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ヒップホップを語るうえで欠かせない専門用語
ヒップホップの人気度が年々増している昨今。
YouTubeの再生回数や、音楽ストリーミングサービスの再生回数も他のジャンルに負けていません。
今やヒップホップは日本の音楽シーンのメインストリームと言っても過言ではないでしょう。
音楽好きを謳う人達は、もはやヒップホップを避けて通ることはできません。
そこで今回は、ヒップホップ業界で使われている専門用語をご紹介します。
どれもヒップホップを語るうえで欠かせない用語なので、必ず覚えておきましょう!
MC(エムシー)
MCとは、ラッパーのことです。
よくメディアで「2MC 1DJ」と紹介をされるグループがいますが、これは2人のラッパーと1人のDJという意味になります。
ヒップホップ好きなら誰でも知っているレジェンドグループ・RHYMESTER(ライムスター)やスチャダラパーも「2MC 1DJ」だね!
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フリースタイル
フリースタイルとはあらかじめ歌詞を決めず、即興でラップすることです。
ヒップホップ界では、フリースタイルでレコーディングしてしまうラッパーも少なくありません。
日本だけでなく世界各国で人気を博しているカリスマラッパーKOHH(コー)は基本的にフリースタイルで楽曲を制作しています。
即興でレコーディングしちゃうなんて凄い!
ラッパーは頭の回転が速いんだね!
サイファー
サイファーとは、数人が集まり一緒にフリースタイルでラップをすることです。
ヒップホップの文化が世間にあまり浸透していない頃は、サイファーしていると周りの人に冷ややかな目を向けられていました。
しかし、ラッパーがTVやラジオなどさまざまなメディアに出演するようになってからは多くの人に認知され、公園や路上、学校など至る所でサイファーが行われています。
僕も駅前でサイファーしている人達を見かけたよ!
実は、サイファーは誰でも参加できるんだよ!もちろん飛び入り参加OK!
知らない人同士が、サイファーしていることも少なくないんだ!
ラップの上手い下手もあまり関係なく、ラップを楽しむ気持ちがあれば老若男女問わず歓迎されるよ!
MCバトル
MCバトルとは、相手ラッパーをディスりつつフリースタイルラップをし合うものです。
MCバトルは、一大ムーブメントを起こしたBSスカパー!のバラエティー番組「BAZOOKA!!! 」の企画「高校生RAP選手権」やテレビ朝日で放送されていたバラエティ番組「フリースタイルダンジョン」などの影響もありヒップホップファンだけでなく、これまでヒップホップに触れてこなかった人達にも人気を博しています。
ヒップホップの間口が広がったのは、MCバトルのおかげと言っても過言ではないでしょう。MCバトルが人気になったタイミングでサイファーをする人も一気に増えたね。
今では日本各地でMCバトル大会が開催されています。
とくに、全ての勝敗を観客が決めるMCバトル大会・ULTIMATE MC BATTLE(アルティメットエムシー バトル)や、Twitterのフォロワー10万人超えのMCバトル大会・戦極MCBATTLE(センゴク エムシー バトル)はMCバトルファンの間で絶大な人気を誇っています。
人気ヒップホップユニットCreepy Nuts(クリーピーナッツ)のR-指定(アールシテイ)はULTIMATE MC BATTLEで3連覇という偉業を達成したね!
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ライム
ライムとは、韻を踏むことです。
韻を踏むとは、言葉の母音を合わせることを言います。
「ライミング」と言う場合もありますね。
ライムはラッパーの基本中の基本です。
韻を踏むことによって、ラップにリズムが生まれ、聴き心地が良くなります。
韻を踏まないと、どうしても単調で退屈なラップになってしまいがちです。
人気音楽番組やバラエティ番組などに引っ張りだこの人気ヒップホップユニットCreepy NutsのメンバーR-指定や「語感踏み」で一躍有名になった若手ラッパー韻マン(インマン)、耳の肥えたヒップホップリスナーから絶大な支持を得るラップグループICE BAHN(アイスバーン)のメンバーFORK(フォーク)は他のラッパーとは一線を画すライミングをすることで有名です。
例として「国語」で韻を踏んでみるね!
国語はローマ字に変換すると「ko・ku・go」。
つまり母音は「o.u.o」だから「倉庫」や「速度」などで韻を踏めるね!
これで3文字で韻を踏んだことになるね!
R-指定や韻マン、FORKなどライミングセンス抜群のラッパーは、10文字前後で韻を踏んでしまうんだ!凄いとしか言いようがないね!
ライムは「このラッパーはライム刻んでるね!」や「このラッパーのライミングはヤバい!」といった使い方をします。
国民的ラップスターKREVA(クレバ)が人気女優・川口春奈のYouTubeチャンネルの動画にて「韻についての解説」をしています。「ライムについてもっと知りたい!」という人はぜひチェックしてみてください。
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フロウ
フロウとは、ラップの節回し(抑揚や強弱)のことです。
歌手でいう、歌い方にあたるのが「フウロ」と言った方が、イメージし易いかもしれません。
フロウをつけることによってラップが単調にならず、メリハリが生まれます。
使用例は「アイツのフロウは聴いてて気持ち良い」や「あのラッパーはライムよりフロウを大事にしているな」などです。
イケてるフロウをするラッパーは数多くいますが、その中でもLDH MUSIC所属の人気ラッパーSALU(サル)や今人気急上昇中のラッパーLEX(レックス)、ヒップホップファンのみならず、数多くの有名人のファンを持つベテランラッパー鎮座DOPENESS(チンザドープネス)のフロウは、他のラッパーと一線を画しています。
興味のある人は、是非彼らのラップを聴いてみてください。
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リリック
リリックとは、歌詞のことです。
「この曲のリリック心に刺さるな」や「ヒップホップはリリックが重要でしょ!」といった使い方をします。
また、歌詞が秀逸なラッパーのことをリリシストと言います。
リリシストとして有名なのが、コアなヒップホップリスナーに支持され続けているベテランラッパーNORIKIYO(ノリキヨ)や今最も注目されていると言っても過言ではない実力派ラッパーZORN(ゾーン)です。
心に沁みる楽曲を聴きたい人は、彼らの楽曲を聴くことをおすすめします。
NORIKIYOとZORNは「Learn 2 Learn(feat.ZORN)」という楽曲でコラボしています。
「過去の過ちと今の想い」を綴った2人の歌詞は必見です!
パンチライン
パンチラインとは、グッとくるリリック・印象に残るリリックのことです。
ラッパーにとってパンチラインは非常に重要なものです。
たくさんのパンチラインを生み出すラッパーが「イケてるラッパー」と言えるでしょう。
パンチラインをたくさん生み出すラッパーとして有名なのは、上記で挙げたZORNやKOHH、ラッパーだけでなくロックバンドやシンガーソングライターとも楽曲コラボしているジャンルレスなラッパーAKLO(アクロ)です。
使用例は「この曲パンチラインだらけだな!」や「この歌詞パンチラインだな!」などです。
トラック
トラックとは、ラップを乗せるバックミュージックのことです。
ビートと呼ばれることもあります。
「このトラックかっこいいな!」や「アイツのラップと、このトラック相性いいな」といった使い方をします。
トラックを作る人を「トラックメイカー」や「ビートメイカー」と呼びます。
日本のヒップホップシーンで有名なトラックメイカーは、国民的ダンス&ボーカルグループEXILE(エグザイル)やレジェンドラッパーZeebra (ジブラ)などさまざま有名アーティストに楽曲提供しているBACHLOGIC(バックロジック)や、マネジメント兼レーベル会社 「BMSG」(ビーエムエスジー)を設立したことでも有名なラッパーSKY-HI(スカイハイ)やロックなラッパーとして今大注目の若手ラッパー(sic)boy(シックボーイ)などに楽曲提供しているKM(ケーエム)です。
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昔、BACHLOGICの楽曲と偽って、若手ラッパーに高額な金銭を要求する「BL詐欺」がヒップホップ界隈で横行したことがあったんだ!
それは凄い!詐欺になってしまうくらいBACHLOGICはヒップホップ界隈で絶大な支持を得ているんだね!
ラッパーと比べると、どうしても注目されにくいトラックメイカー。
しかし、日本には上記で紹介した2人以外にも、カッコいトラックを作るトラックメイカーはたくさんいます。
ラッパーだけでなくトラックメイカーにも注目することで、ヒップホップの面白さをより深く感じ取ることができるでしょう。
「このトラックは誰が作ったのかな?」と楽曲クレジットを見てみるのもいいかもしれません。
ヴァース
ヴァースとは、簡単に言うとラッパーがラップをしている部分のことを指します。
歌で言う「Aメロ」や「Bメロ」の部分ですね。
基本的に歌モノは「Aメロ」→「Bメロ」→「サビ」の順番に構成されていますが、
ラップの場合「1ヴァース」→「サビ」→「2ヴァース」という構成になっています。
使用例は「アイツのヴァースが一番イケてた」や「2ヴァース目の歌詞が最高だな!」などです。
フック
フックとは、サビのことです。
使い方は「この曲はフックがイケている」や「フックの聴き心地の良いね」などです。
一昔前のヒップホップはサビでもラップするラッパーが多かったのですが、最近のラッパーは結構歌ってます。
最近はラップだけでなく「メロディー」を重視するラッパーが増えてきたね!
シンガー顔負けの歌声を披露するラッパーも少なくありません。
なかでも、SALUや人気ヒップホップグループBAD HOP(バッドホップ)のメンバーT-Pablow(ティーパブロ)など多数の有名ラッパーと共演しているラッパーYOUNG FREEZ(ヤングフリーズ)の歌声はピカイチです。
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レペゼン
レペゼンは、代表という意味です。
英語のrepresent(レプレゼント)を短縮したものだね!
ヒップホップでは主に「レペゼン〇〇」といった使い方をしています。
「〇〇」には自分の出身地が入る場合が多いです。
青森出身のラッパーだと「レペゼン青森」になるね!
レペゼンは「Rep(レップ)」と略されることもあります。
人気ラッパーZORNの作品に「Rep」という楽曲があります。
同作は、神奈川県横浜市出身の大御所ラッパーMACCHO(マッチョ)とのコラボ楽曲。
地元をレペゼンする気持ちを綴った歌詞が印象的な作品です。
レペゼンの使われ方を深く知りたい人は是非、聴いてみてください。
チル
チルとは、Chill Out(チルアウト)が元になっている言葉です。
意味は「まったりする」や「くつろぐ」といった意味です。
2021年5月に「CHILL OUT」というリラクゼーションドリンクが発売され話題となったね!
チルは今後ヒップホップを知らない人にも広まっていくかもしれないね!
チルは主に「カフェでチルしよう!」や「今、友達とチルってる」といった使われ方をしています。
チルは、ヒップホップの曲に多く使われているので早めに覚えておきましょう。
a.k.a.(エーケーエー)
a.k.a.は英語の「also known as」を略した言葉。
「別名」や「またの名を」という意味です。
a.k.a.を使用しているラッパーは多くいます。
有名どころだと「フリースタイルダンジョン」の初代モンスターとして活躍したベテランラッパー漢a.k.a.GAMI(カンエーケーエーガミ)や「高校生RAP選手権」で連覇した経験を持つ実力派ラッパーMC☆ニガリa.k.a赤い稲妻(エムシーニガリエーケーエーアカイイナズマ)がa.k.a.をMCネームに使っているね!
ヘイタ―
ヘイタ―は「妬んでいる人」や「批判してくる人」のことを指します。
ラッパーの作品にはヘイタ―ついて歌った曲が多くあります。
売れているラッパーほど、ヘイタ―が多いと言われているね!
ラッパーにはヘイタ―が付き物!
ヘイタ―について歌った作品で有名なのが、神奈川県出身のラッパーT.O.P.(ティー・オー・ピー)の「Hey Hater」という楽曲。
ユーモア全開のT.O.P.のリリックは必見です。
イル
イルは「病的にカッコいい」や「病的にイケている」という意味です。
ラップスキルや、楽曲のカッコよさを称賛する時に使われることが多いです。
英語の「ILL」(病気、病んでいる)から派生した言葉です。
主に「アイツのラップスキルはイルだ」といった使われ方をしています。
最後に
今回はヒップホップを語るうえで欠かせない「ヒップホップ用語」を16個紹介しました。
この記事で、ヒップホップをより身近に感じてくれたら嬉しいです。
今後さらに注目を浴びるであろう日本のヒップホップ。
乗り遅れる前に、ヒップホップ用語は早めに覚えておきましょう!