今回はシティポップというジャンルについて紹介して行きたいと思います。
「シティポップ?」とはてなマークが出た方もいらっしゃるかもしれませんが、シティポップは現在注目されているジャンルでもあり、最近みなさんが聞いている楽曲や気になるアーティストもその畑かもしれません。
簡単にイメージできるようにまとめてみましたので最後まで読んでいただけると幸いです。
目次
シティポップとは
まず初めにシティポップの概念ついて説明していきたいと思います。
シティポップはその名前の通り「都会的な雰囲気をもったポップな音楽」です。
こういうと抽象的ですが、なんとなくはイメージが出来るかと思います。
というのもシティポップというジャンルは複数の音楽ジャンルが混じり合わさってできたものであり、これがシティポップだという正確なものさしはありません。
しかしシティポップの特徴は複数あります。
まずフォークソングや歌謡曲と違い、歌よりもサウンドを重視しており、楽器の音が前面に出てくるという特徴を持っています。
これは“アシッドジャズ”や“フュージョン”等のインストゥルメンタルの音楽を取り入れている事が原因です。
また、シティポップは聞き心地が良いのが特徴で、あまりギターの音やベースの音も歪んでおらず“耳をつんざく様な音”はあまり入っていません。
元々シティポップはアダルト層を意識した音楽であり、楽に聴ける“イージーリスニング”を意識した音楽である事も背景にあります。
簡単にまとめると「サウンド重視で楽器の音が前面に出ており、歪みの少ないクリーンな音楽」です。
さすがに、シティポップと一括りにしても色々なアーティストがいるので全ての楽曲がそうとは限らないですが、上記をイメージしていただければシティポップの事もなんとなく把握できるかと思います。
シティポップの歴史
シティポップ流行したのは1970年後半~1980年代で、ビリージョエルやジャミロクワイ等がシティポップを代表するアーティストとして有名です。
シティポップは当時AOR(Adult Oriented Rock)と呼ばれ、アダルト(Adult)な層へ向けた・志向の(Oriented)ロック(Rock)と解釈する事が出来ます。
前章でも紹介した通り、都会・大人的で落ち着いた音楽性が特徴的です。
1970年代後半~80年代に流行したシティポップですが、70年代~2000年代頃まではロックが世界的に流行していたこともあり、あまり目立った音楽ジャンルではなく、一部の音楽マニアから愛されているジャンルでした。
シティポップの音楽性は様々なジャンルが混じり合っているのが特徴で、70年代後半~80年代にかけて流行ったソウル・ファンク・フュージョン等がその音楽性に反映されています。
当時ロックでもクロスオーバー(様々なジャンルを合わせ調和させる音楽ジャンル)が流行っており、ロックでも鍵盤を取り入れたりと、既存の音楽に新しいエッセンスを取り入れるというものが流行していました。
その中でもフュージョン等(フュージョンは融合を表しており、アシッドジャズやソウル・ロックを取り入れたジャンル)を取り入れたシティポップは革新的で色んな音楽を聴き耳の肥えてきたアダルト層から人気のジャンルであったといえます。
現代もシティポップが流行
現在シティポップが若者の間でも流行しており、その事について少し記述していきたいと思います。
NHKの紅白歌合戦にも出演した“サチモス”や、数多くのCM楽曲を手がけている“ナルバリッチ”等みなさんも一度は耳にした事はあるのではないでしょうか?
現在のシティポップは更に形を変えています。
昔はAORと呼ばれながらもサチモスや、ナルバリッチは若い層にも人気のアーティストです。
なぜアダルト層ではなく、若い層にも人気なのかというと、現在の音楽マーケットに原因があります。
現在はYouTubeやApple Music等で誰でも気軽に音楽が楽しめる時代です。
その為、現在の若者は非常に耳が肥えており、複雑で繊細な音楽を好むというのも背景にあります。
また、サチモスを例に挙げると“ヒップホップ”等のジャンルも取り入れており、より音楽的に洗練されています。
元々様々な音楽を取り入れて調和する事で、新しい音楽性を見出してきたのがシティポップというジャンルであり、本質は変わらず進化していますが、アダルト層に向けの音楽が若者にもウケているというのが
昔(70年代後半~80年代)との大きな違いです。
“サチモス”や“ナルバリッチ”もUKソウル・アシッドジャズ・ヒップホップ・サイケデリック等、様々なジャンルを取り入れているのが特徴で、最新のシティッポップと言っても過言ではありませんし、実際に“ネオ・シティポップ”と呼ばれています。
シティポップのイメージが掴みにくい方も是非“一聴”してみてはいかがでしょうか。
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