンスが得意な男役が多いため、彼女の存在は貴重なものと言えるでしょう。
歌・ダンス・演技力と舞台人にとって必要な三要素の中でも、滑舌の甘さから歌唱力が弱いとされてきましたが、2021年に宙組から専科を挟んで花組に組替えしてきた、歌が得意な元トップ娘役の星風まどかの影響を受け、「甘く聴き取りやすい歌声」と高い評価を得るようになってきています。
不器用で努力家、実は大の人見知り
トップスターである永久輝から、暇さえあれば練習をしていると言われるほどの努力家なのが聖乃の魅力。
本人は、「不器用なので、(役を)掴むまでに時間がかかってしまうから」だと理由を語っていますが、彼女のしっかりした技術力はこの練習量に支えられていると言ってもいいでしょう。
自宅で筋トレや声出しをしてから出発し、楽屋が開くと即楽屋入り、終演後も衣装を整えたり掃除をしたり、明日に向けてメイク道具の下準備をするなど、ほぼ最後まで残っているというエピソードからも、彼女の堅実な人柄がうかがえます。
一方で、ノーブルな王子様らしい柔らかな雰囲気が、その硬い雰囲気を打ち消しており、かつ人見知りな部分も持っています。
楽屋の自身の化粧スペースには、小さい子からの手紙や絵を飾ってなごんでいるそうで、そのギャップが多くのファンの心を捉えています。