【推しの子】OP・ED主題歌、挿入歌を全曲徹底解説

【推しの子】OP・ED主題歌、挿入歌を全曲徹底解説

2020年4月から「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて連載中の人気漫画『【推しの子】』。『かぐや様は告らせたい』の赤坂アカと、『クズの本懐』の横槍メンゴがタッグを組んだ作品で、2023年4月から同年6月までTVアニメ(第1期全11話)が放送され、2024年7月から待望の第2期が放送を開始しました。

「次にくるマンガ大賞2021」のコミックス部門1位に輝くなどアニメ化前から話題の作品。TVアニメ第1期は原作のプロローグ「幼年期」から第4章「ファーストステージ編」まで(原作第1巻~第4巻)を放送し、「幼少期」を描いた第1話は異例の90分拡大スペシャルとして注目されました。

第2期では、本編に出てくる作品『東京ブレイド』の舞台化を中心にした第5章「2.5次元舞台編」(原作5巻〜7巻)を描いています。新キャラクターも登場し、原作にはない演出もされたりと、アニメならではのエンターテインメント性を増しています。


地方都市で働く産婦人科医・ゴローと、彼の患者である少女さりなは、ともにアイドルグループB小町のセンター・星野アイの大ファン。ある日、ゴローの目の前に、その”推し”のアイが妊娠して現れたことから物語は始まります。


アイの出産目前に、彼女のストーカーによって殺害されてしまうゴロー、病によって死亡したさりな。2人は前世の記憶をもったまま、アイが出産した双子の子どもとして転生します。ゴローは息子・愛久愛海(アクアマリン/通称アクア)、さりなは娘・瑠美衣(ルビー)として生まれますが、お互いの真実は知らないまま。赤ん坊がテレビをつけたり、オタ芸を披露したりと、ギャグファンタジーな物語かと思いきや流れは一変。子育てをしながら天才アイドルとして人気絶頂を迎えた20歳のアイは、突如ストーカーによって殺害されてしまいます。
これを機に、アクアは母親を殺した犯人を探すために俳優として芸能界に入り、ルビーは母親に憧れてアイドルになると決断。

他にも、元天才子役の有馬かな、憑依型女優の黒川あかねなど、魅力あるキャラクターたちも登場し、芸能界を舞台に、高みを目指すアイドル・俳優たちのハングリー精神や人間ドラマも描いています。ミステリー要素の中に、社会問題でもある芸能界の裏側やSNS社会の闇にもリアル感をもって焦点を当てています。

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【推しの子】第1期オープニング

OPテーマ:YOASOBI「アイドル」

2023年4月12日から2023年6月28日まで放送された第1期のOPテーマ曲は、小説をテーマに楽曲を制作する音楽ユニットYOASOBIが歌っています。

ボーカロイドプロデューサーとして活動するコンポーザーのAyase、幾田りらの名でシンガーソングライターとして活躍するikura。アイドル視点で描いた本曲は、2023年の顔と言えるほど世界中で聴かれています。


TVアニメ放送を記念し公開された赤坂アカの描き下ろし小説「45510」をベースに、Ayaseが自身の思う芸能界の闇を全て書き出して歌詞を制作しています。
アイドルグループB小町のセンター・星野アイは、ファンを幸せにするために嘘をつくことを信条とし、プライベートは隠し続けてきました。そんな「嘘が愛」と語るアイが、死に際に双子の未来を思い、「嘘ではない愛」を実感するシーンになぞらえた歌詞になっています。


OP映像と同様、MV映像も全編『【推しの子】』のアニメーションで描かれています。いい意味で「あの歌い方はikuraではない」と言われるほど、彼女の中にあるすべてのかわいいを出しきって、アイドル100%で歌っています。

その反面、OP映像ではカットされた、嫉妬や妬みの心情をラップ調でまくし立ててダークサイドも強調。ポップなサウンドとラップという目まぐるしいメロディラインを、相変わらずの早口で歌い上げています。

MEMO

ビルボードジャパンの総合ソング・チャート「JAPAN Hot 100」にて史上最多・最長となる13週連続首位をマークし、米ビルボード・グローバル・チャート「Global Excl. U.S.」などでも首位を獲得。国内外で記録を次々と打ち立てています。

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【推しの子】第1期エンディング

EDテーマ:女王蜂「メフィスト」


2023年4月12日から2023年6月28日まで放送された第1期のEDテーマ曲は、鮮烈な印象を刻みこむバンド女王蜂が務めました。

2011年のメジャーデビュー以降、『東京喰種 トーキョーグール:re』や『どろろ』など話題作ともタイアップし、2022年に公開されたアニメーション映画『犬王』ではアヴちゃん(Vo)が犬王役で声優を務め、一層その名と音楽性を世の中に知らしめました。ライブチケットは完売が続出し、凄まじい勢いで動員規模も拡大しています。


EDテーマ曲は、願いを叶える悪魔「メフィストフェレス」がモデル。アイドルもファンの願いを叶える仕事だととらえ、メフィストにアイドル性を感じて書き下ろしています。

ストリングスが響くメロディで儚く始まり、高音と低音を自在に操り歌いきっています。予測不可能なリズムは中毒性があり、宇宙空間へ突き抜けるような鋭さがあり、ステージに妖艶に君臨している様が伝わる楽曲です。

MEMO

華々しい芸能界の明暗や、仕事に対するプロ意識の高さや命の賭け方を書いた歌詞に、原作者たちも「この物語の預言書のようだ」と驚きを隠さず絶賛しています。原作の横槍メンゴも女王蜂のファンで、女王蜂の歴代の曲の中でも本曲が1番好きと語っています。


MV映像は、アヴちゃんがアイデアを出し、バンドメンバーも出演し、アイドル「ぁう゛ち」と彼女を取り巻く様々な人間たちの業を描いています。楽曲中の音割れの演出がライブ会場の迫力を忠実に再現し、短編ドラマのように見ごたえのある映像です。「嘘が愛」というアイと違い、アヴちゃんにとって「演技は嘘をつくこと」ではなく、「憧れを憑依させ共鳴し表現を獲得すること」だと語り、美内すずえの人気漫画『ガラスの仮面』の天才女優北島マヤを彷彿とさせます。

MEMO

MV映像には、アヴちゃんの熱烈オファーによって実力派俳優の小野花梨がマネージャー進藤栞役として出演しています。「自分が無敵だと思い込みたい時は女王蜂のMVを見る」と語るほど自身もバンドの大ファン。女優歴17年の若くしてベテランの域にいる彼女の迫真の演技にも注目。

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