the pillows 結成30周年を超えても愛され続ける理由とは? 歴史やおすすめ曲を紹介!

the pillows 結成30周年を超えても愛され続ける理由とは? 歴史やおすすめ曲を紹介!

2019年に結成30周年を迎えた「the pillows」は、実体験が基になっている歌詞やそれを乗せた洋楽風のお洒落なメロディー等、彼等ならではの魅力を武器に世界的な活躍を見せるベテランのロックバンドです。

彼等の生み出す音楽は大勢の聴き手にとって共感性の高いものであり、いつの時代も世代を超えて愛され続けてきました。

今回は、そんなthe pillowsのプロフィールや経歴、魅力、おすすめ楽曲紹介を通し、彼等が長きにわたり音楽界で活躍し続ける理由に迫りたいと思います。

the pillowsとは?

プロフィール

1989年に結成された後、世界中でコアなファンから絶大な支持を獲得し続けている「the pillows(ザ・ピロウズ)」。

注意

※略称「ピロウズ」としてカタカナ表記されることもあります。

山中さわおさん(ボーカル&ギター)真鍋吉明さん(ギター&コーラス)佐藤シンイチロウさん(ドラム&コーラス)の3人によって構成されるオルナティブ・ロックバンドで、結成20周年となった2009年には初の武道館公演を達成し、以降も様々なライブツアーを開催してはこれまでの動員記録を更新し続けています。

2019年には“結成30周年”という記念すべき節目の年を迎え、今後のさらなる活躍が期待されている最中です。

活動名義「the pillows」の由来

    「the pillows」という活動名義は、結成時にメンバーが真鍋さんの自宅に集合した際、偶然にもレコード棚に並べられていたチェリーレッド・レコードのオムニバス・アルバム『Pillows&Prayers』に由来しているそうです。

経歴

1989年に4人体制で始動

「the pillows」は、元リーダーかつベース担当の上田ケンジさんが当時北海道を拠点としていたバンド「ザ・コインロッカーベイビーズ」の活動を経た後、単身で上京した山中さんに声を掛けたことがきっかけで1989年9月16日に結成。

さらに、上田さんと共に活動していた佐藤シンイチロウさん、当時北海道で人気を集めていたバンド「ペルシャ」でギターを担当していた真鍋吉明さんが加入した4人体制で活動をスタートしました。

MEMO

真鍋さんは山中さんのギターの腕前を穴埋めするため、急遽2人目のギタリストとして迎えられたメンバーだったといいます。

シングル「雨にうたえば」でメジャーデビュー

結成後、インディーズ時代には2枚のミニアルバムをリリース。

1991年にはポニーキャニオンより1stシングル「雨にうたえば」をリリースし、加えて同年中にシングル2枚とアルバム2作も発売します。

デビュー前から全国的な知名度を博していたバンド「KENZI&THE TRIPS」に元々属していた上田さんと佐藤さんの存在もあり、ある程度の人気を獲得し始めたthe pillows。

しかし、各メンバーの方向性の違いリーダーの脱退、さらにレコード会社の移籍のタイミングも相まっておよそ1年間にわたる活動休止状態へと追い込まれていきました。

活動再開後にバンドの方向性の転換期へ突入

1994年になると、上田さんに代わってリーダーとなった山中さんを中心に本格的にバンド活動を再開します。

ベース担当には新たなサポートメンバーとして、鹿島達也さんの加入が決定。

当時、低迷期に合ったthe pillowsは自身等の意思に反した“ポップなサウンドと凝ったアレンジ”が特徴の流行的な曲ばかり輩出しながら今後の方向性を模索していましたが、ロックバンド「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」の“激しくシンプルなサウンド”に影響を受け、次第にバンドの方向性をシフトしていきます。

MEMO

同バンドとは後に同じ事務所に所属し、1995年秋に開催された早稲田大学の学園祭で共演を果たしました。

1997年1月には、the pillowsにとって通算6枚目のシングルで彼等の代表曲の1つである「ストレンジ カメレオン」を含める全10曲を収録した通算5作目のアルバム『Please Mr. Lostman』をリリース。

先述したように「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」のサウンドをきっかけにこれまでと方向性を変えたメンバーたちは、「ストレンジ カメレオン」から“シンプルで激しいロック”という現在のスタイルを確立させました。

大幅な路線変更に挑んだ同曲は音楽業界で「遺書」とも呼ばれましたが、結果的にバンドの状況は好転していきます。

海外でのライブ活動を展開

低迷期を脱した後、鹿島さんに代わるベーシスト・鈴木淳さんをバンド「THE CHEWINGGUM WEEKEND」から迎えたthe pillows。

2000年以降は海外ファンからの要望に応え、国外でも積極的にライブ活動を開催するようになり、2005年のアメリカツアーを皮切りに国境を越えてファンを獲得していきます。

MEMO

2008年にはイギリスのロックバンド「Oasis」の来日公演でオープニングアクトを務めてほしいと依頼を受けますが、「断った方がネタになる」との理由で却下。

海外の有名アーティストからのオファーにこのような姿勢を見せるところには、彼等が音楽界の大物へと駆け上がった様子が伺えます。

結成20周年を迎える

結成20周年を迎えた2009年には、『LATE BLOOMER SERIES』と銘打って実施されたライブツアー、YouTubeでの全世界対象のカバーコンテスト、さらに自身等にとって初となる日本武道館でのライブを開催。

翌月、the pillowsにとって通算16作目のアルバム『OOPARTS』を発売する等、音楽活動を充実させたアニバーサリーイヤーとなりました。

再び活動休止へ

2012年7月、“バンドのメンテナンス&リハビリ”を理由に再び一時的な活動休止を発表したthe pillows。

MEMO

ファンを勘違いさせないように山中さんからは、「あくまでも解散ではなく“休憩”のようなもの」と説明が加えられました。

休止期間中、彼はソロ名義で通算3枚目となるシングル「破壊的イノベーション」のリリース、初のソロライブの開催といった単独での活動に注力。

真鍋さんも初のソロアルバム『Rutile』を発売する等、それぞれが展開する道で新たな動きを見せます。

活動再開を発表

2013年6月、the pillowsは9月16日にニューシングル「ハッピー・バースデー」をリリースする発表と共に活動再開を発表します。

翌年には結成25周年を記念し、新宿ロフトにて元リーダーかつベース担当の上田さんを迎えたライブ他バンドとの対バンツアーを開催。

さらに、2ndトリビュートアルバムの発売等、『NEVER ENDING STORY』と銘打った企画が次々開かれます。

10月4日には、東京ドームシティホールにて25周年記念ライブ「DON’T FORGET TODAY」を実施し、同月中にthe pillowsにとって通算19作目のアルバム『ムーンダスト』をリリース。

MEMO

山中さんが同作を発売する際の会見で“バンドの「末期」への突入”を宣言して以降、the pillowsの音楽性は“オルナティブ・ロックを封印”したものへと変化を見せ始めます。

レーベル移籍後に多数のアルバムをリリース

先述したアルバム『ムーンダスト』を携えたライブツアーが終わった2015年3月、長きにわたってサポートベーシストを務めた鈴木さんが“長年の素行不良”が原因でバンドから離脱します。

2016年からは、1999年に山中さんがバッド・ミュージック・グループ音楽出版内に設立した「DELICIOUS LABEL」に移籍。

同年4月に元々付き合いのあった5人のベーシスト(元リーダーかつベーシストの上田さん、「GLAY」のJIROさん、HiGEの宮川トモユキさん、元サポートベーシストの鹿島さん、「VOLA&THE ORIENTAL MACHINE」の有江嘉典さん)を迎え、移籍後初・the pillowsにとって通算20作目のアルバム『STROLL AND ROLL』をリリースします。

2017年3月発売のthe pillowsにとって通算21作目のアルバム『NOOK IN THE BRAIN』は、彼等のオルナティブ・ロックが解禁されたもの。

さらに、2018年には同年公開のアニメ映画『フリクリ』の続編に2つの新曲を書き下ろし、東宝よりアルバム『FooL on CooL generation』をリリースしました。

MEMO

同作には、先述した2曲に加えて新たにレコーディングし直した12曲の旧曲が収録。

30周年を迎える

2018年9月からは翌年の結成30周年に向け、『Thank you, my highlight』と銘打った企画をスタート。

同企画の一環として、ニューアルバム『REBROADCAST』の発売ライブツアーの開催、2019年公開の映画『王様になれ』の制作等が行われました。

アニバーサリーイヤーに映画制作を行ったのは、the pillows史上初の試み。

MEMO

同作の原案・音楽を手掛けた山中さんによると、「ピロウズとはどんなバンドだったのかを後世に伝えるための手段として“映画制作”を選んだ」ことが後に明かされています。

出演者にはGLAYのTERUさんJIROさん、「ストレイテナー」のホリエアツシさんナカヤマシンペイさん日向秀和さん「SHISHAMO」といった豪華アーティストたちがズラリ。

自分を貫くために乗り越えなければいけない孤独や葛藤、その先に見える光を描く中で誰もが自分にとっての「王様になれ」と言うメッセージが込められた青春ストーリーは、企画の一環とは思えないほどの完成度だとファンの間で話題を博しました。

the pillowsのメンバー紹介

山中さわお(やまなかさわお)

愛称:さわお、さわおさん
担当:ボーカル&ギター
生年月日:1968年12月7日(51歳)
出身地:北海道札幌市
血液型:B型
学歴:北海高等学校

地元・北海道でのバンド活動を経た後、単身で上京した際に元リーダーかつベース担当の上田さんに誘われてthe pillowsを結成。

MEMO

当時は作詞・作曲とも2人で担当していたそうです。

しかし、元々経験豊富で知名度も高かった上田さんに劣等感を感じる中でのバンド活動は彼を苦しめ、最終的には道を違えることに。

現在はthe pillowsのリーダーを引き継いでバンドの曲の作詞・作曲を一人で手掛けているほか、優れたデザイン性を活かしてライブグッズの考案にも携わっています。

また、「SAWAO SING ALONE」名義で稀にソロの弾き語りを行うこともあるといいます。

ライブでは、センターとして圧倒的なパフォーマンスで観客を魅了。
さらに、MC中にぶっこんでくる芸人並みのギャグセンスも好評です。

あまり知られていないのですが、大ヒットアニメ『BECK』で声優に挑戦したことがあります。

真鍋吉明(まなべよしあき)

愛称:Peeちゃん、真鍋くん
担当:ギター&コーラス
生年月日:1962年10月2日(57歳)
出身地:北海道札幌市
血液型:A型
学歴:札幌大学

中学生時代、イングランド出身のロックバンド「ディープ・パープル」に出会ったことをきっかけにギターを始めた真鍋さん。

初めてエレキギターに挑戦した際は上手く弾けなかったことから一度挫折しそうになりましたが、17歳の時に本格的に練習に取り組むようになりました。

後に進学した札幌大学在学中に結成したペルシャというバンドでデビューする予定でしたが、所属事務所と活動方針にズレがあったことを理由に同バンドは解散。

その直後、新バンドのギタリストを募集していた上田さんによるオーディションを見事勝ち抜き、the pillowsの一員となりました。

テクニカルな演奏で山中さんの歌声を美しく彩る彼のギター音は、バンドの音楽性に欠かせない要素と評されます。
その腕前を活かし、「NINE MILES」名義でソロ活動も展開するメンバーです。

MEMO

実家は美容院を経営しており、真鍋さん自身も美容師の免許を取得済みだそう。


カラーリングが安く済むという恵まれた環境で育ったことを明かしていました。

佐藤シンイチロウ(さとうしんいちろう)

愛称:シンちゃん
担当:ドラム&コーラス
生年月日:1964年8月16日(55歳)
出身地:茨城県
学歴:駒澤大学

高校時代にバンド活動をスタートし、1984年にロックバンド「KENZI&THE TRIPS」にドラム担当として加入した佐藤さん。

MEMO

バンドを始めたばかりの頃は、ボーカル&ギターを務めていたそうです。

しかし、同バンドは1989年にボーカル・KENZIの麻薬事故を原因に解散。
直後にメンバーのベーシストであった上田さんに誘われ、the pillowsに加入するに至りました。

ライブツアー中は常にネタになる話を探しているそうで、それをMCでとぼけた口調で話してくれるのが面白いと話題です。

趣味は競馬。
以前、ライブの合間に馬券を買ってしまうほどハマっていると明かしていました。

the pillowsの魅力

かっこいいのにピュアな印象をも兼ねる歌詞

リーダーの山中さんが手掛ける歌詞は、 “かっこよくもピュアな印象”に仕上げられているのが特徴。

自身の体験を基にした共感性の強いフレーズを多用し、爆発的なヒット曲というよりも世代を超えて愛され続ける音楽を生み出し続けています。

the pillowsの30年以上にわたる活躍の背景には、このような彼のリアルな気持ちを反映した豊かな音楽性が深く関わっているのかもしれません。

洋楽風のアレンジとメロディー

the pillowsの曲の魅力は歌詞だけにとどまらず、何度聴いても飽きない洋楽チックなアレンジとメロディーもその一つとして挙げられます。

山中さんの思いが詰まった歌詞を支える安定感抜群のドラム、イントロから激しく盛り上げるギターリフがそれに欠かせない要素となっており、3人のメンバーのバランスの良さが伝わってきます。

有名アーティストや海外ファンからも人気のバンド

先述したように結成30周年に向けた企画の一環として制作された映画『王様になれ』では、豪華なアーティストたちが出演を快諾したほど、有名ミュージシャンからも絶大な支持を獲得するthe pillows。

また、アニメタイアップを果たした経歴を持つことからアメリカを筆頭に“アニメ好き”の外国人ファンからも定評があります。

幅広い世界に生きる人々を魅了するのは、大勢に共感を与える彼等の音楽ならではの魅力と言えそうです。

the pillowsのおすすめ楽曲4選

①「ストレンジカメレオン」

the pillowsの転換期にリリースされた、彼等のバンドを知る上で欠かせないと言われる代表曲。

完璧とは程遠い自分の弱さを感じる主人公に山中さんが、「そんな君にも優しい歌を届けたい」と優しくも強いメッセージを届ける歌詞に共感を誘われるファンが続出しました。

きっと彼自身、誰にも言えない孤独・疎外感というものを感じながら生きてきたのでしょう。

本曲を聴いた誰もが、タイトルにもなっている孤独な「ストレンジカメレオン」へと姿を変え、静かにどこまでも優しく寄り添ってくれる歌声と一体化していく印象を受けます。

②「Funny Bunny」

the pillowsにとって通算8作目のアルバム『HAPPY BIVOUAC』に収録されている曲。
シングルカットされていないにも関わらず、不動の人気を誇ります。

道化師のように周囲に本当の気持ちを隠しながらも、主人公の“僕”だけにはその素顔を見せてくれていた“キミ”。

自身の夢を叶えるため、突然姿を消してしまったキミを心から応援する一方でふとこみ上げる「会いたい」という本心を隠し切れない主人公が、最終的には心からのエールを届ける応援ソングです。

2004年に「ELLEGARDEN」、2011年にアニメ化もされた大人気漫画『SKET DANCE』に登場するバンドとして結成された「The Sketchbook」によってカバーされ、アニメファンからも大きな注目を集めるように。

また、2014年に「Base Ball Bear」、翌年に過去曲のカバーをコンセプトとするアイドルグループ「アイドルネッサンス」にもカバーされています。

MEMO

さらに、2019年には女性シンガーのUruさんによるカバー歌唱がアクエリアスのCMソングに起用され、自身等のファン以外からも広く知られるきっかけとなりました。

③「スケアクロウ」

一見切ないラブソングに見えますが、実は山中さん自身の“メンバーたちへの思い”を歌った曲です。

MEMO

タイトルの「スケアクロウ」は、1973年にアメリカで公開された映画『スケアクロウ』に由来するそうです。

これまで苦難や喜びを味わいながらバンドとして共に成長してきた他の2人のメンバーに向けて制作され、輝かしい面ばかりでなく誰かと一緒に歩んでいくことの大変さもしっかり歌っている歌詞には音楽活動以外でも共感する要素が満載。

聴き手にとっても、“大切な人に寄り添うことを再考させられる曲”と言えるでしょう。

④「LITTLE BUSTERS」

ファンのことを“バスターズ”と呼んでいるthe pillowsのメンバーたち。

タイトルに含まれる“BUSTERS(バスターズ)”はまさにファンのことを指しており、本曲自体はファンに向けた応援ソング風に仕上がっています。

英語歌詞が多いですが、明るいメロディーを聴いているだけでも前向きな気持ちになれると大好評。

MEMO

先述したアニメ映画『フリクリ』のために山中さんが描き下ろした曲の1つで、現在でもライブで披露されることの多い定番曲です。

最後に…

the pillowsが30年以上にもわたり音楽界で活躍し続けてきた背景には、リーダーの山中さんが手掛ける共感性の高い歌詞とメロディー、それを彩るドラムとギターリフとの相性が抜群である点が最も深く関わっているように思います。

大勢のファンとアーティストに支持される彼等の曲には現代の若者たちをも魅了する要素が詰まっていますが、コアなファンが多い印象のthe pillowsの存在を本記事で初めて知った方も多いのではないでしょうか。

そんな方は、是非自身にとって共感性の高い曲から彼等の世界観に浸ってみてください!

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