Apple Music『はじめての宝塚歌劇団』 珠玉の名曲10選

Apple Music『はじめての宝塚歌劇団』 珠玉の名曲10選

Razzle Dazzle(Razzle Dazzle(ラズル ダズル))

「宝塚110年の恋のうた」と同時上演された、ミュージカル「Razzle Dazzle」の主題歌です。

舞台は、1950年代のロサンゼルス。

「ハリウッド一の裕福な孤児」の異名を持ち、ナイトクラブ「ラズルダズル」の新オーナーでもあるレイモンド(芹香)は、莫大な遺産を相続する代わりに、後見人である実業家の高慢な娘・アビー(天彩峰里)と結婚しなければなりません。

結婚を拒否するレイモンドに、「財産のないあなたを愛する女はいない」と言い放つアビー。

そこで親友の映画スター・トニー(桜木みなと)は、レイモンドが大金持ちであるという正体を隠して、それでも愛してくれる女性が現れればレイモンドは財産を相続、現れなければアビーと結婚するという賭けを持ち掛けます。

そんな折、彼らの前に現れたのは、女優を夢見て田舎から出てきた純朴な女性ドロシー(春乃さくら)。

果たしてレイモンドは、正体を隠したままドロシーの愛を勝ち取り、遺産を手に入れることができるのか。

メインキャラたちの賑やかな恋のさや当て、夢に向かってひたすらに進む若者たちの姿が、ユーモラスかつハートフルに描かれた本作は、芹香の男役として魅力そのもの。

この主題歌自体も、軽快かつ華やかで遊び心たっぷりのリズムで、芹香と舞台の双方の魅力を存分に引き立たせており、退団公演を彩る代表的な楽曲として心に残ります。

Fairy taleのように(ROBIN THE HERO)

2025年3月から6月まで上演された雪組トップスター、朝美絢の大劇場トップお披露目公演「ROBIN THE HERO」のオープニング主題歌。

本作は、12世紀イングランドの伝説的なヒーロー「ロビン・フッド」をテーマにした物語です。

主人公のロビンは、かつてはノッティンガム荘園領主の一人息子でしたが、父が無実の罪で処刑され、それに伴い投獄されてしまいます。

その後脱獄したロビンは、シャーウッドの森の盗賊たちと遭遇。

彼らが民衆を苦しめる王弟ジョンの打倒を目指し、悪徳役人から財宝を奪って貧しい民衆を助けていることを知り、義賊として活躍することを決意します。

民衆のヒーローとなったロビンは、果たして父の仇を討ち、暴政を食い止め、愛する者を取り戻すことができるのか。

「Fairy taleのように」は、そんなファンタジックな冒険譚を象徴する楽曲で、おとぎ話のような世界観と壮大で希望に満ちた曲調が特徴。

朝美の明るく伸びやかな歌声も物語の始まりを華やかに演出し、観客を舞台の世界に引き込みます。

新トップスターのお披露目にふさわしい、エネルギッシュなナンバーです。

BLOOD GETS IN YOUR EYES(阿修羅城の瞳)

2025年4月から8月まで上演された星組トップスター、礼真琴の退団公演「阿修羅城の瞳」の主題歌です。

本作は、大人気劇団「劇団☆新感線」の同名作品を原作とした究極のエンターテイメント作品で、近年の宝塚の舞台の中では非常にチケット難となり、多くの話題を呼びました。

物語は、人を喰らう鬼が巣食う文化・文政期の江戸の街に、千年余りの時を超えて鬼の王・阿修羅が目覚めようとするところから始まります。

そんな中、幕府による鬼退治組織「鬼御門」にかつて所属していた腕利きの鬼祓い、病葉出門(礼)は、鬼御門に追われる謎の女盗賊つばき(暁千星)を匿うことに。

2人は少しずつ惹かれ合っていくのですが、やがてその関係は壮絶な愛憎へと姿を変え、悲劇的な結末を辿っていきます。

そんな熱く重厚な物語の中で、本楽曲は主人公たちの葛藤や戦いを象徴する力強い旋律で舞台を彩る役目を果たしました。

多くのトップスターを生み出した「花の95期」の中でも、トップクラスの歌声を持つ礼の情熱的な歌声と力強い表現力が曲に更なる深みを加え、運命的な男女の愛を見事に再現。

礼真琴の退団公演ならではの迫力と重厚感を味わえる一曲です。

エスペラント!(エスペラント!)

「阿修羅城の瞳」と同時上演されたショー「エスペラント!」の主題歌です。

タイトルの「エスペラント」とは、希望を胸に抱く人のこと。

国や文化を超えた多彩で独特なリズムとダンスナンバーによって構成された楽曲で、それに礼の抜きんでた歌唱力とダンス力が融合して、ショー全体にエネルギッシュなパワーを与えました。

本楽曲は、ショーの冒頭やフィナーレで繰り返し歌われ、希望・願い・祈り・多様性を強烈に訴えるナンバー。

退団公演らしい華やかさと力強さを兼ね備えた、非常にインパクトのある楽曲と言えるでしょう。

失われた彩画(悪魔城ドラキュラ)

2025年6月から9月まで上演されている花組トップコンビ、永久輝せあ×星空美咲による大劇場公演「悪魔城ドラキュラ」で使用された楽曲です。

本作は、ゴシックホラー・アクションゲーム「悪魔城ドラキュラ」が原作。

18世紀後半、ヴァンパイアと人間の間に生まれたアルカード(永久輝)は、何百年もの間、覚醒と眠りを繰り返しながら、人類を滅ぼそうとする父ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ(輝月ゆうま)を討伐する宿命を負っています。

しかし、ヴァンパイアハンターの一族であるマリア(星空)と出会ったことで、過酷な彼の人生は次第に変化し、やがて父息子の宿命の時が訪れるという壮大なファンタジー・ホラーロマンです。

「失われた彩画」を始めに、「月下の覚醒」などのゲーム内BGMを元とした楽曲は、ゴシックホラーとファンタジー要素を兼ね備えた、壮大な世界観を表現。

ヴァンパイアと人間の運命の交錯を描いて、緊張感とドラマチックな盛り上がりを演出し、宝塚ファンのみならずゲームファンからも好評を集めました。

ゲームと舞台の融合を堪能できる、迫力ある一曲です。

最後に

宝塚の楽曲には、「すみれの花咲く頃」や「この愛よ永遠に-TAKARAZUKA FOREVER-」のようなテーマソングや、大作舞台「エリザベート」や「ベルサイユのばら」の楽曲など、多くの名曲が存在します。

今回のサブスク解禁をきっかけに、ぜひ様々な名曲を聴き比べてお気に入りの一曲を見つけてみてください。

音楽を通して、舞台の世界をより深く楽しめるはずです。

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