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Neru楽曲の魅力
活動当初から、多くの人を惹きつけるNeruの楽曲。
その魅力は、かっこいい楽曲と人間のネガティブな一面に目を向けた歌詞にありました。
Neru=ロックのイメージ
Neru楽曲の魅力の1つといえば、やはりかっこいいロックです。
特に初期の楽曲にはギターロック寄りのものも多く、Neruのイメージを強く印象付けるものとなっています。
2017年はギターロック以外にもダンスミュージックに初挑戦したり様々な曲を書かせてもらえてとても勉強になった1年間でした 来年はその糧を形に変えていく1年にしたいと思っております 〆切の都合で元旦から毎日死ぬ気で制作しなければならないので来年もどうか応援のほど宜しくお願いいたします
— Neru (@neru_sleep) December 31, 2017
また、ロックがメインとは言っても、時代によって楽曲に変化が見られるのがNeruの魅力。
2013年頃まではギターロック、2015年頃は疾走感のあるバンドサウンド、2018年頃はこれまでのNeruらしさを残しつつ、打ち込みなどの新しい要素を交えたサウンドといった傾向が見られます。
年代によってスタイルが異なるのは、保守的な作曲にならないようにNeru自身が意識して変化を加えているためです。
上記3つの年にはそれぞれアルバムも発売されているので、アルバムごとに聞いてみると楽曲の変化を楽しめますよ。
“それでも人生は続く”力強い歌詞
曲と同じくらい魅力的なのが、ネガティブな思いに焦点を当てた歌詞です。
文学的なワードセンスによって、多くの人が感じたことがある負の感情が言語化されているのが特徴的。
本人も「言っちゃいけないことを言いたいと思って作っている」と述べていたことがあり、結果として、現代を生きる人々のひそかな思いを代弁するような歌詞となっています。
また、そんな歌詞からは、どこか“救われたい”という願いや、“それでも生きていかなくちゃ”という力強さが感じられます。
ポジティブすぎず、人の負の部分に寄り添うような歌詞が人気の理由の1つでしょう。
Neruのおすすめ楽曲5選
ロック調の楽曲がメインのボカロPと解説をしてきましたが、ロックの軸を崩さずに幅広い楽曲制作を行っているのがNeruの魅力。
ここからは、おすすめ楽曲を5曲ご紹介します!
ロストワンの号哭 / 鏡音リン
Neru楽曲の中で最も再生数が多いのが、2013年に投稿された本楽曲。
ニコニコ動画では855万回、YouTubeではなんと3600万回再生を突破しています。
Neruの代名詞であるボカロックの楽曲で、ギターリフやあえて音を細かくカットする演出が印象的。
疾走感あふれる楽曲に乗せて、思春期の学生が持つ不安定な心が表現されています。
激しい曲調に合わせた力強いリンの調声にも注目してほしいところ。
特に盛り上がるサビでは、荒々しく疑問をぶつける学生の声をリンが感情的に歌い上げています。
また、ラスサビの「いつになりゃ大人になれますか そもそも大人とは一体全体何ですか」という歌詞は、「まだ子供」「もう大人」と状況に合わせて扱いが変わる学生の本音をダイレクトに表現しており、投稿時から現在まで多くの若者の共感を集め続けている楽曲です。
ロストワンとは、アダルトチルドレンの1種。自己主張をせず、家庭や社会で波風を立てないように過ごす子供のことです。そして号哭とは、声を上げて泣き叫ぶこと。
つまり、親や学校の先生の前で顔色をうかがって“いい子”を演じてきた子の心の叫びが、この楽曲なのです。
命のユースティティア / 鏡音レン
こちらも2013年に投稿された楽曲。
シンセサイザーや打ち込みを多用したNeruの中では珍しい楽曲で、バトルもののアニメオープニング曲のようなかっこいい仕上がりとなっています。
前奏がなく、いきなりレンの歌唱から始まるのもインパクト抜群。
静かなAメロから徐々に盛り上がり、サビで爆発する展開はまさにアニソンで、ファンタジーチックなMVも相まってテンションの上がる楽曲です。
全体的にバンドサウンドの雰囲気は薄いですが、Cメロ前のギターがアクセントとなっており、Neruらしさを感じられるのも魅力。
サビにかけて高音になるボカロらしい楽曲ですが、キンキンとした声に聞こえないレンの調声もポイントです。抑揚のついた聞き取りやすい声にも注目して聞いてみてください。
テロル / 鏡音リン
本楽曲は、2014年に投稿。
金管風の音を含んだ華やかなバンドサウンドが特徴的で、歌詞を聞かせるようなゆったりとした曲調になっています。
楽曲は、“理想”や“夢”を叶えるために立ちあがった人へ勇気を与える、メッセージ性に溢れるもの。
多くの人が“なりたかった自分”になれなかったとしても生き続けているものですが、本楽曲はそんな人々の背中を「周りを気にするな」「失敗してもいいんだ」と押してくれます。
弱ったり、目標に向かって進み続けることに疲れたりしたときに聞いてほしい一曲です。
悩みを忘れさせてくれる曲ではありませんが、きっと前を向けるはずです。
脱法ロック / 鏡音レン
こちらは2016年に投稿された問題作。
イラストレーター・りゅーせーによるカオス感満載のMVが話題を呼び、YouTubeでは2300万回再生を突破しています。
曲自体は、エレキギターによるフレーズがかっこいい、アップテンポのボカロック。
しかし、2013年頃と比べて激しさや感情の荒々しさは感じられず、ゆるさや諦めからくる明るさが楽曲から感じられるのが印象的です。
本楽曲が完成したことで3rdアルバムの「シニシズム」というテーマを見いだせたという裏話もあり、近年のNeru楽曲の先駆けになっているともいえるでしょう。
脱法ロックの動画久しぶりに開いたんだけど、これ本当に何なの
— Neru (@neru_sleep) January 26, 2017
Neru本人もMVに疑問を持つほどの破壊力で、一度映像を見てしまうと忘れられない中毒性があります。
元気がないときは、ぜひMV付きで見てみてください。
potatoになっていく / 鏡音リン・レン
2020年投稿の比較的新しい楽曲。
『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』のイベント書き下ろし楽曲として制作されており、ワンダーランズ×ショウタイムが歌唱している別バージョンもあります。
ジャズっぽい曲調やスクラッチなどの要素が取り入れられ、新鮮さを感じる本楽曲。
弾むようなリズムが心地よく、何度も聞きたくなる中毒性が魅力です。
また、タイトルのpotato(芋)には、スラングで「ごろごろする人」「怠け者」という意味もあります。
歌詞にも“将来や未来を気にせずこのままだらだら生きていこう”という姿勢が描かれており、明るい曲調で不健全な思考をごまかしている様子がまさに”怠惰”と感じる楽曲です。
まとめ
今回は、ギターロックでおなじみのボカロP・Neruを紹介しました。
近年はジャズやゆるく明るい曲調の曲、打ち込みを多用したz’5とのコラボ曲など幅広い楽曲が投稿されており、そのどれもにしっかりとNeruらしさが残っているのが魅力です。
今年はまだボカロ曲の投稿がありませんが、次回作も楽しみなボカロPです!