『ジョジョの奇妙な冒険』第5部に登場するブローノ・ブチャラティは、主人公のジョルノに並ぶ活躍をみせるスタンド使いです。
ギャングの組織の一員でありながら、多くの人間から信頼されているブチャラティ。何故そこまで人が慕っているのか?強さや性格、過去に何があったのか?などを含めて詳しく紹介していきます。
目次
ブチャラティとは?
ブチャラティは第5部に登場するギャングの一人です。「パッショーネ」と呼ばれるギャング組織に所属していて、市民からの信頼も厚く悪の組織に所属していながらも正義を貫く存在とも言えます。犯罪に巻き込まれる一般人のことを気にしていて、麻薬に対しては許せない気持ちが強いです。
ブチャラティの仲間には、ミスタ、アバッキオ、ナランチャ、フーゴがいて、全員がブチャラティを敬愛しています。
ジョルノには、組織の人間である涙目のルカが何者かに襲撃され、調べている内にたどり着きます。そして、ジョルノとブチャラティは戦うことになり、ジョルノのスタンド能力の目覚めと共に、ブチャラティは敗れることになりました。
ジョルノとの戦いの後、「パッショーネ」のボスであるディアボロが、麻薬で大金を稼いでいることを知り、ブチャラティは組織を変えるために動くことを決意。ジョルノに協力してボスの真意を探ろうとしたのです。
そして、ボスが自分の保身のために娘をあっさりと殺そうとしたところで、ボスの敵側に回ることになり、「パッショーネ」を敵に回すことになりました。
ブチャラティの過去
ブチャラティは、両親が離婚することになり父親についていきました。父親もブチャラティを立派に育てようと船の仕事を頑張っていたのですが、麻薬の取引をしようとした客によって、重傷を負うことになります。
父親はそのまま病院へ入院することになると、麻薬取引を見られた男たちは父親を殺しに病院にやってきたのです。ブチャラティはそんな男たちの行動を予測し、病室で待ち伏せをすると、父親を殺そうとする男たちを逆に殺してしまいます。
どんなことをしても父親を守る!という気迫が凄まじく、父親をこんな目に合わせた麻薬を憎むことになったのです。
ブチャラティと仲間の関係
ブチャラティと一緒に活動するメンバーは、直接ブチャラティと出会った者もいればそうでない者もいます。フーゴやアバッキオが仲間になった経緯は詳しくは描かれていませんが、ミスタとナランチャには過去の話があります。
ナランチャは仲間に裏切られ、病気になってゴミ漁りをしながら彷徨っているところをフーゴに拾われます。そのままブチャラティの元へ案内されると、ボロボロのナランチャを見たブチャラティは、すぐに病院に入れて治療を受けさせたのです。
まだ若いナランチャはすぐには組織に入団しませんが、数年後に組織入りしています。ミスタは、女性を助けるために乱暴していた男たちを止む無く銃殺し、裁かれるところをブチャラティが救ったことで組織に入ることになりました。
メンバーの全員がブチャラティのために、という意識を持っています。しかし、ボスを裏切った時にブチャラティが、この先ついていくのもいかないのも自由と話すと、フーゴだけはついていきませんでした。
ブチャラティがかっこいいと言われる理由
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ブチャラティは生き様がかっこいいと言われています。それは、自らの意思を貫き信念を曲げないからです。ジョースター家の人間は、このような正義の心と揺るぎない信念を持ち合わせていますが、他のキャラでこの二つを持っているのは数少ないでしょう。
2部ではシーザー、3部では花京院やアブドゥル、4部では広瀬康一が同じような志の持ち主でした。
共通して言えるのは、信念に対して命を賭けられるということです。ブチャラティも常に死を覚悟して戦っていました。
それが良く分かるのがペッシとプロシュートとの戦いです。プロシュートには相打ち覚悟で列車から飛び降り、ペッシからの追跡から逃れるために自らの心臓まで止めました。自らの命を賭けないと無いと守りたい者は守れない!そんな覚悟を感じさせる一戦です。
他にもディアボロが娘のトリッシュを殺そうとした時に感情を爆発させました。
自らの保身のために子供を殺すのか!
今まで本音で語ることのなかったブチャラティが声を荒げて感情を露にしたことで、ブチャラティの決して曲げられないものに火が付いたのが分かります。そこからもブチャラティの人間性や正義の心が感じ取れました。
最後にかっこいいと思われるところは、自らの命が失われると知っていても進むことを止めなかったことです。ディアボロとの戦いでジョルノのおかげで復活を遂げたブチャラティですが、自分に死期が近いことも分かっていました。
そのため、自分が何をすべきかということを覚悟を持って行動に移しているのです。
全てはトリッシュの幸せのため。それが分かるからこそ、ブチャラティのかっこよさが伝わってきます。
ブチャラティのスタンド
ブチャラティの持つスタンドは「スティッキー・フィンガーズ」です。全身にジッパーが付いているような人型で、手足を使って戦う近接戦闘を得意としています。
能力は触れたあらゆる場所にジッパーを付けるもので、潜り込むことが出来たり通り抜けも可能。人体を攻撃すると、人体にもジッパーが取り付けられそこからバラバラにすることも出来るのです。
自らの身体にもジッパーを付けられるので、自分の身体を分けることで相手の攻撃を避けたりします。ジッパーでバラバラにされると相手が死ぬのか?というとそうではありません。
ブチャラティの意思で殺すも生かすも自由という感じです。ジッパーで首だけにされたズッケェロは生きてそのまま尋問を受けていましたし、ペッシは首を折られてバラバラにされた後にそのまま死んでいました。
ブチャラティは死亡する?
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ブチャラティは実は2回死んでいます。意味がよく分からないかもしれませんが、肉体の死亡と魂の死亡という意味で2回死んでいるのです。そんな2つの死亡について見ていきましょう。
1度目の死亡
1度目の死は、5部の黒幕であるディアボロとの初対決です。娘のトリッシュをディアボロの任務で連れていきますが、そこでトリッシュを始末することを知った時にブチャラティはディアボロを裏切ります。
トリッシュを守るために、ディアボロに攻撃を仕掛けようとしました。しかし、ディアボロのスタンド「キング・クリムゾン」によって未来を予測され、攻撃をかわされた上に致命傷を負うことになったのです。
それによって絶体絶命のピンチを迎えることになるのですが、ジョルノが駆けつけたことでディアボロはその場から立ち去ります。ジョルノはブチャラティの治療を即座にするのですが、反応がありません。
死んだのか?と思われますが、それからしばらくしてブチャラティの意識が戻ります。これによって生き返ったと思われますが、実はブチャラティはジョルノのスタンド能力で一時の命を与えられただけだったのです。これが肉体の死亡となります。
2度目の死亡
ブチャラティの肉体の異変に気がついたのはジョルノだけで、ブチャラティがどんなに怪我をしても血が流れないことから発覚します。ブチャラティもそのことを自覚していて、自分が風前の灯火であることをジョルノにも告げました。
そして、そんな身体でも戦うことを止めず、遂にボスであるディアボロにたどり着くことができたのです。ディアボロとの戦いは、ポルナレフによって生み出されたレクイエムによって魂と肉体が入れ替わった状況での戦いとなりました。
誰が誰に入れ替わったのか分からない。そんな状況で、ディアボロが仲間を襲い続けるのを見たブチャラティは、自らの魂を強制的に壊すことでレクイエムを消滅させます。
これによって、全員の魂が元の場所へと戻りディアボロを追い込むことにもなったのです。しかし、魂を壊したブチャラティはそのまま天国へと向かうことになりました。
これで魂の死となり、ブチャラティは本当の死を迎えたのです。
ブチャラティの声優は櫻井孝宏さん
ブチャラティの声優を担当していたのは櫻井孝宏さんです。櫻井さんは数多くの人気キャラを演じている有名人でもあります。そんな櫻井さんは、ブチャラティ以外にも、
『おそ松さん』の松野おそ松
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の岸辺露伴
『ダイヤのA』の御幸一也
『PSYCHO-PASS サイコパス』の槙島聖護
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のゆきあつ
『化物語』の忍野メメ
『鬼滅の刃』の冨岡義勇
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のマクギリス・ファリド
『金色のガッシュベル!!』の高嶺清麿
『デジモンアドベンチャー』のテントモン
なども担当しています。
ブチャラティの名言
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ブチャラティには確固たる意思、決意、信念が感じられる生き様の持ち主です。そんなキャラだからこそ、多くの名言があるので紹介していきます。
「この味は!………ウソをついてる『味』だぜ……」
ジョルノと初対面して、涙目のルカが何者かに襲われたことをジョルノに話しますが、ジョルノは一切動揺をしないで「知らない」と貫き通します。しかし、実際はジョルノがルカを倒していたので嘘を付いていたのです。
そんなジョルノの嘘をブチャラティは、ジョルノの汗を舐めると見抜きます。その時のセリフで、ブチャラティの不気味さと凄みを感じさせる一言です。
「アリーヴェ・デルチ」
ブチャラティといったらこれ!と言うほどの名言です。敵に「アリアリアリアリ」と叫びながら攻撃して、最後の決め台詞で「アリーヴェ・デルチ」と口にする姿がカッコ良すぎ。
「アリーヴェ・デルチ」はさよならという意味なので、敵にこれで終わりだという意味を持たせているところもいいですね。
「きさまにオレの心は永遠にわかるまいッ!」
ディアボロが娘のトリッシュを殺すためにブチャラティたちに運ばせていたことを知ったブチャラティは激怒します。ディアボロはトリッシュとは他人のブチャラティが何故そこまで怒るのかが分かりません。
そのためブチャラティにそのことを聞くのですが、ブチャラティはこの言葉で返しました。ブチャラティにとって、親が子を見捨て殺すなど断じて許せないことだったのです。
そこでディアボロと完全に敵対することを決意して、組織から狙われることを覚悟しました。トリッシュのことを本当に考えていたのはブチャラティだったんですね。
「自分の「歩く道」は自分で決めるんだ」
ディアボロを敵に回したことで、ブチャラティたちは狙われる立場となりました。そこでこの先ついていくか行かないかは、自分たちで決めるように話します。それに対してナランチャはずっと迷っていました。
命令さえしてくれれば素直についていける、とも話しますがブチャラティはこの言葉で返したのです。今後命を狙われ続けることになるからこそ、自分で決めさせたかったのですね。
ここには、ブチャラティなりの優しさが感じられます。
「幸福というのはこういうことだ」
ブチャラティがディアボロとの戦いで死んで、魂が天に登っていくことになりました。その時にジョルノだけにはブチャラティの魂が見えていたのです。
そして、ジョルノに向かって今まで自分が死んだように生きていたこと、ジョルノによって正しいことに向かって戦うことが出来たからこそ幸せに死ねると話します。
ギャングの組織に入ったはいいが、目的を見いだせなかったブチャラティが生きるための目的を得られたことが、何よりも幸せだったことが分かります。
ブチャラティのジョジョ立ち
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ブチャラティにもジョジョ立ちがあります。それは「アリーヴェ・デルチ」の決め台詞を話す時のポーズで、ブチャラティーの名シーンの一つです。
帰り際や去り際に使えるの人気のポージングとなっています。
ブチャラティのテーマ曲
http://jojo-animation.com/music/2019/02/bm01.php
『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』のサウンドトラックのCDが3枚発売されていて、ブチャラティのテーマ曲もあります。それは『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 O.S.T Vol.1』の23曲目「nella cerniera (ジッパー)」で、タイトルから分かるようにブチャラティのテーマ曲です。
ちなみに曲のタイトルは全てイタリア語になっています。
まとめ
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ブチャラティはギャング組織「パッショーネ」に属していながらも、正義の心を持つ人物でした。ジョルノとの出会いによって、自らの組織が過ちを犯していることに気付き、仲間と共に反旗を翻すことになります。
最後はボスであるディアボロとの戦いで命を落とすことになりますが、その生き様はジョルノや生き残った仲間に大きな影響を与えたことでしょう。
ブチャラティはジョルノに並ぶ第5部のもう一人の主人公でもあるので、生き残れなかったのはとても残念です。