【RADWIMPS】新曲「あいたい」震災から10年の想いを綴った曲を徹底解説

【RADWIMPS】新曲「あいたい」震災から10年の想いを綴った曲を徹底解説


東日本大震災から10年目の2021年3月11日にRADWIMPSが発表した新曲「あいたい」は、被災者の心境を描くと同時に、強いメッセージを残す内容となっています。今回、歌詞の一部を抜粋して、「あいたい」に込められた意味を解説していきます。

RADWIMPSさんが新曲を発表したね


「あいたい」だね。早速SNSでも話題になっているよ


東日本大震災から10年の節目に作った曲らしいね


そうだね。それじゃ、今回はRADWIMPSの「あいたい」にどのような想いが込められているのか解説していこうか


よろしくお願いしまーす!

前衛的な歌詞やタイトルが特徴的なRADWIMPS(ラッドウィンプス)。強いメッセージと共に描かれ、これまで多くの人を震わせる楽曲を生み出してきました。

新海誠監督が手掛けたアニメ映画「君の名は。」「天気の子」では、その実力を遺憾なく発揮。作品に寄り添いながらも、RADWIMPSらしさを全面に押し出した曲は、RADWIMPSの知名度をより広めるきっかけとなりました。

以降にリリースしたオリジナルアルバム『人間開花』や『ANTI ANTI GENERATION』は、週間オリコンチャートで1位を獲得するなど、数値からも彼らの歌が多くの人に影響を与えていることがわかります。

そんなRADWIMPSが2021年3月11日に新曲「あいたい」を発表しました。東日本大震災から10年という節目にTwitterで発表されたこの曲は、またたく間に反響を呼び、大きな話題となっています。

今回の記事では、新曲「あいたい」の魅力と共に、歌詞やタイトルに込められた意味について詳しく解説していきます。

新曲「あいたい」とは

2021年3月11日に公式Twitterで発表されたRADWIMPSの新曲「あいたい」

同楽曲はYouTubeでもPVが公開され、現在では国内だけでなく、海外からも多くのコメントが寄せられています。

東日本大震災から10年という節目に発表

日本人にとって2011年3月11日という日は、忘れることができない日でしょう。

東北地方を中心に甚大な被害を与えた東日本大震災。関東大震災に次ぐ2番目の規模の被害となり、地震とそれに伴って発生した津波は、私たちの住む場所、そして心に多くの傷跡を残しました。

そして、その災害から10年の月日が流れた2021年3月11日。RADWIMPSの公式サイトおよびSNSで、新曲「あいたい」が発表されました。

「あの震災を忘れてはいけない」

そんな一言が添えられたかのように、今回の新曲「あいたい」には、遠い誰かを想う気持ちが溢れんばかりに記されています。

RADWIMPSが被災地へ寄り添い続けた10年間

10年の区切りだからRADWIMPSは楽曲を提供したのかといわれれば、そうではありません。ファンであれば知っているかと想いますが、RADWIMPSは震災からこれまでの10年間、被災地に寄り添う活動を続けていました。

東日本大震災直後に義援金プロジェクト「糸色 -Itoshiki-」を立ち上げ、毎年3月11日頃に被災地の想いを馳せた曲を書き上げ、映像とともに公開してきました。

被災された方からすれば、“10年の区切り”“10年の節目”という言葉を使うというのは違うかもしれません。震災の記憶というのは“忘れられない”ものだと思います。

しかし、ニュースの映像越しでしか知ることができない、実際に震災を目の当たりにしたことがない人にとって、その当時の記憶というのはどうしても薄れてしまうものです。

そんな中、RADWIMPSはその記憶や出来事を忘れてはいけないものとして自ら発信し続けてきました。彼らに限らず、多くのアーティストや著名人が、この被災地への支援を行ってきました。

自分たちの知名度を生かし、声を上げること。そうすることで震災で起きた出来事を忘れず、その時の教訓を後世に語り継ぐことができるのだと思います。

今、何をすべきかと考え、そして行動に移すことのできる彼らこそ、一流のアーティストの姿ではないでしょうか。

アルバム『2+0+2+1+3+1+1= 10 years 10 songs』に収録

震災からの10年間寄り添い続けたRADWIMPSは、この10年を節目の1つとして、これまで毎年発表してきた曲をコンセプトアルバム『2+0+2+1+3+1+1= 10 years 10 songs』として、2021年3月11日に発表しました。

実際に収録されているタイトルは以下のとおりです。

  1. 「白日 -10 years ver.-」
  2. 「ブリキ」
  3. 「カイコ」
  4. 「あいとわ」
  5. 「春灯」
  6. 「空窓」
  7. 「夜の淵」
  8. 「世界の果て」
  9. 「かくれんぼ」
  10. 「あいたい」

また、YouTubeや各種サブスクリプションでの配信もされているため、まだこれらの曲を聴いたことがない人は、ぜひ一度聴いてみることをおすすめします。

「あいたい」のタイトルと歌詞の意味を徹底解説

ここでは新曲「あいたい」のタイトルと歌詞を掘り下げて解説していきます。
シンプルでストレートな歌詞に込められたメッセージにぜひ注目してみてください。

返事のない、一方的なラブレター

震災から10年という月日が流れ、RADWIMPSはどのような想いで楽曲を作り続けてきたのか。その答えに彼らは「一向にわからない」と述べました。

忘れたくない、風化させたくない、寄り添いたい、今後の教訓にしたい、自己満足……それらは正解なようで、どれも的外れなのかもしれないと考えるRADWIMPS。

「この10年間というのは一方的なラブレターのようなものだったのかもしれません」

新曲「あいたい」を発表した際に残したコメントの1つです。

震災で傷ついたのは、今生きている人だけではありません。その災害に巻き込まれ、命を落としてしまった人も大勢います。

被災した人全てに向けての言葉。震災に対する悲しみ、怒りなど様々な感情が歌となり、RADWIMPSはこの10年で毎年曲を作り続けました。

その曲に勇気をもらった人も多いでしょう。しかし、その中には決して届かない人もいます。「あいたい」には、その想いが強く刻まれているようにも思えます。タイトルからも汲み取ることができるように、誰しも会いたいと思う人がいるでしょう。

会いたい 会いたい 会いたい 会いたい
君に 会いたい 会いたい 会いたい

話したい 触れたい 抱きたい 見つめたい
これを超える気持ちが今も 生まれない

https://radwimps.jp/aitai/lyrics/

曲全体で何度も繰り返されるこの歌詞は、そんな見えなくなった誰かへの想いが、溢れんばかりに込められているように思えます。

この問いかけ――ラブレターに返事はありません。しかし、頭ではわかっていても、それを言葉にせずにはいられない。もしかしたら、というわずかな願いが、今回の曲には込められているのかもしれません。

日常の中で“君”がふと頭をよぎる

君ならなんて言うかな 君ならどうしていたかな
君の「大丈夫」のひと言を 録っておきたかった

君がここにいないとダメな理由ばっか
だけを積み上げては気づけば早10年

君がいなくなって ほんの少しだけ軽く
なったこの地球で 今日も息をしてるよ

https://radwimps.jp/aitai/lyrics/

「君ならなんて言うかな」「君ならどうしていたかな」

日常の中のふとした瞬間、思い出すのは今ここにいない人。“君”という存在がどれだけ大きかったのか、無くした今だからこそわかるものがあると思います。

被災した人、もしくはそれに似た境遇を持つ人にとって、それは生きている間ずっと考えてしまうもの。忘れることができないもの。

被災は“過去”ではなく“現在”でもあることが、この歌詞を通じてわかると思います。

君がいなくなって ほんの少しだけ軽く
なったこの地球で 今日も息をしてるよ

https://radwimps.jp/aitai/lyrics/

魂には重さがあると聞いたことがあるかもしれません。それが本当かどうかはわかりませんが、大切な人がいなくなった時、ぽっかりと心に穴が開くということは、その重さがなくなったことではないでしょうか。

1人で生きていくというのは、非常に困難なことです。だからこそ私たちは、互いに助け合い、そして手を取り合って生きていく必要があります。

助け合うということは、重さを感じることだと思います。肩を貸す重さを感じ、助けて欲しいと重さを与える。その両方の立場を感じることができる時、私たちは生きているのだと実感するのです。

しかし、その大切な人がいなくなった時、その重さはなくなってしまいます。日常のふとした瞬間、その重さがかけがえのないものであると気付くかもしれません。

それでも生きていかなければいけない。残酷であるかもしれませんが、それはどうすることもできません。被災者や、それに似た出来事を味わったことがある人の境遇を、この歌詞で描いているのかもしれません。

この気持ちは“君”だけのものだとわかっている

話したい 触れたい 抱きたい 見つめたい
これを超える気持ちはきっと

この世のどこにもないと わかっているよ

https://radwimps.jp/aitai/lyrics/

似たような気持ちを抱くことはあっても、その気持ちがまったく同じであることはありえません。だからこそ、その気持ちは唯一絶対のものであり、超えることができないもの。

それはこの世のどこにもなく、何かで埋め合わせることはできないものでしょう。

日常の中で大切な人を思い出すのは、どうしても比べてしまう、当てはめてしまうからなのかもしれません。

頭では理解していても、心のどこかで期待してしまう。決して忘れることはできない出来事を抱きながらも生きていく。被災者にとって当時の出来事は過去ではなく現在であること。

そんな想いが強く描かれている歌詞ではないかと、この曲全体を通して思います。

当時の被災とは無縁だった人もいるでしょう。しかし、この曲を通して、今の日常で何が大切なのか、それが失われてしまう恐怖や悲しみをしっかりと考えてみてはいかがでしょうか。

最後に

いかがだったでしょうか。全体の歌詞から一部を抜粋して解説してみましたが、実際は正解はないのかもしれません。

しかし、RADWIMPSの作る楽曲はどれもメッセージ性が強く、今回の「あいたい」でも、何かを強く感じた人もいるのではないでしょうか。

実際に震災に遭っていない人にとっては、対岸の火事と思っている人も少なくないかもしれません。ですが、自分の大切な人たちを思い出してみてください。

その大切な人たちが突如消えてしまうことは、非常に恐ろしいことであると感じることができると思います。

新曲「あいたい」は、そんな被災者たちの心境を描くと同時に、日常であるものが消えてしまう恐ろしさを伝えてくれているのかもしれません。この曲、そして今回の解説を通して、何かのきっかけになれればと思います。

それでは、ここまでご覧いただきありがとうございます。

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