目次
ミュージカル『DREAM BOYS』のストーリー
ここまで『DREAM BOYS』の歴史を紹介してきましたが、物語はどのように進行していくのでしょうか。
ここでは、玉森裕太さん主演、千賀健永さん、宮田俊哉さんが出演している2015年度と2016年度の2年間のストーリーを例に、解説します。
ネタバレを含みますので、今後DVD等で鑑賞予定のある方はお気をつけください。
主な登場人物
- ユウタ(玉森裕太さん)…主人公
- ケント(千賀健永さん)…チャンプ
- トシヤ(宮田俊哉さん)…プロデューサー
- ユウキ(川﨑皇輝さん)…主人公・ユウタの弟
- マダム(鳳蘭さん)…プロダクションの社長
- リカ(紫吹淳さん)…マダムの部下
2016年の弟役は髙橋海人さんに変更となり、役名もカイトに変更されています。
ストーリー
ユウタ、ケント、トシヤの3人は幼馴染。ユウタとケントはボクサー、トシヤはマダムが社長のプロダクションでプロデューサーとして働いていて、進んだ道こそ異なるもののその仲の良さは変わらずに、交流を続けていました。
そんな中、同じボクサーとして頂点を目指していたユウタとケントの仲に亀裂が入る出来事が起きてしまいます。
新人王決定戦の決勝に勝ち残っていた二人でしたが、ユウタが前日の夜に突然棄権をしてしまうのです。
共にトップを目指し切磋琢磨してきたケントは、ユウタのその無責任な行動に激怒し、ユウタを拒絶するようになってしまいます。
図らずもボクシング界の頂点に立ったケントでしたが、どこか満たされない気持ちを抱えることに。
一方のユウタは、億単位の大金を求めて、リカがプロデュースする映画の主演を務めることになりました。
ユウタが大金を必要としていると知ったトシヤの援助もあり実現した配役でしたが、その映画の撮影現場に突然ケントが殴り込みに来てしまいます。
「今すぐ撮影を中止しろ!」
そう激高したケントでしたが、それもそのはず、その映画はチャンプ(ケント)の半生を題材にしたものだったのです。
ケントの
「きちんとしたボクシング映画を作るなら主役が違う」
という主張により、現場の責任者であるリカは撮影の中止を決定します。
大金を手に入れる当てがなくなってしまったユウタでしたが、彼にはどうしても諦める訳にはいかない理由がありました。
その理由は彼の弟であるユウキ(2016年度はカイト)にあります。
ユウキ(カイト)は、重い心臓病を抱えていて、早急に手術を行わないと生き続けることができなかったのです。
「弟のために、どうしても映画を成功させる必要がある」
そう考えたユウタは、ケントのボクシングジムに向かいました。
ジムに訪れてきたユウタを見たケントは、当然のごとく追い返そうとします。しかし、ユウタは引き下がりません。あろうことか、土下座までしてしまうのです。
「映画の撮影を続けさせてくれ、頼む」
床に頭を付けながらお願いをしてきたユウタに対して、ケントはこう告げました。
「俺とボクシングの試合しようぜ、俺に勝ったら映画の撮影続けさせてやるよ」
その場に居合わせたトシヤは、ケントは現役のチャンピオンであることやユウタは一切トレーニングしていないことを理由に、危険であると試合を止めようとします。
しかし、ユウタにとってはせっかく手に入れたチャンスであり、これを逃す手はありません。
こうしてユウタとケントは、果たせなかったあの日の試合をやり直すことになったのでした。
迎えた試合当日。多くの声援を浴びながら、拳を交わす二人でしたが、ケントに異変が起きます。
ユウタの一撃でKOされてしまい、ケントはそのまま意識不明となってしまうのです。
誰もが予想しなかった展開で、さらに衝撃の出来事が起きました。ユウタのグローブの中から、鉛の板が見つかってしまったのです。
不正を疑われ、弾糾されるユウタ。
当然、ケントのジムメンバーはユウタに強い恨みを持つことになります。
騒ぎが落ち着くまでと身を隠していたユウタでしたが、ケントのジムメンバーがその居場所を突き止めてしまうのです。
彼の手には、銀色に光るナイフがありました。
ケントの敵を討とうとする彼とユウタは、激しくもみ合います。
そこに、ユウタの弟であるユウキ(カイト)が現れました。
二人の様子を見たユウキ(カイト)は争いを止めるべく、自分ももみ合いの中に入っていきます。
その中でたまたまナイフを手にしてしまったユウキ(カイト)は、偶然にもユウタを襲ってきた彼を刺してしまうのです。
それを目の前で目撃していたユウタは、ユウキ(カイト)からナイフを取り上げ、
「絶対に誰にも言うなよ」
と口止めをします。
その直後に、ユウキ(カイト)が心臓発作で倒れてしまいました。
ケントのジムのメンバーである彼も意識がないため、駆け付けた人々から見たらナイフを持っているユウタが彼を刺したとしか考えられません。
この状況でユウタが放った一言がこちら。
「何もかも引き受けてやろうじゃねえか」
ユウタはこの不利な状況で逃げ出し、自分で全てを解決に導こうと決意したのでした。
果たして、真実は明るみに出るのか、ユウキ(カイト)は救われるのか、ケントとジムメンバーの彼の意識は戻るのか。
そして、3人は昔のように仲の良い存在に戻れるのか。
これは、ボクシングを題材とし、男たちの友情と絆をテーマにした物語です。
2015年度の公演と2016年度の公演の違いは?
前項にてストーリーを解説しましたが、この展開は基本的なものであり、公演年度ごとにストーリーが異なるのが『DREAM BOYS』の魅力です。
ここでは、結末が大きく異なった2015年度と2016年度の公演の違いを解説します。
ここからは、結末を含むネタバレがあります。
2015年の『DREAM BOYS』
2015年は、例年通りのストーリー展開でした。
ボクシングの試合で敗戦し、そのまま意識不明だったケントはあるとき病室で意識を取り戻します。
その激しいボクシング人生の影響で、身体がボロボロだったケントは
「もうボクシングのチャンピオンには戻れないかも」
と語りだしました。
ケントがいる病室のベッドの傍らにいたのは、心臓発作で倒れて同じく入院していたユウキです。
ボクサーになるという夢を持っているユウキを、ケントが励まします。
そして去っていったユウキと入れ替わりに来たのがトシヤです。
バラバラになった自分たちを繋げられるのはトシヤしかいない、そう涙ながらに伝えたケントはそのまま息を引き取ってしまいました。
その後、鉛の板を入れた首謀者が発覚し、ナイフの事件に関しても誤解が解けることになります。
また、ユウキの心臓病についても、ケントのものを移植することによって解決したのです。
ケントの分まで強く生きる、そう決めた人々が新たな絆を手に入れることで物語は終結しました。
2016年の『DREAM BOYS』
この年度の『DREAM BOYS』は、悲劇的なシーンで幕を閉じました。これは、ジャニー氏が演出する物語の中でも異例です。しかし、ただ悲しい結末なのではありません。
2015年度の展開と同様に病室で意識を取り戻したケントは、ユウタの弟であるカイトと会話をした後に訪れてきたトシヤとも会話をしています。
そのままトシヤは病室を後にし、ケントは一人きりになります。
そこで、自分がどうにかしないとと考え、病院から抜け出すのです。
そして、ケントが同席した上で話し合いの場が設けられ、
「ユウタのグローブには鉛の板は入っていなかった」
と証言します。
続いてナイフでの事件についても濡れ衣を晴らし、残す問題はカイトの病気のみに。
これも、マダムが移植する心臓を見つけてくれたとのことで手術が決まり、そして成功しました。
全ての問題が解決し、幼い頃のように仲良く語り合うユウタ、ケント、トシヤの3人。
3人の想い出の場所である白いベンチに並びながらこれからの夢を話していましたが、そこでケントが想い出の歌を唄おうと言い出します。
その曲を口ずさみながら、意識が薄れていくケント。ついに、そのまま息が絶えてしまいました。
そのケントの肩を優しく抱き寄せるユウタと、名前を叫んで泣き崩れるトシヤ。
悲しい結末ではありますが、どこか優しさも感じるシーンで涙なしには見ることができません。
ミュージカル『DREAM BOYS』の今
様々な変更を加えながら上演されてきた『DREAM BOYS』ですが、現在はどのように進化しているのでしょうか。
2016年度にあったラストシーンの大きな変更は2018年度にも引き継がれましたが、2019年度で元のストーリーに戻っています。
2017年度は上演されていません。
この2019年度はキャストが一新し、King&Princeの岸優太さんと神宮寺勇太さんの二人がメインキャストとなったためだと思われます。
また、この年度の公演が始まる直前に、演出を担当していたジャニー喜多川社長が逝去されました。
そのため、同じく帝国劇場で上演されているミュージカル『Endless SHOCK』の主演であり、演出も務める堂本光一さんがこの『DREAM BOYS』の演出や演技指導を担当されています。
また、2021年度からは再びキャストが変更となり、Sexy Zoneの菊池風磨さんとSix TONESの田中樹さんを中心とした舞台に生まれ変わります。
引き続き、演出は堂本光一さんが行うとのことで、これからの期待が高まる一方です。
2023年の『DREAM BOYS』は?
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帝国劇場9月公演
「#DREAMBOYS #ドリームボーイズ」
㊗️開幕🥊
\#新生ドリボ 開幕のニュースは
本日以降のスポーツ紙、
情報番組にてチェックしてください✨#渡辺翔太#森本慎太郎#7MEN侍#少年忍者#堂本光一 pic.twitter.com/QHczjviouc— 東宝演劇部 (@toho_stage) September 9, 2023
今年2023年も上演が決定している、ジャニーズ事務所(現:SMILE-UP.)の伝統的ミュージカル『DREAM BOYS』。
2021年からの2年間にわたってメインキャストを務めた菊池風磨さん(Sexy Zone)、田中樹さん(SixTONES)からバトンを託されたのは、渡辺翔太さん(Snow Man)と森本慎太郎さん(SixTONES)でした。
錚々たる顔ぶれの先輩たちが務めあげた歴史の重さゆえ、一度は出演を辞退したふたりでしたが、演出を担当する堂本光一さん直々の説得により、大役に向き合うこととなりました。
ふたりの不安を払拭するため、ジャニーズの先輩たちも全力で舞台をサポート。フライングは堂本光一さんが、ウォールフライングは亀梨和也さんが指導・助言をおこない、ファンを魅了するためのパフォーマンスに磨きをかけています。
2023年の上演期間は、9月9日から同月28日まで。会場は例年通り帝国劇場となります。
ジャニーズ事務所(現:SMILE-UP.)からは、有望株として注目が集まる7 MEN 侍(中村嶺亜、本高克樹、菅田琳寧、佐々木大光、今野大輝、矢花黎)、少年忍者(川崎皇輝、ヴァサイェガ渉、北川拓実、黒田光輝、安嶋秀生、内村颯太、深田竜生、元木湧、檜山光成、青木滉平、豊田陸人)のメンバーが出演。
『DREAM BOYS』ファンにはお馴染みの紫吹淳さん、鳳蘭さんの実力派女優陣は今年も健在です。
券種はS席13,300円 A席8,500円の2種類。公演数は1日1公演もしくは2公演となっています。詳しくは公式ホームページの情報を確認してください。
▼渡辺翔太さんと森本慎太郎さんの解説記事はこちら!
『DREAM BOYS』・最新情報
2024年『DREAM BOYS』出演者決定
2024年10月9日から帝国劇場にて上演の『DREAM BOYS』の出演者が発表されました。
主演を渡辺翔太(Snow Man)、チャンプを森本慎太郎(SixTONES)の配役は前回から継続で、少年忍者から20名が出演することも明らかとなっています。
2025年2月をもって一時休館予定の現・帝国劇場としては最後の上演となる『DREAM BOYS』は、2024年10月9日(水)~10月29日(火)の日程で開催されます。
まとめ
ここまで、ミュージカル『DREAM BOYS』の魅力について解説しました。この作品は様々な変更を加えながらも長く上演され続けていることがお分かり頂けたでしょうか。
ジャニー喜多川社長が亡き今も、その物語は止まらずに進み続けています。
「Show must go on」
これからも進化していく『DREAM BOYS』から目が離せません。
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