ナナホシ管弦楽団 【ボカロP詳細解説】「抜錨」「デリヘル呼んだら君が来た」が大ヒット! 超人気ボカロPを徹底解説

ナナホシ管弦楽団 【ボカロP詳細解説】「抜錨」「デリヘル呼んだら君が来た」が大ヒット! 超人気ボカロPを徹底解説

ナナホシ管弦楽団のおすすめ楽曲

デリヘル呼んだら君が来た

アニソンのようなキャッチーなメロディーにゾクっとする歌詞が乗せられた楽曲「デリヘル呼んだら君が来た」。

歌詞内の「No,Thank you」が「No,39!」と表示されており、歌唱している初音ミク(39)とリンクしたような遊び心もある楽曲です。

本楽曲の主人公は、メンヘラな元カノに振り回される男性。

「息抜きでもするか」と男性がデリヘルを呼んだところ、家に来たのは別れた彼女。

元カノが「あなたの好みのタイプになって帰ってきました」と、虚ろな目をしながら元カレに告げるという展開に。

後日、ホテヘルに行った彼は、いつもは選ばないタイプの子をチョイス。

しかし、ドアを開けると、そこには立っていたのはなぜか縮んだ元カノ。

その後も、真夜中ふと目が覚めると、すぐそばに元カノが立っていたりと、どんどんホラーな方向へ。

「チェンジチェンジ!」と叫ぶ男性と、どこにでも現れる元カノがストーリー仕立てで描かれています。

歌詞をそのままなぞれば、「ヤバい元カノ」の歌ですが、本楽曲は視点を変えると、「どんな女性も元カノに見えてしまう男性」の歌と捉えることもできます。

デリヘルでもホテヘルでも出会う女性が全部元カノに見えるほどに過去の女性に囚われており、夢か現実かわからない真夜中に元カノの姿が幻覚として見えてしまうくらいに未練タラタラなのかもしれません。

本楽曲の終盤には「愛執を見落として 絶賛逃亡中さ」という歌詞が登場。

愛執とは、「愛するものに心ひかれて心が自由にならないこと」を指す言葉です。

彼が「絶賛逃亡中」なのは、しつこく自分につきまとってくる元カノなのか、どうしても元カノに囚われてしまう自分自身からなのか。

歌詞を深掘りするほど魅力が増していく楽曲のひとつです。

おねがいダーリン

ナナホシ管弦楽団が2015年にニコニコ動画で公開した楽曲「おねがいダーリン」。

音声合成ソフトCeVIO Creative Studio/CeVIO AI 「ONE」が歌唱しており、「おねがいダーリン」とONE(おね)がかかっていたり、「おねがいダーリン」を略すと「おねだり」になったりと、仕掛けが満載の1曲です。

楽曲の主人公は、ダーリンのことが大好きでたまらない女性。

「お願いダーリン 見て聞いて」「真っ直ぐ見つめて」と、ダーリンへの甘い言葉が並んでいます。

しかし、ダーリンは1日にタバコ2箱、缶のお酒を7本飲むような健康とは言い難い人物。

言いたいことも言わず、つれない態度を取る彼のせいで、彼女のハートはボロボロに。

それでもダーリンに「肝臓やられてお釈迦になっても 看病してあげないんだから」とツンな一面を見せつつ、愛を向け続ける女性が描かれています。

一見、ダーリンに盲目になっている健気な女性が「私を見て!」「もっと愛して!」とメッセージを送っているような本楽曲。

ただ、ファンの間では、「実は不摂生で亡くなってしまったダーリンに向けた葬送歌」ではないかという考察も。

その視点から見れば、ダーリンが彼女を見ない理由も、「寡黙なダーリン 寝てないで」という歌詞も、違った見方ができます。

お釈迦になってしまったダーリンを受け入れられない女性の歌だと理解して聴くと、一気に悲しい歌に。

ナナホシ管弦楽団のファンからは「パッと見はラブソングだけど、実は葬送歌なんてこと、ナナホシならやりかねない」との声もある「おねがいダーリン」。

聴く人によって、愛に溢れた歌になったり、最愛の人の死を受け入れられない悲しい歌にもなる楽曲です。

MEMO

「葬送歌ではないか」というファンの考察ツイートがバズった際には、ナナホシ管弦楽団本人もその解釈をリツイート。彼はその考察に対し「草」と反応を見せました。

毒杯スワロウ

ナナホシ管弦楽団がホロライブ所属のVTuber・猫又おかゆに書き下ろした楽曲「毒杯スワロウ」。

「羨望や嫉妬などの黒い感情」がテーマになっている1曲です。

猫又おかゆの普段の姿から一歩踏み込んだ部分を描こうと制作された本楽曲。

歌詞の面でかなり苦労したそうで、ナナホシ管弦楽団は「羨望や嫉妬をそのまま言葉にすると陳腐に聴こえてしまう、そうならないように比喩を重ねて、何重にも気を配った」とインタビューで語っています。

「ひっそりと爪を研いでいる」「いがらがかる喉を鳴らす」と、歌唱者をイメージした「猫」らしさも散りばめられた「毒杯スワロウ」。

猫又おかゆの色気のある低音と、ラストのサビの迫力に心奪われる楽曲です。

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失楽ペトリ

ナナホシ管弦楽団が2019年に公開した楽曲「失楽ペトリ」。

毒のある言葉やジャカジャカとしたエレキギターの音が耳に残る楽曲です。

本楽曲を歌唱しているのは初音ミク。

初音ミクの設定年齢は16歳ですが、この楽曲を歌う彼女は一際大人びた印象。

さまざまな恋愛経験を経て、恋の酸いも甘いも味わい尽くしたかのような声が響いています。

一際印象的なのが、サビに出てくる「この世は失楽園」というフレーズ。

「失楽園」とは、アダムとイヴが蛇にそそのかされ、禁断の果実を口にし、楽園を追放されてしまうという旧約聖書に出てくる挿話を指していると考えられます。

「ペトリ」は、培養実験などで使われる平らな丸い皿。

小さな皿(世界)の中で愛や掟に踊らされる男女の姿が想像できます。

「楽しかった毎日も 見失ってさよならだ」と結ばれる本楽曲。

体をくねらせるようななめらかな音の動きも相まって、大人の色気が漂う1曲です。

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