【インタビュー】Port Town FM-「港町のラジオから流れてきそうな曲を作る」バンドの結成から最新作「Jumble」裏話まで

【インタビュー】Port Town FM-「港町のラジオから流れてきそうな曲を作る」バンドの結成から最新作「Jumble」裏話まで

「港町のラジオから流れてきそうな曲を作る」バンドとして活動するPort Town FM

3月31日に新アルバム「Jumble」をリリースしたばかりの、男女混声トリプルボーカルに、トリプルギターという珍しいバンドです。

今大注目の彼らにこれまでの経歴や、「Jumble」に込めた思いなどを聞くため、カルチャはインタビューを行いました!

今回は、結成当初からのメンバーである西本さんと万力さんにお話しを伺っています。

それでは、早速、その模様をご紹介していきましょう!

Port Town FMインタビュー・結成から「Jumble」制作中の裏話、今後の活動について。

—— 本日はカルチャのためにお時間を取っていただきありがとうございます。まずは簡単に自己紹介をお願いしてよろしいでしょうか?

西本:ベースとボーカルの西本です。

万力:ボーカルギターの万力です。よろしくお願いします。

—— まずバンドの結成の動機や経緯について教えていただけますか?

西本:僕と万力が高校の同級生だったんですよ。
それで高校卒業してから、よく一緒に曲を作ってて、バンドやりたいよねってなったのがきっかけですね。

万力:僕は高校の時にコピーバンドをやってた程度で、周りに音楽仲間がいなかったので、西本の大学の友達とか音楽仲間を集めてもらって始めました。

—— 二人で音楽を作っていた時期は、今のPort Town FMのような曲を作ってたんですか?

万力:高校卒業したての頃はハードロックとかメタルとか…

西本:ハードコアなもの好きでしたね。
でも年齢と共に落ち着いたというか(笑)
いろんな音楽聴くようになって、今の感じになっていたんですけど…エッセンスが足されるというか。

—— こういう人たちになりたいとかはありましたか?

西本:二人に共通して目指してたアーティストとかはいないと思います。

—— なるほど。個人的にはいたんですか?

西本:今またちょっと違いますけど、始めた頃はシュガーベイブみたいなバンドをやりたくて、コード感とかは意識してましたね。
結果的に全然違うものが生まれましたけど。(笑)

万力:僕はそんなにこだわりなかったんですよ。
このアーティストが一番かっこいいとかこの音楽が一番かっこいいとか。

Nothing’s Carved In Stoneっていうバンドがいて、一つ軸はあるけど、好きなものは何でも取り込むみたいな。そういうマインドには惹かれましたね。

—— マインドに惹かれる。

万力:Fear, and Loathing in Las Vegasとかも、何でもぶっこむじゃないですか。
ジャンルというよりかはマインドで影響を受けたバンドが多いかもしれないです。

—— 最初のEP「ボクノゲリララジオ」に収録されている「ice cream, Dreamin 19th」は、曲が進むにつれて、どんどん展開していきますよね。

西本:そうですね(笑)

—— ではバンドについてお聞きします。トリプルボーカル・トリプルギターという珍しい構成ですが、そうなった背景や理由を教えていただけますか?

西本:訴えたいことがある人、ギター弾きたい人がいっぱいいて、結果的にこの構成になっちゃったっていう感じです(笑)

万力:「歌いたいやつ歌えばいいんじゃない?」みたいな(笑)
歌に関しては 女の子は入れたいっていう話をしてたと思うんですよね。
ただ俺も西本も歌いたいって言うので、3人になった気がします。

—— カッコ良いですね。

万力:ギターに関しては、狙ってやったところもあるかもしれないです。
やっぱりオーソドックスな4ピースとか、ギター2人いるハンドとか、ボーカルが男女混声っていうバンドは結構いたけど、ギター3人いるバンドってまずいなかったし。

西本:音作りとか大変ですけど、今は3人ギターがいて3人ボーカルがいるってことで助かってることは多いですね。

—— 音作りが大変というのは、ギター3本の音の分離っていうことですか?

西本:そうですね。

万力:リハは長時間音作りっすね。

西本:合わせる時間より、音作りの時間の方が長い気がします。
早く正解見つけたいですね(笑)

—— このバンド構成ならではの悩みですね
—— 作詞作曲はお二人が担当しているという認識でよろしいんでしょうか?

西本:曲によってはリードギターの沼田君も作ってくれてます。
今回のアルバムで言うと「Teenage」っていうグランジっぽい曲は彼の作曲ですね。

西本:まぁでも一人が全部作るとよりかは、元ネタを持ってきて、それにみんなで手を加えるっていうのが多いです。

—— 歌詞はどうですか?

万力:歌詞は基本西本ですね。

西本:これも全部ではなくて、ベースみたいなものは僕が考えて
「こんな感じでどう?」って見せて、しっくり来ないところはメンバーが色々単語とかをくれて、出来上がっていく感じです。

—— 歌詞もPort Town FMの音楽の大きな魅力の一つだと思っています。歌詞を書く時のこだわりや想いを教えてください。

西本:僕と万力で「ここの歌詞どうしよう」って考えることあるんですけど
そういう時ってほとんど良いの思い浮かばないんですよ。
だから歌詞を考えようっていう時間はなるべく作らないようにしてて…
私生活の中で思い浮かんだフレーズを常にメモして、それで出来上がることが多いですね。

—— 歌詞の内容についてのこだわりはありますか?

西本:「港町のラジオから流れてきそうな曲を作る」っていうコンセプトで始めたバンドなんですけど、海っぽい曲があまりにも多いので(笑)
いろいろそれ以外の アプローチもして行こうかなというのは考えています。
今回のアルバムでは海もそうですけど、港町の「町」の要素を入れ込んだっていう感じにはなってますね。

—— ちょうどお話の出た、3月31日リリースの新アルバム「Jumble」について伺いたいです。これまでのPort Town FMにはなかったハードロックやメタルの要素も感じましたが、サウンド的に意識した点はどんなところでしょうか?

万力:最初の頃のシングルやEPは、良くも悪くも音が軽いなと思ってたんですよ。
今作はデモ作りの段階から重さには気を遣って、これも良くも悪くもですけど、今っぽい音なんですかね。
リズム隊の重さもそうで、それに合わせてギターの音も作っていった感じですね。
だから歪みには特にこだわりました。質感というか。

—— 「カモメ男」のドラムや、途中に出てくる重いギターがカッコ良く、心地良かったです。

万力:ありがとうございます。
なので、「Jumble」は全く新しい音になっていると思いますね。 


—— 下北を拠点に多くライブも行ってきたと思いますが、対バンで出会った他のバンドの影響もあったのでしょうか?

西本:結構あります。
最近、下北の僕たちの界隈で、水面下ですけどグランジブームみたいのが来てて…
それに自分はちょっと影響受けちゃったと言うか(笑)

特に自分は、最初はだいぶシティポップやりたかったんですけど、
強いオルタナティブな歪みの音とか入れたいなとか思いましたね。

—— なるほど。そんな中でもPort Town FMの変わらない要素はしっかりと感じました。

西本:「影響を受けちゃった」っていうのはポジティブな意味で(笑)
そういう要素を入れられましたね。

—— 「Jumble」の制作中の思い出やエピソードがあれば教えてください。

西本:このバンドって制作に一番時間かけてるバンドなんですよ。
バンドに二種類あるとすればライブがメインのバンドと、制作メインがあると思うんですけど
僕は、このバンドは基本的に何か作ってるイメージ。

なのでこのアルバムの制作期間中2か月は、1週間のうち5~6日、ずっとスタジオ入ってる感じでした。

—— 合宿もしたとか…?

西本:そうですね、それはレコーディングだったんですけど…
僕らレコーディング中、結構思い詰めちゃうタイプで、淡々とこなしていくとかできないんですよ(笑)

時間かかるから、合宿という形をとったほうが効率良いなっていうことで
なのでエンジニアさんには申し訳ないんですけど、本当に朝から夜中まで付き合ってもらって、今回のアルバムは作りましたね。

—— 万力さんは何かありますか?

西本:緊張感やばかった話してよ(笑)

万力:緊張感あったっけ?

西本:あったじゃん!

合宿っていう言葉を聞いた感じだとわいわい楽しそうじゃないですか。
僕らすっげー静かなんですよ。誰かがヒソヒソ声でたまに喋るくらい(笑)

万力:大人を前にするとみんな怯えちゃうんすよね。多分。

西本:誰も喋んないから、万力が無理して陽気な小ボケとか言って(笑)

万力:それが全然面白くないんですよ

—— それ見たかったです(笑)

万力:合宿の3日前ぐらいまでプリプロしてたんですけど、結局その後も色々変更とかして、僕全然練習しないまま合宿行ったんですよ。

だからフレーズが自分のものに全くなってなくて、エンジニアさんに叱られまくるみたいな。

—— 余計黙っちゃいますね…

万力:そうですそうです。まぁそりゃそうだよなと思いながら(笑)

—— 「Jumble」リリースからまだ2カ月ほどしか経っていませんが、次回作の予定はありますか?

西本:来週ぐらいからまた毎日のような作曲期間が始まると思います…
今みんなで元ネタを何十曲も作っていて、その中から詰めていくという感じですね

万力:7月には名古屋でライブもあったりして、楽しみですね。

—— 新譜もライブも楽しみです!!
—— 最後に、カルチャの読者に一言ずつよろしくお願いします!

万力:こういう時期なんで…来れる時で良いので、ライブ遊びに来てください。音源も聞いてください。

西本:聞いてくれると、結構楽しい音楽だと思うので、 おうち時間は是非部屋で流してください。

—— 本日はたくさんお話を聞かせていただきありがとうございました! 今後のさらなるご活躍に期待しています!

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