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『傷つけど、愛してる。』の魅力
miroの軽快なピアノと礼衣の透き通った歌声が印象的なアップテンポのナンバー。
テレビアニメ『東京リベンジャーズ』に登場するキャラクター・柴柚葉(しば ゆずは)に焦点を当てた楽曲となっており、疾走感あふれる爽やかな曲調が魅力のひとつです。
礼衣の歌声もどこか力強さや意志の強さが感じられるものとなっており、歌詞に込められた思いを繊細に表現しています。
特殊な楽曲構成
初めて曲を聞いた方のなかには、特別“速い曲や短い曲というわけでもないのに、気づけば聞き終えてしまっている“という不思議な感覚を覚える方もいるでしょう。
そう感じるのは、ツユの魅力でもある独特の楽曲構成によるもの。
礼衣の歌から始まる本楽曲には、間奏が約20秒しかありません。イントロ・アウトロもないため、ほとんどが歌唱パートで構成されています。
加えて、転調を繰り返す構成となっており、一般的な邦楽のようにAメロ、Bメロ、サビという区切りが見えづらいため、「気づいたら終わっている」という感覚を覚えやすいのです。
立ち止まることなく走り続けているような楽曲で、音楽そのものが柚葉というキャラクター性を表しているのも、本楽曲が評価されている理由のひとつ。
後味はスッキリしているのに、気づけば冒頭の歌詞を口ずさんでいるような中毒性のある楽曲です。
作詞・作曲をしたぷす自身、Twitterで「3日くらい聴かないとちゃんと頭に入らない」と楽曲について述べており、意図的に複雑な楽曲構成を用いているのが分かります。
あ、構成的にスルメ曲なので3日くらい聴かないとちゃんと頭に入らないと思うよ!転調が過去一多いから、そこが頭に記憶された時ようやく全体像が見える
アンダーキッズもそんな感じだったはず
— ぷす (@Pusu_kun) January 15, 2023
テレビアニメのエンディングで流れるという性質上、アニメを見ている方は本楽曲を何度も耳にすることになるため、初めて聞いたときと物語の終盤で聞くときとでは、また違った感覚が得られるでしょう。
ぜひ、みなさんも3日間聴きこんでみてください!
MVも乞うご期待!
【ご報告】
『傷つけど、愛してる。』の件ですが、本来であればフルverのMVが本日Youtubeに投稿される予定でした。この曲はメジャーレーベルに所属した理由の中でも『切り札』の1つでしたがツユとは関係無い部分で様々な問題があり当面の間は投稿出来ない状態となりました。本当に申し訳ありません。
— ツユ (@TUYU_official) January 16, 2023
ツユといえば、個性豊かなオリジナルキャラクターが登場するMVも魅力的。
『傷つけど、愛してる。』のMVはまだ投稿されていませんが、今後MVが公開されればまた違った魅力も見えてくるはず。
ジャケット写真の少女は登場するのか、どんなMVになるのか、投稿を楽しみに待ちましょう!
『傷つけど、愛してる。』の歌詞に込められた思い
本楽曲が話題を呼んでいるもう一つの理由が、東京リベンジャーズの世界観に沿った歌詞です。
アニメファン・ツユナーの両方から評価されている歌詞をここでは解説していきます。
キャラクター・柴柚葉にフォーカスを当てた歌詞
先程、楽曲のところでも触れましたが、本楽曲はテレビアニメ『東京リベンジャーズ』聖夜決戦編に登場するキーキャラクター・柴柚葉を表現しています。
【聖夜決戦編 キャラクター紹介】
聖夜決戦編の新キャラクター・キャストが解禁されました!
こちらは大寿の妹で八戒の姉の『柴柚葉(CV. #小松未可子)』です🔥https://t.co/IC16LF9EZp#toman_anime #東リベ pic.twitter.com/FbGmU72q5G
— TVアニメ『東京リベンジャーズ』公式@天竺編配信中🔥 (@anime_toman) October 31, 2022
兄・大寿と弟・八戒に挟まれている柴家の長女。
腕っぷしが強く、男勝りな性格で、男相手に喧嘩もする女子学生です。
柚葉は、幼くして母を亡くしたときに「家族を守る」と約束を交わし、大寿による理不尽な暴力から八戒を守っていました。
ツユの歌詞にも、八戒に対する思いが感じとれるワードが随所にちりばめられています。
たとえば、「派手な痛み 圧に 酷く 強く 耐えて」という歌詞では、大寿の暴力に耐える柚葉が連想され、「アタシが守るからね 大丈夫」「全部守るって 覚悟決めた」という歌詞からは、愛する弟・八戒に対する愛情や決意が感じとれます。
また、「大切なものを許したくて 許せなくて」という歌詞は、暴力をふるいながらも柚葉にとっては大切な家族である大寿を指していると考察されています。
作品の展開を知っている方ほど、深く響く歌詞です。
また、「アタシ」という一人称も柚葉と同じ。
ツユナーの間では、普段ツユは「私/わたし」という一人称をよく用いているため、きっと意図的なものだろうと考察されています。
東京リベンジャーズ全体の世界観を示した歌詞
柚葉の心情を現した歌詞であるのと同時に、東京リベンジャーズ全体の世界観を現している歌詞でもあるのが、楽曲をさらに引き立てる魅力のひとつ。
「大切なものを 守りたくて 守りたくて」という歌い出しの時点で、中学時代の恋人を守るためにタイムリープを繰り返すタケミチと歌詞が重なり、何度失敗し、傷ついても進み続ける東京リベンジャーズの世界観が示されています。
「全部 元に戻ることは無いけれど」という歌詞も、1つの過去を変えれば、現代でもまた違った形で何かが変わる作中世界を示しているように感じられますね。
作品の魅力を引き出している1曲としてアニメファンからも高い評価を受けており、共感性の高い楽曲制作に定評のあるツユの実力を感じられる歌詞です。
ノンクレジットEDも公開
TVアニメ『東京リベンジャーズ』の公式YouTubeチャンネルでは、ノンクレジットED映像も公開。柚葉を中心とした登場人物によるエンディングをじっくりと見ることができます。
映像と合わせて聞くとより一層歌詞との親和性が深まり、楽曲の良さが感じられるため、ぜひ曲に込められた意味を知った後でもう一度見てみてください!