Suspended 4th(サスペンデッド・フォース) メンバーの名前、年齢、意外な経歴とは…?

Suspended 4th(サスペンデッド・フォース) メンバーの名前、年齢、意外な経歴とは…?

卓越した演奏技術と阿吽の呼吸から生み出されるスリリングな演奏が評判を呼んでいるロックバンド、Suspended 4th(サスペンデッド・フォース)

路上でのライヴ活動を積極的に行うバンドとしても知られ、志を同じくする仲間を集めた野外音楽フェスティバル『Street Musician Summit』を成功させるなど、筋金入りの“ストリート感覚”を持った若者たちです。

路上ライヴという“野良試合”で腕を磨いた彼らの佇まいからは、自らの力量と皮膚感覚だけで幾度もの修羅場を潜り抜けてきた底知れぬ凄みのようなものが感じられます。

その場のノリから生み出される自由奔放なジャムセッションを得意とする彼らですが、メジャーのフィールドで活躍するアーティストを軽視するようなこともなく、「アンダーグラウンドでやるつもりはない」と商業的な成功の重要性についても言及するなど、非常にバランス感覚のすぐれたバンドだと言えるでしょう。

ブルーズ、ロックンロール、ファンク、ハードロック、ジャズなどをベースとした骨太な音楽性はチャートに溢れる洗練されたヒット曲とは一線を画したもので、4人の個性が激しくぶつかり合うアンサンブルは“殴り合い”を連想させられます。
4人が一斉にアクセルを全開にする時のテンションはまさに圧巻で、全員が「俺の音を聴け!」と絶叫しているかのようです。

全員が全力で目立とうとすることで、普通であればアンサンブルが崩壊してしまいそうなものですが、Suspended 4thの場合はバンドの魅力が最大限に引き出されるというのだから驚き。
まさに奇跡のようなバンドなのです。

達人を目指して剣の道を歩む剣士の如く、路上で真剣勝負を続ける若き侍集団Suspended 4thの魅力をご紹介します。

Suspended 4th(サスペンデッド・フォース)


バンドメンバー

  • 鷲山 和希(わしやま かずき) / ヴォーカル、ギター
  • 澤田 誠也(さわだ せいや) / ギター
  • 福田 裕務(ふくだ ひろむ) / ベース
  • ルワブ・デニス / ドラム

2014年に鷲山と澤田を中心として愛知県名古屋市で結成されたSuspended 4thは、ベースとドラムのメンバーチェンジを経験しており、2017年2月から現在のラインナップで活動しています。

路上ライヴをレコーディングしたライヴ盤など複数の自主制作盤をリリースした後、2019年7月に老舗インディーズレーベルPIZZA OF DEATHから初の全国流通盤『GIANTSTAMP』を発表しました。

PIZZA OF DEATHと契約するきっかけとなったのが、2018年に主催した音楽フェスティバル『Street Musician Summit』でした。
クラウドファンディングで募った資金を元手に開催されたSTREET MUSICIAN SUMMITは、路上を主戦場とするアーティスト達が多数出演するストリートミュージシャンの祭典です。
この日のライヴで撮影されたPIZZA OF DEATHのTシャツを着て演奏する澤田の写真がPIZZA OF DEATH社員の目に留まり、最終的に契約に至ることになりました。

フェスティバルを主催するほど路上ライヴにこだわりを持つ彼ら。
作り上げる楽曲もストリートという舞台で演奏されることを前提としており、CDに収録されているスタジオ音源は「あくまでもプロトタイプだ」と断言しています。
ライヴで楽曲を“成長”させていくことを楽しみにしていると語る彼らは、一瞬の閃きから生まれる即興性を楽しんでいる生粋のライヴミュージシャンだと言えるでしょう。

Suspended 4th(サスペンデッド・フォース)・メンバー

鷲山 和希(わしやま かずき) / ヴォーカル、ギター

  • 氏名:鷲山 和希(わしやま かずき)
  • 生年月日:1995年4月20日

ヴォーカルとギターを担当する鷲山 和希は、超絶ギタリストが在籍していることで知られるMr.BigやExtremeなどのハードロックを音楽ルーツとしていることもあり、リズムとリードの両面で確かなプレイを聴かせる実力者です。
声質は意外にもソフトで、オルタナティヴ・ロックによく合いそうな声質と歌唱はバンドのサウンドにモダンな響きをもたらしています。

幼少期より三味線を本格的に習っており、「霊長類最強女子」こと女子レスリングの吉田沙保里選手の祝勝会で演奏したほどの腕前の持ち主です。

ギター以外にも複数の楽器を演奏することができる鷲山は、かつて在籍していたメロディック・パンクバンドでドラムを担当していたほか、Suspended 4thと同様に路上を主戦場とする名古屋のインストバンドBuxusではベースを演奏しています。

MEMO

Buxusには鷲山が師と仰ぐギタリスト柘植が在籍しており、鷲山が路上ライヴを始めるきっかけとなるなどSuspended 4thを語る上で欠かせない人物です。

高額なヴィンテージギターを使用しており、初の全国流通盤『GIANTSTAMP』は鷲山がローンを組んだ時に感じた<巨大な契約印>というイメージから命名されています。

バンドのメインソングライターである鷲山ですが、書いた楽曲をメンバーに提示するのはレコーディングの直前です。
他のメンバーはほぼ初見の状態で録音に臨むことになりますが、「そういう対応力もミュージシャンとして生きていく上で必要だ」と語っています。
事前に何度も楽曲を聴いてフレーズを作り込むことが不可能であることが、ライヴで楽曲を成長させる“伸びしろ”に繋がっているのでしょう。

その一方では、メンバーに対して弾く弦まで指定するなど、音の響きに対してのこだわりも見せています。
ギターやベースは指板上に同じ音がいくつもあるため、合理的な運指をするのが普通ですが、「そう弾きたくなるけど、このポジションで弾いて欲しい」とリクエストをするそうです。

澤田 誠也(さわだ せいや) / ギター

  • 氏名:澤田 誠也(さわだ せいや)
  • 生年月日:1993年12月24日

超攻撃的なカッティングとブラッシングの嵐で拍と拍の間を切り刻む澤田 誠也のギターは、Suspended 4thのサウンドの中でも特に耳を惹きつける要素のひとつです。

敬愛するギタリストは伝説的ロックバンドTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTに在籍していた故・アベフトシ、好きなバンドとしてはBUMP OF CHICKENを挙げています。
ギタープレイ以外でも、澤田のひょろっとした風貌もアベを彷彿とさせます。

MEMO

某音楽雑誌のライヴレポートで「鬼がいた」とまで形容されたアベのギタープレイに憧れたギタリストは数知れず、代名詞ともいえるカッティングは「俺はギターの6弦から1弦までを1本の弦だと思っている」という美意識から生まれた唯一無二のものでした。

2013年10月頃にライヴハウスで演奏していた鷲山に澤田が声をかけたことで二人の親交が始まっており、ある意味ではSuspended 4thの生みの親だと言えるでしょう。

福田 裕務(ふくだ ひろむ) / ベース

  • 氏名:福田 裕務(ふくだ ひろむ)
  • 生年月日:1994年11月3日

毛先を緑に染めたヘアースタイルがスタイリッシュな福田 裕務は、激烈なスラップ奏法から生み出される強靭なベースサウンドを武器とする看板ベーシストです。

Red Hot Chili Peppersのフリーやマキシマム ザ ホルモンの上ちゃんなどスラップ奏法の名手として知られるベーシストはもちろん、IkuoやKei Nakamuraといった超絶技巧を誇る職人的ベーシストからの影響を公言しています。

SNSに投稿したスラップ奏法の動画をきっかけに澤田からバンドに誘われ、当初はサポートとして参加しましたが、現在は正式メンバーとして活動しています。

ルワブ・デニス / ドラム

  • 氏名:ルワブ・デニス
  • 生年月日:1999年2月10日

“名ジャズマン”のような貫禄すら感じさせるドラムのルワブ・デニスは、その落ち着きぶりとは裏腹に実はメンバー最年少。
ウガンダ人の父親と日本人の母親との間に生まれたハーフです。

音楽的なルーツとして、Led Zeppelin、Cream、Deep Purpleといった伝説的なクラシック・ロックバンドの名前を挙げています。
これらのバンドには、ジョン・ボーナム、ジンジャー・ベイカー、イアン・ペイスというロック界最高のドラマーが在籍しており、まさに“ドラマー必聴”といえるラインナップでしょう。

ロックから遡り、ブルーズやジャズを聴き漁ったルワブ・デニスの年齢に似合わない渋いプレイもSuspended 4thの聴きどころのひとつです。

名古屋を拠点に活動する“洋邦楽バンド”THE ODD MENではヴォーカルとギターを担当しており、フロントマンとしての素質も持ったミュージシャンでもあります。
また、鷲山がベーシストとして参加する名古屋のバンドBuxusでもスティックを握っています。

MEMO

Suspended 4thからの加入オファーに「路上ライヴ?面白そう!」と快諾したデニスでしたが、その時点では音源をまったく聴いていなかったとか…。

Suspended 4th(サスペンデッド・フォース)・バンド名の由来

Suspended 4thという耳慣れない言葉は、元々は音楽用語として使用されているもので、コード(和音)の名前です。
sus4という略称で表記されることが一般的となっています。

コードがメジャー(長調)なのかマイナー(短調)なのかを決定する3度の音が4度に置き換わっているsus4は、浮遊感のある独特な響きが印象的なコードで、ポップスなどでも多用されています。

音楽理論的な話になりますが、コード進行の最後にしっくりくる音を置くことを“解決”と呼びます。
バンド名の由来を訊かれた鷲山はこの解決を引き合いに出し、「Suspended 4thを使うと、どんな展開でも必ず解決する音に導かれる」と答えています。
つまり、「解決を導く音」や「解決の直前の状態」という意味を込めたバンド名というわけです。

具体例をひとつ挙げると、Csus4の後にCを持ってくると解決(自然に聴こえる)します。
もちろん例外はありますが、sus4の次に同じルート音(一番低い音)のメジャーコードで解決させるパターンが良く使われます。

しかし、答えた直後に鷲山本人が「この由来は今考えたんですけど」デタラメであることを明かしており、バンド名の由来についての真相は藪の中です。
即興で答えたにしてはすごく説得力のある由来なんですけどね…。

2013年にTwitter上で澤田が鷲山だと思われるアカウント(削除済)に対し、「suspended 4thってなんかカッコいいな。バンド名それでよくね?(適当)」とリプライしているツイートが残されており、言葉の響きだけで決めたというのが実際のところなのかもしれません…。

Suspended 4th(サスペンデッド・フォース)・オススメ曲

自主制作盤を除けば全国流通盤1枚しかリリースしていないSuspended 4thですが、そのたった1枚の作品には彼らの熱いライヴを想像させる楽曲がギュッと詰め込まれています。

これからまだまだ多くの名曲を発表するであろう彼らの、2020年5月現在のオススメ曲をご紹介しましょう。

ストラトキャスター・シーサイド

Suspended 4thの代表曲“ストラトキャスター・シーサイド”は、2017年の自主制作盤『ストラトキャスター・シーサイド』、2019年の全国流通盤『GIANTSTAMP』に収録されています。

伝説的な暴走ロックンロールバンドMotörheadの超名曲“Ace Of Spades”を彷彿とさせる極悪なベースサウンドで幕を開ける“ストラトキャスター・シーサイド”は、鋭利な剃刀のようなカッティング、自由自在に跳ね回りながらもボトムをしっかり支えるスラップベース、シュアでタイトなドラムビートなど聴きどころが満載のキラーチューン。

“リズム命”とばかりにひたすらに手を動かし続けるメンバーの姿は圧巻で、各々が自由に弾きまくっているにもかかわらずキメは寸分の狂いもなく決めてみせるあたりに「ダサい演奏はぜってーにしねー!」という美意識を感じさせられます。

97.9hz

2019年にリリースされた初の全国流通盤『GIANTSTAMP』収録曲。

冒頭に<この歌詞には意味などない>と高らかに宣言されているように、楽曲タイトル自体にも特に意味はなく、最初に鳴る音の周波数が97.9hzであることから、それをそのままタイトルとしています。

鷲山の<とりあえずまあ聴けよこのSLAP>に導かれるようにしてスタートするスラップ奏法がこの曲のキモで、ベースを軸としてタイトにまとまったバンドアンサンブルは“人力テクノ”と言いたくなるレベル。

爆音で再生して一心不乱に踊りたくなるSuspended 4th屈指のダンスチューンです。

GIANTSTAMP

初の全国流通盤『GIANTSTAMP』のタイトルトラックは、鷲山がヴィンテージギターのローンを組んだ時のことを歌ったヘヴィロックチューンです。

壮大なスケール感を持った重心の低い骨太ロックチューンで、King Gnu“飛行艇”あたりが好きな人にはドンピシャでハマるのではないでしょうか。

ヘヴィに揺らしたかと思えば、ジャジーなパートをサラッと挟んだりと引き出しの多さも見せつける展開にはニヤリとさせられます。

鷲山の堂々とした歌唱も実に見事で、ライヴでは大合唱が起こりそうなメロディを持った名曲です。

Suspended 4th(サスペンデッド・フォース)・まとめ

卓越した演奏力から生み出されるスリリングなサウンドを武器に、ストリートで腕を磨き続ける猛者集団Suspended 4thをご紹介しました。

年齢も若く、これからが非常に楽しみなバンドですが、今後の目標として「メンバーが個別に活動できるような状況にして、バンドを活動休止にしたい」と答えるなど、末永く続けることよりも、現在をフルスピードで駆け抜けることに価値を見出しているようです。

すでに終わりすら見据えて刹那を生きる彼らは、今のうちに絶対観ておかなければ後悔するバンドであることは間違いないでしょう。

耳が刺激的な音を求めているという方は、Suspended 4thの衝撃的なサウンドの渦に飛び込んでみてください。

至福の音楽体験が待ち受けているはずです。

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