宝塚歌劇団の花・月・雪・星・宙の5組には、それぞれ「トップコンビ」と呼ばれるトップスターとトップ娘役の組み合わせが存在します。
トップコンビは各組を象徴する顔であり、その組み合わせによって生まれる個性や魅力によって、組の人気が大きく左右されます。
また、宝塚の舞台は、基本的にトップコンビを中心に物語が展開し、特にフィナーレで披露されるデュエットダンスは、コンビの実力と相性をアピールしファンを魅了する目玉パートとなっています。
当記事では、伝説級と呼ばれるトップコンビを組別にピックアップし、魅力や代表作を徹底解説します。
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目次
伝説級トップコンビ(花組)
明日海りお×花乃まりあ:愛称「みりかの」
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明日海りお(あすみ りお)
愛称:みりお、さゆみし、みりりん、みりそ
身長:169cm
宝塚在籍期間:2003年~2019年
中性的で、「ポーの一族」のヴァンパネラのようなこの世ならざる役柄すら演じ切るロマンチックな男役。
キザで大輪の花のような雰囲気を持ち、「ベルサイユのばら」や「エリザベート」といった宝塚を代表する舞台を数多く演じた、歌・ダンス・演技力の三拍子が揃ったトップ・オブ・トップ。
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花乃まりあ(かの まりあ)
愛称:かのちゃん
身長:163cm
宝塚在籍期間:2010年~2017年
明日海の2人目の相手役で、華やかで聡明な美貌から「宝塚の綾瀬はるか」の異名を持つ。
舞台人として非常にハイレベルな上に、自他共に認めるストイックな性格の明日海に対して、花乃が「ついていくのが精一杯」と非常に苦労したことは広く知られています。
一部のファンから否定的な声が上がるなど、涙することも多かったようです。
しかしその差も花乃の必死の努力で縮まっていき、明日海の代表作の一つ、「ME AND MY GIRL」は、このトップコンビ時代に生まれました。
明日海の自信とユーモアに溢れる演技と、花乃の勝気でありながら時に繊細さを見せるキュートな演技は、この作品の「身分に負けない素朴で純粋な恋」というテーマにぴたりとはまり、多くのファンを虜にしました。
花乃の退団公演「金色の砂漠」では、明日海から花乃に対して「私なんかの相手役をよく務めてくれた」「花乃ちゃんの成長に、ギャフン!です」「そして努力に、アッパレ!です」と最大限の賛辞が送られ、舞台のためにストイックに力を注いだ2人らしいエピソードとしてファンの間で語り継がれています。
柚香光×星風まどか:愛称「れいまど」
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柚香光(ゆずか れい)
愛称:れい
身長: 171cm
宝塚在籍期間:2009年~2024年
大きく印象的な瞳に彫りの深い整った顔立ち、圧倒的な華やかさによって「ビジュアルモンスター」とあだ名されるほどの美貌と、強いスターオーラを兼ね備えたトップスター。
キザで男くさい役柄を得意とし、高いダンススキルにも定評がある。
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星風まどか(ほしかぜ まどか)
愛称:まどか、かなめ
身長:162cm
宝塚在籍期間:2014年~2024年
柚香の2人目の相手役。
穏やかで上品、歌・ダンス・演技力と三拍子揃えているだけでなく、相手に寄り添ってその魅力を最大限に引き出す、娘役の一つの完成形とも呼ばれた人物。
華やかなビジュアルを持ち、おおらかで細かいことを気にしない明るい性格の柚香と、上品でしっかり者の星風は、ビジュアル面でも性格面でも相性が良く、高い人気を誇ったトップコンビです。
舞台「うたかたの恋」では、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子と男爵令嬢の悲恋を演じ、その耽美な美しさは宝塚だからこそ表現出来る作品として絶賛され、このトップコンビの代表作として知られています。
特に星風は、「ファン時代から大好きだった」柚香の隣ではお茶目な面も見せるなど全幅の信頼を置いていたようです。
2024年5月26日の「アルカンシェル」東京公演千秋楽で、花組としては26年ぶりとなるトップコンビの同時退団を行い、大きな話題となりました。