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マネスキンのオススメ曲
I Wanna Be Your Slave
イギー・ポップとのコラボでも話題となった「I Wanna Be Your Slave」は、「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト 2021」での優勝後に、最初に発表されたシングルです。
この曲は、現在はおかしいとされていることを普通にしたいとコンセプトを決めて制作。
ダミアーノ・デイヴィッドが携帯アプリのピアノでリフを考えて、自信満々で他のメンバーに送ったところ、そのリフがあまりにも酷すぎて、当初メンバーはどうしたらボツにできるか話し合ったほどだったそうです。
ベースとギターで弾いてみたらかなり良くなったのだとか。
また歌詞では、女性は従順で男性はパワフルであるべき、というステレオタイプのジェンダー観にとらわれないよう、旧約聖書にあるダビデとゴリアテの関係性を基にして、女性を巨人のゴリアテ、男性を小さな少年のダビデに例えています。
ヴェネツィア映画祭でFIPRESCI賞(国際映画批評家連盟賞)を受賞したシモーネ・ボゼッリ監督が手掛けたMVでは、グッチのコレクションからメンバーが選んだ衣装やアクセサリーを着用しています。
Zitti E Buoni
イタリア語で「黙っていい子にしてな」を意味するZitti E Buoniは、2021年5月にリリースした2nd アルバム「Teatro d’ira – Vol.I」の1曲目に収録されています。
ヨーロッパを代表する音楽フェスティバルとコンペティションの2冠に導いたのが、この「Zitti E Buoni」です。
南ヨーロッパ屈指のリゾート地リヴィエラ海岸にある観光都市サンレモで、毎年春に開催されている音楽祭の「サンレモ音楽祭」では、オーケストラバージョンを披露しました。
Spotifyの再生回数が400万回を超え、イタリアの楽曲として史上最多の再生回数を記録(4/27現在では、約3億回再生)。
また13か国のSpotify トップ50チャートで1位を獲得しています。
ロックではあまり馴染みのないイタリア語で巻き舌を絡めながら歌っていることにより、聴き慣れているはずのロックが驚くほど新鮮に響いてきます。
Torna a cas
Spotifyで約14.6億回、YouTubeで公開しているMVが約1.5億回再生と、マネスキンの楽曲の中で最もストリーミングされているのが「Torna a cas」。
エモーショナルなアルペジオのフレーズから始まり、哀愁を帯びたダミアーノ・デイヴィッドのヴォーカルが印象的なバラードです。
この曲でも、リズミカルにバウンスするイタリア語と、ざらついたサウンドとの相性の良さを教えてくれます。
最後に
楽曲の良さやパフォーマンスだけでなく、ロックスター然とした発言や奇抜なファッションなどに注目が集まりがちなマネスキンですが、メンバーはアルコールやドラッグに依存しがちなステレオタイプのロックバンドとは違うと、ハッキリと明言しています。
真の創造性は健康で明瞭な心から来るものであり、自分達はセックス・ドラッグ・ロックンロールとは距離を置いた普通の人だとも語り、この点において米津玄師さんとも共通しています。
良い楽曲を作り最高のパフォーマンスをする、そんな音楽への真摯な姿勢や、ステージを離れた後の飾らない人柄や親しみやすさとのギャップが、マネスキンが今世界中から支持されている理由であり、今のロックバンド像の正解のひとつなのかもしれません。