藤本タツキによる少年ジャンプ漫画作品『チェンソーマン』。
過激な描写や予想外の展開で注目を浴び、第1部完結となりました。
第2部を少年ジャンプ+で連載を予定しており、スタジオMAPPAによってアニメ化企画も進行中。
国内だけでなく海外からも高い人気を誇る作品は世界観だけでなく、登場するキャラクターも非常に魅力的です。
今回の記事では主要人物の1人である血の魔人・パワーについて、原作の内容を踏まえながらご紹介していきます。
パワーについて知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
チェンソーマンのパワー(血の魔人)とは
パワー(血の魔人)とは、チェンソーマンの第4話から登場した女性キャラクターです。
見た目は人間ですが頭にツノが生えており、比較的知能が高い魔人としてマキマに保護されました。
正確な年齢に関しては言及されていませんが、見た目だけで言えば10代後半程度。頭頂部のツノ以外の特徴は亜麻色の長い髪に、眼球の中心部に十文字の文様が描かれています。
自分勝手な言動が目立ち、一人称は「ワシ」。年寄りじみた話し方ですが、実際はかなり子供っぽい性格。
魔人ではあるものの、マキマに保護されてからはデビルハンターとしての訓練を受けており、デンジとバディを組むことになります。
一人称は「ワシ」傍若無人な悪魔
見た目だけで言えば美人な部類に入るパワーですが、性格が非常に難のあるキャラクターです。
一人称が「ワシ」であるのはまだいいのですが、とにかくその暴れっぷりはまさに幼い子供。自己中心的でありわがままな振る舞いは、主人公であるデンジすら圧倒するほどです。
初の仕事ではデンジの静止の声も聞かずに突っ走り、ナマコ(ナメコ)の悪魔を一撃で粉砕。全身返り血を浴びながら高笑いする姿はある意味不気味です。
自尊心の塊のような態度で人と接しますが、自分よりも強いと判断した相手には忠実で、マキマの前では狼狽える姿を見ることができます。しかし、その逆に弱い相手に対しては一切妥協することがなく、高圧的な態度で接します。
死体に憑依した魔人
魔人であるパワーですが、元は彼女も立派な悪魔です。
悪魔としての姿は女性としての特徴はあるものの、腕が4本もあり、胸部から首にかけて臓物が剥き出しの状態。サメを連想させる頭部に通常の人間に比べて2~3倍の背丈となっています。
デンジ達が普段見ている姿は人間の死体に憑依した姿です。その人間がどこの誰か、どのような経緯で憑依したのか詳細は不明ですが、もしかすると今後の展開で判明するかもしれません。
血を操る能力を持つ
チェンソーマンに登場するキャラクターは、それぞれ特殊な能力を持っています。
魔人であるパワーも特殊な能力を有しており、その能力は血を操ることです。
デンジと初めての仕事では、手首から吹き出した血を凝固させて巨大なハンマーを生成し、魔物を一撃で粉砕しています。その他にナイフなどの鋭利な武器も生成することが可能です。そのシーンはアニメティザーPVでも確認することができます。
また、ペットボトルに入れた自分の血を遠隔で操り槍を発射。相手の不意打ちを狙うことができる便利な技ですが、大量の血を消費してしまうので貧血になってしまいます。
武器を生成する以外では血の流れを操り、止血することもできます。他人の血を操ることも可能ですが、本人曰く他人の血の操作は苦手とのこと。
元が悪魔であることも関係していますが、血を飲むことで自身を強化することができます。しかし、飲みすぎると頭のツノが増えてしまい、原作39話では定期的に血を抜く必要があるとマキマが語っています。
早川アキ・デンジ・パワーの共同生活
デンジ達と出会う前はマキマの管理下に置かれていたパワーですが、その後は早川アキとデンジと共同生活を送るようになります。
これに黙っていないのが家主である早川アキです。いくらマキマの指示であっても、既にデンジという問題児を抱える彼にとって、さらに問題児のパワーと一つ屋根の下で暮らすのは避けたいところ。
しかし、結局はマキマに逆らうことはできず、パワーを含めた3人での共同生活が始まります。
知能は高いとは言っても、それは魔人としての基準でしかありません。通常の人間に比べると一般的な常識が欠落しており、デンジ共々暴れまわります。
野菜が嫌いなので他人が作ってくれた料理であっても投げ飛ばし、風呂はたまにしか入らず、、トイレもたまにしか流さない。その言動の数々にデンジすら呆れる程です。
パワーの魅力・かわいさを紹介
唯我独尊という言葉を体現するパワー。
チェンソーマンにおいてヒロイン的な立ち位置にありながら、その言動の数々に驚く人も多いでしょう。
しかし、物語が進むにつれてパワーの可愛らしさを知ることができるはずです。
ここでは、パワーにどのような魅力があるのか、本編の内容からピックアップして紹介していきます。
傍若無人、だけどアホかわいい
チェンソーマンには様々なキャラクターが登場します。
作品の世界観のせいもあり、大多数が性格に難のあるキャラクターばかりです。
しかし、パワーはそんなキャラクターの中でも一二を争う程、性格に難のあるキャラクターとして描かれています。
ですが、一般常識が欠落している点から、時にはアホかわいいキャラクターとしてファンを楽しませてくれる存在でもあります。
初登場時には「ひれ伏せ人間!!」と笑いながら登場するあたり、彼女のアホさ加減が露呈しています。
また、チェンソーマン14話では敬語で話すことを約束していた早川アキに反抗するも、ガムを差し出されると即座に「先輩…」と態度を一変。餌付けされている犬のように、ご褒美のガムを貰うと「わー」と喜ぶ単純さ。ちなみにこの時はデンジも一緒になって得付けられていました。
16話では悪魔の力でホテル内に閉じ込められてしまいますが、他のデビルハンター達が脱出方法を探している最中に暇だからと「ワシはノーベル賞を考えておった!」と謎発言。
自由気ままな態度が目立つパワーですが、コロコロ変わる猫のような態度は見ていて飽きることはないでしょう。
パワーとニャーコの関係
登場当初からパワーの言動にばかり注目されがちですが、意外な一面に驚いたファンも多いのではないでしょうか。
その出来事というのが、パワーと猫のニャーコです。
元が魔物であるパワーは、魔人の姿であっても避けられる存在でした。
しかし、唯一悲鳴ではない鳴き声を上げた動物が猫のニャーコでした。
自分を恐れない。パワーにとってそれは初めて味わう不思議な感覚でもあり、パワーは鳴き声から「ニャーコ」と名前を付けます。
当初はガリガリだったニャーコを太らせて後から食べる予定でしたが、世話を続けているうちに情が湧いてしまい、かけがえのないパートーナーとなります。
その結果、ニャーコはパワーにとっての弱点となってしまいます。
コウモリの悪魔に目をつけられ、ニャーコを人質に取られてしまうパワー。交換条件として人間の血を持ってくることを余儀なくされたパワーはデンジを騙し、コウモリの悪魔に差し出します。
しかし、デンジの血が不味すぎるという理由でニャーコは返してもらえませんでした。
その後、デンジや他のデビルハンターの助けもありニャーコを無事に救出したパワー。捕食対象であったニャーコは、自分にとって大切な存在であるとこの時初めて気付いたのです。
そして早川アキの家で暮らす際にはニャーコも一緒にやってきます。しかし、暮らしているうちにデンジにも懐くようになり、ニャーコに「裏切り者」と拗ねたような態度が可愛くもありました。
パワーからデンジへのお風呂おねだり
闇の悪魔との戦いで、パワーは異常な恐怖心に幼児退行してしまいます。
普段の暴れっぷりは鳴りを潜め、デンジに甘えるような仕草さえ見せるほどです。
そして極め付きに「恐いから一緒にお風呂はいってえ…」と、デンジに混浴をお願いします。いつもの言動から考えればパワーのイタズラの1つと思うかもしれませんが、今回ばかりは違いました。
体を洗うのも任せ、浴槽ですらデンジに引っ付き離れない始末。最終的には着替えもデンジが手伝っており、普段とのギャップに驚いたファンも多いでしょう。
この思わぬ姿にファンの間では「パワーちゃん」呼びが浸透。その人気からTwitterやPixivといったSNSなどでパワーのイラストを見る機会が増えたように思えます。
【第1部ネタバレ】パワー死亡から復活
第1部の終盤においてのパワーがどのような結末を迎えたのかを記載します。
最終話のネタバレにも繋がるので、まだ最後まで読んだことがない方は注意してください。
早川アキの死後、パワーとデンジはアキが遺した遺産を使い、無気力な日々を過ごしていました。特にアキを殺してしまったデンジは罪悪感で心身ともに押し潰れる寸前まで追い込まれてしまいます。
そんなデンジをマキマは家に招待し介抱します。デンジは少しずつ平常心を取り戻し、最終的には考えることを放棄してマキマの犬になりたいと伝えます。
マキマもそれを了承し、犬となったデンジ。なんとも奇妙な空間の中に鳴り響くインターホン。マキマ曰くパワーも呼んでいたようで、デンジに扉を開けるように命令します。
扉を開けるとデンジの誕生日祝いのケーキを持ったパワーの姿が。しかし、直後にマキマはパワーを撃ち殺し、即死させます。
驚愕するデンジをよそにマキマは何食わぬ顔。マキマがパワーを殺した理由は、デンジに罪悪感を抱かせるためであり、アキを殺させたのもその計画の1つでありました。
デンジはこれによって心が壊れ、支配の悪魔・マキマの犬として服従してしまいます。
その後、チェンソーマンになってマキマと戦うことになったデンジでしたが、マキマの策略によって徐々に弱体化。最終的にトドメを刺されてしまいます。
一方、殺されて死亡してしまったパワーですが、実はデンジの体内で生きていました。それは以前デンジが飲んだパワーの血に、彼女の自我が残っていたからです。
デンジの体内でポチタと出会ったパワーは、ポチタから自分を食べさせる代わりにデンジを助けて欲しいと頼まれます。パワーはその頼みに嫌な顔を1つ見せず「ワシはバディじゃからな!」と、悪魔として復活を果たします。
これまでの魔人の姿ではなく、異形な姿で復活を果たしたパワー。血の操作で敵を圧倒し、一度はマキマの力に恐れてデンジを差し出そうとするパワーでしたが、今までのデンジとの生活が走馬灯のように流れ、マキマに逆らえば殺されてしまうと知っていながらもデンジを守り抜きます。
満身創痍になりながらもデンジをマキマの手から守りきったパワーは、デンジに悪魔は地獄で蘇ることを教えます。
しかし、その時のパワーはパワーではないことも同時に伝えると、「どうにか仲良くなって、血の悪魔をパワーに戻してくれ」とデンジにお願いするパワー。
そしてデンジを生かすために自分の血を分け与え、また見つけて欲しいと契約を交わし、パワーはデンジの目の前から消滅してしまいました。
その後、マキマと再戦することになったパワーは、マキマにトドメの一撃を与えます。本来であれば勝てない相手でした。しかし、それを可能としたのがパワーの血です。パワーの血で生成したチェンソーでマキマを両断し、その血がマキマの体内に流れることで動きを制限させることに成功します。
最後までデンジのバディとして支え続けていたことがわかるシーンでした。その後戦いは収束し、デンジがバラバラにしたマキマの身体を料理の材料として食し、以降復活することはありませんでした。
最終話ではパワーについて描かれていませんが、自分を探して欲しいというパワーの願いは、デンジに対する契約でもありました。第2部で進展があるかは不明ですが、今後の展開でパワーが再登場することは大いに有り得るでしょう。
まとめ
癖の強いキャラクターではありますが、本編を読み進めるうちに魅力的なキャラクターとなったパワー。
第1部で迎えた結末が、第2部ではどのように展開されていくのか気になるところです。
そして漫画だけでなくアニメではどのような活躍をするのか、今から非常に楽しみです。
今後のチェンソーマンとパワーの活躍にぜひ期待しましょう。
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