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猪狩蒼弥:才に溢れ己を磨き続ける生ける伝説
猪狩蒼弥のラップについて
3人目に紹介するのは、ジャニーズJr.のグループHiHi Jetsに所属している猪狩蒼弥さんです。
国民的アイドルグループ嵐に所属する櫻井さん、今年デビューを果たしたSixTONESに所属する田中樹さんと比べると流石に一般の知名度は劣ってしまいますが、猪狩さんのラップの実力も本当に凄まじいです。
猪狩さんを表すならば、まさに才能の塊、天才、カリスマ。そんな言葉が彼には似合います。
若干17歳にして作詞作曲も行い、その全てが規格外。
自身の内側に確かな形として存在しているであろう世界観や、自作の歌詞に込めたメッセージをその圧倒的な教養、語彙力によって鮮明に私たちに訴えかけてくるのが猪狩さんの曲の最大の魅力だと思っています。
猪狩さんは今年2020年に18歳になる年齢ということでまだ高校生です。その若さであの世界観が作れるのは本当に偉大なことだと思います。
大前提として、動画内や文章での姿を見るに猪狩さんは非常に聡明で精神年齢も高い方だということは明白です。
元々ローラースケート場でローラスケートしてるところに、ジャニーさんがたまたま訪れスカウトされたことがきっかけで事務所に入所した猪狩さん。
グループでは最年少ながら振り付けを行ったりリハを先頭立って指揮し、グループ合同企画で司会をすれば先輩だらけの場を見事にまわし、プロ意識もずば抜けている。
ここだけを見ても猪狩さんの大人らしさというものが伝わってきていると思いますが、さらに楽曲を聴けば瞬間、マイク一本で彼が創り出す世界に没入し、「ああ、言葉を失うというのはこういうことなんだな」とハッと気づくかされることになります。
ジャニーズJr.は歴史として戦争をテーマにした舞台などを行うことが多いです。これは故・ジャニー喜多川さんの平和に対する強い思いからのことですが、その舞台の中で猪狩さんは戦争という出来事に対する自作のラップを披露しています。
もちろん猪狩さんは戦争を経験した年齢ではありませんので、全て本やニュース、伝聞などで得た知識を基に書いたものになりますすが、それでこんな歌詞が書けるのかと言うのがはじめてみた時の感想です。
「犠牲は犠牲で賄い」「己捨てて拾う銃」「徐々に軽くなる命の重み」「踏めない故郷 飾りたい錦」
自分は直接舞台でこの歌を見たわけではありませんが、ジャニーズJr.公式エンタメサイトのISLAND TVにて、Jr.SPの松尾龍さんが猪狩さんの髪型をセットしている動画で猪狩さんがこのこのラップを口ずさんでる姿を見て知りました。
戦争という異常な環境。人間が人間でなくなっていく様子。戻れないと分かりながらも故郷を思う気持ち。
なんの変哲も無い一室でさらっと言葉を確認するように歌う彼の姿を見ただけで戦時中の方々のそのような様子に思いを馳せ、完全に心を支配された感覚になったので、これを舞台上で聞いたらどんなものだったかと思うとゾッとしてしまいました。
また、猪狩さんの文才を感じられるものとして、ジャニーズweb内での彼のブログがあります。
ブログ内では普段の出来事だったり仕事の内容を話すことが主ですが、時折猪狩さん作のショートストーリー(小説)のようなものを投稿しています。
そちらは有料のものなのでここで深く紹介することはできませんが、彼の底知れない才能の一辺を確かに感じ取れるものになっています。
この記事を読んで興味を持った方はぜひ見ていただきたいです。
Fence:夏の六本木に突如現れた文芸作品
そんな猪狩さんのソロ曲で紹介するのはこちらのFenceという曲。
2019年に六本木EXシアターで行われたコンサートサマステの中で初披露されました。
弱冠17歳の彼が何の前触れもなくガチガチのスリーピースの黒スーツとサングラスを身につけ、拡声器片手に自作のゴリゴリのラップを披露する姿にはもはや衝撃を超え大事件とも言えるべきことでした。
彼にとってはきっとこの衣装こそが自身の戦闘服であり、言葉、ラップという確固たる武器を披露するには、この服装が最も相応しく、自身の相棒に対して最も紳士的であったのではないでしょうか。
その出で立ちは、まさに貫禄。そこにいるのは、パフォーマンスを行う17歳というよりも、17歳という服を着た才能と研磨の爆発なのではないかと思ってしまうほど。
歌い出しの時点で、まず言葉遣いの巧さに舌を巻きます。猪狩さんからは「他人の戯言なんて気にならねぇ俺たちはひたすら上に行って伝説になる」という強い意志を日々の姿からしばしば感じますが、この楽曲はまさにそんな猪狩さんを体現した曲となっていると感じました。
また猪狩さんは幼少期に両親に四字熟語かるたをねだるほど昔から国語、日本語に慣れ親しんでおり、その経験から自然と身についた語彙力を存分に使った心をつかむ言い回しが各所に散りばめられているのも特徴の一つですね。
また高速ラップの最後の「俺は俺だ違いますか」という部分にも、猪狩さんのコアが凝縮されていると思います。
何を目指しているのかと問われた返しに一点の曇りも無くそう切り返す17最の恐ろしさたるやです。
本当に猪狩さんは自分という才能を信じて疑わず清明正直で、けれども慢心はせず、常により高みへのステップを踏んでいくことへの飽くなき意識が核にある人間であるということを全身で感じたような体験をしました。
この彼の唯一性、芯のまっすぐさ、カリスマ性に人は憧憬し、そして魅せられる
のだと、ハッキリと感じました。
eyes of the future:伝説のグループになることの誓い
こちらはソロ曲ではなくHiHI Jetsのグループ曲になります。
こちらの「eyes of the future」という曲はテンポが良く、HiHi Jetsらしい明るくノリのいい曲調で進んでいきます。
前半は英語詞も多く、サビのメロディなども夏に思い切り盛り上がれるような爽快感と宴感に包まれていますね。
しかし猪狩さんのラップパートからは一転、EDM的な音も増え、ハウスミュージック感のある音の取り方に変わって一気にスタイリッシュさが増します。
この曲はサビで「Look into the eyes of the future」となんども歌われるように、彼らの未来に向けられた曲であると察せられます。
前述の通り、HiHi Jetsというグループは「伝説のグループになる」ことを目標として明言してい流ので、この曲を彼らが歌うこと自体に意味があると思っています。
そんな中、明るいメロディーで輝かしい未来を唄っていてサビから、猪狩さんのパートを機に急に真剣な雰囲気にスイッチ。そこでは
「出口のない海」
「小さい時みたHEROでいたいのに」
など、猪狩さんの書く詩としては珍しくこれからの自分たちに対する不安のようなものが感じ取れる歌詞が。
そして低音も混じったクールな間奏を経て、曲は再度サビに戻り今までの明るい曲調に。
そしてその後また猪狩さんのラップパートがありますが、
「We’re gonna be a legend」
「まあ黙って見とけよ成功者」
と、先ほどとは打って変わって猪狩節が炸裂。
HiHi Jetsというグループがこれまで歩んできた時間が、今の彼らの絶対的な信念を作り上げている。
もしかすると、そんな彼らの心境の変化の過程を、あえてHiHi Jetsのメタファーと捉えられるサビに挟んで表現していたのかもしれませんね。
彼の真髄を感じるためには、まずは彼のパフォーマンスを自身の目で見て感じるのが一番であると感じます。
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最後に
ということで、今回はジャニーズの中で特にラップというものに関して錚々たるメンバー3人を選出し、ご紹介してきました。
彼らの有り余る魅力を表現するために随分と長い文章となってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
気になる方が見つかれば、ぜひ彼らのパフォーマンスを見に行って見てください。