世界的スターのライブや歌舞伎など、ジャンルを越え多くのクリエイターに愛されているVOCALOID・通称ボカロ。
リスナーとしてVOCALOIDの音楽を楽しむ人はもちろん、オリジナルやカバーの楽曲制作を行うボカロPと呼ばれる存在も、世界中に数え切れないほど存在します。
海を渡った外国の地では、どのようなボカロP達が音楽を生み出しているのでしょうか。
この記事では、VOCALOIDの基本的な情報をおさらいしつつ、海外のボカロPが手がけた名曲を紹介します。
目次
そもそも「ボカロ」とは?
冒頭でも述べたように、ボカロとはVOCALOID(ボーカロイド)の略称。2003年、大手楽器メーカーのYAMAHAが開発した音声合成ソフトウェアです。
「歌詞とメロディを入力するだけで、アンドロイドにさまざまな歌を歌わせることができる」という革新的な機能から、ボーカル+アンドロイド=ボーカロイドと名づけられました。
発表当初は、まだ一部の顧客やファンにしか知られていなかったVOCALOID。その名が爆発的に広まるようになった大きなきっかけは、初代VOCALOID登場から4年後、2007年に発表されたVOCALOID2です。
北海道に本社を構えるクリプトン・フューチャー・メディア株式会社は、VOCALOID2をエンジンとしたボーカル音源・初音ミクを世に発表しました。
特徴的な青色のツインテールに、可愛らしくキャッチーな歌声。初音ミクの魅力的なキャラクターは、日本のみならず海外のリスナーにも受け入れられ、VOCALOID自体の知名度を瞬く間に押し上げていきました。
VOCALOIDの人気が広まると共に、オリジナルやカバーの楽曲を制作するボカロPの人口も増えていき、現在では世界中のクリエイターがVOCALOIDを活用した音楽づくりに挑戦しています。日本ではシンガーソングライターの米津玄師さんや、YOASOBIのコンポーザー・Ayaseさんなどが、ボカロPの経験もあるミュージシャンとして有名です。
海外のボカロPが手がけた楽曲の中には、YouTubeでの再生回数が7000万回を突破(2022年5月時点)した人気曲も存在します。
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日本と海外のボカロ曲はどう違うのか?
海外のボカロPが生み出した楽曲の魅力を紹介する前に、日本と海外におけるボカロ曲の違いについて解説します。
当たり前のことだと思われるかもしれませんが、そもそも歌詞に使用されている言語が違います。日本のボカロ曲であればほとんどが日本語、海外では英語の曲が圧倒的に多いです。
ここで重要になるのが、VOCALOIDは歌詞(もしくはセリフ)を入力して音声を生み出すソフトウェアであること。言語が違えば、楽曲制作に適したソフトウェアも当然変わります。
ボカロPは、楽曲で使用する歌詞や音楽のジャンルに合わせ、最も効果的に表現できるVOCALOIDを選んでいるのです。
VOCALOIDシリーズの中で特に人気の高い初音ミクや、鏡音リン・レンはもともと日本語で歌うことを想定したキャラクターですが、英語の発音に特化したバージョンも発売されています。より自然で滑らかな発音を楽曲に取り入れることで、リスナーに違和感を与えず、音楽の世界にのめり込ませる効果があります。