異世界食堂 – 美味しい名言・名シーン7選!【絶品料理との出会いと心温まる物語】

異世界食堂 – 美味しい名言・名シーン7選!【絶品料理との出会いと心温まる物語】

読むだけでお腹が空くこと必至の小説『異世界食堂』

本作はどこにでもある普通の食堂を舞台に、異世界から訪れた人々が織り成す群像劇を描いた作品です。

この記事では、そんな本作の名言と名シーンについて紹介していきます。

※以下には、原作小説とテレビアニメのネタバレがあります。

『異世界食堂』とは?

本作は犬塚惇平(いぬづかじゅんぺい)さんが、2013年から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載を開始した作品。

食欲をそそる「料理」の数々とファンタジー要素が見事に融合した、心が温かくなる物語が描かれます。

2015年からは「ヒーロー文庫」(主婦の友社)で書籍(イラスト:エナミカツミ)の発行が始まり、シリーズ累計発行部数は110万部を突破しました(既刊5巻、2019年4月時点)。

他メディアでの展開も活発です。

2度に渡る漫画化が行われ、

  • 九月タカアキ『異世界食堂』(スクウェア・エニックス、2016年~2019年、全4巻)
  • ヤミザワ・モロザワ『異世界食堂~洋食のねこや~』(「月刊少年エース」(KADOKAWA)、2021年~連載中)

2017年7月〜9月にはテレビアニメ(全12話)の放送が注目を集めました。

そして2021年10月には、おなじみのキャラクターをそのままに、4年ぶりのテレビアニメ第2期が放送される予定です。

『異世界食堂』のあらすじ

先代店主が50年ほど前に始めた、商店街にある老舗の食堂「洋食のねこや」(以下、ねこや)。近くにオフィス街があることから、平日の昼は会社員で賑わい、夜も会社員や学生が訪れる人気店です。

ねこやの特徴は「洋食以外」のメニューも出していること。何屋を名乗っていてもメシが旨ければそれでいいと言う先代店主の持論が背景にあります。

そんなねこやが普通のお店と大きく違うのは、「特別営業」の存在です。

通常営業は月~金までですが、毎週土曜日になると「向こうの世界(異世界)」向けに店が開かれます。

異世界とねこやを繋ぐのは、普段から使われている「ねこの看板が目印で鈴のついた扉」。異世界のあらゆる場所から訪れる人々のお目当ては、ねこやでしか食べられない特別な料理の存在でした。

異世界の人たちから、ねこやは「異世界食堂」の名前で親しまれていました。

『異世界食堂』の魅力

主役は料理

本作の舞台は異世界かと思いきや、現代にある普通の食堂。
そこに訪れるのは異世界からのお客さんたちで、彼ら彼女らの視点で物語が描かれます。

もちろんファンタジー要素はありますが、主役はやはり「料理」でしょう。
しかも登場する料理は、カレーライスやサンドイッチなどの身近なものばかり。

異世界からのお客さんが、なじみ深い料理に驚いたり、絶賛しながら味わったりする様子は新鮮です。そして、料理と共に描かれる優しく温かい物語は作品に触れる人の心を打ちます。

MEMO

ちなみに、異世界のお客さんたちがお互いを呼び合うあだ名は、好みの料理名になっています。

1話完結で描かれる物語

本作では、ある話で主人公になったキャラクターが、またある話では脇役として登場。

1話ごとに毎回異なる料理とキャラクターにスポットが当てられ、物語が進みます。

異世界食堂に訪れるお客さんの顔ぶれは多彩。
彼ら彼女らがねこやで出会い、その繋がりが異世界に少しずつ影響を与えている点も見逃せません。

お客さんたちの紡ぐ物語を通して、徐々に異世界の輪郭が見えてくるのも面白い点です。

アニメ主題歌に注目!

テレビアニメにおいて欠くことのできないアニメ主題歌。ここではテレビアニメ第1期で使用された楽曲を紹介します。

オープニング主題歌:Wake Up,May’n!「One In A Billion」

オープニング主題歌を担当するのは、Wake Up,May’n!。歌手のMay’nさんと、2019年3月で解散した7人組声優ユニットWake Up, Girls!(以下、WUG)がコラボレーションしたユニットです。

MEMO

May’nさんはWUGの大ファン。アニメイベント「アニメJAM2016」での共演が好評を博し、今回のコラボレーションが実現しました。

本楽曲は、作品内容を思わせる歌詞と明るくテンポのいい曲調が印象的。
May’nさんの力強さとWUGの可愛らしさが合わさった歌声が心地よく、楽しく前向きな気持ちを呼び起こしてくれます。

何度でも聴きたくなること間違いなしの楽曲です。

あわせて読みたい!

エンディング主題歌:安野希世乃「ちいさなひとつぶ」

エンディング主題歌を担当するのは、安野希世乃(やすのきよの)さん。本作のテレビアニメには冒険者のサラ役として出演しており、ソロアーティストとしても活躍する声優です。

安野さんが歌う本楽曲は泣けるバラードで、シンガーソングライターのさかいゆうさんが作曲を手掛けました。

切ないピアノのイントロに引き込まれ、安野さんの透き通るような歌声とシンプルながら深い歌詞が胸に響きます。アニメの余韻に浸れる楽曲で、聴き終わった後にはじんわりと温かいものが心に残ることでしょう。

MEMO

安野さんは子供の頃から泣けるエンディング曲が好きで、今回夢が叶ったとインタビューで語っています。

『異世界食堂』の名言3選!

料理が大きなテーマだけあって、作中で目立つのは料理に紐づいた言葉の数々。ここでは、本作の中から3つの名言を紹介します。

トーフステーキ/ファルダニア「そうよ!私は、美味しい料理を作るの!あの異世界食堂の人間よりももっと!」(原作1巻・第4話/アニメ第4話)

長命の種族であるエルフの女性・ファルダニアの言葉を紹介します。

エルフのファルダニアにとって人間の料理は口に合わないものでしたが、ねこやの料理との出会いは彼女に衝撃を与えました。

ねこやに訪れたファルダニアは人間の作る料理は野蛮だと考え、肉も魚も乳も卵も使わない料理という無理難題を出して早急に店を出ようとします。

しかし、ねこやの店主はファルダニアの注文をあっさりと受け入れ、全ての問題を解決する「トーフステーキ」がファルダニアの前に登場。

食べ応えとあっさりした味を両立したトーフステーキは、ファルダニアの想像をはるかに上回る絶品でした。彼女は料理に満足する一方、自分では作れないことに悔しさをにじませます。

その後ファルダニアは打倒「異世界食堂」を目指し、美味しい料理を探究する旅へ。ここで飛び出したのが上記の名言です。

ねこやの料理に敬意を払いながらも、いつかそれを超える料理を作ってみせる。ファルダニアの言葉は、前向きさと熱い想いを感じさせるものでした。

カレーライス/アルフォンス=フリューゲル「飽きるものか。カレーの可能性は無限大だ。(以下略)」(原作1巻・第16話/アニメ第7話)

次に紹介するのは、「カレーライス」こそが至高と考えるアルフォンス=フリューゲルの名言です。

20年もの長きに渡り、漂着した孤島で1人の時間を過ごしてきた「公国」の元将軍アルフォンス。その背景には、「異世界食堂」で食べられるカレーライスの存在がありました。

弱肉強食の理が支配する孤島で生き永らえたアルフォンスは、島内で土曜日にだけ現れる「扉」を発見。

そこで、ねこやの先代店主が作るカレーライスとの運命的な出会いを果たします。

その後7日に一度の特別な日を心待ちにするようになり、孤島に助けが訪れるまでの実に20年もの間、アルフォンスはねこやに通い詰めました。

そんな中、顔なじみの「ロースカツ」こと大賢者・アルトリウスの冗談に対し、アルフォンスの口にしたのがカレーライスへの溢れる想いを込めた上記の名言です。

この言葉には、1000回以上食してもなお飽きることのない魅力がカレーライスにはあることを物語っていました。

カレーライスを食べる時に、一度は口にしてみたいと思える名言です。

とん汁/先代店主「料理屋のサービスは金じゃなく料理でやれ」(原作2巻・第28話/アニメ第12話)

3つ目に紹介するのは、現在の店主にも受け継がれる、ねこやの先代店主の名言です。

月に一度の「肉の日」(※ねこやでは2月以外の29日)。ねこやが行うサービスデーの1つで、普段から振る舞われている「味噌汁」が、この日だけは「とん汁」に姿を変えます。

肉の日に遭遇できるのは至難の業であることから、異世界の人たちからは幻のスープとして語り継がれている一品。

豚肉と野菜が盛りだくさんで、そこにバターとネギが加えられているのが特徴です。しかも特別なメニューなのに、味噌汁と同じく何度でもお代わり自由!

太っ腹なサービスの裏には、先代店主の「料理人」としての誇りを感じる言葉がありました。

お客さんたちは皆、ねこやの料理を楽しみにお店まで足を運んでいます。だからこそ、真摯に料理と向き合い、料理でお客さんの期待に応える。

その心意気が今回のサービスにも遺憾なく発揮されていたのです。

『異世界食堂』の名シーン4選!美味しい食事と共に

ここからは、本作ならではの名シーンを4つ紹介します。

モーニング/アレッタとねこやの出会い(原作1巻・第20話/アニメ第1話)

美味しそうな匂いにつられて、ねこやに迷い込んだ魔族の少女アレッタ。彼女は空腹に耐え切れず、厨房にあったコーンポタージュを無断で平らげてしまいます。

とある事情で人間の住む王都へやって来たアレッタは、魔族とばれたことから仕事を失い、その日食べるものにも困る暮らしをしていました。

そんなアレッタに救いの手を差し伸べたのは、ねこやで出会った店主でした。店主はアレッタを責めるどころか、朝ご飯として「モーニングセット」を振る舞ってくれます。

小鉢に盛られたサラダ、バターの載った焼きたてのパン、そして熱々の卵とベーコン。どれもがアレッタにとって見たことのない料理でした。

一口食べたのを皮切りに、あまりの美味しさから夢中で料理を口に運ぶアレッタ。ここで幸せそうに食事をするアレッタの姿に、なぜか涙が込み上げてきます。

その後、店主からの思わぬ提案で、アレッタはねこやの従業員として土曜日だけ働くことになりました。アレッタにとって夢のような出来事で、お腹が満たされ、心も満たされる名シーンです。

メンチカツ/冒険者サラが見つけた秘宝(原作1巻・第1話/アニメ第2話)

冒険者のサラが入手したのは、伝説のトレジャーハンターとして名高いウィリアム=ゴールドの残した日記。「ドヨウの日」にウィリアムが廃鉱を訪れていた記述の真相を探るべく、サラは廃鉱へと向かうことに。

サラが見つけたのは財宝ではなく、廃鉱には場違いな木製の扉。ねこやに足を踏み入れたサラは、ウィリアムがねこやの常連であった事実を知ります。

そしてサラが頼んだ「メンチカツ定食」は、奇しくもウィリアムが好んで注文した料理でした。

今まで味わったことのない料理に、サラは舌鼓を打ちます。アニメでは、ナイフを入れた瞬間にメンチカツから溢れ出す肉汁の描写がたまりません。

その後、ソースとレモンも駆使して心ゆくまでメンチカツを堪能したサラ。店主からの厚意でもらった持ち帰り用のメンチカツサンドを手にして店を出ます。

伝説のトレジャーハンターが残した最後の秘宝は、食欲旺盛な曽祖父のウィリアム=ゴールドらしいものでした。

メンチカツがお気に入りになったサラ=ゴールドは「メンチカツ2世」として、ねこやに通う常連の仲間入りを果たします。

サンドイッチ/熱く平和な議論(原作1巻・第13話/アニメ第6話)

ねこやでは目立った争いは起こらないものの、料理に関する議論が盛んに交わされています。

ある時はどの料理がねこやで一番なのか、またある時はライスに合うのはどの料理なのか。誰もが自分の愛する料理こそが最高だと言って譲らないので、白熱した議論になることもよくあります。

ねこやに新顔が増え始め、新しく議題に上ったのは「サンドイッチ」でした。

サンドイッチに挟む料理はどれが一番なのか。揚げ物からフルーツに至るまで、あらゆるテーブルから熱い議論が展開されます。

議論が活発になると、実際に料理を食べて決着をつけようとする人がほとんどで、ねこやでは普段よりも多くの料理が注文されるのが恒例。

次々と注文が入るので、その日のねこやは大忙しとなるのでした。

各々が自分の大好きな料理を熱く語らう様子は微笑ましく、種族や年齢、身分といった垣根はありません。異世界食堂を象徴する平和なシーンです。

カレーパン/従業員クロの変化(原作3巻・特別編3/アニメ第11話)

3万年以上前、滅亡に瀕した世界を救った「六柱」の一角を占める黒(以下、クロ)。巨大な黒い竜である彼女はエルフに姿を変え、「チキンカレー」を対価にねこやの従業員として働いています。

仕事を始めて100日以上の時間が過ぎた頃、仕事終わりのクロが興味を示したのは、店主が賄いとして準備する「カレーパン」でした。

揚げたてのカレーパンをほおばる店主とアレッタの様子を見て、いつもはチキンカレーを食べるクロもカレーパンを手に取ります。

1人で食べても美味しいですが、誰かと一緒に食べる料理はまた格別なものです。

食事後、クロに気をつけて帰るよう別れの挨拶をするアレッタ。いつもは感情をあまり見せないクロでしたが、この時は違いました。

―分かった。アレッタも気をつけて。
(引用元:犬塚惇平『異世界食堂』3巻、特別編3)

ねこやで働くまで長い時を1人で生きてきたクロ。そんなクロ自身も気づかない間に、ねこやは特別な場所になっていたのでしょう。

クロが少しずつ変わり始めていることを示す、心が温かくなる名シーンです。

MEMO

アニメ版の同じシーンでは、普段テレパシーで意思疎通をするクロが口を開いて喋ります。

『異世界食堂』の後にオススメの作品

『異世界居酒屋「のぶ」』

1つ目に紹介するのは、小説『異世界居酒屋「のぶ」』。漫画、アニメ、実写ドラマと多くのメディアで展開される作品です。

異世界の街に繋がってしまった居酒屋「のぶ」。そこに訪れるのは異世界の街に住む個性的な人々で、笑いあり涙ありの物語が展開されます。

この作品に触れた後は、お酒と料理が欲しくなることでしょう。

『深夜食堂』

2つ目に紹介するのは、漫画『深夜食堂』

舞台は深夜0時から朝7時に営業されることから、常連たちの間で「深夜食堂」と呼ばれる飯屋。店のマスターが作れる料理であれば、メニューにはない料理でも出してくれるのが特徴です。

小林薫(こばやしかおる)さん主演で実写ドラマ化されたことでも有名な作品で、カウンター席だけの飯屋を軸に、渋い男性のマスターと来店するお客さんたちが織り成す物語が描かれます。

MEMO

『異世界食堂』作者の犬塚さんは、なじみのある料理や人情モノといった点で『深夜食堂』を意識していると語ります。

まとめ

この記事では、『異世界食堂』の名言と名シーンについて紹介してきました。

本作は1話完結で物語が紡がれるため、どこからでも作品の世界に入ることができます。また、登場する料理は身近なものであることから、どこか懐かしさを感じる点も本作ならでは。

美味しい料理に舌鼓を打ちつつ、ぜひ作中で描かれるドラマを楽しんでみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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