歌手、俳優、文筆家とさまざまな分野でマルチに活躍しているアーティスト星野源さん。
特に「逃げるは恥だが役に立つ」では恋に奥手な独身サラリーマンを演じ、そのハマり役ぶりで一気に注目を浴びました。先日お相手役の新垣結衣さんとのご結婚も発表されましたね。現在、公私ともに順調な星野源さん。
今回はそんな星野源さんの俳優業に焦点を当てて、主要作品の紹介とともにその演技力について考察していきたいと思います。
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目次
俳優としてのルーツ
ここでは星野さんの演技力を見ていく前に星野さんの俳優としてのルーツをご紹介したいと思います。
今では俳優としてすっかりその名を知られている星野さんですが、そもそも星野さんが演技をはじめるきっかけとなったのは、高校時代に松尾スズキさん主宰の「大人計画」の舞台を見に行ったことがきっかけだったんです。
中学の時から演劇をしていた星野さんでしたが、高校時代に「大人計画」の舞台を観劇します。もともと内気だった星野さんは全ての感情をさらけ出しているお芝居を見て、自分の中に抱えていた色んなものが全て吹き飛んだように感じます。当時の星野さんにとっては相当な衝撃だったのでしょう。このことがきっかけで星野さんは俳優への夢を強く持つようになります。
その後様々な劇団で活動していた星野さんでしたが、23歳の時に偶然、楽器を弾ける役者を探していた松尾スズキさんに出会います。そこで星野さんは直談判し「大人計画」に所属することになります。そして役者としての活動を本格的に始めることになるのです。
「大人計画」との出会いがなければ俳優としての星野源さんはいなかったかもしれないと思うと本当に大きな出会いですよね。
「地獄でなぜ悪い」(2013年9月)
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刑務所にいる妻の夢を叶えるため、ヤクザが自分の娘を主演にした映画を作ることになるというかなり型破りな内容の痛快アクションコメディ映画です。
ヤクザの武藤役を國村隼さんが、武藤と激しく対立するヤクザ池上役を堤真一さんが演じています。また武藤の娘役を二階堂ふみさんが演じています。
星野さんはひょんなことがきっかけで映画監督に間違えられ、ヤクザ達の戦いに巻き込まれる青年を演じています。
「地獄でなぜ悪い」は映画の内容自体も、ヤクザの射ち合いを映画で撮るという何とも突拍子もないストーリーになっていますが、劇中でヤクザに巻き込まれる青年を演じている星野源さんもヤクザにボコボコに殴られて白目をむいたり、血まみれになって絶叫したりするなど相当振り切った演技をされているんです。
コメディ映画を盛り上げる演技というのは、少し間違えると観ている人が「これは笑わせようとしているな」と感じてしまうような、わざとらしい演技になってしまいますが、それを自然に演じることができるのが星野さんのすごさでもあると思います。
ちなみに、星野さんはこの「地獄でなぜ悪い」と「箱入り息子の恋」(2013年3月)という映画で2014年の第37回日本アカデミー賞新人賞を受賞されています。
「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年10月)
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「逃げるは恥だが役に立つ」は恋愛経験ゼロの独身男性、津崎平匡と派遣切りに合い家事代行をすることになった森山みくりの「契約結婚」を描いたドラマです。
二人のもどかしくも可愛らしい関係や、「家事労働」や「派遣切り」など現実の社会問題もテーマとして取り上げられ、大人気のドラマとなりました。
星野源さん演じる平匡さんの特徴といえば、恋愛経験のない女性に奥手な独身男性というキャラクターですが、平匡さんにとっては、はじめて深く関わることになる女性に対するぎこちない行動や感情を見事に表現されていました。
ドラマの第4話と第5話ではみくりと平匡さんの新婚夫婦としてのぎこちなさに、周囲から二人の関係を不審に思われるという事件が発生します。その解決策として二人は「ハグの日」を設けることにしました。そして二人は叔母の百合の不信感を打破するべく、百合の前でハグを試みることにします。
この時はじめて女性とのスキンシップを経験する平匡さんでしたが、この時の平匡さんのはじめて女性に触れることへの緊張感や恐怖感が見事に表現されていました。
現実でも本当に女性に慣れていない男性なのではないかと思わせるほど自然な演技でしたよね。
「MIU404」(2020年6月)
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「MIU404」は綾野剛さん&星野源さんのW主演のドラマです。
働き方改革によって作られた架空の臨時部隊「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」を舞台に二人がタッグを組み24時間以内の事件解決に取り組む刑事ドラマになっています。
「コウノドリ」でも共演していた二人の再共演ということもあり、放送前から話題になっていたドラマでした。
星野さん演じる志摩一未は感情をあまり表に出さないクールで理性的な役柄。
逃げ恥の平匡さんはどこか女性的な可愛らしい印象の男性でしたが、志摩は普段はクールでありながらも犯罪逮捕に情熱をかける男らしい役柄と「逃げ恥」とは全く違った役柄でした。
ドラマ第4話では暴力団員に銃を突きつけられるシーンがありましたが、そこで志摩は無表情で銃を掴み、「撃てば」と銃口を自分の額に当てます。死ぬことに何の恐怖も感じていないような志摩の感情のない目の演技が志摩の持っている計り知れない闇を感じさせSNS上でも星野源さんの目の演技への反響が多数寄せられました。
平匡さんの柔らかい演技からは全く感じなかった、無表情の中にも鋭さを感じさせる志摩の演技は同じ人物とは到底思えないほど圧巻の演技でした。
「罪の声」(2020年10月)
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「罪の声」は35年前に全国中を恐怖に陥れた未解決事件に二人の男性が迫るミステリー映画です。
2016年「週刊文春」ミステリーベスト10で1位に選ばれた、塩田武士さんのベストセラー小説「罪の声」が原作になっています。
事件の真相を追う新聞記者の阿久津英士役を小栗旬さん。父から受け継いだテーラーを営み、家族と共に平凡な毎日を過ごす中で、偶然自分が35年前の未解決事件の関係者であることを知る曽根俊也を星野源さんが演じています。
星野さんはいままでの出演映画においては感情を思い切り表に出す役柄をを演じることが多かったんです。
例えば「箱入り息子の恋」では、はじめはロボットのように感情を全く出さない市役所の青年が、夏帆さん演じる女性に恋をすることで徐々に色んな感情を出していく様子を表現されていました。
特に周囲からの反対で彼女に会うことができなくなったことに耐えられなくなった青年が、彼女に会いに行くシーンでは人目もはばからず叫びながら全力疾走するという、感情を爆発させる演技をされていました。
しかし「罪の声」では感情を抑えた演技で見る人を映画に引き込ませました。
特に自分が35年前、人々を恐怖に陥れた未解決事件の犯罪に加担していた子供かもしれないということを知った時、その事実を知った驚きと恐怖で曽根は感情を失った表情になります。その表情が事件の凶悪さと、平凡な生活を失っていく人間の恐怖と絶望を感じさせました。
静かな演技の中にも見る人を引き込む力を持つ星野源さんの演技は、やはり役者としての演技力の高さを感じさせるものでした。
まとめ
「地獄でなぜ悪い」での飛びぬけた演技から、「罪の声」の感情を抑えながらも観客を引き込む演技まで、どんな役でもこなしてしまう演技のふり幅の広さに、星野源さんの役者としての素晴らしさを感じます。
結婚をしてさらに新しい引き出しも増えそうな星野源さん。そんな星野源さんの俳優としての活躍に今後も期待したいと思います。
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