広島と言えば、広島カープと言ったイメージが強いかもしれないが、サンフレッチェ広島も忘れていてはいけない。
数年前には森保監督の下で2連覇を果たすなど地方クラブながら監督の手腕やクラブの育成力の高さでビッククラブとの資金面等での格差を補い、Jリーグに広島旋風を起こした。月日が流れ、当時を知る選手であるFW佐藤寿人やFW浅野拓磨らが移籍し、新生・サンフレッチェ広島が誕生しようとしている。
新しい世代を積極的に登用していくなかで上手く世代交代が図られている。結果としても第6位と上々の出来であった。
来季に向けて、さらなる若い世代の成熟や成長が見込まれることを考慮すれば、広島旋風再来も夢ではなく5年ぶりのJ王者へ返り咲くために何が必要なのか、独自の視点から特集していこうと思う。
2019年12月7日に15年ぶりに横浜Fマリノスが優勝を飾り、今季のJ1が幕を閉じた。
最終節まで優勝争い、残留争いともに手に汗握る接戦、熱戦が多く展開され、Jリーグファンのみならず日本中で注目を浴びた。
なかでも、最終節の優勝争い同士の対戦カードとなった1位・横浜Fマリノスvs2位・FC東京の大一番は6万3854人を動員し、6年ぶりの最多来場者数更新も話題となった。
Cal-Cha編集部では、J1全クラブ18チームの今季の講評をはじめ、来季の注目選手や応援歌を紹介していこうと思う。
第8弾は今季J1リーグ第6位のサンフレッチェ広島を総括していく。
目次
サンフレッチェ広島
サンフレッチェ広島基本データ
- 創設年度:1992年
- 前身団体:マツダサッカークラブ(東洋工業サッカー部)
- 本拠地:マツダスタジアム
- J1リーグ戦3回優勝(’12,’13,’15)
- 天皇杯2回準優勝(’07,’13)
- クラブW杯第3位(’15)
Jリーグ創設当初から加入しているオリジナル10のひとつであり、
兵庫より西側の地域では唯一のクラブであり、中国地方唯一のクラブチームでもあり
地域のサッカーを引っ張る存在であった。幾度かのJ2降格を経験しているが、ここ数年はJ1王者になるなど
現日本代表監督・森保一監督の指揮のもとで輝かしい成績を残している。
また、Jリーグ創設以前から育成年代の指導に力を入れており、
毎年将来を有望される選手がユース年代から現れるのが特徴的なクラブチームでもある。
2012年2013年にはJ1で2連覇を飾っているが、決して日本代表級の選手を多く擁していたわけではなく、当時監督であった森保監督のもとでしっかりとしたチーム戦術の浸透が図られ、選手たちもそのチーム戦術とマッチングがとれる選手を獲得したことで優勝できたと考えられる。また、これを機にFW浅野拓磨が日本代表に選出されるなどクラブの成長にも繋がっていった。
今季の総評
- 第6位/18チーム中
- 勝ち点55
- 15勝10分9敗45得点29失点
1年を通してしっかりとした守備を構築し、29失点と全クラブでも最少失点クラスを誇った。
一方で攻撃力は平均的な得点数は量産しているが、今まで点数を量産していたFW佐藤寿人、浅野拓磨やパトリックの向けた穴を埋められなかったことが一つの要因と思われる。柏好文らウィングバックの守備意識は素晴らしいものがあり、今後も3-5-2システムでは欠かせない選手であるように感じた。
若い世代の活躍と現有戦力として長く第一線で活躍してきたMF柏やMF青山らの融合が上手くいけば、今後も優勝争いの一角としてJリーグを牽引していくだろう。
開幕戦は日本代表FW北川航也を擁する清水エスパルスとの一戦となった。
試合は開始からすぐに一進一退の攻防が続く展開となる。
前半中盤になると徐々に清水が主導権を握り始める。
すると、前半30分清水・FW北川航也が裏に抜け出し、GKとの1対1を冷静に抑え、先制点を得る。
ホームで負けられないは広島は後半開始から猛攻を開始する。
左サイドを起点にして徐々に得点の匂いがし始める。後半12分についに広島・MFエミルのボレーシュートで同点に追いつくとそのままの勢いで逆転を狙いに行く。
お互いに交代カードを切り、初戦から総力戦となったゲームは終わってみれば1-1の痛み分けとなる。
その後も第7節まで無敗の5勝2分と優勝争いに一角としてFC東京と並び立つ。
そんななか迎えた第8節vsFC東京戦(H)の首位攻防戦は
“堅守の広島” vs “久保らタレントを擁するFC東京”
の構図となる。
拮抗する硬い展開が続くなか先に動いたのFC東京であった。
FWを交代投入して攻撃に厚みを持たせることで勝ちに行く気持ちを見せる。すると、後半26分ついに広島がゴールを割られてしまう。
ビハインドを負った広島は反撃にでるもポストに嫌われるなどの不運もあり、今季リーグ戦初黒星を喫する。
この敗戦を皮切りにして4連敗してしまう最悪のサイクルに入ってしまう。
これにより大きく首位争いから遅れを取る形となってしまった。
リーグ後半戦は4連敗でも課題を修正することでチーム戦績もだんだんと回復していったが、
首位を走るFC東京とそのあとを追う横浜FM、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレとは勝ち点差が大きく開いてしまった。
数字だけで見ると第6位と及第点と言わざるを得ないが、
チーム事情を考えてみれば、今季は若手を多く先発や途中出場させており、この点においては来季に向けての収穫と言える。
また、U-18世代もプレミアリーグに残留することができており、育成年代からの輩出等明るい材料もいくつか揃っている。
今季の守備力を安定化しつつもチームのメンタル面の強化を図ることがより新生・サンフレッチェ広島が飛躍するカギとなると思う。
編集者イチオシ!!2020シーズンの注目選手
大迫敬介
- 生年月日:1999年7月28日
- ポジション:GK
- 所属:サンフレッチェ広島ユース→サンフレッチェ広島
今シーズンから先発としてゴールマウスを任されている20歳の若武者である。
2020年は東京オリンピックが開催されることもあり、オリンピック日本代表の正GK候補の一人としても期待されている。
五輪代表監督が元サンフレッチェ広島監督の森保一であることもあり、有力視されているが
他にも有力な選手がいるため、来季の活躍が必須である。
野津田岳人
和さんと初めて一緒にプレーした時の衝撃は今でも覚えてます。
小さい頃から見てた和さんの背中、存在感、プレーの質、凄さは忘れません。
たまに素で浩司さんと間違えた時はよく怒られましたね。笑
和さんと一緒にプレーできた事は誇りだし幸せでした!
和さん本当にお疲れ様でした。 pic.twitter.com/oGm7LovBJt— 野津田岳人 (@GakutSanfre) October 27, 2018
- 生年月日:1994年6月6日
- ポジション:MF
- 所属:サンフレッチェ広島→ベガルタ仙台→サンフレッチェ広島
昨シーズンはレンタル移籍でベガルタ仙台で23試合に出場し、2得点とまずまずの結果を残した。
今シーズンはサンフレッチェ広島に復帰したが、出場数は13試合に留まり、
あまり期待していたような活躍はできずに終わってしまった。
背番号7を背負い、26歳とサッカー選手として脂ものってくる時期に差し掛かるだけにチームからの期待は大きいと思われる。
森島司
- 生年月日:1997年4月25日
- ポジション:MF
- 所属:四日市中央工業高校→サンフレッチェ広島
2019年シーズンは24試合(うち3試合は途中出場)に出場し、3得点を記録した。
今年22歳となったばかりであり、五輪代表候補の一人でもあり、
サンフレッチェ広島をこれから牽引していくであろうポスト青山とも謳われる選手であると感じる。
各年代カテゴリーで日の丸を背負ってきた選手であり、その卓越した足元の技術とパスセンスは一級品である。
来季、チームの攻守の要として自身も結果を出しながらチームを牽引できるのか注目である。
今からでも間に合う!!現地観戦のすすめ
今年のJリーグは手に汗握る接戦、熱戦が多く展開され、Jリーグファンのみならず日本中で注目を浴びた。
読者のなかには友達に誘われてなんとなく会場に足を運んだ人やJリーグにハマって初めて試合観戦をしに行った人もいるだろう。
そんなみなさんのために現地観戦の楽しみ方をひとつだけ紹介する。
それは…「応援歌チャント」である。
テレビでは伝わらない臨場感や高揚感を周りのサポーターと声が枯れるまで感じることができるのが現地観戦の醍醐味であると思う。
そこで今日はサンフレッチェ広島の応援歌これだけは押さえといて欲しい動画を参考に紹介していく。
- カーニバル(2:47~)
- Hirishima Night(0:00~)
- 大脱走(9:08~)
- 情熱HIROSHIMA(8:15~)
- Ale!Ale!Hiroshima(1:14~)
基本的に応援歌チャントは簡単なリズムと言葉で作られているものが多いため、
初めての人でも一緒に盛り上がれるように配慮されているので安心できるのがいいところでもある。
「大脱走」はどのカテゴリーでも歌われる有名なチャントのひとつであり
明るく軽快なリズム感はスタジアムのボルテージをあげること間違いなしです!!
ぜひ気になった人は自分でも調べてみてお気に入りの応援歌チャントを見つけてほしい。
この記事で少しでもJリーグないしはサッカーに興味を持ってくれる人が増えたら幸いです。