目次
ピコのおすすめ曲
言ノ葉
2013年6月にリリースされたメジャー7thシングル。TVアニメ「刀語(かたながたり)」のED主題歌として書き下ろされました。
「刀語」は、伝説の刀鍛冶・四季崎記紀(しきざききき)が作った12本の刀をめぐる壮大な戦いの物語。魅力溢れるキャラクターと幻想的なストーリーで、今なお根強い人気を誇っている作品です。
ピコが歌う「言ノ葉」は、作品全体から感じられる神秘的な雰囲気や、逃れられない宿命を背負いながらも恋心を捨てきれない者の悲哀をいっそう際立たせています。ピコの凛とした歌声から曲が始まるイントロは、息をするのも忘れてしまうほどの美しさです。
琴やストリングス、ギターなどさまざまな楽器の音色が織り交ざって生まれるハーモニーも、聴き手の心にじわりと染み入ります。ワンコーラス後の間奏からは曲が意外な展開を見せるので、フルで聴いてみたい人はぜひCDや、各音楽配信サービスなどをチェックしてみてください。
拝啓ドッペルゲンガー
「拝啓ドッペルゲンガー」は、ボカロP・kemuが2017年に発表したボカロ曲です。彼がそれまでに投稿してきた「人生リセットボタン」や「六兆年と一夜物語」にも匹敵する人気曲で、ストーリー性の高い歌詞と疾走感溢れるロックサウンドが愛されています。
ある日現れた“もう1人の自分”に日常が奪われていくさまを描いたこの曲は、言葉を畳み掛けるようなボーカルも印象的。テンポも速く歌うのが難しいとされている楽曲ですが、ピコは持ち前の歌唱力と表現力を活かし、リスナーを圧倒するクオリティに仕上げています。
サビで聴くことのできる鋭い高音や、がなるような歌い方は、自分の生活が浸食されていくことに戸惑う「僕(物語の主人公)」の叫びを代弁しているかのよう。
また、YouTubeでは「XYZ TOUR 2018 -SUMMER-」でピコがこの曲を歌唱した際の映像も視聴可能です。さらにパワーアップした歌声を響かせながら、ライブならではのアレンジやコール&レスポンスで観客を熱狂させる姿に惹き込まれます。
ヴァンパイア
ボカロP・DECO*27(でこ・にーな)による人気曲「ヴァンパイア」の歌ってみた動画では、“元祖・両声類”としても有名なピコの底知れぬ実力に触れることができます。
「ヴァンパイア」で描かれているのは、好きな相手からの愛情を貪欲に求める女の子の姿。“地雷系女子”と呼ばれる女性が内側に秘めている狂気や、いつまでも満たされない心を抱えた孤独感も感じられる楽曲です。
これまでボカロ曲やアニソン、オリジナル曲を問わず、キーが高い楽曲も数多く歌ってきたピコ。しかし、彼の歌声は単に男性がハイトーンで歌っているというだけでなく、女性のような美しさや色気も完璧に表現されています。
動画タイトルに「男が可愛く」と記載はあるものの、歌声を聴けば聴くほど「本当に男性が歌っているのだろうか」と混乱してしまうほどの可愛らしさです。
愛想を振りまくように音を跳ねさせたり、囁きかけるように声を潜めたりと、くるくる変わる歌声を楽しんでみてください。
アイドル
TVアニメ「【推しの子】」OP主題歌を歌ってみた動画。世界中で爆発的なヒットを巻き起こしたYOASOBIの人気曲を、歌い手・赤飯とのデュエットでカバーしました。
赤飯は、ピコと同じく男声・女声を使い分ける“両声類”としても有名な歌い手です。個人で投稿している動画はもちろん、赤ピコでも男らしい低音からキュートな高音まで、多種多様な歌声を披露しています。
共に2007年から歌い手活動を続けてきた2人による「アイドル」の歌ってみたは、まさに女性アイドルがステージで歌っているかのような愛らしさ。一瞬の隙も見せない圧倒的なクオリティと、リスナーの心をがっしり掴んでしまう魅力に溢れています。
曲調が大きく変わる中間部分では、「【推しの子】」本編でも描かれている芸能界のダークな側面を声色で表現。それまでのキラキラした雰囲気が一変し、低く気だるげな声で吐き出すように歌います。
それぞれの個性を発揮しながら、互いに魅力を引きたて合う赤ピコの更なる可能性を感じさせる1曲です。
人間賛歌
2023年8月16日に配信リリースされたオリジナル曲です。ボカロP・kemu名義でも活動しているアーティスト・堀江晶太(ほりえしょうた)が作曲、ピコが作詞を担当しました。
「人間賛歌」は、堀江が得意とするヘヴィなロックサウンドと、日本古来の音色が絶妙に織り交ぜられたメッセージソング。ピコの目線で見る現代日本の姿が、怪しげで幻想的な歌詞によって綴られています。
力強い低音を響かせたり、か細く儚げな女性を思わせる声で歌ったりと、フレーズごとに移り変わる色彩豊かなボーカルも印象的です。欲望や憎悪が複雑に絡み合う人間の世界そのものを表現しているようにも感じられます。
和風で艶やかな世界を描き出すイラストレーター・すり餌がイラストを手がけたMVも必見。サウンドとボーカル、MV全てが一体となって生み出される美しくも狂気的な楽曲の世界観を、ぜひ繰り返し味わってみてください。
最後に
圧倒的な歌唱力とパフォーマンスだけでなく、親しみやすい人柄でも愛されているピコ。音楽や演劇など、さまざまなジャンルで精力的に活動を継続中です。
現状に満足することなく常に前へ突き進んできた彼が、これからどのような世界を見せてくれるのか期待が高まります。