脱K-POP初心者!今さら聞けない専門用語のハナシ【後編】

脱K-POP初心者!今さら聞けない専門用語のハナシ【後編】

ミョンダン


事前録画(サノク)やコンサートの当日券などでよく聞かれる言葉です。ミョンダンは「名簿」という意味を持つ言葉なのですが、サノク参加やコンサートの当日券を購入するために順番を決める方法がミョンダンです。

サノクや当日券購入など、列ができてしまう現場では誰が1番に来たのか、後から来た人と順番がわからなくなってしまう、周りの店舗の迷惑になってしまうなどのトラブルがあります。それを防ぐためにミョンダンが行われています。

ミョンダンって、何をするの?

ミョンダンの方法は「決められた時間に決められた場所で並ぶ」ことです。その際に自分の名前と電話番号をミョンダンをまとめている人たち(主にファンが有志でやっていることが多い)に伝え、腕にマジックで番号を書いてもらいます。

そして、決まった時間に番号の確認作業が行われます。名簿に書かれた名前と電話番号、腕に書いてある番号をチェックするのですが、確認の時間に列にいなかった場合はミョンダン失敗となり、取り消しとなるので注意してください。最初から並び直し、または参加資格がなくなります。

この点呼確認は、数回に渡って行われるため、ファンは常に会場の近くにいなければなりません。「次の点呼は○時からです」と伝えてくれますが、あまり遠くに行ってしまって確認に間に合わなかったということがないようにしましょう。

MEMO

ミョンダンは深夜や早朝に行われることがほとんどなのでファンは徹夜覚悟で並びます。レジャーシートや椅子、食べ物など事前に準備して挑みましょう。

また、ミョンダンを行うのは、スタッフや関係者ではなくファンが行うことが多いため「韓国語がわからなかったという」言い訳は通じません。数字の聞き取りや簡単なやり取りができる言葉は練習しておくといいかもしれません。

サポート

韓国では、ファンがアイドルに様々なプレゼントをします。物だけではなく花だったり食べ物だったり…。そのプレゼントを総称して「サポート」と呼んでいます。

サポートの種類

  • お弁当の差し入れ
  • コーヒーワゴンをロケ現場へ差し入れ
  • 誕生日のプレゼントサポート、広告の掲示
  • 福祉サポート

コーヒーワゴン


韓国では「食べる」ことがとても重要視されています。挨拶でも「밥 먹었어?(ご飯食べた?)」と必ず聞かれます。そこで、アイドルがドラマ撮影でロケに出るときには、現場に「コーヒーワゴン」が出現します。

ワゴンにはファンが作ったアイドルの垂れ幕や映像、ポスターなどが飾られ、コーヒースリーブなどにも写真がプリントしてあったりします。他の共演者やスタッフも利用できるため「素敵なファンがついているんだな」と、そのアイドルたちの株を上げることにもなります。

お弁当サポート


コーヒーワゴンと似ているのが「お弁当のサポート」です。主にお弁当やケータリングで、アイドルの顔写真を使ってラッピングされた美味しそうなお弁当がアイドル本人はもちろん、スタッフにまで振る舞われます。

「温かい物を食べてもらいたい」という気持ちから、ビュッフェ形式の食堂が出現することもあります。ファンがお金を出しているのですが「○○さんが全部奢ります」と、まるでアイドルが御馳走するかのような垂れ幕が準備され、本人としてはとても嬉しく誇らしい気持ちになるようです。

センイルサポート


そして、最も有名なのが「誕生日のお祝い広告」です。韓国では常に誰かの誕生日が祝われていると言ってもいいくらい地下鉄の駅やバス停、ビルなどにアイドルの誕生日お祝い広告が掲示されています。

これは「センイル(誕生日)サポート」と呼ばれ、誕生日の1ヶ月ほど前から始まります。アイドルの写真を無断で広告に使うことは著作権の点から問題視されそうですが、アイドルの宣伝をしてくれる効果もあることから事務所側も特に注意はしていません。

広告だけではなく、ファンがお金を集めてブランド物の洋服や携帯電話をアイドルにプレゼントするサポートもあります。それを着用して自身のSNSで写真を投稿してくれることがファンにとっては嬉しいことなんです。

サポートの問題点

サポートをすることはアイドルたちにとってありがたいことであることは間違いありません。しかし、サポートはファンが厚意でしていることにも関わらず、事務所からサポートの依頼があったとの情報もあります。

全てのサポートはファン個人ではなく、SNSなどでお金を集めてサポートしていることがほとんどです。その取りまとめ先はファンが作った「私設ファンカフェ」で行っています。もちろん個人で出している場合もありますが、お弁当など金額が多くなるサポートはファンカフェが申請手続きをしてサポートをしています。

とあるアイドルグループの私設ファンカフェがSNS上に緊急募金のお知らせを出しました。スタッフから100人を超える数のお弁当をサポートしてほしいとの依頼を受けたそうです。断ることもできましたが、断ると他のファンカフェに依頼されてしまうことから、なんとか自分のファンカフェでサポートしたいと思ったようでした。

また、高価なプレゼントはアイドルへの負担になる場合もあります。アイドル自身がSNSで「自分は皆さんより稼いでいる。だから、他のことにお金を使ってほしい」と発言したり、事務所によってはプレゼントは手紙のみ受け付けると発表したところもあります。

サポートは募金やボランティアへと変化


現在でもフードサポートや高価なプレゼントを行うサポートはありますが、募金やボランティア活動でのサポートを行うファンも増えてきました。

韓国では、お祝い事があると「お米」を送る「米花輪」という風習があるのですが、アイドルのコンサートのときにお米を送って、恵まれない人たちに配られます。食を大切に考えている韓国ならではの考え方ですし、アイドルの印象も良くなるマーケティング的な要素が感じられます。

この他にも最近ではBTSが「Black Lives Matter」運動へ寄付したのをきっかけに、ファンも同額の寄付を行うことを決めました。募金を集めたBTSのファングループには様々な国から寄付が寄せられ発表から24時間もたたないうちに目標金額の100万ドル(約1億800万円)を突破しました。

BTSのファングループは、これまでにも医療を支援する団体や高齢者とペットを繋ぐ団体などへも寄付を行なっており、BTSが世界的グループであると同時にファンも世界で起こっている様々な問題に関心を持っていることがわかりました。

BTS以外にもアイドルの名前で慈善団体に寄付をしたり、アイドルのイメージアップになる活動にお金が使われています。

面白いプレゼントサポートも


SUPER JUNIORのファンは、リーダーのイトゥクの誕生日にソウルの森にある公園に「イトゥクベンチ」を設置しました。イトゥクだけではなく誰でも利用できるベンチとなっています。

イトゥクベンチは5年間設置されるようで、本人もライブ配信でイトゥクベンチを見に行きましたが、昼間に来ると常に誰かが座っていてなかなか本人が座れないから「それ、僕のベンチなんだけど…。と言おうかと思った」と言ってファンを笑わせていました。とてもおもしろいプレゼントですよね!

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