ヒップホップやブラックミュージックの影響も受け、独特のクラブミュージックを醸し出すロックバンドSuchmos(サチモス)。
2018年には、NHKサッカーテーマソング『VOLT-AGE』がフィーチャーされ、サッカーワールドカップ(ロシア)の影響もあり、同年の紅白歌合戦にも出場を果たしましたよね。
さて、そんな人気ロックバンドSuchmosですが、独特のサウンドを奏でるロックバンドであることはわかるものの、これまでの経歴(歴史)やメンバーのプロフィールなど、まだまだわからない部分も多々あるはず・・・
そこで、本記事にて、ロックバンドSuchmosの魅力を、経歴(歴史)やメンバーのプロフィール、オススメソングベスト3を交えながらご紹介していきます。
目次
突然の活動休止発表
Suchmosより大切なお知らせhttps://t.co/AzC6lEALrJ pic.twitter.com/S3Zzrxm2vj
— Suchmos (@suchmoz) February 3, 2021
Suchmosが、一時的にバンド活動を休止することを発表しました。
バンドからのメッセージには
下北沢ガレージの30人の前でやった6人の初ライブから、横浜スタジアム3万人のステージまでついてきてくれているミュージックラバーたち、改めてありがとう。
と印象的な文章が綴られていました。
解散というわけではなく修行の期間に入ることなので、ファンたちは驚きつつも温かく受け入れているように見えます。
「温野菜、倍野菜論争のせいだ」と少し茶化したツイートも見かけられ、Suchmos温かく優しいファンに囲まれていることを再実感しました。
活動休止は寂しいですが、パワーアップして帰ってきたSuchmosを楽しみに待ちましょう!
Suchmosとはどんなロックバンド?
ロックバンドサカナクションなどのように、他のバンドにない独特な世界観を持ち、それでいてクールで格好良いと人気にロックバンド『Suchmos』。
NHKサッカーテーマソング『VOLT-AGE』一つとってしても、イントロからサビに至るまでかなりクールで独特の世界観を醸し出していますよね。
ロックテイストを持ちつつも、クラブミュージックを始めとするいろんなジャンルのいいとこ取りすることで、誰が聴いても格好良いと唸ってしまうような楽曲に完成させてしまうところが、Suchmosの魅力の一つです。
さて、そんなSuchmosは、
- YONCE(よんす)さん:ヴォーカル
- TAIKING(タイキング)さん:ギター
- HSU(スー)さん:ベース
- OK(オーケー)さん:ドラム
- KCEE(ケーシー)さん:DJ
- TAIHEI(たいへい)さん:キーボード
が所属するロックバンド。
元メンバーとして、かつてはギター担当のAYUSTAT(アユスタット)さんも所属していたのですが、音楽の方向性の違いから2015年5月に脱退。
現在は、6人組のロックバンドとして活動し続けています。
Suchmosの魅力
さて、Suchmosの魅力は、とにかくクールで格好良いサウンドを生み出しているという点尽きます。
これは、いろんなサウンドを取り入れながらも芯がブレていない独自のサウンドを手がけているからであり、まさに、魂を揺さぶるSuchmosならではのロックサウンドが実に魅力的です。
後ほど、Suchmosのオススメソングを3曲ご紹介しますが、そのどの楽曲でも1度聴いたら惚れてしまいますので、ぜひ、皆さんも一度彼らの音楽を聴いてみてくださいね。
Suchmosの経歴(歴史)
硬派なサウンドが魅力的な個性派ロックバンドSuchmos。
一見、おしゃれで格好良い印象の強いロックバンドですが、実は結構紆余曲折も経験されているバンドでもあります。
では、改めて、Suchmosの経歴(歴史)を振り返りながら、彼らがどのような紆余曲折を経験してきたロックバンドなのか見ていきましょう。
前身バンド結成経緯
実は、Suchmosのメンバーは、
- HSUさんとTAIKINGさん:ママ友経由のつながり、小学校が同じ
- TAIKINGさんとOKさん:幼稚園時代からの幼なじみ
- KCEEさんとOKさん:兄弟(OKさんが兄はKCEEさんが弟)
- TAIHEIさんとHSUさん:音楽大学の先輩後輩関係(HSUが先輩TAIHEIが後輩)
- YONCEさんとOKさん:高校時代のバンド活動にて知り合う
といったように、ロックバンドを結成するまで、それぞれで交流を持っています。
そんな彼らは、それぞれが音楽に携わっていて、2007年、
- HSUさん(ベース)
- OKさん(ドラムス)
- TAIKINGさん(ヴォーカル(当時))
にギタリストのAYUSTAT(アユスタット)さんを加えた4人組ロックバンド『Ivory』を結成し、インディーズながら音楽活動をスタートさせます。
そして、2年後の2009年には、とある楽器店が主催したバンドコンテストで全国優勝し、音楽プロダクションのスカウトを受けてプロのロックバンドとして活動しますが、この音楽プロダクションがかなりのブラックだと後で気づくことに・・・
というのも、彼らの音楽性を伸ばすためのマネジメントはせずに、儲け重視のマネジメントしかしなかったらしく、そのことに憤りを感じたOKさんが脱退したことをきっかけにバンドは事実上の解散。
純粋に音楽が好きでロックバンドを結成しただけなのに、プロダクションに悪用利用されたためにバンドから遠ざからなければならなかった屈辱を考えると、本当に心が痛みますね。
ロックバンド再開・Suchmos結成
『Ivory』が事実上の解散となり、OKさんのように何もせずフラフラするメンバーもいれば、音楽大学に進学するメンバーもいて、完全にバンドから離れて個々の生活を送るようになっていくメンバーたち・・・
そんな中、OKさんがライブハウスや学園祭に訪れ、『OLD JOE』というロックバンドで活動していたYONCEと知り合います。
そして、YONCEさんとの交流を機に、HSUさんをはじめとする仲間たちとの交流が深まり、ギタリストAYUSTATさんを誘い新たなロックバンドを結成!
とはいえ、まだこの時点ではヴォーカルが不在でした。
そこで、HSUさんが作曲した『Miree』をスタジオで収録する一方、その楽曲の譜面をOKさんと親交のあるYONCEさんに見せてバンド加入をオファーし、心を動かしたYONCEさんが加入する形でロックバンド『Suchmos』が、2013年に誕生するわけです。
クールで格好良いロックバンドという印象を受けるSuchmosですが、一度は音楽を諦めかけるも人との繋がりのおかげで、なんとか苦労しながら結成にたどり着いたロックバンドだったのですね。
バンド名『Suchmos』の由来
ロックバンド『Suchmos』というネーミングは、すごくスタイリッシュで格好良い彼らにぴったりなバンド名ですが、その由来はどこにあるのでしょうか?
皆さんもなんとなく想像できているかもしれませんが、その由来は、あの偉大なアーティスト『ルイ・アームストロング』の愛称『サッチモ(Suchmo)』が由来です。
そもそも、彼らはバンド名が決まる前にライブ出演が決まっていました。
しかも出演間近に控え、バンド名を決めなければいけない事態となり、たまたまルイ・アームストロングの映像を見ていたYONCEさんを見かけたHSUさんが
「ルイ・アームストロングは、サッチモと呼ばれている」
と話し、YONCEさんが『サッチモ』の響きをいたく気に入り、そのままサッチモに複数形の『S』を付け加えた『Suchmos』としたのだとか・・・
まさに、音楽好きな彼らにとっては、最高にふさわしいバンド名となりましたね。
音楽の方向性の違い、AYUSTATの脱退
2014年、FUJI ROCK FESTIVAL「ROOKIE A GO-GO」に応募し、結果としてトリを務めることとなったSuchmos。
しかし、徐々にメジャーとしてブレイクしていきたいと考えていたメンバーと、アンダーグラウンドの世界で活動を続けたいAYUSTATさんとの間で音楽に対する方向性が大きくなり、2015年5月にAYUSTATさんが脱退。
新規メンバー加入、現在のSuchmos
AYUSTATさんが抜けたSuchmosですが、元々、OKさんたちと繋がりのある
- TAIHEIさん
- KECCさん
- TAIKINGさん(Suchmosではギタリストとして加入)
をメンバーに加え、さらに、ライブを見に来ていたこともあるSPACE SHOWER MUSICの金子悟さんとの繋がりもあり、正式にマネジメント契約を結んだSuchmosは、ライブやCDリリース、メディア配信など様々な活動を続けていきます。
その後、「F.C.L.S(エフ・シー・エル・エス)」という自主レーベルも発足し、一方では、紅白歌合戦への出場、『VOLT-AGE』などのヒット曲のリリースなど、めまぐるしい活躍を見せ現在に至るわけです。
Suchmosメンバーのプロフィール
Suchmosの経歴を見ていってもわかるとおり、彼らは、それぞれ音楽によって絆を築き上げてきたロックバンドですよね。
でも、個々の人物像としてどんな方たちなのか気になりますので、それぞれのプロフィールも見ていきましょう。
YONCE(よんす):ヴォーカル担当
YONCEさんは、1991年8月29日生まれ、神奈川県茅ヶ崎市出身の28歳。
本名は河西洋介。
彼の姉やご両親などに影響を受け、R&Bにとどまらず海外のロックバンドや松任谷由実さんなどの音楽を聴きながら日々を過ごしてきました。
その影響もあり、中学1年のホームステイ先から帰国した頃に、ギターやバンドをやりたいと親に相談し、音楽に造詣の深いおじを紹介してもらいロックバンド『ニルヴァーナ』のアルバムに衝撃を受けたことで、本格的にバンドマンを志します。
まさに、音楽・芸術一家に生まれたからこそ、今のYONCEさんがあるんですね。
TAIKING(タイキング):ギター担当
TAIKINGさんは、1990年5月10日生まれ、神奈川県横浜市出身の30歳。
本名は戸塚泰貴、彼の父は元サッカー日本代表の戸塚哲也氏です。
小学校時代、学校の用務員にドラムを教わったことが初めての楽器演奏だというTAIKINGさんは、高校時代に軽音楽部に入部するも当時は、あくまで部活の一つとしか捉えておらず、OKさんやHSUさんたちとバンドは組むが、それで生計を立てる気はありませんでした。
しかし、保育士になる道を目指すか、音楽の専門学校に進学するかで悩んだ結果、音楽の専門学校に進学し編曲を学びながら、様々な楽器を演奏してアーティストとしての道を歩み始めます。
その後、編曲家として活動する中、HSUさんに誘われる形で、2015年にSuchmosに加入。
もし、幼なじみのOKさんやHSUさんと出会っていなければ、今のTAIKINGさんは無かったかもしれませんね。
HSU(スー):ベース担当
HSUさんは、1989年6月29日生まれ、神奈川県横浜市出身の30歳。
本名は小杉隼太。
家族の影響で、幼い頃からスティービー・ワンダーをはじめとする海外アーティストの楽曲を聴いたり、5歳の頃からクラシックギターを始めるなど、音楽と共に育ってきた人物。
ブラックミュージックが好きで、洗足学園音楽大学のジャズ科に進学するも、授業やレッスンに通わずに、大学で出会った仲間たちとセッションを行うなど、結構フラフラした生活を送っていたなんてエピソードも・・・
また、一方では、従弟にギターを壊され伯父にベースを買ってもらったことをきっかけにベースを始めたり、1年がかりでYONCEさんをバンドに誘い込むなど、何かとユニークなエピソードが多いメンバーです。
なお、HSUさんは、ストリートヒップホップバンド『SANABAGUN.』の元メンバーでもあり、いろいろバンドを渡り歩いてもいますね。
OK(オーケー):ドラムス担当
OKさんは、1990年8月27日神奈川県横浜市出身の29歳。
本名は大原健人。
ご両親に影響で、幼い頃から、
- 宇多田ヒカルさん
- DREAMS COME TRUE
- 尾崎豊さん
などの曲をよく聴いていたOKさん。
幼なじみのTAIKINGさんとオリジナルソングを作るなど、幼い頃から音楽をたしなみ、高校時代にはバンドも結成していましたが、スタッフとの衝突もありバンドから脱退するなど紆余曲折を経験しながら、今の日々を送っています。
その要因となったのは、間違いなくYONCEさんやHSUさんなどとの出会いだったのだろうと思いますし、音楽と共に大切な仲間が彼の財産となっているのでしょうね。
KCEE(ケイシー):DJ担当
KCEEさんは、1992年9月18日生まれ、神奈川県横浜市出身の27歳。
本名は大原魁生と言い、OKさんの実弟です。
彼もギターやベースを子供の頃からたしなんでいてバンド経験もありましたが、高校時代にバンドよりも楽曲制作に重点を置く日々を過ごすため、一時バンドを休んでいたなんてことも・・・
一方、音楽以外にもデザインや映像制作も始め、幅広くクリエイティブな活動をしていたKCEEさん。
2014年には、兄のOKさんからオファーを受けバンド加入を考えるも、メインヴォーカルから誘いがあるまで、加入せずに待っていたそうです。
そして、2015年、YONCEさんからの誘いを受けSuchmosに加入。
まぁ、誘いを受けたといっても、DJに必要なターンテーブルを持ってきてと言われただけですが、当時SuchmosにDJはいませんでしたし、これも遠回しの誘い文句だったのでしょうね。
TAIHEI(たいへい):キーボード担当
TAIHEIさんは、1992年7月4日生まれ、富山県氷見市出身の27歳。
本名は櫻打泰平。
母がヤマハ音楽教室の先生をしていたこともあり、幼少の頃からエレクトーンを習い、何かと音楽にふれあうことが多かったTAIHEIさんは、大学時代HSUさんと出会うことで、バンドマンへの道を進むようになります。
SANABAGUN.にも所属し、また、先にSuchmosのメンバーとしても活動していたHSUさんのライブを観て、キーボードが必要と感じ、サポートメンバーとして加入後、2015年に正式メンバーとして加入。
Suchmosのメンバーと交流を持ったのもHSUさんを通じてですし、HSUさんとの出会いがなければ今のTAIHEIさんはいなかったでしょう。
Suchmosのオススメソングベスト3
以上が、Suchmosメンバーの簡単なプロフィールです。
彼ら個別のプロフィールを見てもわかるように、紆余曲折しつつも常に音楽と寄り添ってきたロックバンドといえますよね。
さて、そんなSuchmosは、どんな名曲を生み出しているのでしょうか。
早速、オススメソングベスト3をご紹介していきます。
808
808はHonda『VEZEL(もう一つの日常へ編)』のCMソングに起用された楽曲。
基本的にはソウルミュージック・クラブミュージックのノリな曲調が特徴となっていますが、Suchmosの楽曲の中では少しキャッチーな展開に寄せた今風の楽曲といえますね。
キャッチーなメロディに寄せた分だけ、どこかディスコチューンが混在したおしゃれな印象も受けるので、多少好き嫌いが分かれてしまうかもしれませんが、ソウルミュージックやクラブミュージックが苦手な人なら、Suchmosを知るための導入曲としてオススメ。
イントロからサビに至るまで非常におしゃれな楽曲なので、ぜひ、一度聴いてみてくださいね。
STAY TUNE
STAY TUNEは、Honda『VEZEL』のCMソングにも起用された、Suchmosの代表曲の1つ。
ドラムとベースが基軸となっているクラブミュージックの要素が高い音楽にうまくポップスを融合させSuchmosならではのサウンドに仕上げた魅力ある一曲。
多少ポップス寄りな印象も受けますが、曲調がすごく格好良くスタイリッシュ。
特にクラブミュージックが好きな人は、ぜひ、一度聴いてみることをおすすめします。
VOLT-AGE
出典:YOUTUBE(Suchmos(2018.11.25 Live at YOKOHAMA ARENA)ライブ映像)
VOLT-AGEは、2018年NHKサッカーテーマソングとして起用された楽曲。
元々、アルバム『THE ASHTRAY』に収録された1曲にすぎませんでしたが、サッカーワールドカップロシア大会の影響もあり、紅白歌合戦出場を決めた楽曲として大きく注目されています。
シックながらビートを大切に展開された楽曲で、Suchmosのクールで格好良い佇まいがそのまま凝縮されたような楽曲であり、クラブミュージックのような音楽なので、J-POPSよりもソウルミュージック・クラブミュージックが好きな人におすすめの楽曲ですよ。
最新情報
最後に・・・
以上がSuchmosを代表とするオススメソングベスト3です。
いずれもSuchmosらしさが醸し出されているスタイリッシュでおしゃれな音楽ですよね。
ただ、おしゃれで格好良いサウンドを奏でている一方、彼ら自身紆余曲折しながら音楽人生を歩んでいるという意外な一面も、今回の記事を通じて覗けたのではないかと思います。
子供の頃から音楽とふれあい、その中で知り合って交流を深めてきた面々が集結したからこそ酸いも甘いも共有し、今のSuchmosサウンドを形成したのだと思います。
ぜひ、今回の記事をきっかけに、Suchmosの紆余曲折も感じながら、彼らの楽曲を聴いてみてください。
きっとより味わい深いサウンドとして楽しめますよ。
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