アニメをきっかけに結成され、そしてその後も活躍を続けている音楽グループがいます。それがEGOIST(エゴイスト)です。
今回の記事では、EGOISTの結成からその後の経歴について触れつつ、おすすめの曲を紹介したいと思います。気になる方はぜひ最後までご覧ください。
目次
EGOIST(エゴイスト)とは
アニメ「ギルティクラウン」から生まれたアーティスト
EGOIST(エゴイスト)は、supercellのコンポーザーを務めるryoがプロデュースするアーティスト及び音楽グループです。2011年に放送されたオリジナルテレビアニメ『ギルティクラウン』に登場し、同作品のヒロイン・楪いのり(ゆずりは いのり)がヴォーカルを務めていました。
2000人を超える応募から選ばれたヴォーカル
ヒロイン・楪いのりの声優は茅野愛衣(かやの あい)が担当しました。しかし、実際の歌唱パートでは別のアーティストが起用されています。
そのアーティストというのが、cherry(チェリー)です。
アニメ放送前に行われたオーディションで、2,000人を超える応募者の中から選ばれた実力派のアーティスト。大多数の中から選ばれただけあり、その歌声はギルティクラウンを彩る重要な要素となりました。
現在はアニメの世界から飛び出して活躍
ギルティクラウンで挿入歌とOP・EDテーマ曲を担当したEGOISTは、放送終了後も活動を継続しています。
2012年12月5日には、3枚目のシングルとして「名前のない怪物」をリリース。この楽曲はテレビアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』のEDテーマ曲として起用され、さらに同作品の劇場版にも使用されています。
ちなみにこの時の楽曲「名前のない怪物」は、後の『平成アニソン大賞』で編曲賞に選出されています。
PSYCHO-PASSで使用された楽曲は、オリコンにおいてギルティクラウンで使用されたテーマ曲を上回る人気となりました。その人気もあって、PSYCHO-PASSシリーズにおいてのテーマ曲を多数手がけ、「All Alone With You」「Fallen」をリリースしています。
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また、日本のSF作家として有名な伊藤計劃(いとう けいかく)のアニメ映画シリーズ『屍者の帝国』『ハーモニー』『虐殺器官』での主題歌を担当。2015年にリリースした6枚目のシングルに「リローデッド」「Ghost of a smile」「Door」が収録されています。
作家の伊藤計劃はデビューからわずか2年で早逝し、当時の年齢は34歳という若さでした。同じく作家の宮部みゆきは、彼の作品に対して「3回生まれ変わってもこんなにすごいものは書けない」と高く評価しています。
2016年には、WIT STUDIOのオリジナルテレビアニメ『甲鉄城のカバネリ』の主題歌「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」を担当。また、同作品の映画主題歌「咲かせや咲かせ」にもEGOISTが起用されています。
WIT STUDIOは『進撃の巨人』を手掛けたことでも有名なアニメ制作会社であり、監督に『ギルティクラウン』の荒木哲郎(あらき てつろう)。シリーズ構成には『コードギアスシリーズ』の大河内一楼(おおこうち いちろう)。キャラクター原案には『超時空要塞マクロス』の美樹本晴彦(みきもと はるひこ)が携わっています。
そのため多くのアニメファンに注目され、同作品の主題歌「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」は、オリコン最高位2位にランクイン。EGOISTが手掛けた楽曲の中でも最高位に位置する主題歌となりました。
ここ最近の活動では、2021年に6月16日に配信限定シングル「絶体絶命」をリリースしています。同楽曲はスマートフォンゲーム『アズールレーン』の中国版4周年主題歌として起用されました。気になる方はぜひこちらもご試聴ください。
EGOISTのおすすめ曲
アニメ発という珍しい部類に属するEGOIST。その主題歌のほとんどがアニメと密接な関係にあり、作品をより彩る存在でもあります。しかし、中にはアニメ作品を観ていないことから、EGOISTをあまり聞かないという人もいるでしょう。
まだEGOISTについて詳しく知らない人のために、聞いて欲しい楽曲をピックアップして並べてみました。EGOISTを知るきっかけとしてぜひ聞いてみてください。
「Departures 〜あなたにおくるアイの歌〜」
2011年11月30日にリリースされた「Departures 〜あなたにおくるアイの歌〜」。
アニメ『ギルティクラウン』の初代EDテーマ曲として使用された楽曲。ヒロインである楪いのりが表現された恋愛ソングとなっています。多数の応募者の中からEGOISTとして選抜されたcherryですが、実はこの頃は歌い方に癖があったそうです。技術指導からも指摘されていましたが、プロデューサーのryoは逆にその癖が良いと太鼓判を押しました。これによってより感情の籠もったラブソングに仕上がり、楪いのりを等身大で表現することができたのかもしれません。
「The Everlasting Guilty Crown」
2012年3月7日にリリースされた「The Everlasting Guilty Crown」。
アニメ『ギルティクラウン』の2代目OPテーマ曲として使用された楽曲です。イントロから引き込まれ、サビでの盛り上がりが気持ちいいですね。ロック調のリズムにシンセサイザーのうねるような雰囲気が、中毒性のある曲調を作り上げています。
「名前のない怪物」
2012年12月5日にリリースされた「名前のない怪物」。
アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』の前期EDテーマに使用され、同作品の劇場版主題歌にも起用された楽曲です。長いイントロから物々しい雰囲気が漂い、Aメロではホラーゲームをプレイしているような緊迫感に包まれています。序盤ではスローテンポが中心となっているので、それが要因の1つでもあるでしょう。しかし、サビでは打って変わって疾走感に溢れる曲調へと変化します。序盤で抑えられた分、サビのカッコよさがより生かされています。
「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」
2016年5月25日にリリースされた「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」。
アニメ『甲鉄城のカバネリ』のOPテーマ曲として使用された楽曲です。作品の英題がそのまま曲名となったストレートさ。歌詞に“立ち上がれ”や“燃やせよ その命”という熱い言葉が多数散りばめられており、壮大な世界観を曲調以外でも感じることができるでしょう。音程の入れ替えが激しく、今回紹介する中でも激しさに富んだ曲となっています。
「英雄 運命の詩」
2017年8月16日にリリースされた「英雄 運命の詩」。
アニメ『Fate/Apocrypha』の前期OPテーマに使用され、制作に半年の時間を要しました。オーケストラやクワイアなどを取り入れた壮大さが特徴的な曲となっており、似たような曲で「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」がありますが、それをさらに上回っている印象を感じます。軍歌のような荒々しさでありながら、憂いが所々に込められ、戦争による様々な視点が描かれているようにも思えます。
最後に
2017年12月27日にリリースされたアルバム「GREATEST HITS 2011-2017 “ALTER EGO”」は、EGOIST初となるベストアルバムです。収録されている曲は全てryoによってリマスタリングされたもので、未発表音源「Departures~あなたにおくるアイの歌~」のアコースティックバージョンも収録されています。
今回の記事でEGOISTが気になった方は、ぜひこちらのアルバムも聞いてみてください。ここまでご覧いただきありがとうございます。
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