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宝塚退団後の活躍
1人の女優として再出発する難しさを痛感
宝塚のトップスターとして一世を風靡した真矢。
退団後、5か月の充電期間を経て拠点を東京に移し、芸能界へ挑戦していきます。
映像作品への出演を目指すも、宝塚で20年かけて培ってきた男役のスキルは映像の世界で通用しないということを痛感したといいます。
2500人の観客を相手に大ぶりな芝居が求められた宝塚時代。
映像では、常に画角に収まるよう計算しなくてはならない上に、まばたき一つが大きな意味を持つため、より繊細な芝居が求められるのです。
また、宝塚時代には男性の気持ちばかりを研究していたため、自分の中身も男性寄りになっていたと明かす真矢。
様々なファッションで街を歩き回りながら「どんな女性になりたいか」を自問自答する日々が続きました。
そんな中仕事は激減し、引きこもりのような状態を経て、38歳の時に所属していた芸能事務所から戦力外通告を受けてしまいます。
束の間の自由を味わったものの、すぐに焦りだした真矢。
車を売った頭金でアパートを借りなおし、生活水準を下げると同時に新たな所属先を探し始めました。
芸能事務所が一覧できる本を買い、自分に合いそうな事務所をチェックすると、飛び込みで各社に問い合わせていったのです。
その後、なんとかブルーミングエージェンシーに所属。初めて受けた仕事が「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」のオーディションでした。
「踊る大捜査線」で一躍ブレイク
真矢が選択した役柄は、本庁から派遣された女性管理官・沖田仁美でした。
所轄を完全に下に見ており、現場の捜査官の意見より本庁捜査官のプロファイリングを優先するなど、常に高圧的な態度を取るキャリア組です。
どこからどう見ても悪役ポジションでしたが、「この役を取らなければ、今後の私はない!」と意気込んでオーディションに臨んだ真矢。
選考の要項には「普段着で可」と書かれていましたが、自分なりの沖田管理官をイメージし、スーツにピンヒール、夜会巻きといった出で立ちで挑みました。
スタッフからは「会場にあなたが入ってきた途端、沖田そのものだった」と評価され、徹底した役作りで見事オーディションを突破。
この沖田管理官が見事にハマり、作中で放たれる「事件は現場で起きてるんじゃないのよ。事件は会議室で起きてるの。」というセリフは見ている人に強烈な印象を与えました。
これ以降、キャリアウーマンや経験豊かな女性の役が増え、真矢が女優として軌道に乗る大きなきっかけとなっています。
最後に
今回は「宝塚の革命児」と称された女優・真矢ミキをご紹介しました。
2014年4月5日には、宝塚創立100周年の記念イベント「時を奏でるスミレの花たち」で司会を務め、退団後も宝塚を象徴する顔として多くの人に愛され続けています。
毎年精力的に活動しており、2024年6月には「九十歳。何がめでたい」で杉山響子役を務めたほか、11月には「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」に五十嵐ルリ子役で出演することが決定しています。
今後、真矢ミキのさらなる飛躍に期待が高まります。