東京大学のバンドサークル出身者で結成され、YouTubeでの動画配信などを通じて支持を獲得してきたバンド・Penthouse。
シティポップやソウル、ファンク、ジャズ、ロック、クラシックなど様々なジャンルを網羅し、メンバーの実力も折り紙付き。
そんなバンドが奏でる楽曲は、音楽ファンの間でも高く評価されています。
カルチャでも過去にPenthouseを取り上げており、インタビューも敢行しています。
記事を読んでこのバンドに注目している方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、メンバーの音楽的なルーツやバックグラウンドについても改めて紐解きながら、Penthouseの楽曲をご紹介していきます。
「バンド名は見たことがあるけれど詳しくは知らない」「まだ曲をチェックできていない」という方も、この記事を読んだら、ぜひPenthouseの楽曲を実際に聴いて魅力に浸ってみてくださいね。
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目次
ツイン”リード“ボーカル・バンド Penthouseとは?
Penthouseは、浪岡真太郎(Vo, Gt)、大島真帆(Vo)、Cateen(以下、「かてぃん」と表記)こと角野隼斗(Pf)、矢野慎太郎(Gt)、大原拓真(Ba)、平井辰典(Dr)によるバンド。
バンドサークル「東大POMP」出身である彼らは、2019年にボーカルの浪岡を中心に集まり、Penthouseとしての活動を開始しました。
公式サイトでは「6人組ツイン“リード”ボーカル・バンド」と自称しているPenthouse。
浪岡と大島の二人によるボーカルは、まさしく「ツイン”リード”ボーカル」と呼ぶに相応しく、それぞれが個性的で力強く、かつ、どちらかだけが主張したり譲ったりすることもなく、共に楽曲を引っ張っていくような魅力を持っています。
オリジナル曲だけでなく、様々なジャンルのカバーもYouTubeで公開しています。
カバー曲はアコースティックやアカペラなどの編成によるものが多くなっていますが、浪岡と大島のハーモニーは、シンプルなアレンジでも物足りなさを感じさせません。
ここでも原曲を大事にしつつ彼らのカラーに染める技量の高さがうかがえるでしょう。
楽曲提供やほかのミュージシャンとのコラボもしており、ゴスペラーズのセルフカバーアルバムにも参加するなど、ベテランミュージシャンからもその実力を買われています。
2021年5月に配信リリースされた「…恋に落ちたら」はiTunes Store R&Bランキングで1位、Spotifyバイラルチャートでも6位を獲得。
2021年9月にはBillboard Live Tokyoでのライブを開催し、2公演とも一般発売直後にソールドアウトと、インディーズシーンで躍進。
2021年11月に1st EP『Living Room』でメジャーデビューしてからは、タイアップなどもあり、彼らの楽曲はこれまで以上に様々な場所で音楽ファンの耳に届くようになりました。
2022年7月にはTikTokでもライブ配信を行うなど、新たな表現の場を開拓し続けています。
#Penthouse として
初 #TikTokLIVE ご覧いただけましたか?最高に素晴らしい映像と音楽。
何よりも素晴らしいパフォーマンスでしたね🥹この6人でしか成し得ない最高のライブでした💪
ビクター公式TikTokではライブの裏側を公開中
👉https://t.co/o0A3kaxJV5@Penthouse_band @tiktok_japan— Penthouse (@Penthouse_band) July 8, 2022
Penthouseの音楽性とその背景
Penthouseの楽曲は様々なジャンルをそのバックグラウンドに持っていますが、メンバー本人たちは自身の音楽を「シティソウル」と称しています。
一般的にシティソウルというと、スティーヴィー・ワンダーやEarth, Wind&Fireなど、ソウルやAORの要素を持ったポップスが思い浮かびます。
ちなみに、Penthouse自身もEarth, Wind&Fireのカバーを披露しています。
Penthouseの楽曲にはそのようなジャンルとの親和性もありますが、一方でメンバーは、「シティポップのキャッチーさとソウルのパワフルさ」を兼ね備えた音楽という意識で「シティソウル」という呼称を使っているとのこと。
その言葉のとおり、Penthouseの楽曲はシティポップのように聴きながら自然とリズムに乗ったり口ずさんだりしたくなるような心地よさ、キャッチーさも持っていながら、同時にソウルのように心を揺さぶられる力強さ、熱量も兼ね備えています。
Penthouseの音楽にそのような多面的な魅力が感じられる背景には、メンバーの音楽的なルーツやバックグラウンドも影響しているといえそうです。
例えば、ボーカルの浪岡は元々ハードロックバンドの経験者。
ギターの矢野が弾くフレーズにもブルースやブラックミュージック的なフレーズが散りばめられています。
また、もう一人のボーカルである大島は、自身も好きだというDREAMS COME TRUEのボーカル・吉田のように、力強くも豊かな響きを持った歌声で聴き手を魅了しています。
ベースの大原も音楽的な好みは邦楽寄りだと話しており、Penthouseの楽曲の土台にもJ-POPやJ-ROCKに通じるポップネスが織り込まれています。
さらにドラムの平井が強く影響を受けているというファンクやヒップホップのビート感も加わって、それが彼らの楽曲をより個性的で魅力あるものにしているといえるでしょう。
また、他のバンドにはない風味を添えているのがかてぃん(角野隼斗)の弾くピアノです。
角野は2021年10月には第18回ショパン国際ピアノコンクールで三次予選(セミファイナル)に進出するなど、日本のクラシック界を盛り上げているピアニストの1人でもあります。
YouTubeでは「かてぃん」として、J-POP、ゲーム音楽、童謡、ジャズ、映画音楽など、ジャンルの垣根を超えてオリジナリティあふれる演奏を披露しています。
クラシックの基礎を持ちつつ、どんなジャンルでも弾きこなすセンスと技術は、Penthouseの楽曲においても重要な役割を果たしているといえるでしょう。
ブラックミュージックやブルース、ソウルをベースにしつつ、クラシックやジャズ的な音色も合流し、それらを聴き馴染みのあるシティポップやJ-POPのキャッチーさで束ねているのが「シティソウルバンド・Penthouse」の楽曲なのです。