かっこよさと親しみやすさを兼ね備えた兄貴分的バンド・10-FEET(テン・フィート)。今や夏の風物詩となったロックフェス京都大作戦を主催する10-FEETの魅力をご紹介します。
「47都道府県の中から“おっとりとした上品な県”をひとつ挙げなさい」と問われたら、おそらく多くの人が「京都府」と回答するのではないでしょうか。
そんな伝統と歴史ある街、古都・京都のイメージからはほど遠いハチャメチャぶりでロックファンやバンドマン達から兄貴分のごとく慕われ、愛され続けている京都出身のバンドが今回ご紹介する10-FEET(テン・フィート)です。
彼らの最大の魅力は、観る者の感情を揺さぶる熱いライヴパフォーマンスでしょう。
お笑い芸人も顔負けの爆笑MCでファンの腹筋を崩壊させたかと思えば、同じ人間の口から発せられたとは思えないような心に響く言葉で涙腺を決壊させ、泣き暴れ必至の名曲の数々で観客の汗を最後の一滴まで搾り取っていく10-FEET。
「笑えて、泣けて、燃える」と三拍子そろった名バンドです。
正直なところ、10-FEETは有名なバンドではありますが、超ビッグスターというわけではありません。
しかし、だからこそ手の届かない存在ではなく、そっと寄り添ってくれる柔らかい毛布のようなバンドとしてファンとの信頼関係を築けてきたのかもしれません。
音楽的にはメロディック・パンクを軸足としながらもそこに拘泥することはなく、メタル、ヒップホップ、スカ、レゲエなどの多彩な音楽ジャンルの要素を臆することなく導入し、ミュージシャンとして成長し続けています。
近年では打ち込みを導入した楽曲も発表しており、「どんなジャンルでも良いものは良い!」という柔軟な姿勢を持ったバンドであることが伝わってきます。
ジャンルの垣根をぶち破って突き進むも頼れる3人組、10-FEETをご紹介していきます。
目次
10-FEET/ テン・フィート
- NAOKI(ナオキ) / ベース、ヴォーカル
- TAKUMA(タクマ) / ヴォーカル、ギター
- KOUICHI(コウイチ)/ ドラム、コーラス
10-FEET・メンバー
ごく初期にギタリストがひとり在籍していたことがインタビュー等で明らかになっていますが、その期間を除き10-FEETは上記3名のメンバーで20年以上活動しています。
TAKUMA(タクマ) / ヴォーカル、ギター
- 芸名:TAKUMA(タクマ)
- 本名:三田村 卓真(みたむら たくま)
- 生年月日:1975年8月14日
- 出身地:京都府京都市
ヴォーカルとギターを担当するTAKUMAは、野太い声と低く構えたギターが特徴的な10-FEETのフロントマンです。
小学校6年生の時に聴いたBon Joviでロックにハマり、スラッシュメタルバンドMetallicaとMegadethを聴いたことをきっかけとして、ヘヴィメタルやハードロックの世界にのめり込んでいきました。
メインギターはMetallicaのジェイムズ・ヘットフィールドの影響でギブソン社のエクスプローラーという変形ギターを使用しています。
極端なほどギターを低く構えているため、ネックを立て気味にして右手はネックの根本あたりをピッキングするという演奏スタイルです。
他のアーティストとの共演にも積極的で、多くの楽曲に参加しています。
ごく一部ですが、代表的なものをいくつかご紹介します。
- MAN WITH A MISSION / “Database”
- Dragon Ash / “SKY IS THE LIMIT”
- TOTALFAT / “DA NA NA”
NAOKI(ナオキ) / ベース、ヴォーカル
- 芸名:NAOKI(ナオキ)
- 本名:井上 直樹(いのうえ なおき)
- 生年月日:1977年8月24日
- 出身地:京都府京都市
ベーシストのNAOKIはTAKUMAと共にヴォーカルを担う場面も多く、そのハイトーンの声色は“10-FEET第二の声”として楽曲に欠かせないものとなっています。
最初に手にした楽器は高校1年生の時に買ったギターで、Mr.BigやGuns N’ Rosesなどのハードロックバンドを通過した後、Green DayやThe Offspringといったバンドの影響からパンクを演奏するようになりました。
食べ物にはこだわりがあり、自身のブログに「ナオキ独断グルメ」と題したグルメレポを投稿しています。
KOUICHI(コウイチ)/ ドラム、コーラス
- 芸名:KOUICHI(コウイチ)
- 本名:中岡 浩一(なかおか こういち)
- 生年月日:1975年9月12日
- 出身地:京都府京都市
バンドの屋台骨としてドラムキットからフロントのふたりを見守るKOUICHIは、ライヴ中にいきなりヴォーカルを任されたりと“10-FEETのいじられキャラ”としてファンに親しまれています。
ロックに目覚めたきっかけは、中学校2年生の時に兄に聴かされたBOOWY。
BOOWYのドラマー高橋まことの映像を観て「自分もドラムをやりたい!」と思い立ち、最初はドラムスティックではなく割り箸を使って練習していた、という光景を想像するだけでじわじわくるエピソードの持ち主です。
プロのミュージシャンになるつもりはなく、所有していた機材を売り払って保育士になるために準備をしていましたが、勧誘に来たTAKUMAとNAOKIからデモ音源を聴かされ、それがかっこよかったことから10-FEETに加入することを決めました。
2017年発表のアルバム『Fin』収録曲“十二支”ではメインヴォーカルを務めています。