2008年に放送されたテレビアニメ『マクロスF』をきっかけにアニソン歌手として注目されるようになったMay’n(メイン)。
圧倒的な歌唱力によって様々なアニメ主題歌を担当してきた彼女は、2020年にデビュー15周年を迎え、今後もより一層の活躍が期待されているアーティストの1人です。
今回の記事ではアニソン歌手・May’nのプロフィールや、これまでの経歴について触れながらおすすめ曲を紹介します。May’nに興味のある方は、ぜひご覧ください。
目次
May’n(メイン)とは
2005年、15歳という年齢でメジャーデビューを果たしたMay’n。
安室奈美恵に憧れ、幼少時からコンテストやミュージカルに参加。歌って踊れるアーティストを目指し、9歳の頃にはオーディションを受けるまでに成長しました。
2003年には、業界大手芸能事務所であるホリプロが主催した『ホリプロタレントスカウトキャラバン・ラブミュージックオーディション』に出場し、決勝審査まで勝ち残りました。
応募者3万4911人という狭き門でありながら、決勝審査に残ったのは僅か4人。グランプリにこそ輝かなかったものの、この活躍が転機となり、2005年に15歳の若さでメジャーデビューを果たしました。
当時は本名である中林芽依として活動していましたが、2008年に現在のMay’nに改名。テレビアニメ『マクロスF』に登場するシェリル・ノームの歌唱パートを担当したことで、一躍有名となりました。
その後の活動ではアニメだけでなく、ドラマや映画、ゲーム主題歌を担当しました。数々の作品がトップチャートに名を連ね、多くのファンが彼女のパフォーマンスに魅了されています。
May’nの名前の由来
2008年に改名したことにより、May’nとしての活動が始まりました。
このアーティスト名は本名である中林芽依が由来しており、それ以外に「音楽界のmainアーティストになれるよう、みんなにとってのmainテーマになる歌を歌えるよう」という想いが込められていると、本人の旧ブログ『今日のMay’nディッシュ』に記載されています。
高いパフォーマンスとライブへの熱い想い
May’nのルーツの1つとしてあるのが、元歌手として活動していた安室奈美恵の存在があります。
幼少時より歌って踊れるアーティストを目指していたMay’nは、POPSからROCK、DANCE、R&Bまで幅広いジャンルを歌いこなし、多くのファンを魅了してきました。
ハイトーンな歌声が魅力的で、転機となったアニメ『マクロスF』ではシェリル・ノームの歌唱パートを見事にこなし、作品の世界観を見事に表現してみせました。
そんなMay’nのパフォーマンスがより活かされるのがライブです。
これまで、日本武道館や横浜アリーナといった大舞台でファンを大いに沸かしてきたMay’n。
彼女自身、直接歌を届けられる場であるライブをとても大切にしており、2021年6月30日にリリースのオリジナルアルバム『momentbook』の発売に合わせた本人からのコメントには「ライブで皆さんに届けられることを嬉しく思います」とあります。
↑『momentbook』に収録されているリリックビデオ「Walk with moments」
そのライブへの想いは国内だけでなく、海外でも発揮されています。
2010年頃から海外ツアーを積極的に行ってきたMay’nは、世界16都市で単独公演を開催。フェスでは大トリを務めることもありました。
中国最大手のSNS『WEBIO』アワード『WEIBO Account Festival in Japan』では、日本人初の3年連続受賞を達成。
また、年度のアジアで注目されたアーティストを選出し、賞を贈るアワード『ASIAN MUSIC FESTIVAL 2019』に参加。中国・深圳で開催された同アワードで、日本人初の快挙「年度最具突破女歌手賞」を受賞し、その活躍ぶりは海外でも通用することを証明してみせました。
デビュー10周年に休養を発表
2015年は、May’nがメジャーデビューから10周年を記念する節目の年でした。
国内外での積極的なライブ活動やシングル・アルバムのリリース。2015年の5月7日からは、ツアー『May’n Road to 10th Anniversary Acoustic Tour 2015 “Hang jam vol.2″』を開催するなど、節目の年を順風満帆にスタートさせました。
しかし、2015年5月18日に両側声帯ポリープのため、急遽ツアーを中止することになってしまいます。突然のことで、当時のファンは驚いたかもしれません。
実はMay’nは数年前から喉に違和感を抱えており、それが声帯にできたポリープが原因であると診断されていました。これまでは医師と相談しながら活動を続けてきましたが、ツアーの最中に症状が悪化。今後の活動に大きな影響を及ぼす可能性もあり、急遽ツアーを中止することになりました。
事務所の発表とは別に、May’nのブログでは今回のツアーを楽しみにしていたファンへの謝罪のコメントが掲載されていました(現在、コメントは削除されています)。
また、デビュー10周年に向けたカウントダウンとして強い想いで取り組んできた中でのリタイアに、本人もやるせない気持ちでいっぱいだったようです。
May’n日本武道館での涙の復活
2015年、声帯ポリープの影響によりツアーを中止したMay’nは、6月上旬に都内の病院で手術を行いました。当初は声の変化が懸念されていましたが、歌手としての活動を長い目で見ると手術に踏み切った方がいいとの判断でした。
その後、術後の経過と療養を兼ねて名古屋市内の実家で休養していたMay’nは、8月26日に行われた日本武道館ライブ『May’n 10th Anniversary Special Concert at Budokan “POWERS OF VOICE”』で復帰を果たします。※(7月22日に11枚目のシングル「ヤマイダレdarlin’」をリリースしていますが、発表そのものは5月に行っており、この時はまだ歌手として復帰はしていません。)
療養中は、歌が歌えなくなってしまうかもしれないという不安もあったとMay’nは後に語っています。そして満を持して迎えた復帰当日。今回の日本武道館ライブは、元々予定されていた10周年を記念するためのものでした。
しかし、May’nにとってはそれだけでなく、復帰できる喜びと待っていてくれたファンへの感謝が込められていました。オープニングから感極まってしまった彼女は、1曲目の「Ready Go!」で涙を流してしまいます。
感傷に浸るも早々に次の曲に入り、圧巻のパフォーマンスから術後の影響は皆無といえる姿をファンに披露しました。
その後、ライブを終えたMay’nはブログで改めて感謝の言葉を述べています。
この10年、ほんとにありがとう! ようやく、自分の声で言えました。今日までたくさんありがとうって伝えさせてもらってたけど、ぜったいにわたしの声でライ部で伝えたくて。大好きなライ部。ただいまああああああ!!!
アクシデントから復帰に至るまでのこの期間は、彼女だけでなくファンにとっても重要な思い出として今後も語り継がれるでしょう。
15周年を節目にレーベル移籍
中林芽依としての活動時期を除き、所属レーベルをFlyingDogとしたMay’n。
そんな彼女が、メジャーデビュー15周年の節目である2021年にレーベル「Digital Double」への移籍を発表しました。
この移籍に関してMay’nは、アニメ音楽のポータルサイト『リスアニ!』にて、「普段の自分をもっと出せるような日常を描いた音楽を届けたい」と語っています。
これまでのクールさやカッコよさを追求した曲だけでなく、新しい自分を発掘したいことも移籍理由の1つであると述べており、それに伴って作詞・作曲にも挑戦したいようです。
2019年以来、新たなシングルのリリースはありませんが、2021年6月30日には6枚目となるオリジナルアルバム『momentbook』をリリースします。
今後はアニメ主題歌単発だけでなく、長期的な活動にも携わりたいそうなので、これまでとは全く新しいMay’nを見ることができるかもしれません。
May’nがどのような活躍を遂げるのか、これからの彼女が非常に楽しみです。
May’nの人気・おすすめ曲5選
「ライオン」
最初に紹介するのは、May’nと中島愛が歌う「ライオン」です。デュエットシングルとして2008年8月20日にリリースされ、アニメ『マクロスF』のOPテーマ曲に使用されました。
May’n単体の曲ではありませんが、彼女を語る上では外せない曲の1つです。イントロからの引き込み、サビでの盛り上がり、全てにおいて最高の1曲です。
「Scarlet Ballet」
2011年5月11日にリリースされた、May’nの4枚目のシングル「Scarlet Ballet」。アニメ『緋弾のアリア』のOPテーマ曲に使用されました。
独特なリズムからなるエレクトリックチューンが特徴的な1曲。サウンドの主張が激しく、May’nの歌声と絡み合うことで曲全体のカッコよさが膨れ上がっています。
「Chase the world」
May’nの6枚目シングルとなった「Chase the world」。2012年5月9日にリリースされた本楽曲は、アニメ『アクセル・ワールド』のOPテーマ曲に使用されました。
作品の世界観を忠実に表現した本楽曲は、駆け抜けるサウンドではあるものの、背中を後押ししてくれるような力強さを感じます。
「光ある場所へ」
2016年11月23日にリリースされた「光ある場所へ」。May’nの14枚目のシングルとなった本楽曲は、アニメ『終末のイゼッタ』のEDテーマ曲に使用されました。
これまで紹介した曲とは異なり、バラードメインの楽曲。重く静かなピアノ伴奏は、暗闇から光を目指しているような表現に思えます。また、May’nの静かな歌声も見事にハマっており、彼女の新たな一面を垣間見ることができるでしょう。
「graphite/diamond」
May’nの18枚目のシングルとなった「graphite/diamond」。2019年11月20日にリリースされた本楽曲は、アニメ『アズールレーン』のOPテーマ曲に使用されました。
歌で激しさをここまで強調できるのかと思うかもしれません。イントロからの渦を思わせるサウンドの重さに加え、コーラスに合わせたMay’nの歌声は壮大の一言です。また、May’nがAメロの直前で「We gotta go」と囁くシーンには思わずドキッとしてしまうでしょう。
実はこんな曲も歌っている
「怪物」YOASOBI
2021年1月6日に配信され、同年3月24日にシングルとしてリリースされたYOASOBIの「怪物」。アニメ『BEASTARS』第2期OPテーマ曲に使用されました。
2021年3月25日に放送されたテレビ朝日『アニソンバトルBEST20』にて取り上げられ、カバーとしてMay’nが歌唱を担当しました。若干のアレンジを加えつつ本家さながらの不気味さが表現されています。難曲としても知られている本楽曲を見事に歌い切りました。
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「インフェルノ」Mrs. GREEN APPLE
Mrs. GREEN APPLEの3作目のデジタルシングル「インフェルノ」。アニメ『炎炎ノ消防隊』のOPテーマ曲に使用されました。
こちらも同じくテレビ朝日『アニソンバトルBEST20』にて取り上げられた楽曲。男性ヴォーカルの歌ですが、May’nの歌声ともマッチしています。サビでの歌声部分はより力強さを感じるもので、元々がMay’nの曲であるのかようです。
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最後に
ここ最近の活動では、アニメ単体の曲の活動は少なくなっているように思えます。しかし、May’n本人が語るように長期的な活動を行っていきたいということもあり、これは仕方ないことなのかもしれません。デビュー15周年を迎えたばかりの彼女が、これからどのような活躍を見せてくれるのか非常に楽しみです。これからもぜひ頑張ってもらいたいですね。
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