MLBの歴史の中でも前人未到の領域であった「50‐50(フィフティ・フィフティ)」。
2024年9月20日、大谷翔平がマイアミ・マーリンズ戦で大記録「50-50」を達成したことが話題となっています。
さらに、大谷選手の勢いは一夜明けても止まることはなく、その記録を「52‐52」に伸ばしたのです。
本記事では、大記録「50‐50」について解説します。
また、これまで達成の可能性があった選手や「50‐50」達成に対する球界の反応についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
「50-50」とは
「50-50」とは、1人の選手が1シーズンで本塁打50本以上、盗塁50個以上を記録することを指します。
この記録を達成したのは長いMLBの歴史の中で大谷翔平ただひとりです。
これまで年間50本塁打を記録した選手の最多盗塁数は1955年ウィリー・メイズ、2007年アレックス・ロドリゲスがそれぞれ記録した24盗塁。
また、50盗塁以上を記録した選手の最多本塁打は2023年ロナルド・アクーニャ・ジュニアの41本塁打となっています。
どちらも素晴らしい成績ですが「50‐50」には程遠い数字です。
この成績を見ると大谷選手の活躍がいかに異次元かわかるでしょう。
「50‐50」はなぜ難しい
「50-50」を達成することはなぜ難しいのでしょうか。
これは、1シーズンに50本以上の本塁打を放つパワーと50個以上の盗塁を成功させるスピードとセンスが要求されるからです。
パワー、スピードのそれぞれに特化した選手は数多く存在しますが、両方を兼ね備えた選手は稀有な存在といえるでしょう。
「50-50」に今まで一番近かった選手は
歴史的偉業である「50-50」。
長いMLBの歴史の中で達成したのは大谷翔平ただひとりですが、これまで「50-50」に一番近かった選手はどの選手なのでしょうか。
以下の表をご覧ください。
選手名 | 50本塁打達成回数 | 50盗塁達成回数 |
ベーブ・ルース | 4 | |
マーク・マグワイヤ | 4 | |
サミー・ソーサ | 4 | |
アレックス・ロドリゲス | 3 | |
アーロン・ジャッジ | 3 | |
ジミー・フォックス | 2 | |
ラルフ・カイナー | 2 | |
ミッキー・マントル | 2 | |
ウィリー・メイズ | 2 | |
ケン・グリフィー・ジュニア | 2 | |
ハック・ウィルソン | 1 | |
ハンク・グリーンバーグ | 1 | |
ジョニー・マイズ | 1 | |
ロジャー・マリス | 1 | |
ジョージ・フォスター | 1 | |
セシル・フィルダー | 1 | |
アルバート・ベル | 1 | |
ブレイディ・アンダーソン | 1 | 1 |
グレッグ・ボーン | 1 | |
バリー・ボンズ | 1 | 1 |
ルイス・ゴンザレス | 1 | |
ジム・トーミ | 1 | |
アンドリュー・ジョーンズ | 1 | |
ライアン・ハワード | 1 | |
デビッド・オルティーズ | 1 | |
プリンス・フィルダー | 1 | |
ホセ・バティスタ | 1 | |
クリス・デービス | 1 | |
ジャンカルロ・スタントン | 1 | |
ピート・アロンソ | 1 | |
マット・オルソン | 1 |
これはMLBの歴史の中でシーズン50本塁打以上を記録した選手の一覧です。
合計31名のスラッガーが名を連ねていますが、キャリアハイの成績を組み合わせたとしても「50-50」を達成しているのは、ブレイディ・アンダーソンとバリー・ボンズの2人だけです。
この表を見ると、いかにパワーとスピードを両立させることが難しいかわかるでしょう。
以下で、別々のシーズンではあるものの、50本塁打・50盗塁を記録したことのある2名の選手について紹介します。
ブレイディ・アンダーソン
【1992年シーズン】
・出場試合数:159試合
・本塁打:21本塁打
・盗塁数:53盗塁
【1996年シーズン】
・出場試合数:149試合
・本塁打:50本塁打
・盗塁数:21盗塁
ブレイディ・アンダーソンは史上初のシーズン50本塁打、50盗塁をそれぞれ記録した選手です。
本来は俊足が持ち味の中距離打者ですが、1996年シーズンは打撃が覚醒。
50本塁打を記録するなど大活躍しています。
上記成績のとおり「20‐50(20本塁打50盗塁)」「50‐20(50本塁打20盗塁)」の両方を達成するなど、輝かしい成績を残したスター選手です。
バリー・ボンズ
【1990年シーズン】
・出場試合数:151試合
・本塁打:33本塁打
・盗塁数:52盗塁
【2001年シーズン】
・出場試合数:153試合
・本塁打:73本塁打
・盗塁数:13盗塁
バリー・ボンズはMLB歴代1位の762本塁打、シーズン73本塁打、通算500本塁打、通算500盗塁達成など、数々の偉業を成し遂げたスター選手です。
サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地であるオラクル・パークのライト後方にあるマッコビー湾にホームランを直接叩き込む「スプラッシュヒット」は彼の代名詞となっています。
1990年に52盗塁、2001年に73本塁打を記録するなど、凄まじい実績を残したのです。
「50-50」達成に対する反応
「50‐50」達成に対する反応をチェックしてみましょう。
コメント | 発言者 |
「51/51 lol」(51/51(笑)) | MLB公式「X」 |
「今日のこのパフォーマンスは驚くべきものだ。この野球というゲームにおいて、これはMLBの勝利だ」 | デーブ・ロバーツ
(ロサンゼルス・ドジャース監督) |
「スーパークールだね。なんとも言葉で表現できないね…」 | ムーキー・ベッツ |
「35年前、私は40/40クラブを創設しました。今夜、大谷翔平が50/50クラブを創設しました。おめでとうございます」 | ホセ・カンセコ |
「この男は非現実的だ!すごい!」 | レブロン・ジェームズ |
「そうだ、大谷はGOAT(史上最高)だ」 | ジョエル・エンビード |
上記のようにMLB関係者のみならず、NBAのスーパースター達も賛辞を送っています。
また、大谷選手のスポンサー企業からも偉業を祝うコメントが数多く寄せられているなど、大きな注目を集めているのです。
大谷翔平は記録をどこまで伸ばすのか
2024年9月21日現在、残り8試合を残している大谷翔平。
このままのペースでいけば、シーズン54本塁打、54盗塁を達成することになります。
マイアミ・マーリンズ戦で見せたような大活躍があれば、「55‐55」の達成も夢ではないでしょう。
また、来シーズン以降は、二刀流での起用が予想されます。
投手への復帰が実現した場合、われわれが「50‐50」を目にするのは2024年シーズンが最後かもしれません。
歴史的大記録をどこまで更新するのか、しっかりと目に焼き付ける必要がありそうです。
さいごに
本記事では、前人未到の大記録「50-50」について解説してきました。
「50-50」はパワーとスピードを高いレベルで兼ね備えた選手しか達成できない大記録です。
そんな大記録を歴史上でただひとり達成した大谷翔平。
伝説ともいえるこの記録をどこまで伸ばすのでしょうか。
大谷選手の活躍から目が離せません。