『ブルーピリオド』名言・名シーン8選!【目指すは美術の最高峰!熱き青春物語】

『ブルーピリオド』名言・名シーン8選!【目指すは美術の最高峰!熱き青春物語】

美術の世界で戦う若者たちの青春を鮮やかに描き出した漫画『ブルーピリオド』

明確な答えのない世界で自分自身と向き合い続ける主人公たちの姿は、読者に多くの感情を呼び起こします。

加えて、登場人物たちの語る言葉はどれもが真に迫っていて、作中で描かれるシーンの数々は私たちの心をとらえて離しません。

この記事では、そんな『ブルーピリオド』の中から合計8つの名言と名シーンを紹介します。

※以下には、原作漫画のネタバレを含みます。

『ブルーピリオド』とは?

山口つばささんが「月刊アフタヌーン」(講談社)誌上で2017年から連載中の漫画『ブルーピリオド』。

本作は、ほとんど絵を描いたことがない男子高校生が「美術」という未知の世界で奮闘する様を描いた人気作品です。

その面白さは折り紙付きで、

  • 「マンガ大賞2020」大賞(2020年)
  • 「第44回講談社漫画賞」総合部門(2020年)

といった賞を獲得しています。

コミックス(既刊10巻)の発行部数は、2021年6月時点で累計370万部を突破

2021年10月からはテレビアニメの放送も決定しており、今後ますます注目を集めること必至です。

MEMO

ちなみに『ブルーピリオド』の由来について、作者の山口さんは【1.パブロ・ピカソの「青の時代」、2.青春、3.原作第1話で登場する青色の渋谷】をかけたものであると語っています。
※「青の時代」は、1901~1904年にピカソが青い色調で描いた一連の絵画を指します。

『ブルーピリオド』のあらすじ

矢口八虎(ヤグチヤトラ)は不良でありながら、勉強から人付き合いまで何でも器用にこなす男子高校生。
充実した毎日を送りつつも、心の中にはいつも空虚感がありました。

そんな八虎を変えたのは、1枚の絵との運命的な出会い

絵に飲み込まれるような体験をした八虎は、どんどん美術の世界にのめり込んでいきます。

八虎が目指すのはただ1つ。日本で唯一の国立美大「東京藝術大学」(以下、藝大)の絵画科。
受験倍率が日本一高いことから浪人は当たり前で、東京大学より入るのが難しいとも言われる、美大の最高峰です。

絵を描く楽しさを知った八虎は自分の全てをかけ、答えのない美術の世界に挑みます。

MEMO

作者の山口さんは藝大出身で、なんと現役合格の経験を持ちます。

『ブルーピリオド』3つの魅力

『ブルーピリオド』には3つの魅力があります。

  • 「美術×スポ根もの」の熱さ
  • 個性的な登場人物と巧みな心理描写
  • 美術が面白くなる!

「美術×スポ根もの」の熱さ

作中で描かれるのは、自分自身との孤独な戦いです。何度も壁にぶつかりながら、主人公の八虎がどんどん成長していく過程には、スポ根ものの熱さがあります。

何でもできる八虎にとって、美術だけは一筋縄ではいきません。

そこで八虎が武器とするのが、「努力と戦略」です。誰よりも努力を重ね、目の前のキャンバスと向き合い続ける八虎の姿は、見る者を熱くさせます。

個性的なキャラクターと巧みな心理描写

作中で八虎に刺激を与えるのは、先生や先輩、美大を目指すライバルたちの存在です。

登場するキャラクターは個性的かつ人間味に溢れており、物語に奥行きを与えてくれます。

八虎を初め、美大を目指す受験生たちの心理描写はリアル。美術と向き合うシーンでは、彼ら彼女らの生々しい感情の揺れ動きが痛いほど伝わってきます。

美術が面白くなる!

美術は才能が全ての世界ではありません。
私たちの目にする絵画が、技術や工夫の積み重ねによって表現されている事実には驚かされます。

今まで知らなかった美術知識や、美術に向き合う態度まで学べる本作は刺激的です。

美術は敷居が高く、難しいもの。
本作に触れる前と後では、美術への印象が180度変わります。

物語を通して、自然と美術が面白くなるのは本作の魅力です。

MEMO

物語に説得力を与えるのは、本物の絵の存在です。作中には、現役美大生やプロから借りてきた絵が惜しげもなく使われています。

アーティストとのコラボレーションにも注目!

『ブルーピリオド』は、名だたるアーティストたちとのコラボレーションを実現しています。

クリープハイプ「栞」

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YOASOBI「群青」

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上記の2曲は、原作漫画とセットで楽しむのがオススメ!曲単体でも素晴らしいのですが、原作漫画を読んでから聞くと曲から受ける印象が変わります。

『ブルーピリオド』の名言5選!

ここからは、『ブルーピリオド』の名言を5つ紹介します。

佐伯先生「美術は面白いですよ 自分に素直な人ほど強い 文字じゃない言語だから」(原作1巻・第1話)

最初に紹介するのは、美術部顧問の佐伯先生が、八虎に語った名言です。

八虎は周りに合わせるのは上手ですが、自分の感じた気持ちを素直に表現するのが苦手。

佐伯先生は八虎の性格を見抜いており、美術の課題を通じて、八虎自身が何に価値を感じているのか教えてほしいと話します。

続けて佐伯先生が口にしたのが、「美術は文字じゃない言語」だという言葉。
佐伯先生は美術がコミュニケーションの1つであると示します。

この感情を誰かに伝えたいけど、うまく言葉にできない。誰にでも一度はそんな経験があるでしょう。

美術が面白いのは、言葉にできない感情を表現できること。徹底的に自身と向き合う必要がある美術では、言葉で語る以上に自分の感情が伝わることもあるのです。

まさに美術は「言語」そのもの
佐伯先生の名言は、美術に対する新たな視点を与えてくれます。

森先輩「あなたが青く見えるなら りんごもうさぎの体も青くていいんだよ」(原作1巻・第1話)

続いて紹介するのは、美術部の森先輩が、八虎の感じたものを否定せずに受け入れてくれた時の言葉です。

心を奪われた絵の作者である森先輩に、「早朝の渋谷が青く見えた」ことを口にした八虎。
すると森先輩は受け売りだと前置きして、上記の名言を八虎に伝えてくれます。

りんごは、赤い。うさぎの体は、白い。
当然のこととして誰もが共有している価値観があります。

しかし、人と違うのはおかしいことではなく、自分が感じたものを大切にしていいのだと森先輩は教えてくれました。

この言葉に突き動かされた八虎は、当初は要領よくこなすつもりだった美術の課題に本気で取り組むことになります。

10人いれば10人それぞれに異なる世界があり、正解は1つではありません。
人と違う価値観を持っていても大丈夫なのだと、自分を肯定してもらえるような名言です。

佐伯先生「わかりません!でも好きなことをする努力家はね 最強なんですよ!」(原作1巻・第2話)

3つ目に紹介するのは、美術の道へ進むか否か悩む八虎の背中を押した美術部顧問・佐伯先生の名言です。

美術初心者の自分でも美大に入れるかと尋ねる八虎。佐伯先生は好きなことに本気で取り組む意義を伝え、「努力家」の八虎を鼓舞します。

どんな選択をしても、結果は誰にもわかりません。

しかし、今この瞬間に好きなことに全力で取り組む。その努力は、可能性を大きく広げてくれます。

好きなことに向かうエネルギーは、とてつもなく大きなものです。今までノルマをクリアする感覚で努力を重ねてきた八虎は、その努力を全て好きなことに注ぎ込むと決意します。

好きなことに、自分も本気で取り組んでみようと思わせてくれる。いつまでも忘れないでいたい佐伯先生の名言です。

鮎川龍二「悔しいと思うなら まだ戦えるね」(原作1巻・第4話)

美術予備校で出会った本物の天才との実力差に落ち込む八虎。そんな八虎に、友人であり女装男子の鮎川龍二(アユカワリュウジ)がかけた勇気をもらえる名言を紹介します。

八虎に衝撃を与えたのは、圧倒的な才能を持つ高橋世田介(タカハシヨタスケ)の存在です。

他の予備校生たちは最初から敵わない存在として世田介を賞賛する一方、八虎だけが悔しさをにじませていました。

この時に龍二は、「悔しいと思えるのは戦おうとする意志がある証拠」なのだと前向きな言葉を口にします。

つい誰かと比較して悔しい気持ちを抱くことは、きっと誰にでも心当たりがあるはず。
誰かに負けたくない気持ちは、自分をさらに成長させる原動力になると龍二の言葉は教えてくれます。

矢口八虎「好きなことをやるって いつでも楽しいって意味じゃないよ」(原作3巻・第11話)

最後に紹介するのは、好きなことに全てをかける際の苦悩が伝わる八虎の名言です。

努力をしているのに、思うように結果が出ない八虎。

好きなことには情熱を持って取り組めるので、どんどん新しい知識を吸収し、成長していけます。一方で、好きなことだからこそ、上手くいかない時の苦しさは耐え難いものです。

一度は成長できたと思った八虎でしたが、心が折れそうになるほどの苦悩と向き合うことになります。

好きなことをしている人は、周囲から見れば楽しいから頑張れるのだと映るかもしれません。

しかし、実際には楽しいことばかりではなくて、辛く苦しい部分もある。シンプルながら刺さる名言です。

『ブルーピリオド』の心を揺さぶる名シーン3選!

ここからは、主人公の八虎に焦点を当てた心を揺さぶる名シーンを3つ紹介します。

八虎が初めて人と会話できたと感じるシーン(原作1巻・第1話)

最初に紹介するのは、八虎が絵を描く喜びに目覚めたグッとくる名シーンです。

森先輩の言葉に後押しされ、美術の課題「私の好きな風景」に八虎は全力で取り組みます。

時間制限のある中で八虎が描いたのは、友人と遊んだ帰りに「青く見えた早朝の渋谷」。自分が心から好きだと感じた風景を表現したものでした。

この時、絵を見た友人の1人が、八虎の言いたかったことを理解してくれます。
以前同じことを話した時は理解が得られず、八虎は好きなものを好きだと言うことへの恐怖を感じていました。

だからこそ、八虎は自分の気持ちが伝わったことへの嬉しさに涙を流します。
今まで周囲に合わせて生きてきた八虎が、絵を描くことで人と初めてちゃんと会話できたと実感した瞬間でした。

八虎が絵を通して母親の思いやりに気づくシーン(原作2巻・第5話)

次に紹介するのは、八虎が母親の絵を描く過程で、母親の深い思いやりに気づかされるシーンです。

藝大受験を決意した八虎は、母親を説得するために絵を描きます。
八虎が母親に渡したのは、台所に立つ母親の後ろ姿を描いたものでした。

母親の前で八虎は美術の魅力を語り、描くことで多くを知り、理解できるようになったと続けます。

そして、母親の絵を描く過程で八虎が気づいたのは、家族のためにどれだけ母親が日々努力してくれていたのかということ。

絵を通じて八虎は母親と心を通わせ、自分の正直な気持ちを伝えることができました。
心に温かいものが溢れ、目頭が熱くなること必至の名シーンです。

八虎が溢れ出す悔しさを絵にぶつけるシーン(原作2巻・第8話)

最後に紹介するのは、八虎が沸騰するほどの悔しさを絵にぶつけるシーンです。

ある時、美術の天才である世田介から、これまでの頑張りを否定する言葉を浴びせられた八虎。自分への不甲斐なさを感じた八虎は、悔しい気持ちを全て絵にぶつけます。

これしかないと心に決め、美術に全てをかけて取り組む気持ちは八虎も同じ。世田介から全てを否定されたことは、そんな八虎に火を付けました。

「俺の絵で 全員殺す そのためならなんでもする」
(引用元:『ブルーピリオド』原作2巻・第8話)

絵と向き合い続ける恐怖や、自分の絵で衝撃を与えたい気持ち。
八虎は止めどなく溢れ出す心の声や感情を、目の前の絵に表現していきます。

泣きながら絵筆を走らせる八虎の姿から、鳥肌が立つほどの気迫と熱さを感じられる名シーンです。

まとめ:『ブルーピリオド』を読めば何かに挑戦したくなる!

今回の記事では、『ブルーピリオド』の名言と名シーンを紹介してきました。

本作は並々ならぬ熱が込められた作品であり、全編に渡って目の離せない展開が描かれます。

読み終えた後には、不思議と自分も何かを始めたくなるでしょう。それだけの力が、本作にはあります。

もし少しでも興味が湧いたなら、1巻だけでもいいので原作漫画を手に取っていただけると嬉しいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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