布施明｜「君は薔薇より美しい」を解説！サウンドの特徴や歌詞の意味は？

布施明の楽曲として、1979年にリリースされ、その後も多くのアーティストにカバーされてきた名曲「君は薔薇より美しい」。

時代を越えて愛されるこの曲は、どのようにして生まれ、一体どんな魅力を孕んでいるのでしょうか。

この記事では「君は薔薇より美しい」について、日本を代表するシンガー布施明の活動と共にご紹介していきます！

布施明とは？

布施明は、1947年12月18日生まれ、東京都三鷹市出身の歌手・シンガーソングライターです。

「恋のバカンス」が代表曲の双子の女性歌手ザ・ピーナッツに憧れ歌手を目指し、高校在学中に日本テレビ系のオーディション番組に合格。

その後、ザ・ピーナッツが所属していた芸能事務所・渡辺プロダクションにスカウトされて芸能界入りしています。

1965年に「君に涙とほほえみを」でメジャーデビューし、以降も抜群の歌唱力は人々の心を掴みヒット曲を連発。
圧倒的な歌唱力と魅力的な楽曲はさらに人気を集め、第17回日本レコード大賞など数多くの賞を獲得し、NHK紅白歌合戦には通算25回の出場を果たしています。

「君は薔薇より美しい」

数多くの楽曲を大ヒットさせている布施明を代表する1曲が「君は薔薇より美しい」です。

1979年1月17日にキングレコードよりリリースされ、作詞は、布施明の楽曲「305の招待席」や「カルチェラタンの雪」なども作詞した作詞家の門谷憲二。
作曲は、ロックバンドゴダイゴのリーダーでゴダイゴの曲をほとんど作曲していたミッキー吉野が担当しています。

オリコンのヒットチャートでは、週間ランキング8位を記録し、1979年度の年間ランキングでは40位になっています。

発売当時カネボウ化粧品のCMソングにも起用されているほか、2002年にはキリンビバレッジのCM、以降もロッテのCMなど長年にわたり数多くの企業や商品のCMソングに起用されている楽曲です。

TBSテレビの「ザ・ベストテン」では、自身初のランクイン。
しかし、フジテレビ系列「夜のヒットスタジオ」は、カネボウ化粧品の競合である資生堂がスポンサーだった事情もあり、一度も披露できなかったというエピソードもあります。

最も売れている楽曲ではない?

「君は薔薇より美しい」は、布施明を代表する有名な楽曲ですが、彼のキャリアの中で最も売れている楽曲ではありません。

最も売れた楽曲は、「シクラメンのかほり」です。

1975年にシンガーソングライター・小椋佳より提供された楽曲で、週間オリコンチャートでは1位、1975年度の年間ランキングでは2位にランクインしています。

「シクラメンのかほり」よりも売り上げが少ない「君は薔薇より美しい」が人気になったのは、布施明の歌声や歌詞など様々な要因が重なったことも理由の1つです。

多くのアーティストがカバー

「君は薔薇より美しい」は、数多くのアーティストにカバーされています。
カバーしているアーティストは、ASKA、及川光博、鈴木雅之、星野源、山崎育三郎、上白石萌音など世代や性別を問わず実力派ばかりです。

さらに、作曲者であるゴダイゴのミッキー吉野も、自身の70歳の誕生日に向けて始動させたプロジェクト「ミッキー吉野”ラッキー70祭”【KoKi】」の楽曲としてセルフカバーし、EXILE、EXILE THE SECONDのSHOKICHIがゲストボーカルとして参加しています。

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「君は薔薇より美しい」の歌詞やサウンド

歌詞の意味

「君は薔薇より美しい」は、久しぶりに会った女性が美しく変わった様子と、自分の気持ちが歌われた楽曲です。

全編通して男性目線で描かれ、彼は女性との再会を「違う女と逢ったみたい」だと感じます。

2番では女性の変化だけでなく、主人公の感情にも変化が感じられるのも注目すべき点で、曲全体で「変化」が歌詞に込められています。

サウンドの特徴

「君は薔薇より美しい」は、飛び跳ねるような美しいサウンドが魅力的な楽曲です。
イントロからリズミカルな管楽器とドラムのサウンドはインパクトがあり、ジャズのようなリズムと伸びのあるメロディが聴く人を魅了します。

このサウンドを生み出した演奏陣には、作曲者も所属するゴダイゴのメンバーが名前を連ねています。
ゴダイゴの魅力でもあるリズミカルで特徴的なサウンドが「君は薔薇より美しい」でも活かされており、聴く人の耳に残る仕掛けとなっているのです。

布施明の声の特徴

布施明の歌声は、高音域の伸びが特徴です。
見た目や雰囲気がダンディな布施明は、歌声もダンディで渋さを兼ね備えた声をしています。

「君は薔薇より美しい」発売から40年以上経っていますが、パワフルでしなやかな伸びのある歌声は、2021年時点で73歳になっても健在です。

最近ではネット上などでマイクが遠いにも関わらず声量が凄まじいため、「声量オバケ」という異名もあります。
このように、年齢を重ねても音源と変わらない伸びのある声量が最大の魅力と言えます。

まとめ

数多くの大ヒット曲を生み出した歌手・布施明を代表するヒット曲「君は薔薇より美しい」をご紹介していきました。
発売から40年以上たった今も他のアーティストのカバーなど変わらず歌い続けられている楽曲です。

複雑な心情の変化が爽やかに描かれた歌詞。飛び跳ねるようなリズミカルなサウンド。
そんな楽曲に高音域でパワフルな伸びのある布施明の歌声が合わさることで、多くの人を魅了しているのです。

これからも変わらず、その素敵な歌声を私たちに届けてくれることを期待します！